報道・広報

業界団体との意見交換の取組成果をまとめました
~「令和5年度 国土交通省・日建連意見交換会」成果報告~

令和6年3月27日

国土交通省では、建設現場の働き方改革や働きやすい職場環境の整備等を推進するため、一般社団法人 日本建設業連合会(以下、「日建連」という。)と定期的に意見交換を実施しており、このたび、令和5年度に実施した意見交換の成果として、直轄土木工事の令和6年度における取組をまとめましたので、公表いたします。

地区ごとに地方整備局と日建連で公共工事の諸課題を意見交換し、その結果を踏まえ、国土交通本省も加わり、公共工事の生産性向上や担い手の確保などを議論し、直轄土木工事の令和6年度における取組としてとりまとめました。

<地方整備局(公共工事の諸課題に関する意見交換会)>
開催日 地区 意見交換のテーマ
  令和5年5月15日     関東地整   1.働き方改革と担い手の確保
(待ったなしの時間外労働削減に向けて)

 (1)適正な工期設定と条件明示
 (2)工事現場における完全週休2 日の実現
 (3)技能者の処遇改善
 (4)技術者要件の改善

2.品確法の的確な運用(入札・契約に関する改善)
 (1)予算確保と適切な発注
 (2)入札と契約制度に関する改善
 (3)資材価格高騰への対応
 (4)地方公共団体発注の建築工事における設計図
    書の適正化等

3.生産性向上(新技術・新工法の活用)
 (1)新技術とDXの現場実装
 (2)プレキャスト工法の活用拡大

4.公共工事の適正かつ効率的な実施
(適切な設計変更と現場業務の効率化・各取組みの
横展開と現場への徹底)
 (1)設計変更ガイドラインの徹底
 (2)現場業務の効率化
 (3)取組みの横展開と現場への徹底、広報の強化
5月22日     東北地整  
5月25日     中国地整  
5月26日     四国地整  
5月31日     北陸地整  
6月 5日     近畿地整  
6月 7日     中部地整 
6月 9日     九州地整  
6月15日     北海道開発局  
 
<国土交通本省(フォローアップ会議>
開催日 会議 主な意見交換のテーマ
  令和5年6月21日     意見交換会報告会     意見交換会結果報告
7月27日     第1回フォローアップ会議     フォローアップ会議の実施方針
11月22日     第2回フォローアップ会議   ‧ 働き方改革と担い手の確保
‧ 品確法の的確な運用
‧ 生産性向上
‧ 公共工事の適正かつ効率的な実施 他
  令和6年3月12日     第3回フォローアップ会議  

<意見交換の取組成果>
 令和5年度の意見交換を踏まえ、令和6年度には、直轄土木工事の中で以下について取り組んでまいります。

1.働き方改革と担い手の確保(待ったなしの時間外労働削減に向けて)
(1)時間外労働上限規制に伴う適正な歩掛の設定
 → 令和5年度には、より正確に調査結果を記載してもらうために、トンネル工事の実態調査対象工事の受注者34社に向けた説明会を実施。
 → 令和6年度より、舗装版破砕工などの現道・維持関係等の11工種について、朝礼、準備体操、後片付け及び移動時間等を踏まえ、日当たり施工量の減少を歩掛改正に反映。【別紙1】

(2)時間外労働上限規制に伴う経費増への対応
 → 令和6年度より、書類作成の経費や下請けの本社経費などの実態を反映し、現場管理費の見直しを実施。【別紙2】

(3)土日閉所による完全週休2日の実現
・完全週休2日に向けて
 → 令和5年度には、中部地方整備局や近畿地方整備局等の本官工事(予定価格3億円以上の工事)で土日閉所とする工事を実施(全国で137工事を実施)。そのうち、中部地方整備局では土日祝日を閉所とする工事についても先行的に実施。
 → 令和6年度より、土日を休日とする工事の実施企業に対して、工事成績評定で加点する等の措置を開始するなど、他産業と遜色のない休日取得ができる現場の実現を目指し、取組を促進。

