大臣会見

前田大臣会見要旨

2011年9月30日(金) 10:35 ~ 10:55
国土交通省会見室
前田武志 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件ですが、特に御報告申し上げることはございません。
私の方から3点御報告申し上げます。一つは、平成24年度概算要求及び税制改正要望についてであります。
二つ目は、東京空港事務所管制官によるインターネット掲載事案の調査報告についてであります。
三つ目は八ッ場ダムの現地訪問についてであります。
 まず、平成24年度概算要求、税制改正要望についてであります。
昨日の政務三役会議で、平成24年度概算要求、税制改正要望を正式決定し、本日開催される民主党国土交通部門会議での了承を得た後、財務省に提出いたします。
始めに、平成24年度概算要求についてでございますが、概要だけ申し上げますと、一般会計予算の総額で、対前年度比1.02倍の5兆1,061億円、さらに別枠の復旧・復興対策に係る経費として、1兆1,098億円を要求いたします。
また、財政投融資は、対前年度比1.42倍の3兆2,769億円を要求いたします。
公共事業予算については、目一杯の前年度比1.05倍の4兆4,837億円の要求・要望を行っております。
 税制改正についてでございますが、我が国の経済・社会の再生に果たす国土交通行政の役割の大きさに鑑み、内需の柱である住宅投資の促進や都市の防災強化等を一つの柱にしております。
新築住宅の固定資産税の減免といったところです。それから2番目には、国際競争力の強化といった点も入れて、成長戦略・地域の経済活性化に関する税制です。
例えば、トン数税制の拡充といったようなものもあります。
それから3番目は、持続可能な地域づくり、国土づくりということで、低炭素・循環型社会の構築に資する税制です。
断熱住宅等に対する税の減免です。こういったことでございます。
 次に、2番目の御報告事項である、東京空港事務所管制官によるインターネットの情報漏洩問題です。管制官が不適切な画像をインターネットに掲載したという事案でございますが、私から徹底的な調査を行うように指示しておりましたが、本日、調査報告を取りまとめました。
中身的に、2、3申し上げますと、例えば、公用機に係る飛行計画情報の機密性をレベル2から3に引き上げる等の防止策を実施することにしております。
もちろん、管理、指導の徹底ということを図らせていただきます。
それから、当該管制官及び関係者について、厳正な処置を講ずるということにいたしております。
 3番目に、八ッ場ダムでございますが、10月のなるべく早い時期に現地を訪問したい、また、この間、1都5県の知事さん方にお願いさせていただいたわけなのですが、とにかく早く現場を見なさいというような御提案もございました。
もちろん、早く見たいということで調整を続けておりましたところ、10月8日に現地入りをするということになりました。
以上、私から御報告させていただきました。

質疑応答

(問)東北地方の震災の復興に向けて、東北地方の高速道路の無料開放に関しては、これを拡大するという方向だと思いますが、3次補正予算での検討状況についてお願いします。
(答)今の東北地方の高速道路の無料開放という点でございますが、もちろん、被災地の1日も早い復興、それを支援するために3次補正で必要な経費の要求を行っております。
しかし、今までの開放の経験を踏まえて、例のUターンですとか、いろいろな問題点も出てきておりますので、その辺をきっちりと調査・検証を行った上で、真に被災地域の支援になるという観点からの具体的な内容を検討しているところです。
ほぼ詰まってきているのですが、内容は、被災地に絞り込んだ無料開放、それから土日などは観光等を含めて、もう少し範囲を拡げて、そのようなことになるかなと思います。

(問)東京メトロ株に関してですが、復興財源をめぐる政府・与党合意において、これを売却して収入に充てるとされておりますが、これに対する大臣の御所感をお願いいたします。
(答)御承知のように、東京地下鉄株式会社法で民営化するということが決まっていて、なるべく早く民営化するということは、株式をきちんと上場・売却する、こういうことだと思います。
そこで、財源の一つとして、当然対象になってくるわけでございます。
これは、もちろん東京都と協議を進めているわけですが、私としては、最終的に良い値段で、株式が上場出来るように売却できればいいなと思っております。
それまでの間、まだまだ期間があるわけですから、「金の卵を産む鶏」と私は申し上げたと思いますが、その期間の内にも大いに、大きな金の卵を産んで欲しいと思います。
具体的に言うと、地方税、法人税、事業所得税、あるいは固定資産税も含めて、総額で平成22年度は321億円の税を払ってくれております。
それから年間の配当配当金が総額93億円、国だけでも50億円くらいあるのでしょうか、もちろん東京都側にもそのくらいある。
そういったものは大いに活用していきたいということであります。

(問)整備新幹線についてですが、今回も未着工区間の額とか、また見送りということになったのですが、その理由と、今後どのようなスケジュールで取り組んでいかれるのかについてお願いいたします。
(答)24年度の概算要求において、まだ見送りとまでは結論はつけていないはずでございます。
未着工区間に係るいろいろな課題の解決に向けて、今取り組んでいるところでございまして、それぞれかなり良いところまで調査は進んでいると承知をしております。

(問)どういった感じで取り組んでいかれるのでしょうか。
(答)五つの条件がありますが、こういったものを一つひとつつぶしておりまして、特に、当該区間を含めて、かなり条件はクリアしているように私は感触を受けております。
しかし、まだ詰めなければいけない所がいくつかあるということだと思います。

