大臣会見

大畠大臣会見要旨

2011年5月20日(金) 10:01 ~ 10:19
国土交通省会見室
大畠章宏 大臣

閣議・閣僚懇

今日の閣議後の記者会見を始めさせていただきます。
本日開催されました平成 23年東北地方太平洋沖地震緊急災害対策本部において、当面の取組方針というものが決定されました。
この中で国土交通省の関係では、インフラの復旧、応急仮設住宅の建設などの取組みが盛り込まれておりまして、今後ともこの取組みを進めて参りたいと考えております。
この中で、国土交通省の直接の所管ではありませんけれども、がれき処理について国土交通省の現地の職員の皆さんからもいろいろと御意見がございまして、早急にがれき処理の対策をするために、さらに一層、何らかの措置をすることが必要ではないかという声も挙がっております。
そういうことから、この当面の取組み方針の中では、避難施設や居住地等の近くにある災害廃棄物、いわゆるがれきについては、遅くとも今年8月末までに概ね撤去するという方針が示されたわけでありますが、私の方からも今のピッチでやっていたのでは8月末までに本当に撤去することができるのだろうかと、新たな展開を何らかの措置をすることが必要ではないかという発言等をさせていただきました。
防災担当大臣である松本大臣の方からは、そのことについては環境省としても力を入れていきたいと、関係省庁と連携を取って、がれき処理が進むように努力をしたいとの発言がありましたが、具体的に地域の自治体の方でも大変苦慮しているわけでありますから、この件について環境省、国土交通省も協力しながら、どの省庁が担当でもいいと思うのですが、実質的にがれき処理が進むような形になるように取り組んでいくことが大事だと思います。
そういうことで、国土交通省としても関係する建設業団体に対して、市町村から協力要請があった場合には、迅速に対応するよう改めて要請をいたします。
また、がれき撤去について、市町村が建設企業による建設機械や労働力の確保を広域的に図ろうとする際の相談窓口を国土交通省の東北地方整備局に設置して、市町村の支援体制を整えました。
さらに、廃棄物の広域処理について、国土交通省が指定したリサイクルポートなどの港湾で受入れ、リサイクルすることが可能な廃棄物の種類や海面処分場の候補地などに関する情報を地元自治体などに提供していくことにしたいと考えます。
また、今日、環境大臣が閣議後の記者会見でも、がれき処理の迅速化について、地元雇用に配慮しつつも県外の事業者や処理施設の活用を促す文書を本日自治体に対して発出予定ですということで、環境省としても、従来は市町村の地域内の業者の方に頼んでいたのだけれども、県全体に波及させて行う、それから県内では十分な手が足りないというときには県外の事業者にも処理関係を要請しようという趣旨の文書を自治体に対して発出するということで、これによって、がれき処理をする手が増えると思いますから、そういう形でがれき処理が進むように、国土交通省としても環境省、あるいは総務省とも連携を取って行っていきたいと考えているところであります。
もちろん、現在、国土交通省の一番の成すべきことは何かというと、たくさんあるのですけれども、その中でも仮設住宅の建設について国民の皆さんからも遅いという御しっ声をいただいていたわけであります。
5月31日までに3万戸をまず建設すると、こういう非常にハードルが高い目標を掲げたわけでありますが、県や市町村の関係者の皆さんの御協力をいただき、かつ住宅建設に携わる業者の皆さんの懸命な御協力をいただいて、今日時点で着工済みが3万2千564戸、完成戸数が1万3千783戸ということでございます。
あと10日間くらいで本当に3万戸建設ができるのかという御意見もあり、あと1万6千戸も積み増しできるのかということでございますが、担当者の方からは何としても3万戸完成できるように努力をしているところだということでありますから、その全力での行動をいただければ、5月31日には3万戸をおおよそ達成することができるのではないかと思っております。
これも、実は雨が降ったりすると作業が遅れるのです。建屋の中で物を作っているわけではありませんから、自然環境に大きな影響を受けますので、そういう意味では何とかあと10日間、自然の影響を受けないで3万戸建設がされればと考えております。
それから、8月のお盆までには希望者全員が入居できるようにという総理の予算委員会での意思表明がありましたけれども、これについても全力で、県、市町村、あるいは建設に携わる大工さん等の協力もいただいてやっているところであります。
先日報告しましたように、全体的な着工のトータル数を見直した結果、必要戸数は下がってまいりまして、現時点では何とか8月のお盆くらいまでをめどに希望者の方には入居していただけるような形で進むのではないかと思います。
ただこれも、正直なところ、土地の確保というのはなかなかできていないのです。
入居希望の方のこの辺に住みたいという御希望と、土地が確保できて、そこに建てた仮設住宅に入っていただきたいというところがまだ完全にマッチングしておりませんので、まだ明確に申し上げることがなかなか難しいのですが、おおむね現在のところ、8月前半に完成することができるのではないかと、それを目指して全力を挙げているという状況でございます。

