大臣会見

大畠大臣会見要旨

2011年4月5日(火) 10:06 ~ 10:31
国土交通省会見室
大畠章宏 大臣

閣議・閣僚懇

それでは今日の閣議後の記者会見を始めさせて頂きます。
冒頭、私の方から2つの課題について発言をさせていただきます。
今日の閣議では、我が国の対北朝鮮措置について、という課題がございまして、官房長官から、4月13日に期限をむかえる北朝鮮船籍入港禁止及び北朝鮮からの輸入禁止並びに北朝鮮に向けた輸出禁止のそれぞれの措置につき、期限を1年を延長したいということで、これが決定をされました。
この措置に基づきまして国土交通省関係としては特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法に基づく特定船舶の入港禁止措置について1年延長し、来年、平成24年の4月13日までとするということが閣議決定されたということでございます。
それからもう1つは、先週、私に対するご質問がございまして、八ッ場ダムの建設により吾妻川の水力発電量が減少するのかというようなご質問を頂きました。
これについて調べましたが、八ッ場ダムを建設することによって下流側で行っている水力発電の電力供給の全体が減るかどうかということについては、八ッ場ダムの運用との絡みでございまして、結論的にはまだ確定はしておりません。
群馬県企業局の発電も含む吾妻川の水力発電量が増加するのか減少するのかについては、現時点では確定していないということでございます。
したがいまして、建設するか中止するかによって発電量が増えるか減るかという因果関係については、まだ明確には確定されていないということでございました。

質疑応答

(問)仮設住宅についてお尋ねします。
先週大臣は5ヶ月で6万戸造りたいとというお話をされましたが、断熱材とか合板とか資材不足の問題が懸念されています。
今日は午後5時からの検討会議も開催されますが、この資材不足に対する対応というのか、供給をどのように行うつもりでしょうか。
(答)今のご質問ですが、確かに急遽この2ヶ月間で3万戸、これからプラスして3ヶ月位で3万戸の仮設住宅の建設を要請するということにいたしました。
今日も関連団体の皆さんが午後おいでになるので、改めて協力要請をしたいと思います。
そういうことで急遽、大量の仮設住宅の建設を計画いたしましたので、関連資材が不足するということが考えられます。
しかし、関係する方々が一所懸命努力をして頂いておりまして、これについては業界の方にお願いして、私どもとしても、なんとしても確保します。
それから不足するものについては輸入措置をとって、この6万戸建設には目途をつけたいと思っております。
したがって資材不足で仮設住宅の建設が遅れるということがないように、私はしたい。
これはあらゆる方面にも協力を求めて、アメリカ、ヨーロッパにもお願いをして資材不足がないようにしたい。
先週も申し上げましたが、その資材不足の原因の中に、もしも売惜しみとか、あるいは買占め等があれば、これは断固たる措置を取ります。
これは業界の方にも調査してほしいと申し上げております。
どのような形で行うかということですが、生活関連物資であるということ、価格が異常に上昇したとか、買占め、また売惜しみということに対して、買占め等防止法という法律があります。
この法律により、立入検査などを行って、それが認定された場合には、3年以下の懲役、または100万円以下の罰金でありますし、当然、買占めをした企業は公表をせざるを得ないと私は思うわけでありますが、このような買占め等の防止法を適用する。
それから、国民生活安定緊急措置法というものが昭和48年に作られ、この買占め等防止法も昭和48年に作られたものでありますけれども、これも一般物価水準の高騰、生活関連物資等について価格が著しく上昇、またはそのおそれがあるというところについては、実情に応じて適正な価格で販売すべきことを指示することを大臣ができますし、これに従わない場合の公表という措置も取ります。
先ほどの買占め等防止法の中には、製材とか合板も含まれうるものであり、私共としては、資材の不足により仮設住宅の遅延ということがないように全力を挙げたいと考えております。

(問)確認ですが、メーカーへの協力要請では事が足りないから輸入を増やすというお考えでしょうか。
(答)不足するのであればです。
メーカーの方は、資材を集めて、ひとつのパッケージを作って持ち込むわけです。
メーカーの方が資材が不足していて大変だということであれば、当然、輸入措置を取るということで私共も協力をしたいということです。

(問)どういう協力をするのでしょうか。
(答)アメリカに緊急の輸出をお願いするとか、私たちは国としてのパイプを持ってますから。
ヨーロッパも義援金まで集めてくれてますから。
ですから、当然、国としてのパイプを使って、必要な資材を日本に供給するということをお願いするということです。
中国や韓国も、ご存じの通り、ガソリンを供給し始めてくれているわけです。
国同士で話をすれば、資材の供給についても協力してもらえるような体制を作ることが出来ると私は思います。

