大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2020年9月29日(火) 10:35 ~ 10:55
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件について報告はありませんが、その他1点報告させていただきます。
「Go To トラベル事業」における東京発着の旅行の取扱いについてです。
感染状況につきまして、引き続き、注意深く監視しているところですが、10月1日木曜日以降に開始する東京発着の旅行について、Go To トラベル事業の支援の対象とする方針に変更はありません。
今回、東京を本事業の支援の対象とさせていただくにあたって、改めて関係事業者と旅行者の皆さまの双方において、感染拡大防止策の徹底をお願いしたいと考えております。
国土交通省におきましても、感染拡大防止の徹底を図るため、旅行者視点での感染防止のための留意点等をまとめた「新しい旅のエチケット」や「Go To トラベル利用者の『遵守事項』」について周知徹底を図るべく、関係事業者に周知徹底のお願いをしているところであり、航空事業者、鉄道事業者などのホームページにおいても、公表いただいているところです。
さらに、11日金曜日に開催された新型コロナウイルス感染症対策分科会における提言も踏まえ、新しい旅のエチケットについて、旅行の場面ごとに更にわかりやすいものとなるよう見直しを図り、新たに「交通編」、「旅の飲食編」、「宿泊編」、「観光施設、ショッピング編」の4つを作成いたしました。
とりわけ、接触確認アプリ「COCOA」の導入とマスクの着用については、いずれの場面においても実施していただきたく、各場面共通の項目となっております。
また、25日金曜日の分科会の提言にもありましたとおり、「飲酒・飲食」や「マスクなしでの会話」について、特に御留意いただく必要があることから、これらに関する項目を追加いたしました。
旅行者の皆さまにおかれましては、旅行前から旅行中を通じて、本内容を御確認いただき、改めて御自身の行動に新しい旅のエチケットを反映していただくよう強くお願いします。
国土交通省といたしましても、観光・交通事業者の皆さまの御協力を仰ぎつつ、周知・徹底を図ってまいりたいと考えております。
また、現在参加登録されている全ての宿泊施設を対象として、感染拡大防止策の実施状況に関する現地調査を行っているところです。
参加登録済みの宿泊事業者数は、9月28日月曜日の時点で、全体の約68%に当たる約2万3800者となっていますが、10月中には東京都を含む全国での調査を完了する予定で、現地調査を進めているところです。
9月27日時点で計4469施設について現地調査を実施したところです。これまでの調査では、旅行者への検温や飲食施設・共用スペース等の3密対策については9割以上の施設において確実に実施されております。
他方、チェックイン時の本人確認や「Go To トラベルを利用される方が遵守すべき事項」の周知などの項目において、取組が必ずしも十分でない施設が一定数確認されております。
そうした場合には、必要な指導・助言を実施しているところです。
いずれにいたしましても、調査結果を踏まえ、必要な対応を検討してまいりますが、調査結果については、全国での調査を完了した後に、改めて公表させていただく予定です。
また、10月1日からは、地域共通クーポンの利用を開始いたします。
地域共通クーポンについては、旅行先の地域での消費を喚起するものであり、旅行先の都道府県もしくは隣接都道府県において、旅行期間中に限って、御利用いただくことができます。
観光地での交通・買い物・食事・観光体験などで是非御利用いただきたいと思います。
昨日9月28日時点で、約10万店舗が取扱店舗として御登録をいただいておりまして、本日13時にGo To トラベル公式ホームページにおいて、「取扱店舗マップ」を掲載する予定です。
このマップは、旅行者の利便性を確保するため、業種別や地域別に検索が可能な、旅行者の皆さまにとって分かりやすいものとなっております。
なお、登録申請は随時受け付けておりますので、まだ登録がお済みでない事業者の皆さまも、是非奮って御申請いただければと思います。
Go To トラベル事業は7月22日に開始して以降、約2か月が経ちました。
この間、私自身も様々な観光地を訪問し、関係者の皆さまから声を伺っておりますが、9月19日から22日の4連休を含め、多くの旅行者の皆さまに活用していただき、大変喜ばれているところです。
10月1日より、地域共通クーポンの利用開始も相まって、本事業に対する御期待もさらに大きなものとなっていると承知しています。
このように順調な状況であるからこそ、あえて事業者の皆さまに、2つの点について重ねてお願いを申し上げたいと思います。
1つ目は、より多くの旅行者に旅行を楽しんでいただくために、今後も便乗値上げ等の誤解を招かぬよう、適切な旅行、宿泊代金設定に基づく商品販売を行っていただくようお願いいたしたいと思います。
また、もう1つは、引き続き感染拡大防止のために、クラスターは絶対に起こさないという決意で、これまで以上に考え得る限りの対策を実施していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
私からは以上です。

