大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2023年7月11日(火) 10:42 ~ 10:55
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)G7都市大臣会合について

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私の方から報告するものはありません。
このほか、私から2点報告があります。
1点目は先週7日(金)から9日(日)まで、香川県高松市において、G7都市大臣会合とその関連行事を開催しました。今回の会合では、「持続可能な都市の発展に向けた協働」をテーマに、都市におけるネットゼロ、レジリエンス、インクルーシブな都市の実現、デジタル技術の活用に取り組む必要があることなどについて、G7としての共通の方向性を確認し、会合の成果をコミュニケとしてとりまとめました。加えて、ウクライナのクブラコフ復興担当副首相兼地方自治体・国土・インフラ発展大臣からビデオメッセージを頂いた上で、ウクライナの復旧・復興について議論し、G7各国の共通した認識をコミュニケに盛り込みました。
また、コミュニケの実現に向け、多様な主体と協働していくためにG7が連携して最優先で取り組むべき事項を「香川・高松原則」として、決定しました。
今回の会合では、地元の方々に多大なる御協力をいただきました。例えば、栗林公園で、お茶会やヴァーチャルフォトセッションを行っていただきましたが、各国の大臣も、日本の伝統と新しい技術について高い関心を持っていただきました。
各国の方々に、我が国や開催地の魅力を十分伝えることができたのではないかと考えています。

(大臣から)国際海運の温室効果ガス排出削減目標の強化について

(大臣)

2点目は、国際海運から排出される温室効果ガスの新たな削減目標についてです。
国際海事機関IMO(アイエムオー)では、これまで「2050年の排出量を2008年比で50%以下とする」ことを目標としていましたが、我が国は、G7交通大臣会合の機会などを通じて諸外国との連携強化を図りつつ、「2050年までに排出ゼロ」を新たなIMOの目標にすべきであると主張してまいりました。
このような中、先週、IMOの委員会が開催され、新たな削減目標を「2050年頃までに排出ゼロ」とすることに合意しました。
日本の海運業界も今回のIMOの合意を歓迎していると承知しています。
国土交通省としては、引き続き、産業界とも連携し、目標達成に向けて、国際ルールの策定や必要な技術開発を推進することにより、国際的な取組みを強力にリードしていきたいと考えています。
詳細は事務方にお問い合わせください。私からは以上です。

質疑応答

大雨の被害状況および今後の対応について

(記者)
幹事社から2問お願いします。
1問目ですが、西日本の大雨についてですけれども、昨日も九州の方で特別警報が発令されるなど継続的に雨が降り続け、各地で水害や土砂災害に見舞われています。
今回の大雨による被害の状況を教えていただければと思います。
(大臣)
まず、今般の豪雨により、お亡くなりになられた方々、そしてその御家族に対しまして、心よりお悔やみ申し上げます。
また、被災された方々にお見舞いを申し上げます。
梅雨前線の影響により、福岡県、大分県で昨日、大雨特別警報が発表されるなど、9日から西日本を中心に記録的な大雨となっています。
これまでに判明している被害状況については、福岡県、佐賀県の筑後(ちくご)(がわ)水系、佐賀県の松浦(まつうら)(がわ)水系、大分県の山国(やまくに)(がわ)水系など、11水系18河川で氾濫被害が発生しています。
また、土砂災害については、全国で13件発生しており、福岡県添田町(そえだまち)久留米市(くるめし)、佐賀県唐津市(からつし)などで、住宅に土砂が流れ込み、住民が被災したとの報告を受けています。
道路については、本日午前5時時点で、被災により高速道路では大分自動車道など12区間、国道や県道では137区間で通行止めとなっています。
今後、道路の早期復旧や支援に努めてまいります。
鉄道については、本日午前5時時点で、3事業者11路線で運転を見合わせています。
引き続き、事業者と連携し、早期復旧や代替交通手段の確保に努めてまいります。国土交通省では、記者会見を実施し、情報提供に努めるとともに、防災ヘリによる調査や自治体にリエゾンやJETT(ジェット)、災害対策車両を派遣し、被害の全容把握と被災自治体の支援にあたっているところです。
今後も、明日にかけて梅雨前線が西日本から東北地方付近に停滞する見込みです。
また、その後は気温の高い日が続くと見込まれます。
国民の皆さまにおかれましては、引き続き、地元自治体や気象台から発表される避難情報や気象情報に留意していただくとともに、復旧作業にあたっては、熱中症対策などの健康管理に注意していただきますよう、お願いいたします。
国土交通省としては、引き続き、被災状況の把握、被災地の早期復旧・復興に向け、地域に寄り添いながら、現場力を最大限発揮し、全力で対応してまいりたいと決意しています。

