大臣会見

前原大臣会見要旨

2010年3月26日(金) 15:39 ~ 16:17
国土交通省会見室
前原誠司 大臣

閣議・閣僚懇

まず、私の方から三点お話をさせて頂きます。
まず、沖縄県における外国籍船での沿岸輸送についてということであります。
皆さん方はカボタージュというお話を聞かれたことがあると思いますが、基本的には自国内での貨物とか旅客の運送というものを自国船籍に限るというものでありますけれども、この度、沖縄の地理的特性と、それから特別自由貿易地域などの制度の趣旨を踏まえて一部外国船籍による輸送を特別自由貿易地域等と本土の間での輸送を認めるということに致します。
これは、先般、私が沖縄県に行った時に仲井眞知事さんから直接要望を受けていた点でございます。
なお、この本措置は、構造改革特区として行う訳ではございません。
これは船舶法第3条に基づく国土交通大臣の特許として実施をさせて頂くということであります。
認める対象は、日本の船舶運航事業者が運航する外国籍船、外航海運事業者、または相互主義というのが大事でございまして、二国間の相互主義に基づく外国籍船、つまりは自らの国もカボタージュの例外を認めているといったところを選ぶということでありまして、繰り返しになりますけれども、日本の船舶運航事業者が運航する外国籍船と、そして二国間の相互主義に基づく国のみに限るということでございます。
それから二つ目でございますが、一部の新聞報道でございました補助ダムについてお話をさせて頂きたいと思いますが、直轄事業のダムと補助ダムというのがございますが、それを私が大臣就任当時143の事業を全て見直すということを申し上げた訳でありますが、川辺川については再検証しないということで中止の方向性を示しておりますけれども、八ッ場については再検証に含めるということでございますが、この直轄事業以外にも補助事業というのがございます。
私が12月にこの国の補助事業のダムについても出来るだけダムによらない治水のご協力を頂きたいということで、再検証への協力を呼びかけたところでございます。
ただその中で、今回の予算で、もう既に12月以降に本体工事契約を行うとしていた5ダムにつきましては、全てのダムで先週までに、各県議会における議決を経て本体工事の契約が行われたと承知をしておりますので、そのような各県の最終判断の結果等を踏まえ、これは計画通りに事業を進める予算を配分することと致しまして検証を要請する対象から除外することと致しました。これは5ダムのみに限ってであります。
他の補助事業につきましては、本体工事に入っていないものについては新たな段階に進まないという前提での予算付けをすることと致します。
それからもう一つでありますが、吉野川の第十堰についてでございます。
3月23日の夕刻に、吉野川シンポジウム実行委員会、姫野代表を始め何人かの方が国土交通省にお見えになられました。
その時にお話をしたことを私の口からも申し上げたいと思います。
私が申し上げたことは、今まで吉野川の河川整備計画においては二つに分かれていて、可動堰を除いた分についての河川整備計画と、可動堰をどうするかという二つに分かれておりましたけれども、私が河川局に指示を致しましたのは、可動堰については造らない。そして第十堰を残すという前提で吉野川の治水対策を検討してほしいという指示を致しました。
なお、当然のことながら今、出来るだけダムに頼らない治水という有識者会議を作って頂いておりまして、その座標軸をまとめて頂いているところでございまして、その座標軸に従って吉野川の治水も考えて頂くということになろうかと思います。
その時に、私が指示をした二つの前提というものが本当に可能かどうかということになる可能性ももちろんございます。
つまりは、可動堰は無しで、第十堰は残してという両方のことでは出来ないという可能性もなくはありませんが、現在の私の指示としては、もちろんこの有識者会議の治水の評価軸を前提として可動堰によらない第十堰を残した吉野川の河川整備をしっかりやってほしいと、計画を立ててほしいという指示をしているということを皆さん方にご報告を申し上げます。
私の方から以上です。

質疑応答

(問)原口総務大臣が、人事の件で、遅刻の問題かどうか定かではありませんが、担当の連絡役の総務課長を更迭したと、更迭というか異動させたという点で各方面から、前回の国会審議等の遅刻の責任をとらされたのではないかという見方も出ておりますが、それについて大臣はどのようなご感想をお持ちなのか。
(答)遅刻をした一人として。

