副大臣・大臣政務官会見

塚田副大臣会見要旨

2018年10月17日(水) 10:00 ~ 10:20
国土交通省会見室
塚田一郎 副大臣 

閣議・閣僚懇

おはようございます。
この度、国土交通副大臣、内閣府副大臣、また復興副大臣を拝命いたしました塚田一郎でございます。
よろしくお願い申し上げます。
国土交通省は、被災地の復旧・復興、防災・減災対策、社会資本の整備や老朽化対策、戦略的な観光振興、領土・領海の堅守等、幅広い分野にわたり施策を展開しております。
まずは、東日本大震災からの復興・創生、平成30年7月豪雨や平成30年北海道胆振東部地震など、頻発する自然災害からの復旧・復興にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
また、私は復興副大臣も拝命しておりまして、先日も岩手県の方に伺わせていただきました。
これからも福島、宮城の方にも訪問させていただき、それぞれ現場の声をしっかりと承っていきたいと考えております。
また、観光につきまして、わが国の成長戦略の大きな柱であります。
地方創生の柱でもあり、私の地元新潟でも、広域連携による魅力ある周遊ルートの形成など、訪日外国人旅行者の誘致に取り組んでいるところであります。
2020年訪日外国人旅行者4000万人の目標達成に向け、観光資源の魅力向上、観光産業の基幹産業化、ストレスフリーな受入環境整備などに取り組んでまいりたいと考えております。
更に、日本海において北朝鮮漁船による違法操業が発生するなど、わが国周辺海域を取り巻く状況は厳しさを増しております。
中国公船の領海侵入や北朝鮮漁船による違法操業などに対し、海上保安体制の強化に努めてまいりたいと考えます。
これらの取組に加え、石井大臣の御指導のもと、国土交通省のあらゆる分野において進められている「生産性革命」の取組についても、更に推進してまいります。
国民の安全・安心の確保をはじめとする様々な課題に対し、従来の発想にとらわれることなく、スピード感を持って取り組み、全力を挙げ、石井大臣をサポートしてまいりますので、よろしくお願いいたします。

質疑応答

(問)副大臣に就任されまして、是非これはやりたい、あるいは、やってやるぞという施策があれば教えてください。
(答)今、申し上げたとおり、私は復興副大臣も兼務で拝命しております。
7年半という歳月でありますけれども、これからもまだ現場の実情を反映しながら、この復興の加速化について、それぞれの地域の実情に合わせて、しっかり対応していきたいと思っております。
また、日本における領海、わが国にとっての国境を守っていただいている海上保安庁の皆様には、日々、大変御苦労いただいております。
こうした環境整備についても、しっかりとサポートをしていきたいと思っております。
また、インバウンドも含めた観光産業の成長戦略上の位置づけは大変大きいということで、また地方創生の柱にもなりますので、しっかりと取り組ませていただき、多くの方に日本に来ていただく、また産業の大きな柱として、地方創生の中での観光産業の振興についてもお手伝いをしていきたい、そのように考えております。

(問)港湾分野についてお聞きしたいのですが、港湾局では、先頃、2030年を見据えた港湾の中長期戦略を作成しました。
こちらに様々な施策が盛り込まれているのですが、今後の施策展開に向けた工程や重要事項などについて、御所感があればお願いいたします。
(答)国土交通省では2030年頃の未来を見据え、わが国経済・産業の発展と国民生活の質の向上のために、港湾が果たすべき役割、今後特に推進すべき港湾政策の方向性などを港湾の中長期政策「PORT 2030」としてまとめております。
本年7月31日に公表したところでございます。
例えば、AIターミナルの形成や国際クルーズ拠点形成をはじめとする個別施策の実施にあたっては、平成31年度の予算要求をはじめ、必要な取組を既に始めており、今後も取組を加速していきたいと考えております。
また、政策の着実な実行に向けて、検討過程で整理したロードマップを活用し、交通政策審議会港湾分科会において、適宜フォローアップを行ってまいります。
こうした取組により、わが国の経済・産業を支える港湾インフラの機能強化を図るとともに、豊かで潤いのある国民生活の実現に向けていきたいと思っております。

