新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会(第2回) 令和2年11月9日(月)16:00〜19:00 中央合同庁舎2 号館地下2 階 講堂 議 事 次 第 1.開 会 2.議 事 (1) 報 告 品川駅での「安全教室」について 東京都盲人福祉協会 常任理事 市原 寛一 様 (2) 新技術を活用した転落防止対策等に関するヒアリング(別紙) 3.閉 会 別紙 新技術を活用した転落防止対策等に関するヒアリング 1.ホーム端接近時に注意喚起 (説明30 分・質疑30 分) 1-1.AI カメラによるホーム縁端歩行注意喚起システム 資料1-1 説明:アイテック阪急阪神 ソリューション事業統括本部交通事業本部長 楠葉 誠司 1-2.視覚障がい者歩行支援システムについて(VA システム) 資料1-2 説明:京セラ 研究開発本部研究企画部シニアエキスパート 中川 浩文 1-3.パナソニックの画像認識技術 資料1-3 説明:パナソニックシステムソリューションズジャパン パブリックシステム事業本部システム開発本部 ソリューション部システム開発2課課長 大金 敏浩 〜 休憩15分 〜 2.視覚障害者の案内・誘導 (説明45 分・質疑30 分) 2-1.改札口見守りシステム(白杖・車椅子検知) 資料2-1 説明:アイテック阪急阪神 ソリューション事業統括本部交通事業本部長 楠葉 誠司 2-2.視覚障がい者移動支援アプリ shikAI の概要 資料2-2 説明:リンクス 代表取締役会長 小西 祐一 2-3.スマホを用いた信号情報確認システム 資料2-3 説明:日本信号 交通システム事業部第3営業部部長 久保田 聡 2-4.スマホを用いたマッチング・クラウドサービスによる案内誘導 資料2-4 説明:アイテック阪急阪神 ソリューション事業統括本部交通事業本部長 楠葉 誠司 3.ヒアリング全体を通した意見交換 (10 分) 参考(第1回検討会資料) 駅ホームからの転落防止対策等について ※図につき、テキスト版では割愛 新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会(第2回) 【障害者団体・支援団体】 日本視覚障害者団体連合 情報部長 三宅 隆 日本弱視者ネットワーク(筑波大学附属視覚特別支援学校 教諭) 宇野 和博 東京都盲人福祉協会 常任理事 市原 寛一 埼玉県網膜色素変性症協会 会長 田村彰之助 日本歩行訓練士会 事務局長 堀内 恭子 日本盲導犬協会 顧問 吉川 明 【学識経験者】 成蹊大学 名誉教授 大倉 元宏 慶應義塾大学 経済学部 教授 中野 泰志 鉄道総合技術研究所 人間科学研究部 主任研究員 大野 央人 【鉄道事業者】 JR東日本 執行役員 安全企画部長 松橋 賢一 (代理出席:安全企画部 次長 佐々木政人) JR西日本 鉄道本部 駅業務部長 佐伯 祥一 東京メトロ 経営企画本部 企業価値創造部長 川上 幸一 (代理出席:経営企画本部 企業価値創造部 課長 大原 恭子) 小田急電鉄 常務取締役 交通サービス事業本部長 五十嵐 秀 近畿日本鉄道 取締役常務執行役員 企画統括部 副統括部長 湖東 幸弘 阪急阪神ホールディングス グループ開発室 部長 山本 隆弘 【国土交通省】 大臣官房 技術審議官(鉄道) 江口 秀二 総合政策局 安心生活政策課長 真鍋 英樹 (代理出席:総合政策局 安心生活政策課 交通バリアフリー政策室長 平野 洋喜) 鉄道局 総務課 鉄道サービス政策室長 森 龍平 鉄道局 都市鉄道政策課長 金指 和彦 (代理出席:鉄道局 都市鉄道政策課 企画調整官 信太 博之) 鉄道局 技術企画課長 岸谷 克己 鉄道局 安全監理官 森 信哉 【厚生労働省(オブザーバー)】 社会・援護局 障害保健福祉部 企画課 自立支援振興室長 金原 辰夫 (代理出席:障害保健福祉部 企画課 自立支援振興室 室長補佐 水村 慎也) (事務局 鉄道局技術企画課) 新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会(第2回) 座席表 ※図につき、テキスト版では割愛 報告 駅ホーム転落時における対処法等に関する視覚障害者向け「安全教室」 教室概要 1. 