大臣会見

前田大臣会見要旨

2012年1月13日(金) 10:58 ~ 11:15
国土交通省会見室
前田武志 大臣

閣議・閣僚懇

今日の閣議ですが、辞表のとりまとめがありました。
私の方から1点御報告があります。
それはインド出張のことです。
一昨日の夜にニューデリーに着いて、昨日1日精力的にインドの関係閣僚4人と協議をして、成果を上げて、先ほど、早朝に帰ってきたところです。
相手方ですが、海運大臣、鉄道大臣、道路交通大臣。それから計画委員会副委員長で、この方は、政治家ではないのですが、元財務次官などをされて、閣議メンバーであるミニスターということなのですが、シン首相の一番の参謀総長というような感じでして、もともと財政エコノミストでIMFにも出向されていた方です。
いくつかあるのですが、道路関係についても今回、覚書の内容に合意しましたが、年末に野田総理が行かれたときに、インフラ関係についてはかなりの話合いが具体的にされているんです。
道路、港湾、鉄道、それも新幹線から、デリー-ムンバイ間のインダストリアルコリドー、そしてそこの貨物船であるとか、いろいろ港湾とかも含めて、そういった件でフォローしたわけです。
1点だけ申し上げますと、新幹線については非常に大きな期待を持っておられます。
特に、鉄道大臣は非常に熱心に取り組んでおられて、皆さん方も日本の国鉄改革のことなどを想像していただくといいのですが、インドは今まだ国鉄でやっているわけです。
その中で組織としての改革を徹底的にやっていかなければ、なかなか新幹線というのも取組がスピーディーにやれるかどうかということがあって、その両方から非常に大きな課題を抱えて、トリベディ鉄道大臣は意欲的に取り組んでおられました。
特に言っておられたことは、世界の成長の一つのエンジンがインドだという自負を持っておられて、そのエンジンたるべきインドの中における経済の牽引役は、まさしく、新幹線を含めて鉄道の整備だということでした。
閣議メンバーということで、あえてアルワリア計画委員会副委員長を先ほど御紹介したのは、最後にこの副委員長にお会いしたところ、ここが五カ年計画の取りまとめ役で、今、第12次五か年計画というのを作りつつあって、11次に比べると、約2倍のボリュームになるということでした。
エコノミストでシン首相の懐刀ということがだいたいわかっていたものですから、鉄道大臣、港湾大臣、道路大臣とお会いして、お国の発展ぶりの基礎になるインフラがずいぶんとボトルネックになっている、その辺の日印の協力関係について、計画的に、5年先、10年先までどういうような考えでいるのだと投げかけたところ、まさしく、副委員長の考えていることにピッタリと当たったと見えて、そこなんだと、次の五カ年計画では倍増させるつもりだけれども、財政的には倍にするのが目一杯で、資源的には、鉄道等については最小限3.5倍必要だと、そういうこともあるから、もちろん日本の協力を仰ぎたいし、何よりもPPPという形で、民間の、しかも世界のそういう民間の知恵と資金を導入してやっていきたいというようなことで、非常に話が進みました。そして、その前の鉄道大臣のときには、そういう背景があったものですから、積極的なお話に至りまして、ハイレベルの協議会を作ろうということで一致して、ロードマップを直ちに、今からスタートさせようというようなところまでいきました。
実は、今日鉄道関係のセミナーを行っているのですが、私は閣議に間に合うよう昨日の夜発ったものですから、出席はできておりませんが、現地には北村国交審、あるいは前田国際統括官等を含めて、JR東日本の社長、東海の技術系の専務、あるいはメーカーも行って、今日大々的な日印の共催のセミナーを行っております。
そこには鉄道大臣が出てプレゼンテーションも行ってくれています。
以上、私の方からの報告です。