(問)道路ですとか、港湾、空港を担務されておりますけれども、社会資本に関して、現状認識と今後の進め方について御所見をお願いいたします。
(答)道路、港湾のインフラ整備は、自然災害等から国民の生命財産を守るなど、民間投資や観光交流などが進み、わが国の成長に寄与する多様な効果が期待されると考えております。
生産性の向上の観点で申し上げれば、三大都市圏環状道路をはじめとした、高速道路ネットワーク、また国際コンテナ・バルク戦略港湾、国際クルーズ拠点の形成などを重点的に進めていきたいと考えております。
また、道路や港湾の既存インフラについては、国民の生活の安全・安心のため、点検・維持管理・更新など、計画的、総合的な老朽化対策を行うことが喫緊の課題であります。
特に、多くのインフラを管理する地方公共団体等においては、財政面、体制面、技術面で課題があることから、国土交通省としても、各種支援を実施しているところであります。
今後とも、必要な道路や港湾のインフラ整備に努めてまいりますとともに、老朽化対策に全力で取り組んでいきたいと考えております。

(問)今、リニアの今後の開通を見据えて、スーパー・メガリージョン構想というのを検討されていると思うのですけれども、それに伴う国土形成、国土政策の展望についてお伺いしたいと思います。
(答)これからのわが国は、世界中でヒト、モノ、カネ、情報の流れがますます活発化し、グローバル競争が激化していく中で、持続的な成長をしていくことが求められております。
そうした中で、リニア中央新幹線をはじめとする高速交通ネットワークの整備がなされることにより、劇的に時間短縮が行われ、従来は困難であった遠隔な地方圏間の交流・対流が期待されると考えております。
これにより、各地域の個性ある企業が、産業がですね、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションを通じて融合し、新たなイノベーションが生まれる可能性も高まってくると考えております。
また、大都市と自然豊かな農山村の交流・対流により、新たなライフスタイル、ビジネススタイルが生まれ、人々の暮らしに多様性をもたらす可能性も高まると考えております。
このような効果を最大化し、全国に波及させるために、「スーパー・メガリージョン構想検討会」において、検討を進めているところであり、来年の夏頃を目途に、魅力ある国土形成に向けた将来ビジョンを描いていきたいと考えております。

(問)港湾分野におきまして、国際コンテナ戦略港湾政策に係るこれまでの取組や課題、また今後の対応について、所感をお願いいたします。
(答)国土交通省では、基幹航路のわが国への寄港を維持・拡大するために、「集貨」「創貨」「競争力強化」の3つの柱からなる国際コンテナ戦略港湾政策に取り組んでおります。
この結果、神戸港では平成29年にコンテナ貨物取扱個数が過去最高を記録するとともに、横浜港では、平成29年、30年と、北米基幹航路が相次いで新規開設されるなど、具体的な成果が現れているところであります。
本政策を強力に推進し、今後は、経済成長等を背景に拡大する東南アジア地域等の貨物の広域集貨を図ってまいります。
また、AI、IoTを活用した、世界最高水準の生産性と良好な労働環境を有する「AIターミナル」の実現に向けても取り組んでいきたいと考えております。

(問)都市政策でお伺いしたいと思います。
人口減少化時代を迎えて、あるべき都市像というものが変化してきているかと思いますが、その辺りを踏まえた今後の都市政策について、お考えをお聞かせください。
(答)今後、急速な人口減少が見込まれる中、多くの都市では、医療、介護、子育て、買い物などの生活サービスが成り立っていかなくなるおそれがあると考えられます。
こうした中で、生活サービスを維持させ、高齢者も安心して暮らせる持続可能なまちづくりを推進することが重要だと考えております。
このため、国土交通省では、医療、福祉、産業等の都市機能と居住を誘導・集約するための「立地適正化計画制度」を平成26年に創設いたしました。
本制度に基づいて、これまでに400を超える市町村で取組が進められており、引き続き、こうしたコンパクト・プラス・ネットワークのまちづくりに取り組む市町村を強力に支援していきたいと思っております。
また、自動運転やAI、IoT等の活用により、日常生活における移動手段の確保など、急速な人口減少等に伴い発生する課題解決も可能となることから、こうした先進的技術をまちづくりに取り込み、都市や地域の課題を解決するスマートシティの取組を進めてまいりたいと考えてます。

