大臣会見

金子大臣会見要旨

2008年12月16日(火) 10:05 ~ 10:33
国土交通省会見室
金子一義 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議で当省に関するものは一般案件で1件、「広島平和記念都市建設事業進捗状況報告書等14件について」の決定。それから、政令が1件「エネルギーの使用の合理化に関する法律施行令の一部を改正する政令」の決定がありました。それから、閣僚懇で総理発言がありまして、今取りまとめられている一連の緊急対策の実施について、12月12日に生活防衛の緊急対策を発表しましたが、国民によく知ってもらうことが大事なので、各省庁で分かり易く説明を国民に向けてするようにされたいと。年の瀬に向けて急を要する、あるいは職を失った方への住居確保、それから2次補正、21年度当初予算に盛り込み実行するもの、年内、あるいは第2次補正等含めて年度明けにやれるものがある訳ですけれども、この生活防衛の緊急対策にずらずらっと並んでおります。そういう中で、私からは、雇用対策で特に住宅をどうするのかと、よく年末にも雨露凌げなくなる話をどうするのかという話に対して、舛添厚生労働大臣は雇用・能力開発機構に空いているところにどんどん入れてもらえるようにしてもらうということで、「具体的な部分を出す」、と言ってくました。私の方からは、今年、住宅・不動産関係については12月22日から資金繰り対応で住宅金融支援機構をとりあえず使いますけれども、資金の対応が出来ますと、1次補正で決められている中小企業向け保証だけでは対応が出来ない、あるいは、こちらの保証枠の対象にならないような中堅企業も事業者金融がこれで使えますと、こういったものも盛り込んでくれ、ということで分かり易くさせて頂いて、少しでも国民の皆様に年内、あるいは予算編成過程を通じてと、予算編成後というのを分かり易くしてもらえるようにしようという懇談がありました。それから総務大臣から発言がありまして、「契約の適正な執行に関する行政評価・監視の結果について」です。随意契約の適正化の一層促進、一層推進をするために、政府を挙げて取り組んできた契約の適正な執行に関する行政評価・監視を行ってきましたが、その結果がまとまりましたので、今日、全府省に勧告致します、というものであります。これについて、鳩山総務大臣から「各閣僚におかれましては、今回の勧告の趣旨をご理解頂き、契約の適正化に向けさらに厳正な取り組みを進めて頂くようお願いをします」という発言がありました。我が省では、随意契約について応募要件の見直し、公募方式の限定、これは企画競争等より競争性の高い契約方式に移行というもので、これら改革措置を昨年12月に講じているところです。また工事の積算、道路の巡回等の補助業務について、民間事業者へのアンケート調査を実施した上で、業務実績要件の一層の緩和、発注ロットの縮小等の改善策を本年11月に取りまとめたほか、今年度下半期の車両管理業務における一般競争入札の実施等、これまで色々な改善策を講じています。今日の勧告を踏まえ、今後とも競争性、透明性、公平性の確保を図って契約の適正な執行に努めて参りたいと思います。

質疑応答

(問)整備新幹線ですが、本日、政府・与党の作業部会がありますが、与党案としては部分着工の申し入れがありますが、大臣のお考えを教えて下さい。
(答)本日官邸でワーキングチームが午後3時から行われます。そこで、政府側が与党側の要請を飲むという決着が付けられれば、これで決定されることになると思います。来年末までに工事する場所を絞り込んで、工事の規格を北海道については絞り込んで実施すると。そういう中で箇所と規格が決まるので、財源を今まで6千億円ということを言っていますが、今の規格或いは箇所が絞られることによって、これは当然ですが、B/Cを計算してもらいますし、そして箇所が絞られることによってまた要建設コストも精査されてきます。そういう中で、財源として検討すべき項目は、JRからの貸付料、国と地方の負担のあり方、地域開発予算、既存新幹線譲渡収入、鉄道運輸機構特例勘定の活用等を含めて幅広く検討して財源を捻出していきたい。あるいは「させられる」、敢えて「させられる」と申し上げたのは、主計局に入ってもらって相当詰めています。そういうことで、一番ご心配頂いた10年を15年にするのかという話、当初与党側からありましたけれども、その問題は財政規律を守りながら財源は見つけられると思っています。来年末までに札幌-長万部、もう一つ駅がありますけれども、それと金沢-福井の認可に向けて大きく前進出来ました。去年は見送っただけに、今年はなんとかこれをやるということで与党の合意が済んだと思っています。併せて、敦賀以西はどうするのかという話も今まではっきりしていなかったのですが、敦賀以西も検討すると、これは本当に検討になっていますが、ある意味やっていくという全体の姿を今回示せたのではないかと思っています。

(問)言葉の確認をしたいのですが、財源を捻出していきたい、させられるというのはどのように受け止めれば良いのでしょうか。財源確保出来たという意味でしょうか。したいという意味でしょうか。
(答)先程申し上げた項目等の中から財源を捻出しますということです。

(問)確保出来たということですか。
(答)まだ検討しなければならない部分が色々ありますから、それは規格によってもコストが違います。今のところは北海道の札幌-長万部はどういう規格でやるかについては検討になっています。それをフル規格でやるのかスーパー特急でやるのかも詰めていかなければなりませんし、それによってコストも違ってきます。B/Cの作業もやってもらいますから、それによってコスト的にも変わってきます。それから当初の札幌-函館間の想定されていた総額に対して金利を大きく掛けていますから、距離が短くなると、工期をどのタイミングに集中するかによって金利計算も大分変わってきます。そういうことも踏まえてこれからやっていくということです。

