大臣会見

馬淵大臣会見要旨

2010年11月30日(火) 10:34 ~ 10:57
国土交通省会見室
馬淵澄夫 大臣

閣議・閣僚懇

閣議後の定例記者会見を始めさせていただきます。
私からは冒頭2点、皆様にお伝えさせていただきます。まず1点目は、「国土交通省鳥インフルエンザ対策本部」の設置でございます。
11月29日島根県の農場の採卵鶏に家畜伝染病である高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜が確認されました。こうした、確認されましたとの報告が農林水産省よりありました。
本日政府は、鳥インフルエンザに対し政府としての対策を総合的かつ強力に推進するため内閣総理大臣の判断により、内閣に総理大臣を本部長とし、官房長官及び農林水産大臣を副本部長とする「鳥インフルエンザ対策本部」を設置いたしました。
これを受けまして、国土交通省としても私を本部長として、「国土交通省鳥インフルエンザ対策本部」を設置し、必要な対策を推進してまいります。
これが1点目でございます。そして2点目は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構における特例業務勘定の利益剰余金についてでございます。
11月26日の第14回行政刷新会議におきまして、「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」が決定されました。
その中で、鉄道建設・運輸施設整備支援機構に関しては、「特例業務勘定の利益剰余金は国庫納付する」との記述が盛り込まれました。
鉄道建設・運輸施設整備支援機構における特例業務勘定の利益剰余金につきましては、これまでも様々な議論がなされてきたところでありますが、国土交通省としては、同法人を所管する立場から、責任を持って今後関係各省と協議をし、平成23年度政府予算案の決定までに、すなわち年末までに結論を得て、所要額を国庫納付させることとしております。
私からは以上、冒頭2点の報告でございます。

質疑応答

(問)先週ですが、馬淵大臣の問責決議案が可決されましたけれども、辞任の必要があるかを含めて受け止めを聞かせていただきたいのと、この件で総理や官房長官と何かお話というのはされたのでしょうか。
(答)まず、先週の11月27日、就任して71日目でございますけれども、参議院本会議におきまして、衆議院とは別の結果ではありますが、問責決議可決となりました。
私はこの結果については重く受け止めたいと考えております。
また一方で、昨年の政権交代以降、改革を進めてまいりました。
前原前大臣の下で副大臣として、さらには9月から大臣として、この改革を続行していくこと、職務に邁進していくことが私の使命であると考えておりますので、こうした形で責務を果たしてまいりたいと思っております。
さらに問責決議後に、総理あるいは官房長官から何か発言があったかということでありますが、閣議内において様々な議論というのはありますが、今申し上げました、鳥インフルエンザ等々、今日の朝、閣僚における様々な議論を行いましたが、この問責については一切、総理からも官房長官からも言及はございません。
私に対しても個人的に電話や何かお言葉ということもございませんでした。

(問)関連で、問責決議の国会審議に与える影響についてですが、国土交通委員会での法案審議が進んでいない状況というのをどう見ていらっしゃるかというのが1点と、12月1日に予定されている党首討論について、出席の意向については大臣御自身はどのようにお考えでしょうか。
(答)国会審議は正に国民生活に直結する課題の審議であります。
法案のみならず、様々な国土交通省が所管する関わりの中での議論をしていただく場でありますので、国会審議が仮に止まってしまうとすれば、そのことによって国民の皆様方に与える影響というものがどのようになっていくのかについては、私もこれはしっかりと注視していかなければならないと思っておりますし、またそのこと自体に対して、国民の皆様がどう判断されるかということも重要であるというふうに考えています。

(問)冒頭の鳥インフルエンザの本部なのですが、設置をされて、実際の国土交通省での開催というのはされたのでしょうか。
(答)これからです。先ほど閣議後の閣僚における政府としての本部は設置されましたので、この設置を受けてということでありますから、私は戻ってきて、速やかに設置を指示したということです。

(問)実際の開催は今日中にはやられるのですか。
(答)まだ具体的に時間等定めておりませんけれども、設置をして、具体的な策を講じていかなければなりません。
この具体的な策というのは、例えば、関係自治体と様々な協議が必要ですけれども、道路上における消毒、こういった措置は速やかに行わなければならないと思っておりますので、できるだけ早急に行っていきたいと思っております。

