大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2020年7月31日(金) 10:47 ~ 11:10
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件につきまして、私の方から1点報告があります。
令和2年度予備費使用の閣議決定についてです。
昨日、政府として、被災者の生活と生業(なりわい)の再建に向けて、緊急に対応すべき施策を「生活・生業再建対策パッケージ」としてとりまとめました。
国土交通省としましては、この対策パッケージに基づき、被災者の住まいや交通の確保、公共土木施設等の災害応急復旧など、被災者に寄り添いながら、一日も早い被災地の復旧、生活と生業の再建に向けて、全力を傾けてまいりたいと思います。
中でも、被災地における観光関連産業等への影響は甚大で、直ちに「Go To トラベル事業」に参加できない旅館等も多々あることから、まずは関係省庁と連携し、その復旧を全力で後押ししてまいります。
また、被災状況が落ち着き次第、被災地の皆さまにも、このGo To トラベル事業の効果がしっかり届けられるよう、適切に同事業の執行管理を行ってまいります。
本日閣議決定された予備費は、対策パッケージに基づく施策のうち、直ちに経費を支出する必要がある施策に充当するものであり、国土交通省関係では、総額119億円、正確に言いますと118.5億円を計上しております。
その具体的な内訳は、損傷した河川堤防・護岸の復旧や、二次被害の危険のある土砂の流出防止、河川に堆積したごみ・土砂の撤去などに要する経費、被災地の観光業等の中小・小規模事業者の支援に要する経費となっております。
今回の予備費を契機として、今後とも必要な予算を確保した上で、被災地の復旧・復興に全力で取り組んでまいります。
詳細は後ほど資料を配付いたします。
このほか、閣議案件とは別に私の方からもう1点報告があります。
ウィズ・コロナの時代における旅先でのエチケットについて改めてのお願いです。
Go To トラベル事業は、ウィズ・コロナの時代における「安全で安心な新しい旅のスタイル」を確立し、普及・定着させることを目的とした重要なチャレンジだと認識しております。
そのため、事業に参加する観光関連事業者と旅行者の皆さまの双方にしっかりとした感染症拡大防止策を講じていただくことを求めているところですが、今週から割引価格での宿泊・旅行の予約が始まりましたことを受けて、改めて、ホテル・旅館の事業者の皆さまだけではなく、Go To トラベル事業を活用される旅行者の皆さまに守っていただく必要がある事項について御説明申し上げたいと思います。
具体的には、旅行者視点での感染防止のための留意点をまとめた、これまでの「新たな旅のエチケット」に上乗せする形で、感染症拡大防止策の実施を求めることとしており、1つ目は、旅行時は毎朝、検温等の体温チェックを実施し、発熱がある場合や風邪症状がみられる場合には、保健所の指導に従っていただきます。
また、スマートフォンを利用されている方は接触確認アプリの御利用を極力お願いしたいと思います。
2点目は、旅行中には、「新しい旅のエチケット」を実施していただきたい。
これは宿泊施設のみならず、外での飲食、買い物など旅先のあらゆる場面で3密が発生する場や施設等は回避していただき、大声を出すような行為も御遠慮いただきたい。
3点目は、宿泊施設等では、チェックイン時の検温、旅行者の本人確認、浴場や飲食施設等での3密対策の徹底、食事の際の3密の回避等が本事業の参加条件になっています。
4点目は、若者の団体旅行、重症化しやすい高齢者の団体旅行、大人数の宴会を伴う旅行は、専門家の方々から一般に感染リスクが高いと考えられています。
実施する場合には、着実な感染防止対策が講じられることを前提に、適切な御旅行をお願いしたい。
以上の4点について、旅行の申込時に同意していただくこととしております。
また、旅行者の方々におかれましては、検温、本人確認、3密対策をはじめ、その他感染予防対策に関する従業員の方の指示に従っていただくことになります。
これは、少々これまでの旅行と比べて窮屈に思われるかもしれませんが、旅行者御本人、また、従業員の皆さまへの感染を防止するために必要不可欠な措置であると考えております。
