大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2021年3月30日(火) 9:26 ~ 9:35
衆議院本館
議員食堂
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 閣議案件について報告はありませんが、「流域治水プロジェクト」の公表について御報告させていただきます。
今年度中に策定すべく進めてまいりました「流域治水プロジェクト」について、全国全ての109の一級水系、12の二級水系で一斉に本日公表させていただきました。
現場レベルで流域治水を本格的に実践するスタートラインに立ったと承知しております。
流域治水プロジェクトは、近年の気候変動による災害の激甚化、頻発化を踏まえ、上流、下流、本川、支川の流域全体を俯瞰し、河川整備、雨水貯留浸透施設、土地利用規制、利水ダムの事前放流など、あらゆる関係者の協働による治水対策の全体像をとりまとめた初めての取組です。
パネルを4枚用意しておりますので、御覧ください。
パネル1では、「気候変動のスピードに対応した水害対策」について、今申し上げたようなことが記載されていますが、第1ステップとして、「流域治水プロジェクト」は、申し上げたように、上流、下流、本川、支川の流域全体、水系を俯瞰し、上流では水を溜め、下流では()(どう)掘削(くっさく)や堤防整備をしながら、また、利水ダムを利用した事前放流、土地利用規制、こうしたことを踏まえております。
第2ステップは、パネル2にありますように、「気候変動を踏まえた計画の見直し」です。
過去の降雨や潮位に基づき治水対策を計画していますが、近年の降雨の増加等を考慮すると、今後、降雨量が1.1倍、流量が約1.2倍、洪水発生度が約2倍になるとの分析がされているので、気候変動による降雨量の増加の影響を加味した治水計画の見直しを書かせていただいております。
パネル3は、首都東京を貫いている「荒川水系の流域治水プロジェクト」について、具体的には、上流部ではダムや遊水池、また、荒川は特に、第1調節池、第2調節池、第3調節池という雨水を溜める調節池も計画をしていること、さらに、下流付近での様々な対策を俯瞰して書かせていただいています。
そして、それぞれのポイントの中で大事なことが3つあります。
1つ目は、ポイント1と書いてありますけれども、それぞれの実施主体をしっかり「見える化」することです。
例えば、この例で言いますと、1番目にありますが、河道掘削、石狩(いしかり)(がわ)水系の場合は北海道開発局が責任を持って行い、公園貯留施設整備、名取(なとり)(がわ)水系の場合は、公園ですから仙台市が氾濫をできるだけ防ぐ・減らすための対策をしっかり行う。
また、2番目の被害対象を減少するための対策ですとか、3番目の被害の軽減、早期復旧・復興のための対策、マイタイムラインをどうするか記載しております。
2つ目のポイントは、それぞれの対策のロードマップを明確にして進捗状況をしっかりと捕捉・促進することです。
3つ目のポイントは、あらゆる関係者、沿川の市町村・県、国、また、地域の企業、住民の代表の皆さんが関わる協議会を発足することで、109の1級水系全てにおいて、総勢2000を超える国・都道府県・市町村、民間企業等の機関が参加する協議会を実施するということです。
また、地方整備局に加え、地方農政局や森林管理局、地方気象台が協議会の構成員として参画する取組を進め、省庁横断的に行っていきます。
今後も関係省庁と連携しながら、総力を挙げて本プロジェクトを実行し、「防災・減災が主流となる社会づくり」を全力で推進してまいります。
具体的な内容は、後ほど事務方から御説明させていただきます。
私からは以上です。
 

質疑応答

(問)リニア中央新幹線の件で1問お願いします。
先日の国土交通省の有識者会議で示された中間報告の素案に対し、地元静岡県の知事が座長を御用学者のようだとコメントするなど批判しています。
溝がなかなか埋まらないように見えますけれども、大臣の受止めと今後の議論の詰め方について教えてください。
(答)リニア中央新幹線静岡工区有識者会議の委員及び座長の選定、会議の進め方については、昨年1月30日付けの静岡県からの申し入れを踏まえ、中立公正を旨として行うべく、様々検討し、当初予定していた座長、委員を提示しましたが、静岡県側から御意見があり、その方を交代したという経緯がありました。
最終的には、昨年4月に有識者会議を立ち上げ、これまで計10回開催し、熱心に議論を重ねていただいているところです。
有識者会議においては、極めて科学的に、これまで河川工学、水循環や地下水など、各分野の専門家から多方面にわたる意見が交換され、福岡座長進行の下、科学的・工学的な見地から活発な議論が進められていると承知しています。
また、今回の進行について、出席いただいている各委員の皆さまから、座長の交代を求める意見が出ていることは承知しておりません。
引き続き、私どもとしては、有識者会議における科学的・工学的な議論が深まっていくことを見守ってまいりたいと考えております。
 
(問)国土交通省が調査していた安全上問題のある危険なバス停について、先頃、全都道府県の調査結果がまとまり、1万箇所超にのぼるという結果でありますが、この数について、大臣の受止めをお聞かせください。
また、対策についても、今後どのように進めていくかお願いいたします。
(答)国土交通省では、一昨年の12月より、安全上問題があるバス停について、全国全ての路線バス事業者を対象とした調査を開始しました。
また、警察や道路管理者等の関係機関の御協力もいただきながら、各県の運輸支局ごとに設置された合同検討会で、バス停ごとの安全上の優先度の把握・公表及び安全対策の検討を進めてきたところです。
今般、全国の調査が完了し、安全上問題のあるバス停は、バス停総数約40万件のうち、2.5%、合計1万195件です。
また、これらの内訳は、安全上の優先度が高い順に、Aランクが1615件、Bランクが5660件、Cランクが2920件となっています。
今後は、運輸支局やバス事業者をはじめ、関係機関が連携し、安全上の優先度や地域の実情に応じて、バス停の移設又は廃止、注意喚起等のソフト対策、バス停周辺のハード対策など、安全対策を本格的に検討・実施していくことが必要であると考えております。
国土交通省としても、バス停の安全性の確保に向け、対策の進捗状況のフォローアップを行うとともに、関係機関の協力を得ながら、バス停の移設等に際しての地域の合意形成に向けた協力や、安全対策に係る適切な指導・助言を行うなど、必要な取組を行ってまいります。
 

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