(問)はい。ご所見を。
(答)詳しく背景が分かっておりませんから、あまり予断を持って話をするのはいかがかと思いますし、私はそういった関係で人事異動されたのではないと思っております。
私自身については、これは全く私のミスでございますので、役所の人間には全く責任はありませんので、そういう意味では、あれ以降5分前にはしっかりと場所に着いているように自助努力をしておりますので、今後も遅刻の無きように努めてまいりたいと考えております。

(問)今週水曜日、大阪府議会で伊丹空港の将来的な廃港を決議したという件がありました。
それについて大臣のご感想を聞かせてください。
(答)この問題というのは時間軸を入れて考えないとかなりややこしくなる話だと思います。
この決議というものは、将来的にということが付いてますし、関西空港へのアクセスが劇的に改善されるということが大前提だと思っておりますので、関西空港へのアクセスが劇的に改善されるという前提であれば、伊丹の廃港ということも現実に視野に入ってくるのかもしれませんが、それをやるにしても時間が掛かりますし、その間はやはり伊丹という空港は近畿圏にとっても大変重要な空港でございますので、そういう意味では、決議は決議として受け止めさせて頂きますけれども、我々としては当面、伊丹というのは重要な空港として存続をし、活用していきたいと考えております。

(問)先日、小沢幹事長が国務大臣は国務に専念していればよいというような、閣議後会見とかでの党内問題への大臣のコメントなんかも多分念頭にあったんではないかと思うのですが、ご所見をお願いします。
(答)我々、政権交代というものを歴史的な使命として今、やっている訳ですね。
税金の使い道を変えて、自公政権の政策を大転換する中で国土交通行政も進めている訳であります。ダムの中止、あるいは高速道路の凍結含めて色々な地域にご迷惑をかけながらやっていくわけでありますが、やはりその前提というのは政権交代に対する高い期待、これがやはり大きな後押しになりますので、我々が政策を進めていくには、高い支持率というものがなければならないという意味では、党と政府はそういう意味では一体であるというふうに思っておりますので、幹事長は選挙を司る立場でおられるわけでありますので、選挙がしっかり勝てて、そして参議院選挙後は正に衆参共に安定をして政権運営が出来るように大所高所から判断をして行動、活動していただきたいと、そのように思っております。

(問)羽田空港の4本目滑走路の供用開始が迫ってきていますが、供用開始の時期は何時ぐらいになりそうでしょうか。
(答)時期というのはピンポイントで何月何日ということですか。
それはまだ決まっておりません。秋口、10月頃というふうに考えていただいたら結構であります。

(問)成田空港の発着枠が2万回増えますけれども、これについてご所見をお願いします。
(答)私は、羽田空港の24時間国際拠点空港化というものを進めてまいりますけれども、国際空港としての兄貴分は成田でありますし、首都圏一帯となって羽田、成田共に機能を拡大していく中で日本経済の牽引役となっていただかなくてはいけないので、20万回から22万回に増えるということは大変ありがたいと思っておりますので、成田空港がもっともっと活用されるように我々も千葉県、あるいは成田空港会社と相談をしながら様々な施策を講じていきたいと考えております。

(問)今日の午前中に、沖縄県の仲井眞知事と北澤防衛大臣がお会いになって、普天間飛行場の分散移転による負担軽減について話し合われました。
それについての受け止めと、政府与党内に二段階案の移転案があることについてお聞きになっているのかどうかお聞かせください。
(答)5閣僚のひとりで先日の報告は受けておりますし、それについては一切口外は出来ないということになっております。
そういう意味では、色々な報道がなされているようでございますけれども、皆さん方に政府としての固まった方針が示される時が来れば、当然ながら皆さん方にご報告をするということになろうかと思いますので、それまではコメントは差し控えさせていただきたいと、このように思っております。