(問)JRからの貸し付け料及び国と地方のあり方、地域開発予算、整備新幹線事業、これに捻出するというのはJRと同意と道及び県との同意、北海道開発局との予算の決着、鉄道建設・運輸施設整備支援機構との調整、そういうものが済んだという理解で良いのでしょうか。
(答)JRとはまだこれからです。B/Cもやらなければなりません。

(問)国と地方とのあり方ということになると、総務省及び道、県との調整を付けなければならないのですが。 
(答)それは勿論これからです。

(問)それはこれからですか。
(答)勿論これからです。

(問)これまでの新幹線というのは、着工5条件というのがあって、収支採算性やJRの同意や自治体の並行在来線の同意等色々あったと思うのですが、それと今回の整合性を考えると、財源が必ずしも明確になっていない中で着工に向けて前のめりになるというのは、5条件との整合性というのはどうですか。
(答)認可までには5条件を整えないと認可出来ません。

(問)その認可に向けて5条件を必ず揃えて着工すると。
(答)その通りです。

(問)与党側はその財源確保について来年の12月までに確保は出来ると断言しており、確保出来ないことは想定していないと言っていますが、そこについてのご見解は大臣のお見通しは如何ですか。
(答)政府として財務省ともそれなりの相談をしておりますので財源は十分確保出来ると私も思っています。

(問)工期の延長は無くてもこの財源で確保出来る。
(答)10年を15年にという意味での工期ならやりません。

(問)今回の騒動を見ていて、10日にPTを行って各線区でもめて結論が出なくて、結局12日にPTとしての結論が持ち越されて、座長一任という形でまとまりましたが、未だに北海道の先生方がまだもめているとのお話も聞くのですが、森元首相はじめ、津島先生にしても、久間先生にしても党の立派な先生方が押さえに入ってもなかなか収まりがつかないと、この辺自民党がどうしてしまったのかと壊れてしまったのかというイメージを受けざるを得ないのですが如何ですか。
(答)その認識は私と全然違いますね。よくまとまったと、そもそも北海道は広いですから、整備新幹線が通る所、通らない所、北海道と北陸と、どうやったって自分の所を先にやって欲しいと皆考えます。それを少ない財源の中でまとめようと、何を言っているかというと、札幌-函館というのが北海道中の要請だったのですが、それを札幌-長万部ということでよくまとめられました。100%賛成というのは道路だって何だって無いです。しかし、北陸だけでなく、北海道もここから行こうということでまとまってくれたのはさすがだと思います。新幹線等進めていく時は必ず各地方の先生方から色々異論が出てまとまらないものですが、まとまらない経験を私も随分聞きましたが、しかし今回は短時間ではありましたがよくまとまったと思っています。

(問)これまでの議論を見てみると、これまで財源がこれだけあるからこれだけ着工するのだと、優先順位をかなり絞り込んで着工してきたりした歴史だと思うのですが、それは国鉄の失敗を繰り返さないという反省の下にこのスキームが出来て、着工5条件という「しばり」が掛かっていると私は理解していたのですが、その辺、今回はちょっと議論の流れが違うのではないかという気もするのですが如何ですか。
(答)5条件は守りますから。

(問)5条件を守られることで財政紀律は確保されていると。最終的には確保されるのだと。
(答)10年を15年にしないと。

(問)暫定的財源を現時点で確保できないが、来年になったら確保出来るという根拠は何ですか。
(答)これからやります。見てて下さい。

(問)全体的な財源が見つからないからこそ部分着工だ、という今回のお話ですが、先に奥のほうから造ったり、駅だけ造ったり、全体像としてなかなか国民に理解し難いと思いますが、そこについてはどうお考えですか。
(答)今、用意したお金が6千億円で、それに対して札幌-函館まで全線ということになるととても財源の見通しが立たないと、しかし、北海道も先程お話をしています通り、何とか捻出する財源が範囲内にということもありまして、長万部までで距離を短くしてまとめてくれたということで、財源の対応がそれなりに見えてきたということです。

(問)確認したいのですが、先程、財務省とも話をした上で決めたと仰いましたが、その話というのは、とりあえず、来年度分の予算について盛り込むことで話がついたという意味なのか、それとも、着工に必要な総財源の確保の目途がついたという意味なのか、どちらですか。
(答)後者です。

(問)全体の財源の目途がついたということですか。お示し頂きたいのですが、全体の財源がいくらで、それはどこからいくらですか。
(答)それは、これからやりますから、今は申し上げられないです。

(問)それは、今日終わったらお話になるということですか。
(答)どこかの段階では申し上げます。

(問)社会保障費の2千2百億円について、道路財源から5~6百億円ということがありましたが、その可能性というのはどうなんでしょうか。
(答)あると思います。

(問)今、そのような方向で検討しているということですか。
(答)今検討中で、今日明日中に最終的なものがまとまっていくのだと思っています。

(問)仮にそのようになるとすれば、納税者の理解との関係で言いますと、どういう観点から社会保障費にということになるのでしょうか。
(答)全体の組み立てが最終的に、今、与党と官邸、あるいは財務省と組み立てをやっております。予算編成において、道路財源、あるいは公共事業、これとその他社会保障費の減額といったようなものの全体の佇まいを前に苦労しているんだと思います。その全体像を見ないと、御質問の説明をどのようにしていくのか、政府統一見解もあると思いますから。何れにしても、この問題はこの1兆円問題を取り扱った与党PTで取り組んでもらっておりますので、そこで財源との関係でも整理をされるものと思っております。

(問)昨晩ですが、古賀選対委員長が各派閥の事務総長と会談した際に、公明党との比例での協力の見直しについて言及されたとありますが、御本人らは否定していると言われているのですが、そのことについての影響とかどうお考えになるかをお聞きしたいのですが。
(答)これは党の選挙の話ですから、コメントしません。

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