(問)先ほど観光産業に力を入れていきたいと仰っておりましたが、観光産業と密接に航空分野は関わっていると思うのですけれども、今後、航空分野で力を入れていこうと思っていることを教えていただければと思います。
(答)航空分野においては、まず、訪日外国人旅行者数2020年の4000万人、2030年6000万人とする政府の目標達成に向けて、空港機能の強化が最重要の課題だと考えております。
首都圏空港については、2020年までに羽田空港、成田空港の発着容量をそれぞれ約4万回拡大し、更にその後も、ニューヨーク、ロンドンに匹敵する世界最高水準の発着容量である100万回の実現を目指して、更なる機能強化に取り組んでまいります。
担当の副大臣としては、しっかりと地元の御理解を得ながら、進めていきたいと考えております。
また、訪日外国人の地方への誘客及び国内航空ネットワークの充実を図るため、地方空港の機能も強化をしていくことが重要であります。
例で挙げますと、那覇空港、福岡空港の滑走路増設、北海道内の7空港等におけるコンセッションの推進、地方空港における国際線就航の促進に向けた支援についても取り組んでまいりたいと思います。
また一方で、航空サービスの利用者の安全・安心の確保も重要でありまして、台風第21号による関西国際空港の被害を踏まえた、空港における自然災害対策の強化にも取り組んでまいりますし、オリンピックを目前に控えておりますので、テロ対策の強化及び安全な運航の確保のためにも、先進的な保安検査機器の導入推進等にも取り組んでまいりたいと思います。
今後とも、わが国経済成長、地方創生に向け、国民の目線に立った政策推進に取り組んでいきたいと考えます。

(問)海事・港湾分野のところでお伺いしたいのですけれども、政府の方で進めていらっしゃいます「i-Shippinng」「j-Ocean」そういった取組等について、今後、具体的にどのようなところで新たな動きが出てくると見込んでいるのか。
また、造船の方ですね、外国人人材の活用等について新たな制度が始まりますけれども、その後、そういった人たちの定着について、どういうふうに考えていらっしゃるのかというところをお伺いできれば。
(答)ICT・AI等を活用した港湾物流の生産性向上に向けて、国際コンテナ戦略港湾政策を更に進めていきたいと考えます。
「港湾関連データ連携基盤」の構築やAIターミナルの実現に取り組みます。
また、国際バルク戦略港湾の整備、地域産業の競争力強化に直結するような港湾施設の整備、「訪日クルーズ旅客を2020年500万人」の達成に向けたクルーズ船の旅客の受入環境整備などに取り組むとともに、海洋再生可能エネルギーの発電設備の整備に関して関係者との調整の枠組みを定めつつ、長期に占用可能な新たな制度を創設していきたいと思っております。
また、重要インフラの緊急点検結果等を踏まえて、コンテナの流出対策やターミナル・電源装置の浸水対策等にも取り組んでまいります。
外国人のことについては、今後、制度に則って適切な対応を行っていきたいと考えております。

(問)都市政策分野に関してですが、近年の大きな課題として「都市のスポンジ化」というのがあるかと思うのですけれども、これに関しまして、重視するそれへの対策、又は今後、新たな課題解決のためのアイデアや施策などのお考えがあればお聞かせください。
(答)現在、多くの都市で、人口減少、高齢化を背景に、空き地、空き家等が時間・場所を問わずにランダムに発生する中で、生活利便性の低下や治安・景観の悪化を通じて地域の魅力が低下するという、いわゆる「都市のスポンジ化」が進行しているところであります。
スポンジ化によって市街地環境が悪化し、地域の魅力が低下したままでは、各種機能をコンパクトに集約しネットワークでつなぐ、いわゆる「コンパクト・プラス・ネットワーク」のまちづくりを進める上でも重大な支障が生じるおそれがあります。
こうした課題に対応するために、本年7月に都市再生特別措置法等を改正し、低未利用土地の集約等による利用の促進や地域住民等による身の回りの公共空間の創出などを図るための新たな制度を創設いたしました。
また、制度の創設に合わせて、その活用促進を図るために、税制上のインセンティブ措置を講じるとともに、既存のコンパクトシティ関連の予算等についても総合的に支援をしていくということを考えております。
新たな制度の活用を促進することが重要だということで、まずは、この制度をしっかり活かした取組を行っていきたいと思います。

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