(問)沖縄にある基地機能の5割以上を県外に出すという話もあって、福島大臣がそれについても反発してらっしゃいますが、これまで普天間問題に携わってきたひとりの政治家として5割というものが可能なのかというふうに思っていらっしゃるのかということと、正式に北澤大臣から仲井眞知事にこのように提案が示されましたが、改めて沖縄振興という観点から今後どういったことをしていこうとお考えでしょうか。
(答)その5割移転というのも仮の話を前提としたものでありますので、そういった前提でお話することは出来ません。
沖縄振興というのは、私は基地の問題と切り離して沖縄の置かれている特殊性、これは先の大戦において唯一地上戦が行われて10万人近い一般住民が犠牲になられている戦場になった所でございますし、またその関係の中で米軍が占領した場所が今なお基地として使われていて、日本全体の面積で言えば0.6%しかない沖縄県に約75%の米軍の施設区域が集中をしているということから考えれば、今後の基地の問題の進展如何に関わらずしっかりと国として、そういった面においては沖縄県が日本の安全保障の要になってもらっているという他の都道府県の感謝の意味も含めて、国の感謝の意味も含めてしっかりとした沖縄振興策をやっていく、私はそれに尽きると考えております。

(問)振興策に関連してカボタージュの件ですが、他の日本全国で色々な地域も要望していて県も10年位前から要望していたのですが国交省からは難しいと。
この時期に緩和が実現出来た理由というか大臣のお考えをお願いします。
(答)これはそれほど大きな意味はありません。
私が色々な所に視察に行って、例えば北陸のある県の知事からカボタージュについての要望を受けました。
そして、国土交通省に戻ってきて、内部部局で出来るか出来ないかということを検討しろということを指示をしましたところ、具体的なニーズがないようですという話の中でそこの知事には私が電話をして、要望をいただいたけれどもそれほどニーズがないようですよと、ニーズがあればまたお聞かせをいただきたいというお話をしておりますし、今回の仲井眞知事からはご要望を受けましたので可能かどうなのかということを内部で検討したところ、この自由貿易地域・特別自由貿易地域と本土について、いわゆる日本の船会社が運営する外国籍船、そしてもうひとつは相互主義に基づくものであれば可能ではないかという検討結果が出てまいりましたので、そういう判断をさせていただいたということであります。
沖縄に限らず、いつも申し上げているように、私はとにかくこの国が財政赤字、少子高齢化、人口減少という大きな3つの制約要因がある中でどうすれば地域が発展をしていくのかということを常に考えて行動していかなくてはいけないと思っておりますし、その意味ではこのカボタージュ規制の例外適用のみならず、地域で様々なご要望があれば私はしっかりと検討をして、そしてそれが実現可能なものであれば積極的に導入していきたいと。
そういう意味では、今までの自公政権の時にはあまり新たなチャレンジはしてこなかったのかもしれませんが、新たなチャレンジもこれからも聖域なく見直してやれるものについてはやっていきたいと、そう思っております。

(問)吉野川についてですが、第十堰自体に老朽化して破損の可能性があるとか、あるいは川の中に固定堰があると洪水の時に危険だという所があります。
可動堰を造らずに第十堰を残す場合にこういった危険にはどのように対応されるお考えですか。
(答)正にそのことも含めて科学的な見地から河川局に検討してほしいという指示をしております。
皆さんご承知のとおり、ななめ堰なんですね。
昔の川の流れが違いましたのでななめの堰でありますし、そういう意味では水の流れが非常にあの地点で変化をいたします。
せり上がりとか、あるいはいわゆる深掘りとかそういったことが起きる地域でもありますし、何しろ258年経っている、文化財と言っても過言ではないような年数が経っているものでありますので、果たして今後の、毎日の水流に耐えられるのかどうなのかということも含めて検討していかなくてはいけないと、このように思っております。したがって、私が指示をしている前提というのは可動堰なし、そして第十堰を残すということで新たな評価軸に基づく吉野川の治水が出来るのかどうなのかということを科学的な知見から判断をしてほしいと。
河川局長からは、少し時間をいただいてしっかり検討したいと、こういうお返事をもらっております。

