大臣会見

大畠大臣会見要旨

2011年8月26日(金) 10:02 ~ 10:22
国土交通省会見室
大畠章宏 大臣

閣議・閣僚懇

閣議後の記者会見を始めさせていただきます。
本日の閣議案件で国土交通省関係で報告すべきものが1件ございますので冒頭に御報告いたします。
すでに皆さんのところにお配りしたということですが、平成22年度国土交通白書を今日の閣議で御了解いただいて配付させていただきました。
是非御覧いただきたいと思います。この国土交通白書はかなりコンパクトでそう分厚いものではございません。
今回の3月11日の東日本大震災に関する対応を中心にまとめてございまして、かつ、第二章では「災害に強い国土づくりに向けた課題」ということについてもまとめておりますので、どうぞ御覧いただきたいと思います。
大震災の中でいろいろと反省点もありますし、再び起こった場合にはこうすべきだろうということを書きまとめた「88の知恵」というものもまとめてありますので、どうぞ御参考にしていただければと思います。
 2点目として、閣議以外の案件について御報告します。
私としては「ものづくり日本」として非常に残念なことでございますけれども、三菱重工業における航空機部品の品質管理の抜本的な改善についてであります。
三菱重工業において、航空機部品の製造にあたって規定違反が確認されました。
これは確か内部告発から始まったわけでありますが、私もものづくりをやってきて、規定違反だということを内部告発されて事実関係が明らかになるということは非常に残念な事態だと思っております。
「ものづくり日本」ということで、まさに先人達の経験や知恵を積み重ねて、高品質そして安定的な製品を生み出してきたわけでありますが、そのルールから逸脱して製品を造っていたということが内部告発によって調査をした結果明らかになったという事例でございます。
今年7月8日に同社に対して航空機部品の品質管理を徹底するよう厳重注意をいたしました。
これは航空機部品の製造にあたって規定違反が内部告発を発端として確認したところ、その規定違反が確認されたことからこのような厳重注意を行ったところでありまして、同種事例の調査や再発防止策を策定の上、報告するよう求めてまいりました。
その結果、8月23日に同社から報告書が提出されました。
この報告書によりますと、社内規定違反事例が1,000件以上あったこと、また、その原因として社内に納期を優先する体質が蔓延し、かつ、作業管理や教育・訓練等が十分に行われていないなど、航空機の安全確保を最優先すべき航空機製造者として極めて重大な問題があったことが判明いたしました。
冒頭に申し上げましたとおり、「ものづくり日本」として大変残念でありますし、誠に遺憾であります。
国土交通省といたしましては、再発防止策が確実に実施され、抜本的な改善が着実に進められていくことを確認するため、本日同社に対して再発防止策の実施状況を定期的に報告するよう指示するとともに、同社に対して、引き続き、立入検査等を通じて厳しく監視してまいります。
なお、同社からの報告書の内容、具体的な指示内容等につきましては、後ほど事務方から資料を配付いたしますのでよろしくお願い申し上げます。これが2点目でございます。
 それから3点目として、これも閣議以外の案件ですが、海上警察権のあり方についての中間取りまとめの発表でございます。
この課題については馬淵前国土交通大臣が力を入れていたわけでありますが、海上警察権のあり方について、これまでいろいろと検討をしてまいりました。
馬淵前大臣が示されました、「海上警察権のあり方に関する検討の国土交通大臣基本方針」に基づいて、海上保安庁長官を議長とする検討会において、行政警察権の充実、装備・要員の充実、その他の基本方針に示された検討課題について、この間ずっと検討を実施してきたところであります。
私も馬淵前大臣から国土交通大臣を引き継ぎまして、この海上警察権のあり方については大変大事な課題でありますから、執行権限等の充実強化に加え、中長期ビジョンに基づく将来を見据えた体制の整備について検討を指示しておりました。
この度、海上保安庁において、海上警察権のあり方についての中間取りまとめができましたことから、本日発表することにしたわけであります。
概要でございますが、中間取りまとめの内容としては、我が国周辺海域における近隣諸国等の海洋活動の活発化と言った国際情勢に対応し、海上保安庁が担う業務を的確に遂行するため、一つには、海上保安庁及び海上保安官の執行権限等の充実強化、それからもう一つは、海上保安庁における将来を見据えた体制の整備について、そのあり方を示したものであります。
今回の中間取りまとめに基づき、引き続き海上保安業務の充実・強化のための必要な施策について、これから党の関係機関によって十分な論議を頂き、また国会の論議等を踏まえて、御了承を頂いた上で推進してまいりたいと考えております。
本件の詳細につきましては、この後、海上保安庁から記者の皆さんに内容についての報告をさせていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

