本日の閣議案件については報告ございませんが、そのほか１点御報告をさせていただきます。
常磐自動車道のり面崩落に伴う通行止めの解除見込みについてです。
まず、２月１３日２３時頃に発生した福島県沖を震源とする地震によりまして、被災された皆さまに心からお見舞い申し上げます。
この地震により、道路や鉄道において施設の被害や運休などが発生し、利用者の方には大変御迷惑をおかけしていることを心からおわび申し上げます。
このうち、常磐自動車道では、大規模なのり面崩落が発生しましたが、被災直後から土砂の撤去作業を鋭意行い、発災から約１９時間後の２月１４日１８時に片側１車線での緊急車両の通行が確保されたところです。
引き続き、残る土砂撤去等の作業を進めるとともに、昨日１５日にのり面の安全性について有識者にも現場を確認していただき、有識者の意見を踏まえて必要な対策を実施した上で、明日１７日中に一般開放する予定となりました。
詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
私からは以上です。
 

（問）常磐道の復旧のお話がありましたけれども、今、受験シーズンということもあって、受験生ですとかビジネスの方も含めて、移動手段として新幹線が止まってしまっており、空港や高速バス乗り場もかなり混雑している様子ですが、航空各社は臨時便を出したり、機材を大型化して対応していますが、国土交通省で何か考えている対応があれば教えてください。
（答）鉄道については、一時、１１事業者２７路線が運転見合せとなり、現在も、東北新幹線で運転見合せを行っています。
この東北新幹線については、既に報道されておりますが、電化柱が損傷するなど施設に被害が生じたことから、那須(なす)塩原(しおばら)―盛岡(もりおか)間において運転を見合せておりましたが、本日より復旧作業が完了した一ノ関(いちのせき)―盛岡間においては運転が再開されました。
全線復旧には、およそ１０日前後見込まれているため、国土交通省としては、運転再開までの代替交通手段を確保すべく、鉄道事業者、バス事業者、航空事業者へ協力を要請しており、各者調整が整ったものから順次代替輸送を開始しているところです。
今御質問がありましたように、大学入試シーズンであり、多くの受験生の皆さんの移動が見込まれるため、代替輸送の状況を逐次ホームページで公表するとともに、その内容を文部科学省から都道府県教育委員会等を通じ、各地の受験生の皆さんにこうした状況を周知していただいているところです。
具体的には、高速バスについては、昨日、予約が殺到して取れないという声も多く聞こえたため、ＪＲバス東北が仙台―東京間で通常ダイヤから３０便、昨日との比較では１２便増便するほか、他の高速バス事業者においても増便に御協力いただいているところです。
航空便については、通常は運航していない羽田―仙台間、羽田―花巻間、羽田―福島間をはじめ、東北各地への臨時便の運航や機材の大型化などの対応を開始しているところです。
２月１５日の運航分では、全日空では３路線計１０便、日本航空では７路線計２４便を増便いたしました。
本日２月１６日の運航分では、全日空は４路線計１６便、日本航空は３路線１８便を増便していただくことになります。
また、鉄道については、首都圏から仙台方面に向けての常磐線での臨時列車の運転、上越新幹線の新潟駅から秋田方面に向けての羽(う)越(えつ)本線での臨時列車の運転などの対応を行っているところです。
国土交通省の対応としては、１３日２３時７分の発災直後から、震度５弱以上の９６市町村とホットラインによる連携を確保しました。
さらに、ＴＥＣーＦＯＲＣＥ等９１名を投入し、発災直後から支援ニーズなどを把握するリエゾンを、２４の自治体へ派遣しました。
このほか、翌１４日早朝より、防災ヘリコプター３機体制による広域調査や相馬市(そうまし)からの要請による道路の被災状況調査を実施するなど、応急対策に全力で対応しているところです。
また、国民の皆さまへの情報提供にも対応しており、揺れの大きかった地域で地盤の緩みが懸念されることから、降雨に備えて早めの避難を促すため、土砂災害警戒情報等の発表基準を引き下げて運用することとしております。
なお、昨晩も雨が相当降りましたが、現在のところ、特段被害の報告は受けておりません。
国土交通省としては、引き続き、早期の復旧・復興に向け、被災地に寄り添った対応に全力で取り組んでまいりたいと思います。
国民の皆さまには、地域の防災情報に十分注意するとともに、発災から１週間程度は最大震度６強程度の余震に注意が必要であることを踏まえ、危険な場所に立ち入らないなど、身の安全を確保するよう、よろしくお願い申し上げます。