大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2021年7月13日(火) 10:49 ~ 11:03
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 今日は、報告するものはありません。

質疑応答

 (問)東京オリンピックに関してお伺いします。
首都圏などでの無観客開催が決まりましたが、観客の需要を当て込んでいたホテルなどの宿泊施設、あるいは観戦ツアーなどを用意していた旅行会社などに影響が出ておりますが、何か特別な支援などお考え、御対応がありましたらお聞かせください。
(答)今月8日、東京オリンピック・パラリンピック大会において、東京都における無観客開催が決定され、その後、自治体との協議によりその他5道県においても無観客開催が決定されたものと承知しております。
これらの措置に伴い、観光庁としても取り急ぎ関係事業者から状況を聴取しておりますが、現時点では、大手旅行業者においては、観戦チケット付きツアーの催行を全て中止とし、旅行者に全額払い戻すと発表しており、その具体的な取扱いは今後検討していくものと承知しております。
ホテルについては、キャンセルの連絡が出つつあるが、具体的な影響については引き続き把握していくとのことでした。
いずれにしましても、観光庁としては、引き続き状況を十分に把握するよう努め、その結果を踏まえて必要な取組を進めてまいりたいと考えております。
他方で、観光関連産業は、東京オリンピック・パラリンピック大会無観客開催決定以前から、コロナ禍の長期化により、非常に厳しい状況であることはこれまでもお伝えしているところですが、既に発表している、観光庁として、「地域観光事業支援」の一環として、「宿泊事業者による感染防止対策等への支援」、これは去年の5月まで遡ってなされた感染防止対策への支援ですが、現在46都道府県から既に交付申請がなされており、41都道府県に対し交付決定済み、うち18都府県では事業が開始されており、全国各地で支援事業が次々とスタートしているところです。
同時に、地域観光事業支援のもう1つの柱である「同一県内旅行の需要喚起策」については、既に22県に交付決定を行い、16県で事業が実施されております。
加えて、雇用の確保について、関係各所の皆さんから御要望が非常に強かった雇用調整助成金の特例措置についても、9月末までの延長が決定されることになりました。
こうしたことを踏まえながら、繰り返しになりますけれども、観光庁と地方運輸局等において、都道府県並びに関係業界との連携を密にし、既存の支援策の周知徹底に努めるとともに、必要な支援策を適時適切に講じてまいりたいと考えております。
 
(問)同じ観光関連ですが、少し中長期的な戦略でお伺いします。
宿泊業など観光業界は、かねてから労働生産性の低さであるとか、デジタル化の遅れなどが課題として指摘されてきました。
今後コロナが収束すれば、いずれは観光需要も回復に向かうと見られますが、その際に、これまでの需要喚起策の他に、観光業の収益力強化に向けてどのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。
(答)我が国が、コロナ後を見据え、真の意味での観光立国を実現するには、今御指摘のありましたようなかねてから課題とされてきた生産性の向上、デジタル化への対応、高付加価値化、外国旅行者の受入環境改善やバリアフリー化の促進などに取り組むことが大変重要だと考えています。
政府として、そのような問題意識に立って、昨年12月に、「感染拡大防止と観光需要回復のための政策プラン」を策定したところです。
このプランに基づき、令和2年度第3次補正予算等も活用して、具体的に申し上げれば、全国100程度の観光地で、宿泊施設のリノベーションや観光地の街中に残る廃屋の撤去等を、地域一丸となって実施する取組への支援や、観光分野におけるデジタル・トランスフォーメーションを活用した新たな地域観光サービスの創出への支援など、様々な課題の解決や改善に資する支援策を講じております。
いずれにしましても、観光庁としては、まずは感染防止対策の徹底により、国民の皆さまが安心して旅行ができる環境を早期に実現した上で、失われた需要の喚起をしつつ、観光立国として足腰の強い業界・産業を育てていかなければならないと考えています。
 
