大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2024年1月12日(金) 10:55 ~ 11:14
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)二次避難先となる宿泊施設の確保について

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から2点報告があります。
1点目は令和6年能登半島地震における二次避難先となる宿泊施設の確保についてです。
今月8日(月)の政府対策本部における総理指示を踏まえ、被災された方の受入可能な宿泊施設として、2月末までの間で最大、北陸4県で約9300人分、さらに、隣接する長野県、岐阜県、滋賀県を加えて約1万3000人分を確保しています。
加えて、今申し上げた宿泊施設とは別に、三大都市圏の宿泊施設において約1万2000人分を確保しているところです。
こうした情報を石川県に提供し、二次避難先の確保に万全を期してまいります。
詳細は事務方にお問い合わせいただければと思います。

(大臣から)「羽田空港 航空機衝突事故 対策検討委員会」について

(大臣)

2点目は、「羽田空港 航空機衝突事故 対策検討委員会」についてです。
今回のような事故が二度と発生しないよう、今週9日に「航空の安全・安心確保に向けた緊急対策」を発表しましたが、先日の会見でも申し上げたように、運輸安全委員会の事故調査報告を待たず、さらなる安全・安心対策を講じるべく、外部有識者を含めた「羽田空港 航空機衝突事故 対策検討委員会」を立ち上げます。
第1回委員会を来週19日(金)に開催し、この夏には中間的なとりまとめが行えるよう、パイロットと管制官に対する注意喚起システムの強化や、パイロットと管制官の交信の見直しの必要性などについて、精力的に検討を進めていただきたいと考えています。
この会議の詳細については、会見の後に事務方から説明させます。
私からは以上です。

質疑応答

羽田空港 航空機衝突事故 対策検討委員会について

(記者)

今の羽田の衝突事故に関連しまして、検討委員会設置とのことですが、今回の事故について大臣はどのような問題意識をお持ちでいらっしゃいますでしょうか。
それを踏まえて、再発防止にどう取り組むかお考えをお聞かせください。

(大臣)

今回の事故の原因については、今後、運輸安全委員会の調査によって明らかにされるものと考えています。
抜本的な安全・安心対策は、それを受けて行わなければならないと思っています。
その上で、今回のような事故を防止するためには、様々な対策をできるものはできるだけ早く、多重的に講じることが重要だと考えています。
こうした観点から、先日、まず今できることをということで緊急対策を発表させていただきました。
そして、今般設置した検討委員会では、運輸安全委員会による事故調査報告を待たず、現時点で把握している客観的な情報や、外部有識者等の御知見に基づき、ハード・ソフト両面でのさらなる安全・安心対策を検討するものです。
最終的には、運輸安全委員会の事故調査報告も踏まえ、抜本的な安全・安心対策を講じていかなければならないと考えています。

2008年に取りまとめられた「滑走路誤進入防止対策検討会議」の議論について

(記者)

滑走路への誤進入については、今回が初めてではなく、報道もされているところですけれども、2007年、今から15年以上前、頻発をして、さらに2008年に国土交通省で対策を取りまとめられたと認識しています。
その後も重大インシデントは毎年のように起きているような状況で、そうした中で、今回事故が起きたと。
やはり、当時以降の事例は重たいものだと思うのですが、航空の安全を預かる大臣として、当時の教訓が活かされたのか、活かされていないのか、現時点での受け止めをお聞かせください。

(大臣)