質疑応答

(問)9月からの就任期間を振り返っての御所感をお願いいたします。
(答)今日で134日目らしいのですが、御承知のように思い返すと、9月2日の就任時は12号台風が接近してきた時でした。
したがって就任の時から危機管理ということが、一つの大きなテーマとなって、もちろん東日本の震災、復興ということもあって、フル回転をさせていただいたと思います。
例えば12号、15号台風等については、地方整備局がオールジャパンで選りすぐりの専門家を募って、東日本大震災の時にも活躍したTEC-FORCEという部隊を編成し、これが随分と活躍してくれました。
私も何とかヘリコプターが飛べるようになって紀伊半島の被災地に行きましたけれども、これは東日本でもそうだったというふうに聞いているのですが、やはり地元の自治体にとっては、自分たちの一生のうちに経験をしたことが無いような災害がドーンと来て、そして連絡はズタズタ、道路などもズタズタに切れて連絡すらとれない。
孤立集落も出ている。そういった中で行政の村長さんであったり市長さんであったり、大変な責任を背負っておられるわけですが、全体の掌握もできないし、どういった対応をして良いか分からない。
そういった時に、まずは国交省の専門家がリエゾンということで現地に入って、その情報を逐次、衛星を通じて、一般の携帯電話が通じない中で連絡をとって、そこにTEC-FORCEが直ちに出て行く。
そして12号の場合であれば、あそこに土砂ダムという、自然発生のダムがあちこちにできて、非常に危険な状況になってまいりました。
これが決壊するととんでもない惨事になるわけですが、そういったことについての状況掌握から対応の仕方など、プログラム的なことも経験は持っているわけですから、応援に来てくれた自衛隊や役場、あるいは県の土木事務所や消防などと一体となって、専門的な立場から対応の戦術と言いますか、そういったことをしっかりと定めて行っているということを現実に見まして、やはり国土交通省の現場力と即応力というものは大したものだと改めて確認をした次第です。
東日本の震災については、私も岩手、宮城、福島と何度か入りましたが、かなり集落が分断された中での復興でありますから、皆様方から見ると遅いというところがあるかもしれませんが、復興の過程に入ってくるとまちづくりですから、持続可能なふるさとづくりということになり、地元のある程度の合意というものが出てこないと長続きはしません。
そういう意味では、ここにおいても国交省のまちづくりの力というものが、UR等も含めて、随分と現地ではお役に立てる形で協力させていただいているのではないかと思います。
それから、これを受けて津波防災地域づくり法案が制定されたということも大きかったと思います。
早速、24年度の予算措置もしておりまして、皆様方も現地に行けばお分かりだと思いますが、東日本以外の東海、東南海、南海地震という3連動と言われるような地域を廻ると、非常に心配をされております。
こういう時にこの法律ができたわけですから、具体的な施策が動くことで、皆さん方がそういう意味での方向性を見出して、力強く感じて下さっているようです。
その他、八ッ場ダムの件もありました。これについても、ここで何度も皆様方に申し上げてきた通りです。
要するに、決められたスキーム、プロセスにのっとって結論は出たわけですが、それだけでこの通りというつもりは全くありません。
3.11の大震災も踏まえ、見通せる範囲で、水害に脆弱な利根川流域にある首都圏というものが、もしも万が一、タイのようなことになってしまうと、日本の将来にとって、国際都市同士の国と国との経済関係、あるいは特に金融のソフトの中心ということになると都市間同士の競争ということになってきているわけですから、この首都圏の安全性というものを些かでも損なうということになっては絶対いけないという気持ちがありました。
加えて、災害の過去に学ぶということで、事務次官のところに設置したタスクフォースでの議論の結果をお聞きしても、八ッ場ダムは建設するべきだという結論に達したわけであります。
それから、整備新幹線についても3線同時着工ということで、まだ具体的にゴーサインが出たわけではありませんが、方向性は出ております。
最終的に、地元との詰め等が三つ揃って、年度内に出すつもりでありますから、目の前まで来ていると思っていただいて結構かと思います。
海保についても、非常に厳しい環境の中で、東日本の方で、今も行方不明者の捜索を続けてくれています。
あわせて、北からの漂流の船の対応を行っておりますし、尖閣についてはこの間からも色々ございました。
そういう意味で、日本の領海は非常に広い、日本にとっては大きなフロンティアですが、この領海を守る海保の役割ということで、着任してから随分と、海保の力がもっともっと発揮できるような基盤づくりをしていかなければならないと感じているところです。
そして、特に強調したいのが、これらのすべてを含めて、大臣就任の時から、「持続可能で、活力ある地域づくり・国づくりを行いましょう」という方向性を示しました。
それにのっとって、省内の皆様も問題意識を持っておられたものですから、四つの柱、八つの方向を打ち出して、14人の若手幹部、課長級によるプロジェクトチームを発足して、このプロジェクトチームをディスカッションしながら、また、外部からも政策参与として3人の方を招聘しておりますが、色々な観点から議論をしながらプロジェクトを抽出して、その中でかなり進んできているものもございます。
この国会において法制化しようという方向が出ているものもございます。
内閣において、日本の再生戦略がまとまりつつありますが、その中のいくつかの柱の中に、我が国土交通省の四つの柱、八つの方向性の中からいくつか採用されているということで、なんとか方向性が出てきたなと思っております。

(問)午後に内閣改造がありますが、総理から国交大臣を続投するなど、何らかの要請、打診はあったのでしょうか。
(答)今のところはございません。
もう辞表は書いておりますから。いつ、どうなっても今、申し上げたように方向性は出しております。

(問)日本航空の社長が交代されるという報道について、現時点での大臣のコメントをお願いします。
(答)先ほど、新聞記事をぱっと見たのですが、今朝帰国したところで、具体的な中身については承知しておりません。
確かめたところ、現時点で、そのようなことが国交省の方にあがってきているということはございません。

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