副大臣・大臣政務官会見

國場副大臣就任会見要旨

2023年10月11日(水) 11:01 ~ 11:20
国土交通省会見室
國場幸之助 

冒頭発言

質疑応答

(記者)

就任から1ヶ月弱となりましたけれども、改めて抱負をお願いいたします。

(副大臣)

この度国土交通副大臣を拝命しました、衆議院議員の國場(こくば)幸之助(こうのすけ)です。
よろしくお願い申し上げます。
それでは今、朝日新聞さんからの抱負について発言をしたいと思います。
国土交通省は、国民の皆さまの命と暮らしを守り、また、経済成長や地方創生に直結する分野について、陸・海・空にわたり幅広く所管する、大変重要な組織であると認識しています。
今回、私は副大臣として、安全・危機管理、海上保安、国土政策、鉄道、自動車、海事、国際、気象等の分野を担当していきます。まず、沖縄県でも8月の台風6号により、県内の総戸数の約3割が停電し、交通機関にも非常に大きな影響が出ました。
こうした自然災害による深刻な被害が全国各地で頻発していることから、国民の皆さまの安全・安心の確保が何よりも重要だと考えています。
このため、流域治水の推進、線状降水帯の観測・予測体制の強化、無電柱化の推進をはじめ、減災・防災、国土強靱化の取組みを強力に推進していきます。
また、交通分野の総合的な安全対策の推進に取り組むとともに、巡視船・航空機等の増強整備などハード面の取組みに加え、警察・自衛隊等関係機関との連携強化などソフト面の取組みを推進する海上保安能力の強化、国民保護・総合的な防衛体制の強化等に資する空港・港湾等の整備にも取り組んでいきます。
次に、持続的な経済成長の実現に向け、いわゆる「2024年問題」による影響が懸念されている物流について、先日取りまとめた「物流革新緊急パッケージ」等に基づき、スピード感を持って取り組んでいきます。
あわせて、交通等の分野におけるGX・DXの加速、オーバーツーリズムの未然防止・抑制など持続可能な観光の推進、社会資本の戦略的・計画的な整備等を進めます。
さらに、個性をいかした地域づくりと分散型国づくりを推進する必要があります。
そのために鉄道・バス等のバリアフリー化、地方への人の流れを創出する移住や二地域居住等の促進、国境離島を含む条件不利地域の振興、地域の多様な関係者の共創による地域公共交通のリ・デザイン等を進めていきます。
斉藤大臣は、現場の声にしっかりと耳を傾けながら、国土交通省の総合力を最大限発揮して取り組んでいくことを重視しています。
私も、大臣と同じ考えであり、国土交通行政をしっかりと前に進められるよう、副大臣として全力を挙げて取り組んでいきます。

(記者)

政府は港湾や空港のデュアルユースを検討しているということなのですが、自民党の国防部会長も務められた経験から、総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備についてお考えをお聞かせください。

(副大臣)

総合的な防衛体制の強化は、防衛力の抜本的強化を補完する重要なものであり、中でも、公共インフラ整備は、国民保護や災害対応への観点からも意義があると考えています。
国家安全保障戦略に基づき、民生利用のニーズに加えて、海上保安庁・防衛省のニーズを反映できるよう、関係省庁間で連携して検討が進められているところであり、先日、関係閣僚会議が開催され、閣僚間での認識の共有が図られたところです。
これを受けて、現在、関係する自治体に対して関係省庁と連携して順次調整を始めているところです。
総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備については、関係自治体の御理解と御協力を頂くことが不可欠であり、その点を念頭に置きながら、空港・港湾等の公共インフラを所管する国土交通省として、しっかりと取り組んでいきます。

(記者)

今の公共インフラの関係で関連なのですが、重点的に整備すべき地域はどこであると副大臣はお考えかという点と、関係自治体との協力というか理解が不可欠とのお話しもありましたが、地元によってはいろいろな意見もあるかと思いますが、それに関してどういう理解を得ていくかというところを具体的にお伺いできればと思います。

(副大臣)