(問)昨日、中国の漁政2隻が尖閣諸島沖の接続水域を離れましたが、最近、漁政の動きが活発化しているように見えるのですが、大臣は中国側の動きをどのように見ていらっしゃいますか。
(答)まず、事実関係で言いますと、28日の午前7時43分頃、中国の漁業監視船、「漁政201」、また同じく午前7時48分頃、「漁政310」が大正島の北西約44キロメートルにおいて、我が国の接続水域に入域と。
2隻は大正島の領海外を領海線に沿って時計回りに1周、その後、魚釣島の西方の領海外を東西方向に反復航行と。
29日午後6時頃までに2隻とも日中地理的中間線を通過し、引き続き西向け航行、日本海の海域から離れたが、この間2隻とも領海内には侵入していないという状況です。
広州から来た310も含めて、ある意味、我々としても緊張感を持って警備に当たらなければならない状況が続いているということでありますが、とりわけ、こうした中国側の動きに対して、私どもは何か過剰な反応をするということではなく、引き続き緊張感を持って領海警備に当たるということで、冷静な対応を指示しております。

(問)鉄道建設・運輸施設支援機構の剰余金についての考え方についてお聞きしたいと思います。前原前大臣は、特例業務勘定の剰余金のうち、国庫補助相当分5,500億円については、返納にある程度理解を示される一方で、残りの部分については、旧国鉄改革の完遂等に使う正当な理由があるのではないかと、言い回しは正確かどうかわかりませんが、そういう趣旨の御発言をされていたと思いますが、大臣は現時点でこのお考えにお変わりはないのでしょうか。
(答)私は金額のことについて言及したことは一度もありません。
ただし、これは会見の場でも、あるいは国会の委員会でも申し上げてまいりましたが、未完の国鉄改革、あるいは国土交通省が所管する鉄道に関連する様々な整備、こうした課題がありますので、関係各省とも協議をして、年末までに決定してまいりたいと、こう申し上げてまいりましたので、その考えは変わらないということであります。
前原前大臣がおっしゃった数字ということについては、かつての国庫の負担分ということで、5,525億円をおっしゃったということも私は承知しておりますけれども、今これから正に議論をしていかなければならない中で、金額を申し上げるのは差し控えるべきだと思っておりまして、関係各省とは、具体的には財務省ということになりますので、予算編成の中では、特例業務勘定だけではありません、予算そのものもあります。
さらには、税もありますので、そういう意味では折衝相手となりますので、しっかりとした議論を行っていくということに尽きると思っています。

(問)関連ですが、様々な課題もあるのでとおっしゃいましたけれども、金額はともかくとして全額納付には応じられないというお考えでしょうか。
(答)常に申し上げてきましたとおり、関係各省と協議をするということであれば、全額納付ということをどこがどういうふうに言っているかは別にして、全額納付であれば協議は必要ありません。私は協議をして予算編成の中で決めていきたいと言っているわけですから、金額は申し上げられませんけれども、しっかりと主張すべきは主張すると、このように考えています。

(問)整備新幹線未着工3区間の費用対効果の評価の件ですが、大臣のお考えとして未着工区間の費用対効果の評価については、今進められている事業推計の改善の第2段階のモデル、つまり統合後のモデルを使って検証したいと、そういうお考えということでよろしいでしょうか。
(答)着工に向けての5条件を我々は提示をして、そのことについてそれぞれ3区間で詰めの作業を行っているわけですが、この5条件が先に決まるということであれば、着工の道筋が付くということになります。
一方で、継続中の中で検討している新たな需要推計の方法と統合モデルというものが正式にオーソライズされるのが来年の年度末、あるいは春先ぐらいになるかもしれないということであれば、そこまで待つということではなく交渉、協議は続けていくと。
そして、来年、新たな統合モデルが出来上がった段階で再度見直しをかけるというタイミングにかかれば、改めて新たな統合モデルによって需要推計を行うべきであるというふうに思います。
統合モデルを待ってとか、そういうことを申し上げているわけではなくて、関係の方々からは強い要望を頂いていますから、それについては誠意を持って協議をさせていただくと。
これはきちんと進めていくという前提に立って、一方、統合モデルの構築については統合モデルの構築として全力で進めていただくと、こういう形でパラレルに進めていくべきだと思います。

