大臣会見

繰り上げ大畠大臣会見要旨

2011年5月2日(月) 17:27 ~ 17:51
国土交通省会見室
大畠章宏 大臣

閣議・閣僚懇

閣議後の記者会見を始めさせていただきます。
今日は国土交通省関係としては特に御報告するものはありません。
前回の記者会見のときに、九州新幹線の個別公共事業評価結果について御質問がありましたが、私、少し勘違いをしておりましたので、その点だけ修正をさせていただきます。
私が意識しておりましたのは、九州の博多から西に向かって新鳥栖までは標準軌道で最高速度が260km/h、それから西の方は最高速度が130km/hになるわけですが、これは狭い軌道に入るものですから、そういう形の車両を使うという報告を受けておりました。
つまり、山陽新幹線そのものは、平成16年度には300km/hで新大阪までということでありましたけれども、現在の技術開発においては270km/hと。
それから九州新幹線の鹿児島ルートについては260km/h、そして在来線を通るときには130km/h、それから新線区間のところは、従来の列車の軌道ですからここも130km/hというところでございまして、駅と駅の間の状況によって随分変わってきております。
先日の御質問は、平成23年4月1日公表値というのは、費用対効果で1.5となっておりまして、山陽新幹線区間の最高速度が300km/hで計算されているのではないかとのお話でございましたけれども、これを実際のスピード270km/hに置き換えて、且つ、新線区間の最高速度は130km/hとして計算し直しても、現在の費用対効果の数値は1.3と報告をさせていただきました。
130km/h区間ですとか、270km/h区間ですとか、少し私の理解が足りませんでしたので、改めてその部分については修正をさせていただきます。
なお、ここに関してはかなり細かな話にもなっておりますので、詳細については担当の方に聞いていただければと思います。
その部分だけ訂正をさせていただきたいと思います。

質疑応答

(問)1次補正が成立しましたが、2次補正の検討状況と、ここは力を入れていきたいというところがあればお願いします。
(答)予算委員会でもいろいろ御議論ございましたが、今回の1次補正というのは、仮設住宅の件ですとか、鉄道の復旧、道路の復旧、空港の復旧、港湾の復旧、とにかくまずやらなければならない部分を重点的に行うことになっているわけであります。
2次補正ということになりますが、当然ながら政府全体として復興会議が動いております。
同時に国土交通省としても三井副大臣を中心に関係の方々にお集まりいただいて、どのような形で復旧、復興していくかという検討をしております。
その検討を反映した形の2次補正というものが当然必要なわけでありまして、その下地を今、三井副大臣を中心に行っている検討会議の中で議論されております。出てきた構想、あるいは計画というものを反映した形の2次補正というものを作らなければと考えております。
その時期については予算委員会等でもいろいろ論議されておりますが、私ども国土交通省としては、この三井副大臣を中心とする会議の中で出されてきている構想というものを政府の方に反映をする、そして同時にそのための予算を組んでいくという手順で行っていきたいと考えているところであります。

(問)東北自動車道の無料化を総理は検討すると言われておりますが、昨日の連合審査で、大臣は利便増進については今回限りの措置というふうに認識していると言われましたけれども、仮に東北地方の無料化を実施する場合というのは、新たに国費を財政当局に求めるというお考えでよろしいのでしょうか。
(答)どういう財源で行うか、どういう形で行うかということは考え方を整理することはできないことはないと思ってます。
公明党や自由民主党の一部や民主党からもそのようなことを求められております。
どういう形で行うかということはまとめなければならないと思っておりますが、それをどう実行するかというときの財源問題がございます。
この財源問題については、2次補正に入れるのか、それとも利便増進事業の一環として行うのか、いくつかのことがあると思いますが、その辺も含めて検討しなければならないと現段階ではそう思っております。