実施日:2020年10月22日(木)・23日(金) 2. 場所:JR品川駅7番線ホーム 3. 主催:東京都盲人福祉協会(都盲協)JR東日本 4. 参加者:視覚障害者約60名 (主な参加者) 都盲協・笹川会長、市原常任理事 日本視覚障害者団体連合・三宅情報部長 埼玉県網膜色素変性症協会・田村会長 成蹊大学・大倉名誉教授 鉄道総合技術研究所・大野主任研究員 (立会)国土交通省鉄道局 5. 目的: 線路上に降りてホームの高さや車両の構造を体感し、駅ホーム転落時における対処法等について学ぶこと 6. 感想: ・鉄道事業者と障害当事者が連携してこのような研修を行うのは非常に有意義 ・自力でホームに上がるのは不可能 ・ホーム下などの退避スペースを見つけるのは困難 ・大声で助けを求めることができるか不安 ・電車やレール等が思っていたより大きく、驚いた ・ホームドア設置による安全性向上を望む ※写真につき、テキスト版では割愛 ※写真は市原常任理事提供 資料1-1 ホーム端への接近を注意喚起 【概要】 ・電車停車時以外の状態において、人がホーム端に接近すると、音声で注意喚起を行うとともに、駅務室へ通知するシステムを開発(京急蒲田駅で実証実験中) 【システムの具体的な仕組み】 @ホームのカメラの画像を、AIで解析することにより、ホーム端に接近する人を認識 A自動音声による注意喚起とともに、駅務室の駅係員に対しPCとパトライトにより通知 【システムの特徴】 ・既設のカメラや放送機器(スピーカー等)を活用することで、システムの導入コストの低減を図ることが可能。 ※アイテック阪急阪神(株)の資料をもとに作成 資料1-2 ・VAシステムとは? ・RFID技術を活用し、視覚障がい者に危険地帯への接近を知らせる検知システム ・鉄道駅ホームの端や車両連結部に実装したRFタグを、白杖に内蔵したRFIDリーダが感知し、音と振動によって危険を知らせることで視覚障がい者の転落事故リスクを低減する。 ・システムが提供する価値 ・視覚障がい者の駅ホームからの転落や交通事故に遭遇するリスクを低減する。 ・大がかりな事故防止設備の設置が難しい場所に適した歩行支援システムである。 ・拡張性が高いシステムであり、視覚障がい者の事故リスク低減以外にも活用できる。 VAシステム:開発コンセプト スマート白杖 機能@: 本体にRFIDリーダを内蔵し、RFタグの受信範囲に入ると、その方向が危険であることを認識。 機能A: 把持部にバイブレータを内蔵し、RFタグに接近すると音や振動を用いて歩行者に注意を促す。 ・駅のホームや列車の連結部などにパッシブRFタグを設置しておき、スマート白杖が受信範囲に入ったら反応(振動・音声) ・入口付近のタグは、乗車時に信号をキャンセルする仕組みを設ける(今後の課題) 資料1-3 (1)転落・侵入検知技術 機能 指定したエリア内に人物が入った(ホームに転落した)ことを検知する。 指定したエリアに侵入(ホームから転落)後、アラーム発報までの時間設定可能。 使用する技術は、以下の通りです。 @ 人を認識する技術(複数人物でも検知可能) A 人の足元を推定して検知する技術(足元が隠れている場合も検知可能) B ホームに車両停車時は検知機能を停止(車両乗降と転落を区別可能) 上記を組み合わせて、指定したエリアの侵入を検知する 検知・通知の業務フロー(イメージ) 画像認識装置が異常を検出した際に、駅員への通知および映像表示を行う。 表示アプリケーションは、PCを使用した表示通知と、スマートデバイスを使用した通知を行う。 ※スマートデバイスへの通知は、現在開発中 事象発生から駅員への通知のフロー @ 駅構内のカメラ(既存活用可能)のライブ映像を画像解析してリアルタイム検知 A 「線路への転落」、「指定エリア(点字ブロック内など)への滞留」を検知すると、駅事務室内等へアラーム通知 B 通知した内容を駅員業務端末や指令所・駅構内放送で通知 資料2-1 改札口見守りシステムの概要 【概要】 改札口に設置されたカメラの映像から白杖や車椅子をAIで認識し、自動通知することで、駅係員のお声掛けにつなげるシステムです。 