(問)具体的には、どの資材で、いつごろからどの国からの輸入を増やしていきたいとお考えでしょうか。
(答)まだ分かりません。

(問)今回の被災地域に関して、復旧を急がないといけない状況にあると思いますが、あれだけの土地が瓦礫と化してしまっている状況で、復旧という観点も大事ですが、新しいまちづくりという視点も重要になってくると思います。
今までの自治体中心の取組では手が回らないという現状もあると思うので、国として現場に専門家を派遣するですとか、何か具体的な措置がこれから必要になってくると思いますが、大臣としてはその点はどのようにお考えでしょうか。
(答)これまで人命救助、生活に必要な物資の供給ルートを確保するということで、国土交通省としては全力を挙げて、鉄道、道路、空港の整備、港湾の整備とやってきましたが、次は、復旧・復興というステージも考えていかなくてはならないと思います。
その時は、基本的に各自治体が中心となって復旧・復興ということになるわけですが、これだけ大規模な災害に見舞われておりますので、どういう形で復旧・復興をした方が良いのかということについて、国としても、政府の方でその対策チームを作りました。
この中に国土交通省も加わっておりますけれども、国土交通省としても、復旧・復興をする基本的な理念、あるいは基本的な方針というものを提案する立場にあると思いますので、三井副大臣を中心に、関係の学者、あるいは業界の方々、土木学会なども含めて提言をいただいて、100年後、200年後まで貫くような、津波や地震に強いまちづくりができる下地を国の方からも提案をして、自治体がその中で、自らの力で立ち上げれることができるような応援をしたいと思います。
現実に、被災地の市町村の都市計画担当の方も少ないということを聞いておりますから、国土交通省としては、そういう自治体に対して、専門家といいますか、職員を派遣して、その再建のためのまちづくりの基盤を作るための援助は、当然ながら申し上げたいと思います。
そういうことで、国土交通省としては全力を挙げていきたいと考えております。

(問)具体的な目途としては、いつくらいから専門家を派遣しようとお考えですか。
(答)まだ具体的な目途というものは立てておりません。
少なくとも、今回の大震災を受けて、地震、津波に強いまちづくりを行うということにおいては、政府の方で、再建に向けての基本方針、あるいは基本的な計画のベースを早急に立てて、それをベースに行うことになっています。
私としては急いでやることも1つですが、この問題についてはじっくり考えて対処することが必要だと思いますし、当面のところはまず仮設住宅を建設する場所を確保すると、これは今、各県市町村が中心となっておりますが、なかなか場所の確保に難渋しているようですから国としても支援をすることも考えたい。
特に仮設住宅の場合には、農地の一時的な転用といいますか、仮設住宅に転用してもいいということになっておりますから、これは私の考えでありますが、国としても農地、国有林、国有地といったところについて、土地の確保に向けて協力することが必要ではないかと。
県と各市町村とも協力しながら、まず6万戸分の仮設住宅の建設地を確保できるように、それ以上の用地等もよく検討して整理をして、各市町村がここで建てたいというような形で選択できるように協力したいと、それが第1ステップではないかと思います。
今ご質問がありました、地震、津波に強いまちづくりをどう進めるかということについては、次のステップとして全面的に応援をしたいと考えております。

(問)海水への放射能の汚染のことが問題になっておりますけれども、目に見える漂流物という形で、家屋とか自動車とか巨大な漂流物が海に流れて日本の領域から離れて移動しているのですけれども、あれは基本的に国土交通省の方で対処するものなのでしょうか。
(答)あまりどうするかと考えておりませんでしたが、確かに今回三日間、大捜索をやっていただいたときに映像の中で多数の漂流物を私も拝見させていただきました。
これをどうするかということについては、少し内部で検討させていただきたいと思います。

(問)米国のボーイング737型機が飛行中に機体に亀裂が走って、米国航空当局は直ちに全米の飛行機にチェックをするように指示を出しましたが、日本で飛んでいる737型機も同様にチェックをするお考えでしょうか。
(答)飛行中に天井に穴が開いた件ですね。
これも国土交通省の管轄ですから、内部でしっかりと調査しなければならないと思っております。