なお、このお約束をいただけない場合には、キャンペーンの利用を認めないこととし、事務局より給付金の返還を請求することがあります。
観光関連事業者、旅行者の双方が互いに着実に感染防止策を講じていただくことを、本事業の条件とすることで、再三申し上げておりますが、ウィズ・コロナの時代における安全で安心な新しい旅のスタイルを確立し、普及・定着させてまいりたいと考えております。
加えまして、運営事務局の体制強化について御報告させていただきます。
コールセンターにつきましては、事業の開始前である今月17日から開設しておりましたが、明日8月1日よりオペレーターの数を大幅に増加するとともに、年中無休での受付や受付時間の延長などの体制強化を行うことで、より多くの旅行者や旅行・宿泊事業者などの皆さま方のお問い合わせにしっかりと対応させていただきたいと考えております。
また、8月3日からは、運営事務局の本格的な事務所を港区の西新橋に構える予定であり、引き続き、随時、体制を強化してまいりたいと思います。
詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
私からは以上2点です。

質疑応答

(問)Go To トラベル事業についてですけれども、事業開始から10日ほど経ちました。
これまでのところを振り返りまして、事業者の感染防止対策の状況や、今回、東京を除外する形になったところでの観光事業の喚起策、政策的な効果についてどのように総括されているのか、よろしくお願いします。
(答)7月22日の事業開始から本日で10日経ったところです。
7月29日時点での参加事業者登録数は、旅行業者が4202者、宿泊事業者が11394者となっており、着実に登録が進んでいるものと認識をしております。
これらの登録に際しては、旅行業者・宿泊事業者におきましては、検温などお客様の健康状態の確認、客室共用スペースなどの換気、消毒などの感染予防対策の確実な実施などを参加条件としておりまして、これらの参加条件を徹底して実施している旨をホームページ等で対外的に公表することを義務付けております。
運営事務局は宿泊事業者等の申請を受けまして、繰り返しになりますが、1.検温などお客様の健康状態の確認、2.客室共用スペースの換気、消毒、3.参加条件を徹底、実施している旨を公表することなどの参加条件に、当該事業者が同意していることを確認して事業者の登録を行っているところです。
その上で、運営事務局に事業者または消費者からの通報窓口を設置いたしまして、また、地方運輸局も活用して関係者へのヒアリングや、立入検査等を実施し、事業者が参加条件を遵守していないことが確認された場合は是正指導を行い、最終的には登録を取り消すことができることとしております。
旅行者の側につきましても、Go To トラベル事業への参加に際しましては、これは先ほどボードを使って説明したことと重なりますが、検温や本人確認、3密対策をはじめ、その他感染予防に関する従業員の指示に協力することを求めるとともに、協力いただけない場合はキャンペーンの利用を認めないこととし、給付金の返還請求を行うことがある旨も周知、徹底をしているところです。
利用状況につきましては、まだ10日間の経過でありますけれども、宿泊関係団体からの聞き取りによれば、この4連休を含む足下の予約は比較的堅調であったと伺っております。
加えまして、私自身が、下呂(げろ)温泉(おんせん)、城崎(きのさき)温泉(おんせん)、有馬(ありま)温泉(おんせん)、洲本(すもと)温泉(おんせん)の代表からヒアリングをしたところでは、23日からの4連休につきましては、各地域とも、ほぼ全館が満室に近い盛況ぶりであったと。
お客さんも久しぶりの観光に、大変喜ばれていたという声が多かったと伺っております。
引き続き、新型コロナウイルス感染症対策分科会の御意見に基づいた政府全体の方針の下に、感染拡大防止と観光振興の両立を図りながら、一刻も早く失われた観光需要を取り戻すとともに、安全で安心な新しい旅のスタイルを確立・普及・定着させてまいりたいと考えております。

(問)Go Toの関係ですけれども、今、大阪や愛知、福岡など地方の都市部を中心に感染者数が急激に増加している状況を受けて、昨日も厚生労働省の専門家の会議で憂慮すべき状況と見解を示されていましたけれども、Go To トラベルの対象から除外する地域を拡大することを検討するお考えはあるのかお聞かせください。