【システムの具体的な仕組み】 @駅改札口付近に設置したカメラ画像を、AIを導入したシステムにより解析します。 Aシステムで白杖を検知した場合、通知用パソコンやパトライトにより駅事務所内にいる駅係員に通知します。 資料2-2 音声ナビアプリの利用イメージ 道がわからなくなったらスマホのshikAIアプリを立ち上げる 点字ブロック上に貼ってあるQRコードをスマホのカメラで読み取る 出口や改札、トイレなどの目的地がリストされるので選択する 音声ガイドが始まるので、音声ガイドに従って目的地まで点字ブロックに沿って移動する 資料2−3 視覚障がい者への安全対策における日本信号の取り組み 1.開発背景 我が国では超高齢化社会を迎え、また東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、交通制約者等の移動支援は、重要な社会課題となっています。内閣府では、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)において、平成26 年度より5年間にわたり交通制約者等の安全・安心かつ円滑な移動支援を実現するための調査研究、実証実験を進めてきました。 当社も実証実験に参加し、信号交差点における交通制約者の横断支援のための歩行者等支援情報通信システム(通称、PICS:Pedestrian Information and Communication Systems)を開発。令和元年度から整備が始まりました。 2.サービス概要 2.1 概要 Buletooth を用い、交差点に設置したBLE(Bluetooth Low Energy)路側機からスマートフォンに交差点名や歩行者用信号の表示色を画面に表示、また音声、振動等で確認ができます。また、歩行横断時の青時間を延長することも可能です。利用者側は、スマートフォンに専用アプリ「信Go!」をダウンロードし、アプリを起動します。 2.2 BLE 路側機対応アプリ「信Go!」の機能 @歩行者信号情報提供【図1】 歩行者信号の灯色(青、青点滅、赤)と、歩行者信号(青、赤)の経過時間(残り時間)を提供 A歩行者横断要求支援【図2】 交通制約者対応の押ボタン(白い押しボタン箱)が設置されている交差点において、押ボタン状態(青延長中の有無)及び操作を提供。また、青延長機能がついている交差点では、延長要求操作が可能。 3.導入実績及び予定 「信Go!」使用可能交差点 県名 2019 年度実績 2020 年度予定 宮城 49 50 三重 0 2 静岡 23 9 福岡 0 4 千葉 1 0 熊本 0 1 埼玉 0 1 警視庁 0 2 合計 73 69 ※2021 年度は約2,000 地点での整備を計画 以 上 資料2−4 スマホを用いたマッチング・クラウドサービスによる案内誘導(構想中) 交通弱者をサポートするマッチングアプリはあるが、対象を視覚障害者に絞り、視覚障害者の使い勝手を最大限考慮したスマホアプリの開発を検討。このシステムの支援機能はリモート(音声介助)とダイレクト(直接介助)の2つがあり、「視覚障害者(要サポート者)」と「サポータ」をマッチングするシステム。 マッチングクラウドサービス (音声介助) @サポート依頼Aサポート要請B音声で介助 マッチングクラウドサービス (直接介助) @サポート依頼Aサポート要請B移動C介助 リモート(音声介助) 【システムの概要】 要サポート者からの要請に応じたサポータが、要サポート者のスマホ映像も見ながら、音声でサポートする方式。 また、鉄道事業者の駅IPインターフォンシステムと駅WiFiの接続により、要サポート者は指定のアプリで直接駅員にインターフォン通話が可能。 ※デンマーク発祥のグローバルサービス「Be My Eyes」と同等の機能 ダイレクト(直接介助) 【システムの概要】 GPSとBeacon信号で要サポート者とサポータの位置を特定し、要サポート者の要請により近くにいるサポータへクラウドから介助を要請し、直接介助する方式。 【課題】 @サポータの教育、認定制度の確立Aサポータの数を増やすための施策(インセンティブ)の確立 B介助時の障害をサポートする保険制度の確立C鉄道事業者とサポータの関係整理(駅構内立ち入り等)