総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備については、先日(8月25日)、関係閣僚会議を開催し、閣僚間で認識の共有を図っているところです。
これを受け、現在、国土交通省としても関係省庁と連携して検討を進めているところであり、関係する地方公共団体に対しても、関係省庁と連携して、順次調整を始めているところです。
その上で、具体的な内容・場所等については、検討・調整を丁寧に進めていく必要があることから、現時点でお答えは差し控えさせていただきます。

(記者)

自然災害の激甚化・頻発化への対応について、先般、国土強靱化基本法についても改正されたということで、これを踏まえて、今後の防災・減災、国土強靱化の取組み、どのように進んでいけば良いのかお考え伺えますでしょうか。

(副大臣)

激甚化・頻発化する豪雨災害や切迫する大規模地震、深刻な状況にあるインフラ老朽化等から、国民の皆さまの命と暮らしを守ることは国土交通省の重大な責務と認識しています。
これまで、5か年加速化対策等の取組みにより、大規模な被害を未然に防止するなど、一定の効果を発揮していますが、気候変動に伴う降雨量の増加等も予測され、国土強靱化への取組みの強化が必要です。
このため、5か年加速化対策後も、中長期的かつ明確な見通しの下、継続的・安定的に国土強靱化に取り組んでいくことは、重要であると認識しています。
今年6月、国土強靱化実施中期計画の法定化等を内容とする法改正が成立しました。
これにより、実施計画が切れ目なく策定されることになるため、5か年加速化対策後も継続的・安定的に国土強靱化の取組みを進めることが可能となりました。
今後とも関係省庁と連携し、今年7月に改定された国土強靱化基本計画を踏まえ、国土強靱化の取組みをしっかりと進めていきます。

(記者)

7月に新たな国土形成計画が閣議決定されました。
次は推進に向けたフェーズに入っていくと思いますが、そのための抱負と住宅と不動産業界に対して、こちらの計画に対する、この二つの業界の役割と期待がありましたら、お願いいたします。

(副大臣)

新たな国土形成計画では、危機的な状況に直面する地方の活力を取り戻すため、目指す国土の姿として、「新時代に地域力をつなぐ国土」を掲げ、質の高い交通やデジタルのネットワークを通じて、「シームレスな拠点連結型国土」の構築を図ることとしています。
また、目指す国土の姿の実現のため、「デジタルとリアルが融合した地域生活圏の形成」、「持続可能な産業への構造転換」、「グリーンな国土の創造」、「人口減少下の国土利用・管理」という四つの重点テーマを、国土の刷新に向けて掲げています。
とりわけ、日常の暮らしに必要な生活サービスが持続的に提供される「地域生活圏」については、デジタルも徹底活用しつつ、地域課題の解決と地域の魅力向上を図ることとしています。
国土形成計画の推進に当たっては、10月に国土審議会の下に、調査審議を行う推進部会を立ち上げ、10月6日に第1回を開催したところです。
さらに、人々を引きつける地域の魅力を高め、地方への人の流れの創出・拡大を図るため、移住・二地域居住に関する有識者・実践者などのメンバーに参画いただいた専門委員会を設置し、移住促進等の新たな施策を検討することとしています。また、国土交通省だけではなく、関係する府省庁との緊密な連携と協力を図っていきます。
一方、住宅・不動産業界は、住生活の質の向上及び暮らしの安全・安心の確保を推進する上で重要な役割を担っていただいています。
国土形成計画においては、住宅・不動産業界に関連する取組みとして、社会情勢や人々の生活の多様化に対応した豊かな住生活の実現や、安全・安心で快適な居住環境の形成に向けた取組み、子育て世代が安心して暮らせる社会の構築、住宅建築物の省エネ化や、木造建築物の普及拡大、都市・建築のDX等を推進することとしています。
住宅・不動産業界に対しては、こうした多岐に渡る取組みを推進いただくとともに、国土・地域づくりの担い手として関わっていただくことを高く期待しています。

(記者)

今年7月に策定されました、新たな国土利用計画について伺えればと思います。
この利用計画の中では、例えば所有者不明土地など管理不全に陥った土地の適正な管理ですとか、地域管理構造に向けた取組みなどが盛り込まれておりますけれども、不動産に向けた役割ですとか、あるいは重点的に取り組みたい取組みについてお答えしていただければと思います。