(問)土曜日の北海道視察の件で2点伺います。
東京では4度目の緊急事態宣言の政府方針が決まったりしていまして、感染拡大が懸念されている状況、また、国土交通省としては、熱海だけでなく豪雨の警戒を呼び掛けている状況の中、視察すること自体は全然否定しないですけれども、リモート開催ということも考えられたのではないかと思ったのですが、リアルで実際に行かれたその辺りの理由を教えてください。
もう1点、少し関連するのですけれども、前日の金曜日に、札幌市内で公明党の議員の支援者の会合に大臣が出席されていたという情報もあります。
北海道の視察と、日程の件で、先にどちらが決まっていたか教えてください。
(答)まず、国土交通大臣の職務を全うするためには、私自身は現場第一主義で、現場の実情を把握し、また、現場の声をお聞きすることが極めて重要と考えておりまして、そうした精神でやってまいりました。
国土交通省の所管分野は極めて広いため、様々な公務が重なることは常にありますが、私は、「災害対応が最優先」との原則で、大臣就任以来、この職責を果たしてきたつもりです。
今般の熱海市での大雨による土砂災害についても、いち早く被災地を視察し、地元からの御要望を承り、全力で対応してきたところです。
10日の北海道への出張については、国鉄債務等処理法に基づくJR北海道の経営再建や、北海道新幹線の課題などについて、北海道知事、札幌市長をはじめとする道の市長会や町村会の代表、道議会の代表、また経済界の代表の皆さまとの意見交換、そして、JR北海道の職員への激励、北海道全道内の観光・交通関連事業者の皆さんとの意見交換など重要な案件を目的とした出張であり、これは以前から予定しておりましたが、コロナ禍の影響によりこれまで何度も先延ばしにしてきましたが、問題の性質上、これ以上先送りすることはできないと判断し、リモートではなくリアルで実施したところです。
なお、10日未明からの北部九州や山陰地方での豪雨の情報の報告を受け、当初予定していた視察などの予定はキャンセルし、豪雨の影響などを常時把握しながら、各局への指示を行いつつ、状況の変化に備えて、重要案件を終え次第、当初の予定を大幅に切り上げて東京に戻ってまいりました。
担当局長などから災害状況についての報告を受け、必要な指示を行ったところです。
なお、前日の9日については、政府の非常災害対策本部終了後、北海道に入りまして、その時点で党務の案件がありましたが、ほぼ終わっておりましたが、会場に行って御挨拶をさせていただいたところです。
(問)確認ですけど、日程としては北海道視察が先に決まっていてという認識でよろしいでしょうか。
(答)そうですね。
公務が先に入っていたということだと思います。
(問)プラスですが、今現在は緊急事態宣言下にあると思うのですけれども、これまでもリモートであったり、リアルだったりいろいろ判断されていたと思いますけれども、今後の視察はどのような方針で。
(答)緊急事態宣言下でありますけれども、ずっと東京に閉じ籠もっていては、なかなか仕事もできないところもあります。
リモートで会議をするケースもありますが、現場にぜひという声もあります。
原則は、相手方の知事さんや首長の皆さんから来ないでくれという形があれば、そこは押し切って行くようなことはしません。
そこはケースバイケースで対応していくということになるかと思います。
 
(問)熱海市の土砂災害の関連なのですけれども、現状の国土交通省の支援状況と道路の開通などめどが見えていれば教えてください。
(答)今般の熱海市(あたみし)(あい)初川(ぞめがわ)で発生した大規模な土石流により、本日13日朝時点で、亡くなられた方が10名、行方不明者17名の人的被害が生じています。
改めて、今般の災害によりお亡くなりになられた皆さまにお悔やみを申し上げますとともに、全ての被災された方々に対しまして、心からお見舞い申し上げます。土砂流入で通行止めとなっていた国道135号については、がれき撤去作業等の影響から、緊急車両の通行には今しばらく時間を要する見込みです。
他方、国道135号の代替道路となり得る有料道路「熱海ビーチライン」については、事業者の配慮により、先週8日木曜日から14日水曜日お昼まで、無料で、緊急車両及び地域住民の利用を可能としていただいております。
加えて、10日土曜日からは原付二輪の走行についても通行可能となっています。熱海ビーチラインの一般車両の無料通行化については、先日の現地視察の際にも、静岡県や熱海市から、御要望を承ったところであり、国土交通省として、14日水曜日12時以降についても、一般車両を含め全ての車両が無料通行できるよう、静岡県と連携のうえ、しっかりと対応していきたいと考えております。
次に、捜索・救助活動につきましては、国土交通省としましては、海上保安庁の巡視船艇7隻により、発災直後から対応にあたっており、本日も継続しているところです。また、二次災害を防止し、捜索活動を支援するため、監視カメラの設置による監視体制の強化などを進めてきたところです。
本日も、TEC(テック)-FORCE(フォース)31名を派遣し、引き続き、被災自治体の皆さまに寄り添いながら、現場からの御要望や御意見などを丁寧に把握のうえ、対応してまいりたいと考えております。
堆積した土砂やがれき等の撤去については、被災者の生活再建に向けて、環境省と連携しながら、熱海市を全面的に支援しており、これからも支援させていただきます。
加えて、公営住宅や民間賃貸住宅などを活用した被災者の方々の今後の住まいの確保に向けて、関係する省庁や団体と連携しながらしっかりと取り組んでまいります。
また、今後の本格的な復興に向けては、新たなまちづくり計画の検討への技術的支援や、観光都市熱海の風評被害対策についても、関係省庁とも連携のうえ、国としてもしっかりと対応してまいりたいと考えております。
いずれにしても、地域に寄り添いながら、被災者の皆さまが安心できる早期の復旧・復興を目指し、国土交通省の現場力を最大限に発揮し、全力で対応してまいりたいと思っています。

ページの先頭に戻る