(問)費用対効果の評価の前提についても併せてお聞きをしたいのですが、未着工3区間ですから、北海道ですと新函館-札幌、北陸ですと金沢-敦賀、九州ですと諫早-長崎という区間がありますけれども、北陸については一方で敦賀以西の大阪方面に向けての延伸というところも検討課題になっているかと思いますけれども、費用対効果の検証では大阪方面の延伸分も含めて評価をしなければならないという御認識なのか、そうではなくて、あくまでもまず今の未着工区間の部分で評価をしていくということなのか、その辺りはいかがでしょうか。
(答)これは議論のあるところでして、いわゆる運輸系モデルは現行のネットワークの中での判断ということを行ってきたと。
一方で、建設系モデルはネットワークが完成した前提に立って計算をしてきたということです。
いずれの考え方もそれなりに理屈がある中で今回統合モデルを作ろうとしているわけですから、その統合モデルの形の中で判断をしていくということになると思います。

(問)今はどちらでしょうか。
(答)今、正に統合モデルは構築中ですから、私が何か結論めいたことを申し上げるべきではないと思っていますが、いずれにせよ、かつては運輸系のモデル、建設系のモデルというものがあったわけで、統合モデルで真に必要な交通体系というものを事業評価という枠組みで判断していこうという取組をしているので、私はまずそこを進めていただきたいと。
一方で整備新幹線の未着工区間に関しては、要望の強い方々との協議というのは引き続き5条件の整理の中で協議を進めていくと、こういうことを行っていくのが我々の政策対応だと思ってます。

(問)問責の件ですが、国民が選んだ国会の意思表示で、かつ大臣個人の責任を問う決議であるのですけれども、先ほど重く受け止めたいという発言がございました。
それは具体的にはどういうことをおっしゃっているのでしょうか。
(答)院の決議として重く受け止めるというのは、私の心情としてお伝えしたところであります。
具体的には、先ほど申し上げたとおり、改革に邁進していくことが私の果たす責務であると、このように考えております。

(問)趣旨説明等でいろんな理由を挙げて提案がなされたわけですけれども、それらのことについて大臣として何らかの責任はあったけれど、辞めたりする必要はないという判断なのか、それらについて責任はないということなのかどちらでしょうか。
(答)院の決議として問責が決議されたわけですから、中身についてということよりも院の決議としての結果は重く受け止めなくてはならないということです。
中身については、賛成、反対、それぞれの立場で討論していただきました。
私がそのことに対して討論する場が与えられているわけではありませんし、決議として重く受け止めるということ以上でも以下でもないと思っております。
私が果たすべき責務は、先ほどから申し上げているとおり、政権交代以降の改革を推進すること、邁進すること、このように考えております。

(問)沖縄のことについてお伺いしたいのですけれども、先日の県知事選で再選された仲井眞知事は、普天間飛行場の移設問題については県外を求めるということを公約しているのですけれども、一方で再選を受けて政府内で防衛大臣とか外務副大臣とかは、経済振興を通じて沖縄への基地受け入れの理解を求めたいという発言をしているのですけれども、大臣として、沖縄が辺野古移設を受け入れなくても沖縄への経済振興だとか特別措置というのは、引き続き行っていくべきだとお考えでしょうか。
(答)沖縄の真の経済的自立というものについては、当然持続的に、私どもとしても対応していかなくてはならないと考えておりますので、これは当然ながら引き続き、沖縄の皆さんとの話し合いをしっかりと行いながら進めてまいりたいと思っておりますし、普天間の問題に関しては、関係する防衛省、あるいは内閣官房・政府全体として意見をしっかりと取りまとめて今後の議論ということになるかと思いますが、私は沖縄担当として、引き続き沖縄振興という立場に立って誠心誠意お話し合いをしていきたいと思っております。
特に仲井眞知事再選ということでありますので、今週中にも知事が上京されると伺っておりますので、私も改めてお話をさせていただきたいと考えておりますし、就任後間もなく沖縄を訪問いたしましたが、私も再度近いうちに沖縄を訪れたいと思っております。

(問)沖縄訪問は年内でしょうか。
(答)できる限り近いうちに沖縄を訪ねたいと思っております。
改めて仲井眞知事がお越しになるということですからお話をさせていただきたいと思っておりますし、繰り返しになりますが、沖縄県民の皆さんの声を直接、あるいは首長さんとのお話を前回もさせていただきましたが、時間的制約もありました。
また、上京して来ていただいてお話をさせていただく機会もありましたが、できる限り直接的なお話を伺う場を設けていきたいと思っておりますので、引き続き沖縄には私も足を運んでという思いでおります。

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