(問)検証対象からはずれる5ダムですが、これは最終的には県の最終判断を踏まえてということで先程仰ったのですが、一部の報道の中で国交省が補助金を出さないと法律上違法になる可能性があるというようなことを言及していますが、現実としてはその点はなかったのでしょうか。
(答)違法になる恐れがあるということでありますが、今回の補助ダムの予算配分作業に限らず、都道府県から予算どおりに補助金を交付しないことがすぐに違法になるとは考えておりません。
当然ながら補助金の交付額をいくらにするかについては、我々国が予算の制約や優先順位等を考えて行うことが出来る国の裁量権によるものだと我々は理解をしています。
しかしこのご指摘の5ダムについては、先週までに各県の議会の議決を経て事業主体である各県の最終判断として本体工事の契約が行われたものであります。
先日の会見でお話をさせていただきましたように、今年度の補助金の交付決定が既になされている中で、今年度を初年度とした本体工事の複数年契約が行われた本体工事については、県が国からの補助金の交付への期待が大きくなっているという客観的な状況にあることを踏まえれば、来年度以降の補助金を交付しないことは裁量権の逸脱になる虞があると考えて判断を下したということでございます。

(問)参議院選挙の件ですが、民主党執行部は参議院選挙で複数区に関して、複数候補の両立を目指しておりますが、これについてどうお考えになるかご所見をお伺い出来ますか。
(答)先般も石井一選挙対策委員長と我が選挙区の京都の件でお話をした時に、70%以上支持率があった時に考えたこの二人区二人両立というものと、現状では大きく状況が変わっているのではないですかということは申し上げて、「それは君の言うとおりだ」というお話がございました。
そういう意味では、この選対委員長、幹事長含めて党の責任ある立場の方々は、今の党の状況をどう考えて、そしてどのような候補者擁立をしていくのかということについても、大所高所でご判断をいただけるものと期待をしております。

(問)箇所付けですが、財務大臣によります事業実施計画の承認の見通しがどうなっているのかとそれを受けて国交省が発表されるなかで、政権交代を受けて検討されていました一部事業の休止といいますか凍結といいますか、その結果がどうなるのかという資料は作成していただけるのかお伺いします。
(答)財務大臣の実施計画の承認後公表する予定であって、今その作業を正にされているのではないかと思います。
そして全ての計画についてはホームページで一斉に発表させていただくということになると思います。

(問)その中で、箇所付けをしない「ゼロ」であるというものも載せていただけるということですか。
(答)後で調べてお答えいたします。

(問)国土交通省の職員の採用試験についてですが、大臣自らが採用の説明会に出るようですが、こういった異例の活動をされることになった背景とそこで訴えられるメッセージはどういったものでしょうか。
(答)一部の報道であった私が説明会に行ってお話をさせていただくということは事実でございますし、また何らかのかたちでホームページ上でもメッセージを発信をしたいと考えております。
その意図は、私は「脱官僚」そして「政治主導」、これは民主党が掲げた大きな看板でありますので、これは貫いていかなくてはいけないと思いますが、これが世間一般の方々は「脱官僚」と言うからには官僚が軽視をされ、「政治主導」ということで官僚のやる仕事がなくなっているのではないかと一般的に見られているのではないかと私は危惧をしておりますし、それが新たに役人になろうかという有意の若い方々に、そういう思いを持っておられるのであればそれは極めてミスリードであり残念なことだと思っておりまして、「政治主導」の真の意味とは、「脱官僚」とはどういったことなのかといったことを私のメッセージとして発信をさせていただき、官僚としての責務というのは極めて大きいものがあるということをお話をして、もし誤解をされている学生さん達がおられるのであれば、その不安というものを払拭し、是非役人になっていただきたい、また国土交通省にチャレンジをしていただきたいという思いでPRをさせていただきたいと思っております。

