大臣会見

前田大臣会見要旨

2012年3月6日(火) 10:38 ~ 10:57
国土交通省会見室
前田武志 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議におきまして、「国際海陸一貫運送コンテナの自動車運送の安全確保に関する法律案」及び「民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律案」が閣議決定されました。
それぞれの概要は、コンテナ内の貨物の情報をトラックの運転者が把握するための仕組みを設け、過積載の防止、自動車運送の安全確保を図るもの、二つめが、国管理空港等の運営を民間事業者が行う場合に必要な安全上の措置等を定めることにより、空港運営への民間能力の活用を推進するもの、であります。
この2つの法案が閣議決定されました。
また、私から2点ご報告申し上げます。
中部圏における広域的な地震防災訓練についてです。
3月13日に、開通前の新東名のサービスエリアなど中部圏の6会場において、広域的な地震防災訓練を実施いたします。
これも随分と前もって計画段取りを進めてきて、3月13日ということになりました。
大規模災害時には、関係の各機関同士の連携がなければ適切な応急対策活動ができません。
この訓練は、各機関が連携した情報共有訓練、それに加えて、中部地方整備局と建設業団体による道路啓開訓練、東日本大震災の時にも協定を結んでいたから、櫛の歯作戦が実現したわけです。
中部地方整備局と自衛隊による船舶への物資輸送訓練など各機関が発災時の役割分担を想定して、本番さながらの実働訓練を行うものです。
中部圏では、東日本大震災を受けて、98機関が参画する「東海・東南海・南海地震対策中部圏戦略会議」が組織されており、ブロックレベルの各機関それぞれが主体的に実践訓練を行うのは初めての試みです。
今回の訓練は、この98のうちの46機関が参加します。
詳細はお配りした資料をご覧下さい。中央防災会議において今までも危機管理の識者の方から、前もって訓練をしておかないことについては、いざというときにはできませんよという指摘を何度かいただいておりました。
そのようなこともあって、これを行うわけでして、このような訓練を行うということも、中央防災会議において私のほうから前もって言ってあります。
もう一つ、九州新幹線(長崎ルート)のフリーゲージトレインの山陽新幹線乗り入れについてであります。
前回の記者会見で、山陽新幹線への乗り入れは大丈夫かというお話しがありましたが、現在でも、速度が異なる新幹線が山陽新幹線内を走行しているわけでして、もちろん九州新幹線のほうは是非山陽新幹線に乗り入れたい、それが前提だということで今後解決ができると思っております。
今の段階でも、こだま、ひかり、のぞみと東海道新幹線にあるがごとく、いくつかの種類の列車ということになるでしょうし、270キロというのは今の段階でもクリアできているようですが、技術開発が進んでおりますから、その辺りのことも加味して、協議を重ねていただけると思っております。

質疑応答

(問)ダムの廃止に伴う生活再建の法案ですが、これは今日ここで発表が無かったのですが、今現状どうなっているのか、今後の見通しを教えてください。
(答)前回の政調役員会において御指摘があったことは、要するに、資金として、使い勝手の良い交付金というものを充てるわけですが、その交付金を使うことによって、その県において交付金を使おうとしている他の行いたい事業にしわ寄せがいくということになると、インセンティブが働かなくなるのではないかという懸念が示されたということです。
それに対して、きちんと対応するような、多分条文などに入れるのではないかと思いますが、基本的には、社会資本整備総合交付金等に見られますように、県ごとに枠があるわけではなしに、そういう必要なものについて、毎年度その県の状況を踏まえて交付するということですから、そういうことにはならない対応ができるわけであります。
それを踏まえて、明日の部門会議などで報告したら、間に合うようになると思います。
間に合わせます。

(問)復興交付金についてですが、被災地の自治体から非常に査定が厳しいという声が出ているわけですが、相談の段階では国土交通省もかなり関わっていると思います。
大臣の受け止めはどうでしょうか。
(答)昨日も予算委員会の分科会でそういったお話が出ましたけれども、そこで答えたとおりでして、国費で2,509億円が第1次配分ということで発表されました。
そのうちの2,220億円が国交省関連です。
中身を見てみますと、この23年度中に執行するものに重点を置いて配分しています。
24年度第1四半期に着手するものについては全部付けています。
24年度第1四半期に着手する工程、段取りになっていないものについては付けていないということで、分野によって差もありますし、地域によっても差があるということですが、御心配いただかなくても良いのは、予算的には十二分にあり、3次補正全体の中でもまだ随分余っています。
23年度の3次補正に復興交付金が1兆5,612億円計上されていますが、今回、そのうちの2,509億円を配分するのみですから、3次補正での残額はまだ1兆3,102億円あるわけで、これを24年度に繰り越すのです。
24年度当初にも2,868億円計上しておりますから、合わせると、この2,500億円を配分しても1兆6,000億円くらいが24年度分としてありますから、全く心配はありません。
もちろん中身についての協議は復興庁の現地と自治体との間の協議を、どんどん深めていっていただきたいと思います。