質疑応答

(問)Go To トラベルについて1点お伺いします。
先日土曜日に、全国知事会が新型コロナに関する緊急提言というのを議論されて、その中でGo To トラベルにも触れられているのですが、大きく2点指摘があったかと思うのですが、感染拡大時に除外地域の機動的な見直しができるような制度を検討してほしいという点。
もう1点、事業の期限について、現在、来年の1月末までを目安でやっていると思うのですけれど、そこで終了することなく、予備費等を活用して継続してほしいというような指摘もあったのですが、この知事会の御指摘について、お考えをお聞かせください。
(答)先週26日土曜日の全国知事会において、そうして御提言があったことは承知しております。
先週25日金曜日の新型コロナウイルス感染症対策分科会においても、専門家の皆さま方から、「国及び都道府県は、感染のステージを常にモニターし、ステージ3)相当と判断した場合には、イベントの中止やGo To トラベル事業等を除外することなども含め躊躇なく行う」旨、御提言をいただいております。
こうした御提言を踏まえ、また、全国知事会からの御提言も含めてですが、本事業の支援対象地域の見直しも含めて、各都道府県としっかりと調整をしつつ、政府全体で適切に対応してまいります。
原則でレベル3)となった場合、都道府県の知事から国に御相談があると思いますので、そのときはしっかりと検討をして、適切に対応したいと。
しっかり原則としてやっていきたいと思います。
また、御提言の2つ目の、持続的な需要喚起です。
観光事業者から、全国各地で同様の声もしっかり出ておりますが、まずは残っている予算が、まだ相当ありますので、しっかり執行することによって、安全・安心に旅行が出来る環境づくりを行っていきたい。
何度も申し上げておりますが、ウィズ・コロナ時代における、新しい安全・安心な旅行のスタイルを定着・普及させていきたい。
これが、Go To トラベル事業の大きな目的ですので、そうしたことをしっかりと定着させるように頑張っていきたい。
その中で国内の観光需要をしっかりと喚起してまいりたいと思っておりますし、観光地の皆さまには、こうしたGo To トラベル事業を利用して、是非、地域地域の観光地のファンを作ってもらいたい。
リピーターを作って、一時の観光需要だけではなく、確かな観光需要の流れを作ってほしいということも申し上げております。
いずれにいたしましても、予算の執行状況、観光需要の動向等も踏まえつつ、継続的な需要喚起へ向けて、適切に検討してまいりたいと考えております。
御承知だと思いますが、1月31日で終わりということではなく、予算の限りがあるための目安ですので、1月31日の時点で、予算がまだ残っているようであれば継続していきたいと思っております。
何回も申し上げておりますが、国土交通省といたしましては、引き続き、感染状況を注視しつつ、感染症の専門家の皆さんからなる分科会の御意見を踏まえた政府全体の方針に基づいて、適切に事業を実施し、失われた観光需要を復活させながら、息長く、観光需要を喚起して、観光立国、観光先進国を目指して実現してきたいと考えております。

(問)レオパレスについて伺います。
昨日レオパレス21が、今年の6月末時点で118億円の債務超過となる見通しを発表しました。
この事実関係と、施工不備の物件の改修を年内に2000戸完了するという計画やその後の改修計画は実現できるのか御所見をお聞かせください。
(答)レオパレス21が、6月末時点で100億円前後の債務超過となったとの報道は承知しておりますが、この報道内容は同社が公表したものではないと伺っております。
同社は昨日28日に、第1四半期末、6月末において、118億円の債務超過となる見通しであるが、確定的な決算については、9月30日に東京証券取引所等に提出し公表する予定であること、また、早期の債務超過解消に向けて鋭意検討を進めていることとの公表を行っています。
また、同社からは、このような取組を進め、引き続き賃貸事業を継続するとともに、年内に2000戸の改修完了を目指す計画に変更はないと伺っております。
国土交通省といたしましては、同社に対して、8月28日に、早急に経営改善を実施し、年内をめどに、改めて改修計画を報告するよう指示をさせていただいており、その取組状況については、入居者や所有者などの安心が確保されるよう、同社と綿密に連絡を取りながらしっかりとフォローしてまいりたいと考えております。