国土交通省では、2008年の「滑走路誤進入防止対策検討会議とりまとめ」等に基づき、管制官やパイロットの基本動作の徹底はもとより、誤進入を防止するための灯火システム、管制官の目視確認を補助するための注意喚起システム等を導入し、誤進入事故の未然防止に努めてまいりました。
2008年のこのとりまとめを受けて、その時点でも大きく対策を打ってきたところです。
このように、国土交通省としては、滑走路誤進入対策に最善を尽くしてきたところですが、今般の事故を受け、運輸安全委員会による事故調査に全面的に協力しつつ、これまで以上の安全・安心対策に取り組んでいかなければならないと考えた次第です。
このため、現時点で把握している客観的な情報をもとに、直ちに取り組むことができる安全・安心対策について、1月9日に緊急対策として取りまとめました。
加えて、先ほど申し上げたように、運輸安全委員会の事故調査報告を待たず、来週19日開催予定の検討委員会において、外部有識者の御知見に基づき、ハード・ソフト両面でのさらなる安全・安心対策の検討を精力的に進めてまいります。
技術も、そして現場の状況、非常に混雑度が増してきたという状況等、日々、進化している、変わってきています。
その時点で、最大限の努力をしていかなければならないと思いますが、今回はこういう事故もありました。
もちろん2008年の時には最大限の改善策を施したつもりですが、それに加えて、今回それからのいろいろな技術の進展、状況の変化等を加えて、新たに我々としても検討委員会で検討していきたいと考えています。

インバウンド政策を進めている中での今般の事故をどう受け止めるかについて

(記者)

羽田事故に関連して1点大臣のお考えをお聞かせください。
今回事故が起きた原因については、先ほども御説明がありましたように運輸安全委員会の調査を待つとのことですが、この事故が起きたタイミング、過去に何度も起きたということはあるのですが、コロナ禍を経て、一旦航空需要が落ち込んで、これからさらに、再度インバウンドが回復してくる局面で、徐々に今、水準も戻ってきているところで、外国人の方々も日本にたくさんお客さまとしていらっしゃいます。
そういう中で、こういう事故が起きたことのタイミングの悪さ、重要性、今まで以上に、今の日本政府としての政策の中における今回の事案をどう捉えて取り組まれるのか、問題意識を改めてお考えをお聞かせ願います。

(大臣)

今、おっしゃいますようにコロナで一旦、航空需要が落ち込みました。
今、その回復時期、これからさらなるインバウンド、また、我々アウトバンドも行きましょうと申し上げていますが、航空の需要が増してくる、そういう時期に起きた事故で我々も非常に重く受け止めています。
今回のことを、また新たな教訓として、二度とこういうことが起きないように、安心して世界の皆さんに日本に来ていただく、また飛行機に乗っていただく意味でも、今回できる限りのことをしたいと決意しています。
先週はまず、できること、基本の確認でしたけれど、今回、この検討委員会を設けて、ハード・ソフト両面で何ができるか、そして抜本的には、運輸安全委員会の報告を待って、これに我々も全面的に協力していきますけれども、よりレベルの高い安全・安心対策になるように頑張っていきたいと思っています。

能登半島での国道249号線等の道路啓開作業が難航していることについて

(記者)

能登半島地震についてもお伺いしたいと思いまして、国道249号をはじめ、被災地の道路の啓開が難航しているやに聞いていますが、今回の対応の難しさと、今後の見通しについてお聞かせください。

(大臣)

物流の更なる改善やライフラインの復旧等に向けては、陸・海・空 全ての輸送ルートの早期回復が重要であり、陸路の確保に向け、発災以降、道路の緊急復旧を進めてきたところです。
このうち、国道249号の沿岸部など、半島内の主要な幹線道路等については、24時間体制を構築し、自衛隊などとも連携しながら、内陸・海側両方からくしの歯状の緊急復旧を進めています。
現在、約8割まで進捗しています。
この8割というのは道路の距離で啓開できたところが約8割という意味です。
一方、残る区間においては、斜面の崩壊やトンネル内の崩落など、被災が極めて大規模な箇所があることから、復旧まで相当な時間がかかる見込みです。
今後、本復旧に向けた現地調査に速やかに着手していきたいと思っています。
困難さはまさに上空からの写真を見ても大規模な崩落、トンネル等の崩壊等が見受けられます。
近づけない状況です。
ここは自衛隊とも連携して、今日も先ほどの政府対策本部で防衛省から、国土交通省と連携してこれらの地域に、例えばホバークラフトもしくは大変重たい物も吊り上げられる自衛隊のヘリコプターを使って重機を持ち込み、また人員も配置し、まずはどんな被災状況か調査するところから進めていきますが、これは応急復旧よりも即本格復旧をどうやっていくかを考えなければいけない状況だと思っています。
まずは今自衛隊と連携して重機が持ち込めないところに重機を持ち込んで、それからどのようにしていくかを今考えているところですが、全力を挙げてあたっていきたいと思います。
そういうことが孤立集落等へのアクセスの改善に繋がるので、しっかりやっていきたいと思っています。