質疑応答

(問)代表選の関連ですが、日程が正式に決まりまして、週明けにいよいよ告示という形になりました。
それから、本日、予定ということで、総理もいよいよ退陣を正式に表明するということになりました。
今回の代表選における現時点での大臣のお考えをお尋ねいたします。
立候補を予定されているどの方を支持されるお考えがあるのかどうか。
そして、大臣は会見などで党内融和の重要性を何度もお話をされていますが、その観点から見た場合に、どの方がふさわしいとお考えになるのかお尋ねします。
(答)民主党の代表選挙について御質問を頂きました。
前回か前々回の会見時に、どのような方が次の総理にふさしいですかという御質問をいただき、私は二つほど申し上げたと思います。
一つは、現在の民主党が親小沢対反小沢的な形で、党内がバラバラになっているのではないかという御指摘を、地域の方でいただきました。特にお盆に帰りました時に、その点が指摘されました。
2年前の総選挙において示した基本的な考え方を国民が支持したと、従って党はこれを一体となって実現するように努力すべきであるけれども、この2年間を見ていると、どうもそうなっていないという厳しい御指摘をいただいたところであります。
そういったことから、次の党代表、そして総理には、党内が心を一つにして国民の期待に答える体制を作る方ということ。
2番目には、現在、衆議院では多数を占めていますが、参議院では少数与党であります。
そういったことから、公明党あるいは自由民主党とも信頼関係を結ぶことができる方が相応しいと思います。総じて言いますと、民主党の党内からも、あるいは国民からも、そして自民党、公明党からも信頼される方が、この国難とも言える状況を克服するためには必要ではないかと、こういったことを申し上げさせていただきました。
さらに、日本の国内だけではなく、中国、韓国、ロシア、EU、アメリカと、様々な国で様々な事が起こっております。
このような事象に、日本がどうメッセージを出していくのか。
国際社会における日本としての考え方を明確に示す責任もあるわけでありまして、こうした事を打ち出せる経験と胆力のある方が求められているわけであります。
こうした状況の中で1時から両院議員総会が行われまして、その中で菅総理が一つの考え方、午前中にいわゆる三つの条件が揃うのあれば、私は総理を辞任するという趣旨の話をされるという状況になってまいりました。
この状況の中でどなたが相応しいかということを、私も考えてまいりました。
一部のマスコミでは既に報道されているようですが、鹿野道彦農林水産大臣の選対本部長に内定といった記事ですが、両院議員総会を経た後、3時から鹿野先生が正式に出馬の記者会見をされるという話も聞いておりますので、そうした状況の中で、私も、これまでの政治活動の中で尊敬する政治家でありますので、鹿野先生が出馬表明をされるという状況になった場合には、私は一所懸命、鹿野先生を応援したいと考えているところです。
いずれにしても正式表明をされた時点以降、私はそのような行動を取ることを、今考えておりまして、その時点になりましたら、改めて皆さんにも御報告させていただきたいと考えております。

(問)24日に池口副大臣が会見を行い、東北地方の高速道路無料開放の問題について、中・大型車の8月末での中止と、被災者を対象とした東北地方の高速道路無料開放について、今後支援内容を見直すという方針の説明がありました。
詳しい内容はこれから検討するということでしたが、これは罹災証明、被災証明の統一感がないまま、地方自治体の判断によって大量に発行されている現状があるわけですけれども、その現状を踏まえて、大臣ご自身はどのように見直すべきだとお考えになっておられるのか。
特に、停電ですとか断水ですとか、家屋や財産を失うということ以外の理由でも大量に証明書が発行されているわけですけれども、そういった方々を対象から外すかどうかという点が大きなポイントになると思いますけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)24日に池口副大臣から、そのような趣旨のお話をしました。
国土交通省内で第3次補正予算を組む中で、被災地を中心として全車種を無料化することを念頭に置きながら、被災地の復旧・復興の応援をしたいとお話をしたところ、一部の新聞からは、それは次の大臣が判断すべきであって、まだ早いのではないかという趣旨の御指摘を賜ったところでありますが、準備は進めていかなければなりません。
そういう意味で次の大臣が最終的には判断されると思いますが、そういうことを前提として申し上げるとすれば、御指摘の点については私もそう思います。
家屋が流されたり、あるいは壊されたりして、罹災証明書を求めている方については、その方の生活再建に向けて応援をしたいと思いますが、停電ですとか断水したということで被災証明を求めた方も現在は含まれておりますので、果たしてそれはどうなのかという御質問もいただいておりました。実際に利用されている方の中でも、停電したからといって利用させてもらっているけれどもこれでいいのかなというお話をいただいたこともあります。
したがって、東北全域ではなく災害を受けた地域に限定してはどうかとか、あるいは罹災証明書を持たれている方に限定するとか、こういった課題も提起されておりますので、対象者や地域についても制度の趣旨を踏まえて限定するということで現在、見直しを検討しているところであります。
このことについては、党の関係議員の方も地域でいろいろな御意見を伺っていますから、党の方でどういった御意見があるのか、あるいは、様々な委員会の場で、与野党を超えて野党の皆さんからもいろいろな御指摘をいただいておりますので、そういうことを踏まえながら考えなければならないと思います。
いずれにしてもお金がかかるわけでありますので、どういう形で実施すれば被災された方々の生活再建に向けた一番の応援になるかということを含めて検討していただいて、そして新しい大臣の下で方向性を決めていただければと考えているところであります。

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