(問)仮設住宅、その後にまちづくりを次のステップでというお話がありましたが、復興について菅総理からは国土交通大臣に何かリクエスト等はあるのでしょうか。
(答)官邸中心に復興のための検討の場というのを作っておりますから、そこでは行っていると思うのですが、国土交通省はその一員として中核に入っています。
直接、総理から指示というのは国土交通省にはきておりませんが、こういうことは指示がなくても、国土交通省もプロ集団ですから、おおよそこういうことを考えなばならないということを考えながら、内部で今週くらいから準備を始めています。
今週末に現地に土木学会などが調査に入ると聞いておりますから、それを踏まえて、来週早々にでも三井副大臣を中心とする検討会議を開催しまして、その中で内容を詰めながら官邸の対策会議の方に持ち込むという形でやっていきたいと思います。

(問)観光面で訪日外国人の数が激減してまして、原発事故の影響で世界各国に渡航自粛の勧告が出ていることが影響していると思いますけれども、福島から遠い沖縄であるとか西日本であるとか、そういうところまで対象になっているようですけれども、国土交通省としては、相手国に何か対応策を流す、それこそ先ほどおっしゃった国のパイプを使ってでも、そのような対応策を何かお考えでしょうか。
(答)このことについては、津波、地震ということよりも、原子力発電所の事故に起因していると思います。
これに対しては過日もフランスの建設担当大臣がお見えになったときにもお話をしましたが、事実関係を明確にすることが必要だと思いますので、日本における各地域の放射線量を正確に発信すると。
同時に、フランスのメンバーとも話しましたが、日本の状況を調査した国際機関が、日本は福島地域以外の所は安全であるというようなメッセージを出してますから、国際的な機関から発信してもらう、あるいは飛行機をコントロールしている国際機関や、放射線に関する国際機関からメッセージを出してもらう、そういう要請は、今、国土交通省としても出しております。
4月4日に確認したところでありますが、4月1日時点、国際民間航空機関(ICAO)及び国際航空運送協会(IATA)において、「国連機関が日本の航空の安全を確認、旅客へのスクリーニングは不要」という件名でプレスリリースを行ったということであります。
したがって、国際機関が、日本の空港の安全性というのを担保するメッセージを出していただいております。
こういう状況にあるんですということを、観光庁を中心に発信しようと考えております。
今まで原子力事故対応で、非常に注意をそちらに取られておりましたが、国土交通省としては積極的に日本の観光地の安全性というものを是非世界の方々に知っていただくために努力をして、英語、中国語、韓国語で発信をし始めています。
ホームページで発信しておりますが、このホームページで発信した内容が外国から見てどうなのかということを外国の大使館等のメンバーに見てもらい、今チェックをしていただいていますが、よく理解できるように、更に努めていきたいと思います。

(問)観光庁のプロモーション活動も停止しているようですけれども、これはやはり原発事故の長期化が懸念される中で、事故の影響が収まるまではプロモーションというものは控えるというふうにお考えですか。
(答)福島の懸念している20キロ圏、30キロ圏とありますけれども、その他の地域については、線量等の関係から安全ということが言えると思いますので、できるだけ誤解や風評被害を払拭するために、積極的に私どもとしてはやっていきたいと思っています。

(問)プロモーション活動も早いうちに再開させたいということですか。
(答)はい。

(問)仮設住宅の資材不足の関係なのですが、5か月で6万戸を絶対造るという思いは非常によくわかるのですが、実際に建てられている住宅はまだ非常に少なくて、被災地の方は非常に不安に思っていらっしゃるのですが。
(答)2,3日前までは3,000戸でしたが、6,000戸に上がりました。
今日も住宅局長に言ったのですが、二次関数のように急ピッチでたちあげろという話をしましたので、資材不足等々の影響で建設が遅れるということがないように、最善の努力をしていきます。
今日の10時時点で、70地区で6,282戸の建設に着手、そして予定を組んだということです。
今度、大臣室にもグラフを作って、毎日どこまで着工件数が伸びたかということを確認したいと思います。

(問)一方で、資材工場も被災がいくつかあって、今後、資材の供給不足というのは多くの関係者が思っていると思います。
今日の検討会議も非公開になるということなので、今、我々のところには非常に情報が少ないので、実際に資材不足は起こっているのか、それとも噂だけで資材不足はそんなにないのかが、ちょっとわからない状態なのですが、大臣の認識はどうでしょうか。
(答)これも現場に聞かなければなりませんので、今日13時に住宅関連団体をお呼びしましたから、直接状況はどうかということをよく聞いてみたいと思います。
供給不足ということがあるのであれば、先ほど言いましたように、諸外国に対しても資材の緊急的な日本向けの輸出ということを政府を通して要請したいと思います。

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