国際海運の温室効果ガス排出削減目標への見解及び今後の取組について

(記者)

2点目ですが、冒頭発言にありました海運における温室効果ガスを2050年までに実質ゼロにするIMO採択についてですけれども、これまで日本は率先して取り組んできましたけれども、目指していた全会一致による採択にこぎ着けたということで、その受け止めと、今後の展望、展開をお聞かせ願えればと思います。

(大臣)

今回、IMOにおいて合意された新たな目標は、気候変動問題に対する国際海運のさらなる貢献を示す意味で、大きな意義があると考えています。
今後は、合意された目標の達成に向けて、具体的な対策の議論が本格化する予定です。
日本は、温室効果ガスを排出しないゼロエミッション船の導入を促すため、化石燃料船への課金とゼロエミッション船への還付を組み合わせた課金・還付制度をIMOに提案しているところです。
国土交通省としては、IMOにおける枠組み作りとともに、水素・アンモニア燃料船をはじめとするゼロエミッション船の技術開発を強力に推し進め、世界をリードすることで、日本の海事産業の競争力強化を図ってまいります。
IMOに派遣した担当者から、交渉の状況を聞きましたが、大変夜を徹しての激しい議論があったようです。
2050年頃、英語ではアラウンドという言葉が使われているようですが、までにゼロで合意が得られたことは、大変各国の努力に心から敬意を表する次第ですし、日本は海運国家として、技術開発の先頭に立っていかなければならないと思っています。先ほどもありましたが、水素・アンモニア燃料船の技術開発、そして実際に船を作っていくこと。
そしてそれらが就航し始めたら急速に減らすことができるのではないのかと思っていて、もちろん日本は2050年をゼロとする、国家としての目標がありますので、当然それを目指してやっていくのですが、各国とも協力しながら、ぜひ今回のIMOの合意した目標に向けてしっかり頑張っていきたいと思っています。

国道1号静清バイパス工事での橋桁落下事故について

(記者)

静岡の(せい)(しん)バイパスの工事現場で橋げたが落下した事故について伺います。
国土交通省が発注した工事でありますので、その受け止めをお願いします。
また、事故調査委員会を設置していますけれども、現時点で分かっている事故原因についても教えてください。

(大臣)

6日(木)、中部地方整備局が整備中の国道1号を連続立体化する静清バイパスの工事現場において、施工中の橋桁が落下する事故が発生しました。
この事故で、工事の作業をしていた2名が亡くなり、6名が負傷しました。
亡くなられた方々とその御家族に対し、心からご冥福をお祈りしたいと思いますし、負傷された方々に心からお見舞いを申し上げます。
事故原因については現在調査中ですが、この事故を受け、国土交通省では、事故調査のための有識者委員会を設置し、本日、第1回を開催する予定となっています。
この委員会で、有識者から指導・助言をいただきながら、事故原因の究明や再発防止策の検討を進める予定です。
今現在分かっている原因ですが、この調査委員会の調査結果を待ちたいと思っています。
国土交通省としては、今回の事故を重く受け止め、同様の事故が起きることのないよう、事故原因の究明と再発防止を図ってまいります。

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