大臣会見

前田大臣会見要旨

2011年9月9日(金) 10:25 ~ 10:40
国土交通省会見室
前田武志 大臣

閣議・閣僚懇

本日の9時15分から閣議がございました。
国土交通省関係の閣議案件はございません。
それから、今日、私はこの後、東日本大震災の現地に行ってまいります。
仙台において地方整備局、運輸局にて激励をさせていただいた後、ヘリコプターを用意していただいているので、三陸沿岸などなるべく廻れるところを廻って、石巻に戻ってきて石巻を視察させていただき、市長さんともお会いさせていただき、いろいろお話を伺ってこようと思っております。

質疑応答

(問)大臣も先日視察されたと思いますが、台風12号の被害について、国土交通省として今後どのような取組をお考えかお願いいたします。
(答)6日に現地を見てまいりました。
あの時点では、まだ連絡が付かないというような集落が随分ありました。
特に、奈良県の十津川村というところは、その時点では道路では入れませんでした。
それから、紀伊半島の奈良県の中でいうと、西の方に168号というのが五條から新宮に至る縦の生命線で、東の方には169号というのがありまして、これは川上村や大滝ダム等があるところを通って、トンネルで吉野川、紀ノ川流域から越えて、大台の麓を抜けて北山川という川筋になります。
それで瀞八丁を経て、新宮の少し上流で十津川と合流して熊野川になります。
この沿線に169号という、これまた熊野に至る生命線で、この二つの路線がずたずたにされておりました。
今朝、確かめたところ、169号は繋がりました。
そして168号の方も何とか緊急車両等は通れるように繋がったと聞いております。
そのように、まず生命線に当たるところを繋げるということが大事だと思います。
そして、自衛隊、消防等もどんどん入っていただいて、救出、救命などを2日前の段階からフル回転で行っていただいております。
それから、孤立した集落との連絡も、ほぼ取れるようになったと報告を受けております。
テレビ等で報道されておりますように、土砂崩れによって、崩落ダムといいますか、自然のダムが出来ております。これが、いつ決壊するかも分からないという危険に晒されているわけでございますが、ご承知のように、土砂災害防止法という法律があり、これを改正致しまして、国土交通省が直接調査をし、対策を立て、対応を行うことが出来るようになっておりますので、現地では、私が入ったときには既に入ってくれておりまして、ほぼ全容は掌握しており、今対策を講じているところでございます。
昨夜、多くの雨が降るのではないかということで、その場合には決壊の恐れがあるということで避難勧告を出したわけですが、どうやら今の段階では大丈夫と伺っております。
このような段階を越えて、これからはいよいよ復旧に向けて対応をしていかなければならないと考えております。

(問)6日に全日空機が急降下して乗務員の方が負傷するトラブルが発生しておりますが、これに関して国土交通省としての対応についてお願いいたします。
(答)那覇発、東京行きの便でこのようなトラブルがあったわけですが、これは重大なインシデントに該当するということで、運輸安全委員会に通報いたしました。
そして、事故調査官3名を派遣し、調査を実施しているところでございますので、これを踏まえて適切な措置を講じたいと思います。

(問)先ほどの台風12号の関連で、河川の閉塞、いわゆる土砂ダムについての今後の対応ですが、先ほど平野大臣から「遠隔操作の重機を投入することも」という発言があったのですが、具体的な対策があればお願いします。
(答)平野大臣が言われたのは、水位がどういうふうに変化しているかということを確実に把握しないと、あとどのくらいの雨でどの程度水位が上がるか、要するに、自然のダムがオーバーフローするようになってしまうと、そこから崩れ出して、一挙に崩壊するという危険性があるわけですから、まず調査ということでそういうことをやり始めております。
ダム湖もいくつかあるわけですが、形態として、どういう後背地と言いますか、流域と言いますか、沢みたいなものをふさいだり、あるいはかなり大きな支川をふさいだりというように形態が違うわけです。
危険度の大きい所については多少時間が掛かるわけですが、ダムに溜まった水を抜くような工法を今検討しているところであります。
私も現地を空からヘリコプターで飛んで、ほぼ今該当しているような土砂ダムというものは見てまいりました。
専門の方も一緒に機上して、説明をしてくれましたので、だいたいのことは頭に入っているのですが、要するに、いくつかの川があるわけですが、十津川であったり、あるいは和歌山県側は大きな川というよりも、川の本川を閉塞させてしまっているようなケースであると、これは土砂ダムが崩壊すると非常に危険な、とんでもない状況になり得るわけです。そういうような本川を塞いでいるという状況ではありません。
本川から沢がいくつもあって、そちらの方が塞がっているということであります。
それでも所によっては大きな閉塞ダムができております。水を抜くような方法というものは直ちにというふうにはなかなかいかない、非常に危険な所もありますし、ロボットなども活用するということも言っておりましたが、どういう工法が良いか、今までの知見はありますし、実績もありますので、一番適当な方法を選んで、直ちに対策を行っていきたいと思っております。

