大臣会見

太田大臣会見要旨

2015年4月14日(火) 10:56 ~ 11:15
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私からご報告するものはございません。
一点ご報告がございます。
韓国への出張についてです。
4月12日から13日にかけて、韓国に出張し、第7回世界水フォーラム閣僚会議及び第2回日中韓水担当大臣会合に出席しました。
そして、韓国のユ・イルホ国土交通部長官と会談いたしました。
閣僚会議では、統合水資源管理に関する閣僚円卓会議の議長を務め、水に関するさまざまな課題に対し一体的に取り組むことの重要性について議論しました。
各国から色々渇水のところもあり、洪水が起きるところもあり、干ばつに悩むところもあり、淡水化事業というのが大事なところもあり、それぞれ違うのですが、いずれにしてもその国自体で健全な水循環が行われるということが大事で、そこの科学的な知見、あるいは経験というものを持ち寄っての会議であったと思います。
第2回日中韓水担当大臣会合では、日中韓各国の先進的な取組を共有し、諸外国にも広めていくことで一致し、共同宣言に署名しました。
それぞれ水に関する状況は三国いずれも違いがあったのですが、これらについてのお互いの考え方等々について力を入れてることについての話し合いをさせていただいたということです。
韓国のユ・イルホ国土交通部長官との会談では、今後、水資源管理に加えて、住宅、都市、交通等の分野で日韓両国の協力を一層深めていくことで一致しました。
また、水フォーラム開催7ヶ国、これまで第7回になってきておりますので、その主催国が水問題に取り組もうとの提案がありました。
私からは大変良いことだということを答えました。
今回の出張によって、世界の水問題解決のための議論に貢献するとともに、日中韓三国の協力関係を深めることができたものと考えております。
私からは、以上です。
 

質疑応答

(問)日曜日に、山手線の架線支柱が倒れてダイヤが大幅に乱れた件があったのですが、この件に関する国交省の対応と、大臣のご所見、JR東日本の対応が適切であったかをお願いします。
(答)12日の朝6時10分頃、京浜東北線北行きの列車の運転士が架線を支える支柱(電化柱)が倒れていることを発見し、山手線・京浜東北線が15時30分頃まで運転を見合わせました。
今回の事案については、まず9時間以上の長時間に渡って運転を見合わせ、約41万人にのぼる多くの方に影響を与えたということ、そして、JR東日本が調査をしたところ、倒れた電化柱は列車の運転の安全に支障を及ぼす状況であり、また、電化柱が支障した線路を直前に列車が運行されていたとのことであり、安全上の問題があったということで、私は大変遺憾に思っているところです。
結果として異常を2日前に察知をしながら、対応が取られなかったことが今回の事象につながったことから、JR東日本の対応に大きな問題があったと考えざるを得ません。
JR東日本に対しましては、今回の電化柱が倒れたことについて、検証を実施しているところですが、また13日からJR東日本管内の電化柱のうち、旅客列車が走行する線路上にあるもの約22万本について、倒壊のおそれがないかどうかの緊急点検をJR東日本は実施しているということです。
国交省としては、JR東日本に対し、輸送サービスの安定の観点から大変重大な事案と受け止めて、発生直後から早期情報収集と旅客の利便確保を指示しました。
更に文書で正式に12日に工事の施工方法や施工管理など背後要因を含め、原因を究明し、再発防止のための措置を講ずるよう指示をしました。
また、関東運輸局職員2名を13日から現地調査に派遣をし、更に加えて運輸安全委員会調査官2名により本日から調査を実施することを決定いたしたところです。
引き続き、JR東日本に対して、徹底した原因究明と適切な再発防止対策を行うよう指導を行って参りたいと思います。
特に傾いているということが事前に察知をしているというような状況もあり、これを事前に倒壊を防止できなかったということの時間的な経緯とか、その対応の陣形といいますか社内のあり方、そして施工会社との連携、こうしたことでもよく中身を調べて調査をして、それについて的確に今後対応できるようにその原因をしっかり調べなければいけませんから、それについては厳しく指導もし、また調査を行うように今やっているところですが、併せて、先ほど申し上げましたように関東運輸局職員2名の派遣や運輸安全委員会調査官2名を本日から派遣して調査をするという体制を取らさせていただいているところです。
非常に大事な問題であるという認識をしております。

(問)山手線の関係ですが、JR東日本に対しては2003年にも工事の施工に関連して事業改善命令を出しておられるところですが、昨年、京浜東北線で保線のトラブルで列車が脱線したという事象もありましたけれども、今回こうした事象が続いていることを鑑みて事業改善命令を出すことはあるとお考えでしょうか。
(答)これはよく調査をしなくてはいけないとこのように思っています。
ただ事故が続いているかどうかということについては、それも含めて続いているという表現が適切かどうかということについては今後判断をしていくということになりますが、私は今回の事例というのは非常に今まであまり例のないことでもありましたし、事前に傾きがあったということが、これは工事ですからそういうことは起きうるということだと思いますが、直ちに安全上の対策ができなかったかということが私は一番の問題ではないかとこのように思っているところでよくその辺の調査をしたいとこのように思います。