質疑応答

(問)4月の訪日外国人の数ですが、6割以上減っているわけですけれども、なかなか回復の兆しがないと思うのですが、今後の対応等お願いします。
(答)観光庁関係がまとめた数値を見ますと、今年4月の訪日外国人の旅行者数が約30万人ということで、昨年の4月の比では62.5%の大幅減となったということを私も報告を受けました。
この背景には、もちろん原子力発電所の事故ということも大きく影響しているものと考えますが、そういうことから、現在、正確な情報を海外の方々にも知っていただく努力を観光庁を中心として全力で行っているところであります。
この一つとして、中国、韓国等の観光当局やメディアへの働きかけをしておりまして、徐々にではありますが、その効果が出てまいりました。
今回、日中韓の首脳会議が日本で行われますが、このときに福島県、宮城県等被災地に首脳陣も入っていただくというお話を聞いておりますし、メディアを通して各国にその情報が伝わればと思います。
また、国土交通省としても、今できるだけの努力をしておりまして、私も、今月の28日,29日に韓国において、日中韓の観光大臣会合が行われますので、その機会等を利用しながら、日本の現状について正確な情報を正しく発信するように努めてまいりたいと考えているところであります。
それから、4月以降、アジアを始めとする各国から旅行会社の幹部やスタッフによる下見ツアーが行われてるほか、一般旅行者も参加した訪日ツアーの再開の兆しも出てきております。
本日20日金曜日でありますが、震災後初めて東京に入る中国からの団体旅行が成田に到着する予定と聞きました。
どのくらいの人数なのかと期待して聞いたら、30人だということで、中国からの訪日団としては少ないのではないかという話をしましたが、まず第1弾として、中国から30人の観光客が来ていただけるということでありますから、2弾、3弾と重ねることによって、増えていくことを期待しているところでございます。

(問)昨日の国会審議でも出ていましたが、八ッ場ダムの検証スケジュールなのですが、震災の影響でかなりタイトになっていると思うのですが、秋までに結論を出すという方針はお変わりないということでよろしいですか。
(答)これは、前原元大臣、そして馬淵前大臣からの引き継ぎ事項でもありますし、前原さんが創設されました、「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」で中間とりまとめをしていただいて、その形に従って、現在、検討をしていただいておりますので、その検討の場等を活用しながら予定どおりに進めてまいりたいと考えております。

(問)原発の関係なのですが、昨日、山口県の二井知事が、中国電力が今計画している上関原発の予定地の埋め立て免許を失効させることも視野に今後結論を考えると表明されました。
この免許事務は法定受託事務で所管は国土交通省になっているのですが、国土交通省の受け止めをお願いします。
(答)確認させてください。

(問)知事としては免許を失効させることも視野に入れていると。
国土交通省が事実上所管しており、何でも自由にできるわけではないので、どこまで裁量権が知事の方にあるのかがポイントなのですが、何かお考えはありますか。
(答)所管であるかどうかも含めて、調べさせていただきたいと思います。

(問)旅館やホテルへの資金繰り対策について、どのようなことをお考えですか。在日外国人がすごく減っているのに対して、当座の運転資金をどのように確保するかや、経営が危なくなった旅館やホテルに対する支援策などです。
(答)旅館やホテルだけではなく日本国内の中小企業も同じでございますから、その実態をよく調査したいと思います。
私が基本的に考えているのは、旅館やホテルもさることながら、被災した地域における中小企業を再建するということが非常に大事だと思います。
造船所にしろ、あるいは様々な企業がありますが、自分の強い意志でもう一度再建したいという企業については、国がしっかりとバックアップ体制をつくっておくと、これが地域経済の大元ですから、同時に旅館やホテルについても厳しい実態にあるということは聞いているわけですが、その実態をよく把握して適切に何らかの対策を行うことは必要であると思います。

(問)具体的には何を行われるのですか。
(答)よく調べて来週の火曜日の記者会見ででもお話したいと思います。
実態として非常に厳しいということは聞いております。旅行客という形ではないのですが、一時的に避難をされている方に随分利用して頂いているというお話も聞いております。
採算はほとんど度外視で受けていただいており、なかなか厳しいと思いますから、私もよく把握をしたいと思います。

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