大臣会見

金子大臣臨時会見要旨

2009年9月16日(水) 9:34 ~ 9:58
国土交通省会見室
金子 一義 大臣

閣議・閣僚懇

(大臣)今日は、辞任の臨時閣議をやって参りました。皆様にもこの1年間大変お世話になりましたこと、改めて御礼申し上げます。私からは以上です。

質疑応答

(問)今仰られたように今日が最後の会見になる訳ですが、まずご感想をお願いいたします。
(答)麻生内閣で野党になりましたけれども、OB会の開催を提案してきましてね。これから民主党政権が取り組んでいく政策について前閣僚としてそれぞれ考え方を持っていますので、政策について我々が持っている専門分野というのをそれぞれ活かしてしていこうと。斉藤環境大臣のコメントですが、25%、会見では野心的と言って評価しておられますが、さてそこに行く道のりということになると別の問題なので、それぞれどういう風に考えていくのかということも是非前環境大臣の斉藤さんから色々アドバイス、意見を聞きたいと。農業政策についても一般論は元より聞いていますが、これから民主党が進める農家戸別補償についてどういうところが問題なのか石破さんに一度OB懇でじっくり解説してもらおうと思っているとか、こういう問題を是非やりましょうと。麻生さんもそれを是非やろうということで河村官房長官が事務局になって適宜やっていこうというのが今日の懇談で出て参りました。

(問)いよいよ民主党政権が立ち上がる訳ですが、何か言っておきたいことがあれば是非お願いします。
(答)高速道路の無料化ということについて、昨日も会見で出ていましたが国総研の資料、試算ということで経済効果が無料化にすれば無料化にするコスト以上に出るという、これを唯一の拠り所にされていますが、それだけではないのだろうと。もっともっと多面的に無料化する意味というのは財源もあるし、昨日の資料にも出ましたようにCO2、或いは他の交通機関への影響等こういったものは様々ある訳ですから、昨日も「資料の一人歩きは困るよね」と申し上げましたが、ああいう試算も一つ、まだこれから国土交通省の中の分析はもとより外部の色々な分析もやってもらった方が良いと思います。そういうものを総合的に考えてやって欲しい。この1年間振り返ってみて、前任が冬柴さん、マッサージチェアだったかな、その前が北側さん、姉歯事件ということで前大臣、前々大臣共に大変苦労の種を抱えながらやって来られたなと思いますが、私になってそういう問題からある意味解き放れて前に進められる状況が出て来た。これは若干情勢に感謝しなければいけないと思いますが、その上で長期的な、単に公共事業が善し悪しではなくて100年に一遍の経済状況の中ですから国際競争力を本当に強化するという意味で我が国の機関インフラは何が必要かということで金子プランを経済諮問会議に出させて頂いた。羽田成田の一体化、東京外郭環状道路、名古屋二幹、物流としての関空、それに港湾港湾と言っているけれども、釣り堀の港湾でなくてシンガポールや釜山に勝てる港湾、スーパー中枢、それも絞り込めということで大阪、名古屋、神戸に絞り込んで国内外の移動も同じ岸壁で出来るといったようなのも含めて相当強化に向かう。少なくともシンガポールよりは良くなる、はるかに早く積み卸しが出来るようにするという1つの方針が出まして、今それに沿って進んでいる。全体として外郭環状もこれに基づいて国幹審を開いて事業化というのは決めましたが実施していくのはこれから。羽田成田についても一体化について調整費を付けてどのような手法で一体化するか、ルートの検討も含めてやっている。これは具体的に進めるのはまだまだ時間がかかると思いますが、そういう将来の競争力を評価するという方法の1つのたたき台、或いは土台が出来たということは、これからいろいろな議論・修正がありますがこれが土台になる骨格だと思っています。このプランというのは国土交通省の若い人達が入ってこういうプランも作って頂いたという、ある意味国交省の中の有志チームを活用出来たというのも1つの私としては嬉しかった事であります。

(問)在任期間でやり残された事はどのような事がありますか。
(答)先程のハブ港湾は釜山に日本海側が負けているのです。これを太平洋側3港湾については釜山以上にしていこうということで実験を既に始めて、要するに集積、3大港湾に物を集めていくという、国内の物をそこに集めていくフィーダーという仕事ですが、これを育てるというのを始めて、釜山はそれが日本海側で一番強いですから、ここはまだ実験段階なので補助を出してやっていますが、これを何とか遂行させていきたいなと思います。やり残したと言ったらまだまだ一杯ありますが、鞆の浦、観光担当大臣ということで今ちょっと景気が低迷して当初日本の宣伝をどんどん送り込んで随分来てもらったという効果も出てきましたが、景気の悪化で少し減少してきている。しかしこれからまだまだ観光は先進国になればなるほど重要な産業として育っていかなければいけない部分だと思っていますので、幸い国土交通省の都市・地域整備局が歴史まちづくりのような予算を持っていますし、まちづくり交付金も持っているし、観光庁と一緒になっていろいろな部分が出来るなと、さっきの鞆の浦という話も申し上げましたけど、崖の上のポニョもね、アメリカで800の映画館で同時開催という、2,3週間前の話ですけども、こういうことも出てきたものですから、やっぱりあそこも単に埋め立てて橋を立ててしまうのではなくて、そういう歴史、或いはまちおこし、或いは古い町並みの再生等々、国土交通省としては支援の材料を持ってますので、道路が無いと生活が不便だ、高齢化が進むだけではなく、大事な資産を生きかえる、活かせるようにしてもらいたいと、これは就任直後から言ってきて、今、福山市で準備室をつくってくれてますけども、これはまだ具体的なものは出て来ておりませんが、そういった各地区の観光の対策というのはまだまだこれからと思っております。