・閉所と交替制の切り替え
 → 令和5年度には、工期の一部で閉所から交替制に変更する試行を開始。
 → 令和6年度より、月単位の週休2日適用工事においても試行を拡大実施。【別紙3】

(4)技能者の処遇改善(CCUSの普及等)
・公共工事におけるCCUS普及方策
 → 令和5年度には、地元業界の理解が得られている45の都道府県で、直轄Cランクでのモデル工事を試行。また、都道府県工事では、43の道府県で企業評価を導入。さらに、地域での普及・促進に向け、元請・下請双方交えた意見交換会を6地域で開催。
 → 令和6年度より、地域レベルでのCCUS普及に向け、引き続き地域の理解を踏まえ直轄Cランクでのモデル工事を試行するとともに、都道府県・市町村発注工事における企業評価等の導入、現場利用の推進に向けた働きかけを行う。また、地域におけるCCUS導入の課題の把握に向け、元請・下請双方交えた意見交換会を10以上の地域で開催する。

(5)若手技術者の育成
 → 令和6年度より、関東地方整備局において、監理技術者育成交代モデルによる工事発注時に、監理技術者の交代(施工上一定の区切りとみなせる時期)の目安となる時期を概略工事工程表に示す予定。【別紙4】

2.生産性の向上(新技術・新工法の活用)
(1)BIM/CIM原則導入に伴う課題への対応
 → 令和5年度には、受発注者双方へアンケートを実施し、官民における課題の分析と解決策の方向性を整理。
 → 令和6年度には、BIM/CIMの理解促進と受発注者のデータ共有(DS)の徹底のため、BIM/CIMの活用効果、実施内容と実施主体を明確にした資料の作成を行う。

(2)プレキャスト工法の活用拡大
 → 令和5年度には、ボックスカルバートの工法選定比較におけるコスト及び定量的評価項目に加え、新たに定性的評価項目を追加した試行に向けた要領(案)を作成。
 → 令和6年度より、各地方整備局において、上記要領(案)を用いた過年度設計業務の試算(検証)及び新規設計業務での試行を行い、その結果を要領(案)に反映予定。

3.品確法の的確な運用(入札・契約に関する改善)
(1)ECI方式の活用拡大
 → 令和5年度には、日建連にて整理した現行のECIガイドラインへの要望に対し、速やかに改正すべき項目、継続検討のうえ改正すべき項目、ガイドライン以外で対応すべき項目等に方針を峻別。
 → 令和6年度には、速やかに改正すべき項目についての改正を実施予定。その他の項目についても検討を推進。

4.公共工事の適正かつ効率的な実施
(1)書類作成業務の負担軽減
 → 令和5年度には、受発注者間の作成書類の役割分担の明確化などを盛り込んだガイドライン・リーフレット等を作成又は改定し、受発注者の隅々まで展開。
 → 令和6年度より、ガイドライン・リーフレット等の周知状況についてフォローアップを実施予定。

(2)検査業務の負担削減
 → 令和5年度には、中間技術検査をはじめ、既済部分検査などの各種検査における遠隔臨場の適用可能性について、試行した案件へのフォローアップを実施し、「遠隔臨場による工事検査に関する実施要領(案)」を作成。
 → 令和6年度より、上記実施要領(案)を原則全ての検査に適用。

添付資料

【記者発表資料案】日建連FU会議成果.pdf(PDF形式:615KB)PDF形式

お問い合わせ先

国土交通省 大臣官房技術調査課 建設システム管理企画室 事業評価・保全企画官:栗原(内線22353)、係長:木村(内線22355) 
TEL:03-5253-8111(代表) (内線22353、22355) 直通 03-5253-8221

Get ADOBE READER

別ウィンドウで開きます

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Acrobat Readerが必要です。
左のアイコンをクリックしてAdobe Acrobat Readerをダウンロードしてください(無償)。
Acrobat Readerをダウンロードしても、PDFファイルが正常に表示されない場合はこちらをご覧ください。

ページの先頭に戻る