二次避難に向けた対応について

(記者)

能登半島地震の関係で、冒頭説明にもありました二次避難についてお伺いしたいと思います。
冒頭でも宿泊施設など二次避難、相当数徐々に確保できているという説明がありましたけれども、数もさることながら被災した人それぞれ地元を離れたくないとか、いろいろな個別な事情もある中で、そこに寄り添いつつ丁寧かつスムーズな対応も求められるかと思います。
そのあたりこの二次避難にどのように今後取り組んでいくのかというところ、大臣のお考えをお聞かせいただけないでしょうか。

(大臣)

二次避難について、昨日までのフェーズはとにかく二次避難先を確保することに最大限努力することでした。
避難先については先ほど申し上げたように数としては確保できたところです。
今後のフェーズは二次避難に対して、各被災された方が持っているいろいろな御事情に寄り添いながら、配慮しながら二次避難先に御希望される方は行っていただく、できるだけたくさんの方に行っていただきたいと私自身思っていますけれども、その御事情を配慮しながらきめ細やかな対応をしていくことが必要かと思います。
今日の政府対策本部でも総理の御指示の中心はまさにその点でした。
一つは、地域コミュニティの方と一緒に生きてきたし、また避難先でも地域コミュニティの方が励まし合って生きている。
そのコミュニティを大事にした二次避難という形にするとか、それからお一人お一人いろいろな御事情があります。病気を持っている方、また、いわゆる要配慮者の方をどうするか、これについては国土交通省としては、例えば福祉タクシー、それからユニバーサルデザインタクシーなどの手配はしっかり進めていくことで対応しています。
この輸送支援については、輸送可能な約5000人分の貸切バスや要配慮者の方の移動に適した福祉タクシーやユニバーサルデザインタクシーも含め、約700人分のタクシー車両に係る情報を石川県に提供していまして、石川県ともよく連携しながらきめ細やかな対応をしていきたいと思っています。
そして、避難後の住まいの確保に向け、公営住宅等の空き室提供や、賃貸型・建設型の応急住宅の提供、被災した住宅の修理に対する支援を進めていかなくてはならないと思っています。
輪島(わじま)市では今日から応急仮設住宅の建設が始まります。
能登(のと)(ちょう)他でも15日から建設が始まりますが、そういうものも含め、きめ細やかな対応をしていかなくてはいけないと思っています。

道路啓開の見通しについて

(記者)

道路の復旧のところで、大臣かなりの時間を要するというような御発言がありましたけれど、現地の方からするとそこの見通しはすごく今後の生活を考える上で大事かなと思うのですが、かなりの時間というのはどれぐらいのスケール感のものを持っているか、もし言えるようであればお願いします。

(大臣)

正直申し上げて、どのぐらいかかるということを今この時点で申し上げられる状況ではありません。
昨日初めて道のこれまで入れなかったところに、空からヘリコプターで入って、TEC-FORCE等調査を始めたところです。
自衛隊の皆さんと一緒に入って調査を始めたところです。
先ほど申し上げたようにかなり山腹崩落等、またトンネル内の地割れ等、トンネルは、もうこのトンネルは通れないので、もう一つトンネルを作らなくてはいけないのではないか、これはもちろんまだ定まったことではありません。
そう思われるくらいの大きな被害があります。
この被害の状況をよく見極めて、できるだけ早くいつまでに復旧させるということを申し上げ、大体の見通しでも立てば申し上げたいと思っています。

ページの先頭に戻る