(問)今後、自民党は野党になる訳ですが、党の体制をどう立て直していくのかという見解とご自身の地元である岐阜でも保守王国と言われた訳ですが、今回、小選挙区で2勝3敗と民主党に遅れを取りました。ご自身の地元の保守王国、岐阜の再建にどのように望まれるのか改めてお聞かせください。
(答)自民党自身の立て直しについては、改めて出直し、4年後は、今の大逆風を順風に変えて4年のうちにやれるように必ずしていきますよ。民主党がこれからお進めになっていく政策というもの、極端にいえば出来るだけ厚い福祉、しかし少ない負担でという部分は本当にそれだけでいいのかというのは、国民も特に私の地元の岐阜県でも、それぞれの地域での人の繋がりというというのは、人の絆というのはもの凄く強いところがある。ですから惜敗では5議席のうち4議席では復活を含めて当選をさせていただいている。まだまだ残っていると思います。子供の2万6千円というのも良いのですが、長い目で見て、今2万6千円貰うそれだけではなくて、家族と一緒に安心して暮らしていけるような、長い目でみて、お父さんの仕事が確保されるというような話、それから2万6千円を家族単位で貰ってしまうよりも、岐阜県は各地区で地域を上げて子供を育てるんですよね。放課後教育というものはみんなやってますよ、小学校低学年。こういったところは、地域を上げて自分達の子供を育てているという絆というものがあるんですよね。だからお金だけでない部分が、都会は多分お金だけになってしまう、その方がいいということなんでしょうけども、そういう言わば、地域を支えているもの、絆というものはあるんだろうな。農家の戸別所得補償も、兼業であれ、誰であれ、一定額補償してしまうという話だけでなくて、それよりも農村風景を維持していくという、地域の皆さんはその方が望んでおられるという、そういう側面というのはまだまだもっと大きいテーマがドーンと出て来ますから、そういう問題を含めて自民党の新しい党首が地方周りをしますから、地方を回るのが主な仕事です。私も岐阜県連で、今度の党首選が終わったら地元に戻ってそれぞれの地域でどういう声があるのかなるべく聞いてこようと思ってますから、そういう意味で正に政策と地元の絆を両面からじっくり腰を据えて進めていく。そういう中で幾らでもテーマがありますから。

(問)近く新しい大臣に引き継ぎを行わないといけないと思うのですが、引き継ぎの形、形式であるとか、引き継ぐ内容などについてはもうお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
(答)いつもそうなんですが、両方サインするだけなんですよね。中味はあまり引き継ぐ方も引き継がれる方も見たことがないんです。要するに引き継ぎ書というのでサインして握手してお終いなんですけど、これはどういう形でやるのかは今検討してもらっています。

(問)先程OB会を作るというお話ですが、国土交通省を今後民主党がどのように運用していくか分かりませんが、大臣としては今後どのようにじっくり監視していこう、見ていこうとしていますか。
(答)今、当面のテーマとしてあがっているのは高速道路の無料化ですよね。これは考え方の基本、財政面も含めて非常に大きな変革ですよね。これはやはり一つの大きなテーマです。もう一つはダムですよね。特に八ッ場ダム。川辺川ダムはもう地元市町村と県でやってもらっていますからこの結論にお任せすれば良いので、特に八ッ場ダムについては注視していきたいと思っています。あともう一つは地方との関係が未だです。地方分権はどうするんですかね。はっきり分からないんですが、国家戦略局の中で地方分権委員会の丹羽さんのところとどう民主党が対応するのか、ここはやはりよく見ていきたいところだと思っています。もう一つ強いて言えば、我々は依然として景気が全治3年、3年はかかってくるなと。アメリカはもう少し未だ消費が上がって来る部分が出て来ていない。そういう意味で取ってきた経済対策としての私の部分で言えば、公共事業の依存する部分はそれなりに進んできている。地方の負担部分についても景気対策としての地方の部分を国が責任を持ってやると。これによって地方を元気にしようとしてきてまして、これは暫く我々が政権を取ったら継続したいと思ってましたけれども、これはどうされるのか。単発で終わると地方がやりたい仕事、地方が考えていた事業になかなか対応しなくなるという可能性もあるのかなと。地方の景気というのが一つ。総予算全体の中では公共事業は10パーセントから15パーセントですから、総予算全体の中の占める割合は、景気対策というと公共事業、ところがそういう意味での割合は低いんですけど、それなりにしかし、地方の負担分も含めて国で面倒を見ていって地方の景気を良くしていこうという方向を出しただけで、それがひっくり返るような話というのは地方にとっては非常に辛いんだと思います。そういうのは見ていきたいと思います。

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