(問)先ほど運輸安全委員会の調査官を2名を派遣して本日から調査をということですけれども、これは国交省として今回の事案を重大インシデントと認定したということでしょうか。
(答)運輸安全委員会が調査をするということは重大インシデントという位置付けをして初めて派遣ということになります。
今回の事案は、先ほどから私が申し上げているように、何か突然起きたというよりも、例えば落石の危険性があることは認識されていて、手が打てなくて、落石事故が起きて、死亡事案が発生するというようなことに類似するものだと認識しており、今回確かに、負傷者が発生しなかったということで、通例は重大インシデントという位置付けはしないのが普通ですが、私としては、影響が非常に大きいことと、倒壊するという現象に至る過程をよく調べないと、影響の大きさと事前に柱が傾いていたことを察知していたことに対しまして、重大インシデントという認識をさせていただいたということです。
今までのことでは、負傷者が発生していないということで、直ちに運輸安全委員会が調査を行う対象ではないのですが、13日の夜、JR東日本より、国土交通省に対して、詳細に調査して、支柱が倒れた状況を確認したところ、鉄道の線路に列車の運転の安全に支障を及ぼす状況であったので、インシデントであるとの報告があり、運輸安全委員会に通報し、その通報を受けて、運輸安全委員会において検討し、この事案について、JR東日本が線路に隣接する電化柱の異常を認知しながら、必要な措置が講じられる前に、安全運行に支障をきたす結果になった特殊性というものに鑑みて、重大インシデントとして調査を行うことにしたというのが運輸安全委員会の判断です。
私もそれについては同様に、その状況については非常に大事な問題であると認識しています。
(問)見方によっては、現場の作業員や運転手が2度ほど支柱が傾いているのを認識していたにも関わらず何も対応できなかったと、現場の声が反映されなかった点では、JR北海道の相次いだトラブルやミスに通ずるものがあると思いますが、大臣がこれまでJR北海道に対して社長等を呼び、指導を行ってまいりました。
今回の事案に鑑みて、JR東日本の経営陣を呼び、何か指示・指導するお考えがありますか。
(答)まずはその状況の倒壊に至った調査、そして原因究明に、全力を挙げる指示をし、他に類似案件が発生しないように、強く指示をしているこの2点です。
社長からお詫びがあった際も二度と(類似案件を)発生させないようにということと原因究明と私そういうことを申しあげましたが、まだ国交省には連絡が随時あるといったことですが、もう少し調査状況、原因究明をよくやってということが今全力を挙げるべきことだと私は思っています。

(問)4月11日、12日の日中韓観光大臣会合は大成功だったと思います。
大臣が退席された後、フォーラムがあり、その後質問させて頂きました。
日本は、観光は平和へのパスポートというのを合い言葉にここまで来ましたが皆様の抱負はというのに対して、中国、韓国の大臣から非常に力強い返事があり、特に中国は今回の合意を実施・実行しますという本当に力強い言葉が返ってきました。
この会合、次はどこでいつ開催されるのでしょうか。
(答)来年の適切な時期に湖北省の武漢で開催をすると、次は中国での開催ということになりますが、時期は3大臣の時間調整具合だと思います。
そういう意味では、どうしても北京とか上海ということがどちらかというと旅行する人達も中心でまずそこにということがあって、地方への拡大ということも大事だと思っておりますので、歴史もあり、また食べ物という点でも定評があるという場所として武漢を選んでいただいたということは大変適切な判断ではないかと思い、来年はそのようにさせていただくことにさせていただいています。

(問)山手線の関係で発生した日に鉄道局が重大インシデント等に該当しないということで、そもそも鉄道局の担当の安全監理官室は昼過ぎまで誰も職員が出勤していないという状況にありました。
先程の大臣のお話からすると非常に重大な案件であるというふうに大臣認識しておられると思うんですけれども、こうした当初の鉄道局の対応に対して適切だったかどうかというのはいかがでしょうか。
(答)随時、早朝から連携を取り合って、JR東日本から関東運輸局に7時38分に連絡をしてきた時点から、常に関東運輸局鉄道部と本省の鉄道局安全監理官室等との間で連携を取り合ってきているということでありまして、その辺は対応としては、通常と言ったらなんですけれども、直ちに、そうした連携は取っているということです。
(問)日本で1番混雑するような路線で、昼の段階で6時間以上既に止まっているというような状況にあるのに、本省の方で職員が出勤してきて対応しないというのは、これは適切だということでしょうか。
(答)それは、もう朝9時半頃から(関東運輸局鉄道部の)職員は、あがって来てやっています。対応しています。

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