第23回技術部会議事概要

第23回技術部会議事概要

1.日時
  平成30年10月23日(火)10:00~12:00

2.場所
  九段第2合同庁舎8階地震予知連大会議室

3.出席者(五十音順、敬称略)
   浅田昭、朝日ちさと、石田東生、磯部雅彦、梶浦敏範、片石温美、小池俊雄、佐藤薫、塩路昌宏、藤田壮、松尾亜紀子

4.議事
 (1)「国土交通技術行政の基本政策懇談会」の中間とりまとめについて

5.議事要旨
 石田懇談会座長と事務局より、中間とりまとめについて説明し、以下の通り、委員より意見をいただいた。
  
<技術政策の進め方(横断的課題)> 
  • ビジョンを統合・総合する、シナジー効果を生むといった表現は良い。4つのテーマについても、独立した提案では無く、統合し、シナジー効果を生んでいく旨を強調し、記載してはどうか。
  • 社会実験・実装の打ち出しは歓迎するが、倫理面やリスク受容、社会的受容、個人の同意、合意形成、公平性なども忘れてはいけない観点である。
  • プラットフォームを構築することが記載されているが、全体を見て、場を作る、周知するに留まっているように見える。情報を供給しても使って貰えなかったり、情報を伝える文脈で行動が変わったりするが、これらも技術政策の検討の範疇として記載してはどうか。
  • 経験から、複数の主体が保有する膨大なデータをリアルタイムに、オペレーショナルに扱うことは大変に難しい。データ連携基盤ができるまでの下ごしらえが重要である。
  • ビッグデータ活用には4つの壁がある。第1にデータにアクセス出来る環境、第2にフォーマット等を合わせること、第3に経済的に成り立つか、第4に適切なサイバーセキュリティ、プライバシー保護。スマートシティ等の取組みでデータの新たなウィークポイントができるがこれへの対応が必要である。
  • プラットフォームの設計思想、アクセシビリティとサイバーセキュリティの検討が重要である。米国やイスラエルではとある国家のソフトウェアを政府調達で禁じている。また、ダム等重要構造物のデータは出さない。
  • データを扱う人材育成も協調して良いのではないか。地域社会にCDOがたくさんいた方が良い。

<新たなモビリティサービス> 
  • MaaSの概念とあわせて、CASEの概念がある。E:電動化の観点についても、記載してもよいのではないか。
  • 自動運転について、運転のデータと医療データで認知症を検知するなど技術展開もあり得るのではないか。

<気候変動・地球温暖化を踏まえた防災対策> 
  • 「国民の避難行動につながるリアルタイム情報の充実」は重要であるが、これをどう具体化していくか。いかに我がこと感を出していくか。サイバー空間と実空間がうまくつながっていないのではないか。広く行き渡っているコミュニケーションツールを活用し、いかに伝えていくかが今後の課題。
  • 緩和策と適応策を一体的に進めることは重要。インフォメーションギャップの解消も重要。防災のためには投資が必要であり、理論的・科学的な体系に基づいて、コンセプトを形成し、新たな持続的な国土形成まで提言してもよいのではないか。
  • 広島に住んでおり、今回の豪雨災害を体験した。被災直後にデータにアクセスしようとしたが、どこに何があるのか分からなかった。今回の豪雨の検証も山田先生の研究のように、実現場の声を調査して欲しい。
  • 関空閉鎖時には英語の情報がほとんどなく、国際会議にあたって苦労した。観光立国等打ち出している中で、英語の情報発信も検討して欲しい。
  • 河川整備は多様な視点、ニーズ、ユーザーが結びつき循環する概念もある。

<サステイナブルなメンテナンス> 
  • 下水道の漏水による道路陥没などもあるのではないか。
  • メンテナンスはリノベーションのコンセプトも含めている。老朽化施設の更新にあたり、先端的な技術を導入するなど。

<「Society5.0」時代の都市・地域マネジメント> 
  • 社会実験については、公平性や社会性の観点など、社会実験の国際的ルール等も参照し、盛り込んではどうか。
  • フィジカルとサイバーが連動する、連関することが重要。SDGs未来都市の取組みも参考に、本当に分野横断的な社会実験をやることが重要。

<全体を通じて>
  • 定点観測(継続的な社会実験のフォローアップ調査)をきちんと行う旨を書き込む必要があると感じている。
  • 社会実験には、意見にあったようにリスクも伴うのはその通りだが、一方で、リスクを恐れ、実験とは呼べないような取組み、成功させなきゃいけない(失敗を容認しない)取組みもこれまで見受けられる。欧米に比べ2,3週遅れの中、大規模かつ長期間にわたり社会実験を行うことで、出てきた不具合を修正し、地域との合意形成もとりながら、民間の振る舞いも確認しながら、施策を進めていく、実行することが大切である。
  • 技術部会の意見については、石田座長と事務局とでご相談いただいた後、磯部部会長と技術部会委員へ再度周知いただきたい。
  • 基本政策懇談会は、今後もテーマに応じて進めていきたいが、今回いただいたようなご意見の詳細について、ご発表いただけるとありがたい。
 以上

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