航空

エアーニッポン735便機長から報告された重大インシデント調査結果の概要

平成12年7月5日公表
(1)概 要

 平成12年2月7日、エアーニッポン735便(福岡空港発、石垣空港行、ボーイング737-500)機長から、「平成12年2月4日、那覇市の北西約40マイル(海里)の海上上空を28,000フィートで飛行中、他の航空機が接近した。」として報告があった。

(2)航空局の調査結果

接近の状況
平成12年2月4日午後1時50分頃、エアーニッポン735便は、那覇市の北西58マイル(約107km)付近を高度28,000フィート(約8,550m)で水平飛行中であった。この時那覇管制部から交通情報を受けて、自機の右側に上昇してくる米軍機(米海軍所属、F/A-18ホーネット)を視認した。
 その後、TCAS(航空機衝突防止装置)の警報が発せられたために降下を始めたが、同時に米軍機もエアーニッポン735便を視認して降下を始めた。(両機の距離は約5.2マイル、高度差は100フィートであった。)
 エアーニッポン735便は降下中に米軍機も降下しているのを視認したため、降下を止め上昇を開始したところ、警報も上昇を指示した。(両機の距離は約1.0マイル、高度差は800フィートであり、平面的に最も接近した。)
この直後に、米軍機がエアーニッポン735便の前方下方を通過した。(両機の距離は約1.2マイル、高度差は800フィートであった。)


原 因
有視界飛行方式(VFR)で訓練中の米軍機が、計器飛行方式(IFR)で飛行中のエアーニッポン735便の前方を横切る進路をとり、回避操作が遅れたこと。

危険度の判断
エアーニッポン735便は米軍機の回避操作が遅れたなかで、米軍機を継続して視認し、適切な回避操作により間隔を保つことが可能であったことから、異常接近ではなかったと判断した。

再発防止策
米軍に対し次の要請を行なう。在日米軍司令部は、在日米軍に属さない米軍機に対しても、民間機が回避操作を必要とするような飛行を防止するため、可能な限り関係管制機関から交通情報を得るよう指導する等対策を講じること。



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