(問)今日の閣僚懇で、郵政の問題を巡る議論があって、大臣も発言をされたと聞いているのですが、どのような議論があったかということと、先般発表された亀井大臣が発表された案は民業圧迫懸念があるということですが大臣のご所見をお願いします。
(答)私は国土交通委員会がありましたので、最後までは閣僚懇におりませんでしたのでどういう取りまとめをされたのかというのは詳しくは存じませんが、郵政民営化、郵政事業の改革、特に「ゆうちょ」の上限制度金額について議論になったことは事実でございます。
口火を切られたのは原口総務大臣でありまして、それに対しての意見が仙谷大臣からありまして、それに対しての意見が亀井金融担当大臣・郵政担当大臣からございまして、その後私が発言をさせていただきました。
私は上限を上げるという趣旨がよく分からなかったのです。
つまり上げるのであれば何で上げるのだということが理由が必要で、それを問、また私の提案としてもお話をいたしました。上限を上げて、そしてそれがまた国債の引き受けに使われるというのは愚の骨頂であって、いわゆる民間の資金として活用されなければいけないものを国の借金がやり易いようなそういうものに「ゆうちょ」の上限が上がったことによって使われるというのは、これは絶対に謹まなければいけないことであるということは申し上げました。
他方、今国家ファンド、ソブリン・ウェルス・ファンドというものをそれぞれの国が持ち始めております。少ないところでも大体1千億ドル位、多いところでは1兆ドル位の資金を持って、例えば海外の資源外交や、或いは海外に自国の発電所、スマートグリッド、或いは高速鉄道、或いは高速道路といったインフラを輸出するODAに代わる資金として活用しているところも沢山でてきているわけでありまして、このようなものに使われるのであればそれはいきたお金として私は使えるのではないかとは申し上げてました。
また国内においても、都市の基盤をどう変えていくのかと、耐震や或いは老朽化したものを建て替える、或いは環境面での効率を上げていく、或いは景観や美化といったものに大量のお金を投資をしていかなければいけない時期にきているわけです。
戦後大都市が整備されてからもかなり年月が経ちますので、そういったものを民間の資金とうまくまぶせながら昔来た道は避けて、つまりは財投の問題は何だったかというと、国債の引き受けと不要不急のいわゆる財投機関の延命に貴重な郵便貯金や簡保や年金のお金が使われたといったことが大問題であって、これは繰り返しになりますが厳に謹まなければいけないと、しかし日本の経済発展にとって、或いは国家戦略にとって大事なお金を例えば上限を上げて一部使うのであれば、それはそれで大変結構な話であり、その上限を上げる意味というものをしっかり説明をしていただきたいという発言をいたしまして、亀井大臣からは正に私が申し上げたことについては一番大きなポイントで、そういった議論がなければいけない話だとこういうことでございまして、その後ちょっと中座をしましたのでその後の議論がどうなったか分かりませんが、鳩山総理からは是非予算も通ったことであるので閣僚懇談会、懇親会みたいなものを開いて自由にこの郵政の問題も含めて意見交換をする場を設けようではないかとのご提案がございました。
手続きの問題も大事です、つまりは総理に確認を取ったのか取らなかったのかという手続きの問題も大事ですけれども、繰り返しになって恐縮ですが、少子高齢化そして人口減少、莫大な財政赤字の中でこの国をどう経済発展をさせていくかということが、この1,400兆円の個人の金融資産をどのうようにいきたお金として使えるかということが、我々に残されたナローパスの成長戦略なんです。
そういう意味で上限価格を上げて、それをしっかりと国の発展のために使う、或いは国際展開、国家戦略のために使うということであれば私は国民に対して説明がつく話ではないかと思っておりますので、そういった大きな議論をこれからも閣僚の間でしていくべきではないかなと思っております。

(問)荒瀬ダムについてですが、熊本県が先日今月末に失効する利水権の延長申請を取り下げてダムの目的である発電継続を断念しましたけれども、これに対する受け止めをお聞かせ願います。
(答)蒲島熊本県知事からご丁寧なお手紙を頂戴をいたしまして、荒瀬ダムの決断についてのご報告を書面にて頂戴をいたしました。
我々としてはこういった工作物、荒瀬ダムが老朽工作物に当たるかどうかという判断は横に置いておきまして、これから老朽化をする、しかし河川の中に存在をする工作物の撤去を基本的に考えていかなければならないわけでありますので、夏頃までにそういった方針を決めていきたいと思いますし、もし荒瀬ダムがそういったものに入らないのであれば、今回、社会資本整備総合交付金という仕組みを創設をさせていただきましたので、これを上手く使っていただきながら初の撤去を決断された、そして実行される蒲島知事に心から敬意を表して是非ご努力をいただきたいと思いますし、我々として出来るバックアップについてはこれからも検討してやらせていただきたいとこのように考えております。