(副大臣)

我が国においては、山間部を中心に、2050年には、現在人が居住している地域の約2割が無居住化すると推計され、人口減少等を背景とした国土の管理状況の悪化が懸念されています。
このほか、大規模自然災害に対する脆弱性や、自然環境や景観等の悪化も、国土利用をめぐる課題であると認識しています。
こうした状況下であっても、人々が安心して住み続けられる、個性豊かな国土を、将来世代に継承していくことは大変重要と考えています。
このため、国土交通省としては、新たな国土利用計画に掲げられた基本方針の実現に向けて、関係省庁等と連携しながら、力強く取組みを進めていきます。
その上で特に、所有者不明土地や空き地・空き家などの増加に関しては、住宅・不動産業界を含めた多様な主体の参加と、官民連携が重要と考えています。
このため、新たな計画においては、具体的な取組みとして多様な主体が連携し、地域の課題を解決する協議会等のコーディネート機能の確保を図ること、空き地・空き家バンク等の官民連携の取組みの推進などが盛り込まれています。
このように、新たな計画の推進にあたり、住宅・不動産業界に期待される役割は非常に大きいものがあると考えています。
住宅・不動産業界の皆さまにおいては、新たな計画の趣旨をぜひ御理解頂き、国土の適正な利用・管理に向けて、御支援を賜りたいと思っています。

(記者)

物流の「2024年問題」について、冒頭も御発言ありましたが、課題解決には関係業界の理解と協力が必要だと思いますが、国土交通省として建設業も所管しているということで、両業界を所管する立場からどのような対応をしていくべきかお考えをお伺いします。

(副大臣)

我が国の物流は、国民生活や経済を支える重要な社会インフラであり、現在、「2024年問題」への対応が喫緊の課題となっています。
物流を持続可能なものとするためには、荷主企業、物流事業者、消費者が一体となって、我が国の物流を支えていくことが不可欠です。
これに対応するため、本年6月、「商慣行の見直し」「物流の効率化」、「荷主・消費者の行動変容」を3本柱とする「物流革新に向けた政策パッケージ」がとりまとめられました。
特に、この政策パッケージのうち、スピード感をもって実行するべき対策につきましては、今月6日、「緊急パッケージ」としてとりまとめられています。
国土交通省としては、これらの政策パッケージにまとめられた施策をしっかりと実施することが重要と考えております。
このため、関係省庁と緊密に連携し、建設業を含む荷主企業など、関係者の理解を得ながら、「2024年問題」に対応していきます。

(記者)

自動車分野で1点お尋ねします。
2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、商用車の電動化の普及に向けた取組みに関しての所感をお願いします。

(副大臣)

自動車分野は、我が国のCO2排出量の2割近くを占めており、2050年カーボンニュートラルや運輸事業の持続的成長を実現するためには、商用車の電動化が重要です。
このため、国土交通省では、これまでも野心的な燃費基準の策定や電気自動車等の基準の国際調和、予算・税制措置を通じて、電動車の技術開発や普及を後押ししてきました。
特に、令和6年度概算要求においては、関係省庁とも連携し、商用電動車への支援を大幅に拡充しています。具体的には、電気自動車等を購入しようとするトラック・バス・タクシーの運送事業者に対して補助を行うため、令和5年度予算の2倍以上となる約340億円を要求しています。
国土交通省としては、必要な予算の確保等を通じて、商用電動車の普及、ひいては自動車分野のカーボンニュートラルや運輸事業の持続的成長の実現に向けて、全力で取組んでいきます。

(記者)

今、地方公共交通分野を担うタクシーが特に大都市圏で足りないと言われており、安全面の懸念やタクシー業界の反対がある中、菅(すが)前総理を始めライドシェアの推進の方の声が大きくなっていることについて、副大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

(副大臣)

ライドシェアに関しては、国民の中にいろいろな意見があると理解をしています。
私も沖縄県の出身ですので、中々タクシーも止まらないという切実な声を聞いています。
国土交通省の立場としては、安全性の観点からいろいろな問題、課題があると認識をしていますので、関係者の意見を拝聴しながら打開策を追及していきたいと考えています。

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