第4回国土交通技術行政の基本政策懇談会 議事要旨

第4回国土交通技術行政の基本政策懇談会 議事要旨

1.日時
平成30年9月3日(月)14:30~16:30

2.場所
経済産業省別館1階104各省庁共用会議室

3.出席者(五十音順、敬称略)
石田東生、鵜澤潔、春日伸予、金山洋一、木下剛、小池俊雄、小林潔司、柴崎亮介、高木健、福和伸夫、藤田壮、藤野陽三、堀宗朗、山田正

4.議事
(1)前回議事要旨の確認
(2)今回のテーマについての議論
  ・メンテナンス、新素材、新工法、
  ・宇宙利用
  ・モビリティ、オープンデータ

5.議事要旨
基本政策懇談会委員に鵜澤委員が加わり、了解を得られた。
主な議論はメンテナンス、新素材、新工法、宇宙利用、モビリティ、オープンデータの各テーマにつき以下の通りであった。

<メンテナンス、新素材、新工法> 
  • 維持管理分野はプロフィット(利益)を明確に生まない分野ではあるが、社会に様々なコスト縮減、負担軽減をもたらすという点で、技術開発へ投資していくことが重要ではないか。
  • 例えばロボティクスや中性子等といった、シーズ側の技術、異分野技術との協働により、土木分野のイノベーションに繋がっていくのではないか。
  • 新しい技術の活用に当たっては、エビデンスが少ない中で、現場の技術者の判断を支援すること、また、活用に際しての技術者責任を緩和する施策が必要ではないか。
  • ライフサイクルコストが確実に縮減しているか定量的な検証と、そのためのモデル・メンテナンス・サイクルの構築が必要ではないか。
  • 従来の水平展開で基盤技術に集中した連携ではなく、垂直型での連携が重要ではないか。例えば、出口側からの要求でバックキャストして、素材から出口を見据えた異分野間のチームプレーを構築していくこと、など。
  • 点検結果など、国土交通省が保有している貴重なデータについて、民間も利用しやすい環境を整備していくことが重要ではないか。
  • 国土交通省や自治体職員が減少している中で、仕様規定ではなく、性能規定にするような調達契約の合理化が必要ではないか。
  • 土木学会の調査で、自治体からはインフラ点検に関するデータが全く出てこない事態となっており、自治体への支援施策についても検討すべきではないか。
  • データ化、データ活用は重要ではあるが、一方で、現場での計測、検査、修繕等のメンテナンスの作業に関わる人材を育てていくことも意識すべきではないか。
  • 鉄道の場合、メンテナンスのほか運行サービスの提供もあるが、地方鉄道でも、科学や新しい技術がうまく活用されるようになると良い。
  • 産業の観点から、地域ブロック毎に、地方整備局が中心となって、多くの関係者間を巻き込んだ横断的なインフラ維持管理の議論をしていくことも必要ではないか。

<宇宙利用>
 (委員より、衛星による地上観測データ等を利用した取り組みについて、オープンデータと合わせてご紹介あり)

<モビリティ> 
  • 人が安心・信頼して自動運転技術を活用するためには、人を理解し、人を中心に考えた技術を、さらに人が適正に使用できるように手助けをするといった考え方のもとで取り組みを進めることが必要ではないか。
  • 鉄道の自動運転については、受け入れる側の社会の心理面を踏まえた取り組みも必要。
  • MaaS(Mobility as a Service)、モビリティ(自動運転も含む)を一つの統合されたサービスとして捉えることが重要であり、「規制のサンドボックス」を活用した大規模社会実験、産官学連携のプラットフォームの実現が重要ではないか。

<オープンデータ> 
  • i-Constructionの取り組みにより膨大なデータが生まれると考えるが、これらデータを効果的に活用するためには、データ処理に長けたIT系のグループ、データを生み出すグループ、並びに活用するグループなどが一緒になって取り組むことが重要ではないか。
  • 国土交通省はデータを保有するだけではなく、価値ある「情報」に変える人物にいかに活用させ、その成果を国民にどのようにシェアしていくか、その戦略立案が重要ではないか。
  • 国土交通省は、ユーザーの資格情報やアクセスコントロールの考え方を統一するなど、保有するデータをオンラインにして使える環境を整えることが必要ではないか。
  • 国交省の保有データを梃子に(バーターで)、民間のデータを収集・活用するとともに、自らがデータ、情報をつくり、一層合理的、長期的、総合的な政策を行う必要があるのではないか。
  • 例えばCDO(Chief Digital Officer)を任命し、データの収集・整備、管理し、民間等との連携を実現し、利活用を促進する企画・立案を進める、「行政のデジタル化」に取り組むべきではないか。
  • 府省庁間の情報共有、こと災害情報の府省庁連携は非常に重要であり、地図に載る情報などは国土交通省主導による情報共有が有効なのではないか。
  • 例えば、洋上風車などは海底の情報や気象・海象のデータを取得する新たなインフラとも考えられるのではないか。

<その他> 
  • 社会実装を進める技術とは、部分最適ではなく、全体最適を目指す「コーディネーション技術」であり、コーディネーターをサポートする情報システムや制度的なプラットフォームの構築が必要ではないか。
以上

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