(問)仮設住宅を72,000戸建設して、その後、被災者が永住できるような住まいをどうやって確保していくのか、そのステップについておおよそのものでもいいので大臣のお考えを教えてください。
(答)確かに仮設住宅というのは仮設ですから、今のところは2年という期限でありますが、阪神・淡路大震災のときにはなかなかその期限でうんぬんということはできなかったという話も聞いております。
したがって、それが伸びることはあると思いますが、災害公営住宅、これが恒久住宅なのですが、阪神・淡路大震災のときもそういうものを造っておりまして、補正予算では1万戸だったと思いますが、災害公営住宅等の供給ということで、1万戸の予算、1,116億円を補正予算の中に計上しております。
したがいまして、整理としては、まずは今、いわゆる避難所に居住されている方に、仮設住宅が完成した場合には、次々と入っていただくと。
他に、民間の賃貸住宅、賃貸アパートがありますから、そのアパートなども今紹介をさせていただいていますので、そういうアパートなども御利用いただく。
あるいは、公務員住宅もあります。それから、その他の利用できるような所もいろいろ御紹介をして、入っていただければと思います。
仮設住宅も今日時点で2万戸を超して建設が進んでおりますが、その間ずっと今の避難所にお過ごしいただくというわけにもいきませんので、できれば旅館ですとかホテルですとか、そういう所もお願いをしております。
私の記憶では、現在、福島県、あるいは宮城県等でも8千人を超える、全国合わせるとおよそ2万人くらいの枠で、希望を頂ければそこにお住まいいただけると、こういうことで要請をしているところであります。
いずれにしても、当面お住まいをいただく所は、できれば温泉地ですとかホテルですとか旅館を御利用いただきたいと思いますし、当然ながら仮設住宅ができるまで待っていられないという方には、民間の賃貸アパート、賃貸住宅等を借りていただきたいと考えております。
これはなかなかわかりづらいということで、私の構想としては、こういう形でお住まいを定めていただけませんかということや、そういう手順を書いたものを壁新聞みたいな形で表示して、それを避難所に貼りだして、そして御希望いただく記入の紙などもそこに設置して、名前や御家族とか、ここを希望するなどを書いていただいて、役場ではなく、避難所の自治体の係員の人に渡してくださいと、避難所で長く生活されるのは大変だということは私も重々わかっておりますから、できるだけ早く避難所で過ごす方を別な形で過ごしていただけるように努力したいと考えております。

(問)関連ですが、阪神・淡路大震災のときもそうですが、仮設住宅を2、3か月掛けて建てて、その後数年後に取り壊して、その後に公営住宅を供給していくという住宅政策の流れだと思いますが、こうした流れが本当に望ましいものなのか、大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
(答)公営住宅のような恒久的なものを造るには結構時間が掛かりますから、その間、避難所で生活されておられることをできるだけ避けるためにそういうことにしているのですが、恒久住宅が早くできればいいわけです。
阪神・淡路大震災のときも、同時並行的に造ってきたと思います。
しかし、何度も予算委員会で厳しく御指摘を頂きましたが、今回の場合には、土地がないのです。
土地が確保できた阪神・淡路大震災のときには、20日後に3万戸の発注が終わっていたというようなお話を頂きますが、今回の場合には津波というものがきておりまして、津波の被害地域を避けながら、どう土地を確保するかということなので、正直言って本当に困っています。
昨日、予算委員会でも申し上げましたが、仮設住宅は5戸から建設します。
皆さんの方でも書いてもらいたいと思うのですが、1戸当たり30坪、5戸ということは150坪、150坪の土地があったら貸してくださいと、これは賃料をお支払いしますから。
民間の土地でも農地でも、工業団地でまだ工場ができていない所でも結構ですから、是非提供していただきたいと思うのです。
私のところにある方を通して、ゴルフ場があるのだけど、そこで仮設住宅を建設してはどうかというお申し出も午前中にございましたが、どういう場所にあるかよく調べてみたいと思います。
いずれにしても、土地が足りないのです。
土地が確保されれば、即、確定して行いたいのですが、なかなか土地の確保に大変難儀しています。
5月末までに3万戸建設したいという強い思いを持って今日まで県や自治体や関係の建設作業に当たる方にもお願いをして行っているところですが、5月末までに3万戸ということは大変ハードルが高いものであります。
しかし、何とか避難所にお住まいの方々の思いに応えるために、何としても行っていこうということで、知事さんや自治体の皆さんにも大変御理解、御協力を頂いて、行っているところであります。
特に宮城県が足りないのです。岩手の方は何とかなるのではないかというのですが、岩手の方でも全部の土地が確保できているわけではありませんから、岩手、宮城、そして福島の地域の方で、うちの畑が空いているから使ってくれとか、あるいは私の横の方に空き地があって、150坪くらいあるからそこを使ってほしいというところは、県とか各市町村の役場の方に御連絡いただければ、係官が行って、場所を見せていただきますので、是非御連絡いただきたいと思います。
また、国土交通省でも構いません。
とにかく、土地がなければ仮設住宅は建てられません。
そういう意味で、今、海外からのコンテナ型の住宅も、事務方の方では300社くらいから御協力したいという申し出があるというのです。
しかし、300社くらいから御協力したいというものはどういうものなのか、特に海外からの住宅に期待するのは、2階建ての住宅ができるという構造のものを求めておりまして、できるだけ土地を使わないで個数を確保できるということで、一所懸命努力したいと思っております。