(問)12月には何か結論が出そうでしょうか。
(答)今、精力的に詰めております。

(問)個別の事案でお伺いします。在日米軍再編の一環で進めている岩国基地の民間空港再開事業についてですが、今回の概算要求でも事業が入っていましたが、日米両政府は2012年度の空港再開を目標にしています。今回の概算要求では金額などは明記されていませんでしたが、日米合意どおり、来年度中に再開させる方向に変わりはないかどうか、見解をお願いします。
それから、地元の山口県は、来年度の出来る限り早い時期の再開を求めているのですが、具体的な来年度の時期についてお考えがあればお願いします。
また、残りの額についても、基本的には来年度予算に盛り込みたいというのが国交省の意向であるということでしょうか。
(答)日米同意ということがありますから、政府全体として進めていくことになると思います。

(問)大臣としても、来年度中にきちんと片を付けたいということでしょうか。
(答)その方向で進めていきたいと思います。

(問)飛行計画の件ですが、セキュリティレベルを公用機については2から3に上げるということの理由と、そのことについての大臣のお考えをお聞かせ下さい。
(答)飛行計画というものは、基本的にはコンフィデンシャルにするべき情報だと思っております。
これが一般に漏れたりすると、航空の安全性の確保というものに非常に支障が生じることになりますので、そういう意味でレベル2から3に上げるということです。
レベル2でもかなりの重要情報ということになっていたわけですが、それを最大レベルの3に上げるということであります。

(問)全日空機が背面飛行に近い状態で1,900メートル急降下した件で、衆議院の国土交通委員会から国交省へ安全面に関する要請書が提出されました。
個別の事案を受けてこうした要請をするということは異例だと思いますが、大臣の受け止めをお願いします。
(答)これは運輸安全委員会において、直ちに調査を行っておりまして、その中で私も聞かせていただきましたが、やはりこういった非常に危険な状況になったわけでありますから、要請を踏まえ、省内においても安全のための対応を徹底するように、今日の午後にも省内で関係部局を集めて、このことについての問題意識を共有して対策を徹底させるつもりであります。

(問)10月8日に八ッ場ダムの現地訪問に行かれるということですが、この日に現地で地元のどなたかとお会いするようなことは現時点でお考えでしょうか。
また、どのようなお話をされるのでしょうか。
(答)こちらからお話というよりも、現地には非常に御迷惑をお掛けしてきているわけですから、率直にお話を聞かせていただこうと思っております。
今のところ、知事さん、町長さんにお会いできることになっていると聞いております。
その辺は群馬県側にお任せをしておりまして、なるべくなら多くの方にお会いしたいと思っております。

(問)町長というのは、長野原町長と東吾妻町長のお二人ということでしょうか。
(答)その辺は調整中です。
とにかく8日に訪問することは決まりました。

(問)高速道路の無料化の件ですが、先ほど大臣は被災地に絞り込んでの無料開放と土日の観光に配慮してとおっしゃっておりましたが、土日だけ車種を拡大するとかそういうことでしょうか。
(答)観光というよりも、少し範囲を広げて周遊できるようにということをイメージしております。
平泉が世界文化遺産になったわけですからね。

(問)予算の概算要求の公共事業関係費なのですけれども、要求額を確保しようとすると、日本再生重点化措置の政府全体の7,000億円の中から確保する必要があると思いますが、折衝に向けて、大臣としての姿勢と考え方をお聞かせ下さい。
(答)端的に言うと、いよいよ復興に向けて入っていくわけですから、まずはインフラの整備が必要です。
また、まちづくりということについては、単なる復旧ではなく、しばしば申し上げているような低炭素・循環型のまちづくりということを本当にここで行っていくということです。
具体的にいうと断熱住宅であったり、街全体の省エネ化であるスマートシティであったり、これは地元に非常に大きな、各種のいろいろな職種の雇用が関連して出てくるはずなのです。
そのようなことも含めて、結果としては、経済対策として非常に大きな効果が出てくると思いますから、ここは大いに頑張らせていただきたいと思います。

(問)先ほどの飛行計画の件なのですが、レベル2が3になるということは、存在そのものが明らかにできない情報という扱いになるのかと思います。
飛行計画を航空局に出してくること自体はどの飛行機であっても周知の事実だと思いますが、そこを変えるという意味についてどのようにお考えなのか、もう少し噛み砕いて教えて下さい。
(答)もちろん、対象となるのは公用機に限りますので、その範囲をどう見るかということにも繋がるのかと思いますが、公用機等についてはこのレベルに上げると、もちろん、外国から来る公用機についてもその対象になるということであります。

(問)非公表だということは変わらないけれども、そこにより強い機密性を求めるという意味を込めたという理解でよろしいでしょうか。
(答)そうです。要するに、テロなどが想定されるようなこの状況の中で、こういった情報自体が、今までの情報の意味よりも、かなりシビアな見方をしなければならないという時代になっていると思います。

(問)概算要求については、被災地の復興に重点を置いた要求になっていると思いますが、その他の地域のインフラ整備とのバランスについては、どのように配慮されたのでしょうか。
(答)例えば、12号台風、15号台風等もあったわけですが、これについても徹底的に対応をしております。
要するに災害に強い国づくり、これこそ私が言う持続可能な国土づくりに繋がるわけですから、そこは東北だけに偏っているということではございません。

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