(問)東北地方の高速道路の無料化についてですが、今現在、第3次補正に向けていろいろと検討をされているところだと思うのですが、東北地方の観光振興のために、土日休日に限って一般の観光客も無料にするという実施手法はあり得るのか、大臣のお考えをお尋ねします。
(答)今、具体的なお話がありましたが、そういうことも含めて、被災地を中心に、東北が元気の出るような効果的な無料開放の案を3次補正の中で実現させたいと思っております。

(問)今の3次補正の話ですが、先ほど厚生労働省で小宮山大臣が今日財務省に予算要求した後に、震災復興にも係わる話なので、概要についてブリーフィングを行うようなことを表明されたらしいのですが、国交省は3次補正の内容についてブリーフィングを検討されているのか。
また、検討されていなければ、そういうお考えがあるのどうか教えて下さい。
(答)国交省においては範囲があまりにも広く、それぞれ性格が違うものが随分多いので、まとまってき次第、機会をみて検討させていただきます。

(問)今日ではないのでしょうか。
(答)今日は、私自身も東日本大震災の現地に参りますので間に合いません。
少し申し上げますと、東北の道路の問題にしても、住宅の問題にしても、一応仮置きをして、中の具体的な所については、今、検討中、あるいは協議中のようなものも随分あります。
エコポイントにしても復興住宅系にしても、復興住宅などは厚生労働省などとも協議を進めておりますので、今の時点で、具体的に、全てを御説明する段階には至っておりません。

(問)今おっしゃられた災害公営住宅の話なのですが、今度の3次補正でも大量に供給するための予算を要求するということですが、既に1次補正でも1万戸分を要求しているのにも関わらず、全く着工が出来ていないという状況なのですが、これは非常に異常な事態だと思うのですが、大臣はどのようにお考えで、どのような対策をとられるのでしょうか。
(答)少し調べていただけるとわかるのですが、あれだけ被災を受けた自治体が、基本計画まで作っているところもあれば、あるいは、さらに具体的に計画を定めて、復興住宅をここに、いくつ、というところまで進んでいるところもありますが、大半はまだ、地元との協議が整うところまでいっていないのがかなりあります。
その辺に事情があるかと思います。
いずれにしろ、あの地域の人口構成であるとか、集落の性格などを考えると、超高齢層の新しいまちづくりになっていくという性格は否めないと思います。
その時に、やはり復興住宅、集合住宅的なものでコミニティを維持しながら、しかも医療、福祉、介護等も受けられるというようなことにしないと、私の申し上げる持続する地域だとか、そういことにはなかなかならないと思いますから、復興住宅というものは非常に重要になってくると思います。
これも、ある意味では、戸数的なことを言うと、多少仮置的なところはあるかと思います。

(問)実際ダメージは非常に大きいので、計画作りが遅れているということはわかるのですが、先ほど大臣が少しおっしゃられたように、集合住宅的なコミニティのような、一つのモデルケースのようなものを、もう少し国土交通省はリーダーシップを示して、復興住宅作りに関わった方が良いと思いますが、いかがでしょうか。
(答)私も、実はそのように思っております。
今日の午後、夕刻になるかと思いますが、石巻に行きますが、石巻も復興構想は固まっているようです。
そして具体的に、おそらく五つ程度と聞いていますが、新しいまちづくりを行おうとしています。
しかし、そこは地元との調整過程で、まだ煮詰まるところまでいっていません。
その辺のお話も、押しつけになってはいけませんので、よく市長さんからお伺いしながら、しかし、こちらから、このような案で行われると、市長さんや地域が考えている、あるべき姿を実現することがかなり出来るのではないでしょうかという提案が出来るように、もっていきたいと思います。

(問)なでしこジャパンがオリンピック出場を決めましたが、もし一言ありましたら、よろしくお願いいたします。
(答)日本の女性はすばらしいですね。この記者会見でも女性の記者さんが何人かおられるようです。
割合から言うとあまり多くありませんが、なでしこジャパン並に、大いに各方面で活躍してもらえる、そういった力を与えてくれたのではないでしょうか。

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