(問)復興について2つ御質問します。1つ目は、沿岸地域の鉄道の復旧についてですが、今回、津波で三陸鉄道など第3セクターが運営する鉄道が大きな被害を受けましたが、復旧に向けて、従来ある国の補助率について現時点で結構なのですけれども、嵩上げを検討したり見直したりするお考えがあるかという点をお聞かせ下さい。
(答)私共のところにも民間鉄道の方々から御相談といいますか、陳情が来ております。何としても鉄道を再開したいと思うと。
しかし、資金的に非常に厳しい状況にあると。したがって、国民の足を確保するために助成について検討してもらいたいと、こういうお話が来ております。
茨城県のひたちなか海浜鉄道ですとか、鹿島臨海鉄道の方からも来ておりますけれども、それも含めて、三陸の所は鉄道の軌道まで流され、そして駅舎まで流されているというのは皆さんの方が御存知だと思いますが、そういうことから、国としても何とか鉄道の再建のために工夫をしているところでありまして、何らかの形の対策を取りたいと私自身も思っております。

(問)2つめですが、これも鉄道に関することですが、今、津波に強いまちづくりということで、高速道路の盛り土を堤防の代わりにして市街地を津波から守ろうというような案がいろいろ出ていますけれども、一部の自治体、宮城県なのですが、高速道路だけではなくて、鉄道も全て盛り土にして堤防機能を持たせようではないかというような考えがあります。
これは良い案かもしれないのですが、復興に向けては逆に時間やコストが掛かってしまう気もしますが、大臣に率直な感想があればお聞かせ下さい。
(答)私も映像等を見ておりまして、高速道路が高いところにあって、そこが内陸部の第二の防波堤といいますか、水を防止する役割を果たしたということは存じ上げておりますし、それで随分、人命が助けられたというお話も伺いました。
道路を建設する時にそこまで水が来るということを、当時の方々が予測して作ったのかどうかということはまだ確認しておりませんが、結果的にそのような形になったことは事実です。
したがって、鉄道を作るときもそうしたらどうかということですが、沿岸を走っている鉄道等もございまして、そこのところに軌道を高めて、土盛りをしてやったらどうかというのもひとつのアイディアだと思いますが、まちづくりというものがいろいろと検討されていて、海岸よりも内陸部に街を移すというときには、当然、鉄道もそれに合わせて、街の方に移すことが必要になるかもしれませんので、その辺は併せて検討することが必要だと私は考えております。

(問)高速道路の東北道の無料化についてですが、先ほど大臣は2次補正で財源を検討する可能性もあるということでしたが、休日の1,000円などの廃止が6月にも予定されているわけですが、そのタイミングでは東北道の無料化というのは間に合わないという認識でよろしいのでしょうか。
(答)それを最終的にいつ決めるかですが、今、予算委員会、国土交通委員会でもいろいろな御意見を頂いております。
もちろん党の方でも御議論いただいているということを聞いておりますが、そういう状況を見て、私としては、今お話のあった第2次補正で行うのか、あるいは利便増進事業の一環として行うのか、その辺は財務大臣ともどういう形で行うのか、あるいは政府全体として、総理もあそこまで発言をされておられますので、官邸の方とも、あるいは、特に玄葉政調会長が政策的な取りまとめをしていただいておりますので、よく相談をして、どうするか決めていきたいと思います。

(問)時期としてはいつごろ行いたいという思いがありますか。
(答)行うのであれば、復興事業に大きく寄与することが必要ですから、できるだけ早く行った方がいいかなとは思うのですが、行うか行わないか、そしていつから行うのかということについても、よく関係部署の話も聞きながら決めていきたいと思います。

(問)アメリカがウサマ・ビン・ラーディン容疑者を殺害したと発表しました。空港等のセキュリティを今後上げるとか、そういうことを検討されていますでしょうか。
(答)私もCNNのニュースで聞いたところでありますが、それについて、どのような警戒態勢を敷くべきなのかということは、改めて検討したいと思います。

(問)仮設住宅の件ですが、先ほど150坪で5戸程度の仮設住宅を建設するということでしたが、以前、阪神大震災の時には、そういった少ない仮設住宅を建てると、特に高齢の方の孤独死の問題が出てきてしまったと思いますが、そういった対応策についても併せて考えられているのでしょうか。
(答)阪神・淡路大震災のときには、そういう大変悲しい事件があったことも事実であります。したがって、ただ単に仮設住宅を造ればよいというわけではなく、その仮設住宅にお住まいの方とのコミュニケーションといいますか、連絡もどういうふうに取るのかということも非常に大事だと思います。
いろいろ考えていくと、この仮設住宅を建てるに相応しい土地というものが限られてきてしまうのですが、現実に戸数5戸の仮設住宅を建設している自治体もございます。
このことについては、自治体の方もよく考えていただいて、そこにお住まいの方との情報交換ができるような形で、是非私の方としてはお願いをしたいと考えているところであります。

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