(問)撤去支援の検討に入る余地はございますか。
(答)荒瀬に限って今検討しているわけではございません。
河川の中にある工作物について、老朽工作物についてどのような撤去の仕組みを作るかということについて一般論として、或いは全体の問題として今議論をしているわけで、荒瀬ダムに限って検討しているわけではございません。

(問)一昨日、三重県の伊勢湾フェリーが航路の廃止を決めて9月の廃業を発表しました。
その理由として1,000円高速の影響ということを挙げているのですが、この廃業の受け止めと、大臣は以前からフェリーや鉄道などの公共交通機関全体像を考える必要があるという発言をされておりますが、フェリーの位置づけ、特に競合するフェリーの位置づけ、今後必要なのかどうかということも含めてお考えを伺えますでしょうか。
(答)6月に高速道路の一部無料化と同時に、利便増進事業を使った上限制というものを発表させていただくことになろうかと思っております。
しかし、これもあくまでも社会実験及び試行でございますので、来年の3月末までにそれについては社会実験として検証することになろうかと思っております。
高速道路全般についても民主党の無料化という政策を意識した自公政権での様々な割引制度というものがあって分かりにくくなっておりますし、また合併施行というものもございました。そういう意味では、この小泉政権で行われた道路公団の民営化というものもパーキングエリア、サービスエリアに限られておりますし、高速道路全般のすっきりした最終形というものは今後整理をしていかなければいけないと思っておりまして、それは6月から社会実験、試行を行いますのでその経過を見たうえで年内にはまとめていかなければいけないとこのように思っております。同時に高齢化社会になっていくわけです。
自ら車の運転をされない方が多くなっていくわけでありますが、その方々の移動の権利というものをしっかり確保するための交通基本法案というものを今、辻元副大臣、三日月政務官中心におまとめいただいておりまして、近々その中間報告が出来ると思っておりますが、これを来年の通常国会に出させていただいて、そして特に離島にお住まいの方々含めて、離島というのは生活は不便で物価も高いというそういうハンデを抱えておられるわけでありますが、日本の主権を守っていくということから考えると排他的経済水域を守っていただいている離島というのは極めて重要であります。そういう意味での移動権というものを含めた交通基本法というものをしっかりまとめて、私の思いとしては出来れば参議院選挙のマニフェストにも入れて与党三党の公約として戦っていくぐらいの重いものだと思っております。
そういう意味では高速道路のあり方の整理と、そして交通基本法を作った中での鉄道、高速バス、或いはフェリーこういったものの交通手段をどのように共存共栄し、それが日本全体の適切な今ある交通資源として有効活用出来るかということをしっかりと考えていきたいと思いますし、そのことをこれから予算が上がりましたのでしっかりとまとめてまいりたいと考えております。

(問)冒頭のカボタージュの関係ですが、いわゆる開始時期の見通しは立っているかということと、どういう経過を経て企業が参入出来るのかということを教えてください。
(答)詳細については後ほど広報課より資料をお配りをさせていただきますけれども、この沖縄というのはご承知のように自由貿易地域とそれから特別自由貿易地域とそういったものがございますし、そこと本土を結ぶ航路についてのみ例外を認めると、しかもその例外を認めるのはいわゆる日本の船舶運航事業者が運航する外国籍船ということと後は相互主義に基づくということであります。
これは自ずとこれをやるうえで、どういった会社のどういった船が該当しうるかということは調査をいたしました。
そしてそういうものが現実にあるということでございますので、今日はこういう形で皆さん方にお知らせをして公表していく中で該当の業者がどのようなご判断をされるのかといったところがこれからのポイントになってくるのではないかと思っております。

(問)それを経てから開始時期も決まってくると。
(答)そうですね。つまりは全部どういう航路があるのかということを調べたうえで、我々としては原則は先ほどの2つです。
相互主義と日本の船舶運航事業者が保有するというその2つ、それに見合う航路があります。本土と沖縄自由貿易地域、特別自由貿易地域を結ぶのが、ですからこの発表をさせていただいて事業者がどうご判断をされるのかということの中で実施時期も自ずと皆さん方にお知らせすることが出来るのではないかとこのように考えております。

(問)ちなみに数的にはどのくらいあるのでしょうか。
(答)後で広報課から聞いてください、海事局から。

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