(問)小規模分散型旅行の推進についてお伺いします。
25日金曜日の新型コロナウイルス感染症対策分科会で、観光客が密になるのを避けるために、いわゆるオフシーズンの旅へのインセンティブを伴った施策について提言がありました。
これについての大臣のお考えを改めてお聞かせください。
(答)そうした旨の御提言があったことは承知しております。
7月22日から開始したGo To トラベル事業につきまして、現状、観光関連事業者の皆さんから伺うところによりますと、Go To トラベル事業の利用状況は団体旅行が極めて少なく、御家族など小さなグループ単位で旅行されているケースが大半であると承知しております。
現実的には、小規模の旅行を中心に実現しているということが1つです。
そもそも旅行商品の料金設定は、一般に、混雑のレベルに応じて、連休等の繁忙期は高く、閑散期は安く設定されております。
元々こうした需給に応じた料金設定がされておりまして、需要の平準化に資する、いわゆるダイナミック・プライシングの考え方が既に取り入れられていると考えております。
また、旅行の阻害要因については、そうした旅行商品の価格もさることながら、休暇が取れないことが最大の要因となっていると考えておりまして、御指摘の分散型観光を進めていく上でも、休暇の取得、また休暇の分散化の取組が最も重要であり、効果があるのではないかと考えているところです。
観光庁といたしましても、観光需要を平準化し、混雑を緩和するための具体的な取組として、経済界や関係省庁とも連携の上、休暇の取得・分散化の広報周知やワーケーション・ブレジャーの促進等に取り組んでいるところです。
また、分散型観光の促進に向けましては、Go To トラベル事業の公式ホームページや、観光・交通事業者を通じまして、いわゆる伝統的な観光地以外でも、新たな魅力溢れる地域等々の広報をしっかりと行ってきたということがひとつ。
また、観光・交通事業者において取り組まれている、時間や場所、旅先での行動などを定番から「ずらす」旅行を提案する取組など、こうした民間のキャンペーンと連携すること。
また、旅行業者が旅行者の皆さんに対して付与するポイントについて、平日に多く付与するよう働きかける。
また、平日割得クーポンの発行を呼びかける。
こうした取組を民間事業者と連携しながら、年末年始に備えて対応を引き続き検討してまいりたいと考えております。

(問)ANAが2000億円規模の公募増資を検討という報道が相次いでいますけれども、事実関係を教えてください。
また、一部の国際路線が復活であるとか、入国制限が緩和されることになりまして、ただ、そうは言っても引き続き航空業界は厳しい状況が続く中で、どのような支援を現在お考えかお聞かせください。
(答)ANAのみならず、本邦航空会社の国内線の需要は、便数・旅客数ともに対前年比で大幅に減少している状況が続いております。
国際線はもっと厳しい経営環境にあるということは、当然のことながらよく認識しております。
こうした状況に対しまして、これまで政府として、着陸料や航空機燃料税等の支払い猶予、また、日本政策投資銀行の危機対応融資等により、各航空会社の資金繰り対策を支援しているところであり、こうしたことにより、当面の資金繰りは可能になる見込みと承知しております。
他方、先週の4連休は、旅客数が一時的に増加しましたが、書き入れ時でありました夏場の需要が伸びなかったため、航空各社は資本性資金の増強も含め、今後の経営改善方策を検討していると承知しております。
ただ、お尋ねの公募増資については、国土交通省として承知しておりません。
今後は、引き続き国土交通省として、Go To トラベル事業を通じて、感染拡大防止対策を徹底しつつ、失われた国内観光需要を回復させるとともに、関係省庁と連携しながら、水際対策を徹底しつつ、段階的に出入国規制を緩和することなどによりまして、航空業界の経営環境の好転を図りながら、各社からの意見をしっかりと聞いた上で必要な支援策、対策を講じてまいりたいと考えております。

(問)一昨日、台湾の漁船が海上保安庁の巡視船に接触した件に関する大臣の受け止めをお願いいたします。
(答)令和2年9月27日午後3時7分頃、尖閣諸島周辺の領海内におきまして、違法操業中の台湾漁船「新凌波(しんりょうは)236」に退去警告を行っていた海上保安庁巡視船「くりま」に対して、当該漁船が接近し、並走する形で当該漁船の船首部右舷が巡視船の左舷後部に接触する事案が発生いたしました。
本件接触によりまして、巡視船及び当該漁船双方の乗組員にけが等の被害は発生しておりません。
また、巡視船及び当該漁船の双方に軽度な損傷が発生しておりますが、航行に支障を生じるものではなかったと承知しております。
海上保安庁におきましては、現場及び外交ルートを通じて、事故状況の調査を行うなど、必要な対応を行っております。
また、外務省においては、台湾側にしかるべく申入れを行っていると承知しております。
今後とも関係省庁と緊密に連携しつつ、領海警備に万全を期してまいりたいと考えております。

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