(問)先週の土曜日に、全国約450の市町村長が参加する「地方を守る会」が、出先機関の廃止に慎重な対応を求める決議を行いましたが、改めて大臣のお考えをお願いいたします。
(答)慎重な対応と言って下さっているということは国交省、特に整備局を大いに評価をしていただいているという意味ではありがたい事ではあります。
それは東北復興や東日本大震災において東北地方整備局が果たした役割、あるいは12号台風における近畿地方整備局が果たした役割を考えてのことだと思います。
私も直接現地に行きましたが、整備局の皆さん方がオールジャパンで結集して、非常に厳しい環境の中、専門家がただちに出動してくれました。
何度かここで申し上げていますが、実際の災害時には一義的には自治体があたるわけですが、自治体にとってみたら経験したことのない災害を受けているわけでありますし、ということは自治体の行政能力、統治能力、対応能力というものはシャットダウンしてしまっているケースが多いわけです。
そこにただちにリエゾンが行って、また、県庁にも行って、国、県、自治体の連絡を取りあう。
そして必要な分野の専門家をオールジャパンでただちに編成して、テックフォースを投入する。
そして、救出、救援、復旧ということについての対応策を、必要な段取りや工程を、ただちに行うわけですから、こんなに頼りになるところは無いと思います。
そういった意味での現場力、あるいは統合力、そして即応力というものは、強めることこそ重要であって弱体化させたらいけませんねということは川端大臣とも一致しているところであります。
そういったことを前提に地方整備局をはじめ、出先機関の統合、出先機関の広域自治体への移管に関するアクション・プランの実現に向けて、今後も積極的に関わってまいりたいと思います。

(問)新函館~札幌を含めた、整備新幹線の未着工3区間についてお伺いしたいのですが、大臣はこれまで年度内の認可・着工を目指すという趣旨の発言をされていました。
3月に入りましたので、あと今月だけということで、今のお考えと、現在、プロセスとしてどこまで進んでいるのかというお話をお願いいたします。
(答)先週だったと思いますが、北陸新幹線の件で、新潟県知事と合意を得たということをお話したかと思いますが、そうやって具体的には、関係者が精力的に協議をずっと続けていただいておりますし、一方でB/Cということも専門委員会の中で詰めてくださっていて、もうかなり良いところまで来ていると思っております。
年度中という希望は捨てずに、みなさんに頑張っていただいているところであります。

(問)民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律案において、着陸料については、自らの収入として収受することができるとあるのですが、確か空港には一種から何種かまで種類があったと思いますが、どの空港にも適用されるのかということが一つと、この着陸料というものは今のところ国で決めていると思いますが、着陸料そのものについても各空港で決めることができるのかどうかということについてお聞かせ下さい。
(答)詳しくは航空局に聞いていただきたいと思いますが、国管理の空港については原則的に対象となります。
(事務方)着陸料については、運営権者等が決定・収受することとなります。

(問)今日、関東地方整備局で、首都圏の港における津波対策の基本方針が示される予定だったのですが、昨日、急遽中止になりました。
その理由が中央防災会議であったり、政府の中でいろいろな数字が出ることよりも一つにまとめた方が良いのではないかという声を受けてということなのですが、先週、本省でも全国の港における津波対策が示されて、その際、担当の吉田副大臣が災害に待ったなしというか、時間的な余裕がないということで独自のシミュレーションを発表されました。
改めて首都直下地震などが想定されている中で、国交省が独自に中央防災会議に先行しても対策を急ぐというスタンスも必要だと思いますが、その辺の政務三役の考え方の一致ということについてはどうなっているのでしょうか。
(答)昨日も予算委員会の分科会でこの指摘がありました。
私が率直に言いましたのは、要するに、国交省と内閣府で事前の情報共有というか、連絡調整がきちんとできていなかったというところがあって、これについては率直にお認めしてお詫びをした訳なのです。
今御指摘のように目的が違う訳です。内閣府で行っているものには、当然、国交省も関与してますし、これからそれを受けてということになるのですが、南海トラフにおいてプレートが動いて、最大級の三連動等があった場合にどういうことになるかというようなことをシミュレーションを行っていただいているわけです。
一方、港湾計画ということは最大級のものに対してというよりも、外力として想定するのは、大きいのだけれども比較的頻繁に起きるというもので、100年前後くらいの確率といわれてますが、そういう外力を想定して港の施設のあるべき施設計画というものを作っていかなくてはならないということです。
19港湾ありますから、港湾管理者であり、県であり、市であり、そういったところの専門家との協議もある程度固めていかないといけないわけです。
精密な構造設計だとかはもう少し先になると思いますが、予め構想から始まって、どういうようなタイプの施設にするかだとか、いろいろなことで外力が必要になります。
そういうことで先行しているわけです。
しかし、あまり説明がなされていなかった上に、お互いの連絡が悪かったというところであります。
従って、国交省の方で港湾計画に使う外力というものは、最大がどうというものではありません。

                                

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