(答)Go To トラベル事業における対象地域の除外や追加といった点につきましては、感染症に関する専門家の意見を踏まえた政府全体の方針に基づいて、総合的な判断が必要になるものと考えております。
先般の、東京都発着の旅行を除いて7月22日から開始するという決定につきましても、御報告したとおりですが、安倍総理、菅官房長官、西村担当大臣、そして私の4者において検討し、新型コロナウイルス感染症対策本部の分科会において議論をしていただいて、その結果、22日からの開始にあたっては、東京都は除外、加えて、3密対策をしっかり求めるということで御了解をいただき、最終的に決定したところです。
国土交通省としましては、今後も、感染拡大防止に向けた取組を徹底しながら、感染状況の変化を注視しつつ、感染症の専門家の御意見を踏まえた政府全体の方針に基づいて、適切に事業を実施するようにしてまいります。
原則はそのままです。

(問)Go To トラベルの関係でお伺いしたいのですけれども、29日の衆議院の国土交通委員会で、感染症対策分科会の尾身(おみ)会長が発言した中身についてですけれども、尾身会長からGo Toの実施の判断について、もう少し判断を先延ばしにしたらどうかという提言を、16日よりも前に政府へ分科会からしたという旨の発言がありました。
実際にこうした提言は、何日の時点でどういう形で政府に出されたのか、その提言を受けて政府としてどう対応されたのか、その辺りの事実関係を教えていただけますでしょうか。
(答)尾身先生の提言の中身をもう1度お願いします。
(問)発言としては、根拠をもった説明が必要なので、もう少し判断を延ばしたらどうかということや、拙速に結論を出さない方がいいという発言が委員会の中であったかと思うのですけれども、そうしたもう少し判断に時間をかけてはどうかという主旨のことを、政府に16日よりも前に提言としてされていたという主旨の発言があったかと思うのですけれども、それについてです。
(答)私はその発言について直接聞いている立場ではないので、西村大臣に確認させていただきました。
西村大臣によりますと、尾身会長からは、Go To トラベル事業の開始時期等の判断をするに当たって、感染状況について、22日開始の前提に当たって、7月20日頃までの時間があればより詳しい分析ができる、というお話があったということです。
これに対して、西村大臣からは、政府全体で、22日から本事業を開始するという方針ですので、仮に、20日に新型コロナウイルス感染症対策分科会を開いたとして新たな決定をすると、まさに事業開始の直前となりますので、様々な混乱が生じるのではないかということで、16日の分科会の段階で御判断いただけないかということを、尾見会長へ御相談したと伺いました。
それを受けて、最終的には16日の分科会において、東京を発着する旅行を除いて、3密の対策、重症化しやすい高齢者の団体旅行、若者の団体旅行、大人数の宴会を伴う旅行は慎重にということ、大声を出さないこと、3密にしっかりと対応するといったことで、東京を除外して22日から始めることについては了解をしたと。
これは委員会の答弁でも言われておりますので、そういうことだったと理解をしています。
(問)確認ですが、その発言が西村大臣のところにあったのは何日の時点になりますか。
(答)16日の分科会の前の時点だと思いますけれども、いつかは正確には分かりません。
(問)西村大臣にはそうした主旨の提言はあったけれども、赤羽大臣は、直接は踏まえてらっしゃらないということですか。
(答)それは先ほど申し上げたつもりですけれども、元々政府が外出自粛についての制限緩和の工程表と、もう1つはイベント、野球やサッカー観戦の段階的な緩和の工程表は5月25日の段階で発表されていて、西村担当大臣の名の下で政府として決定をしている。
その中に観光の部分でGo To トラベル事業は、その時は7月下旬からという、そういう工程表があったわけです。
我々はその政府の決定を受けて、勝手にそこはいじらないで、政府全体の感染症における外出自粛について、イベントは私所管しておりませんけれども、そうした大枠の政府の決定を受けて、Go To トラベル事業を所管する責任者として事業の執行をどうしていくのかということを決めていくということでありますので、私が本来的には尾身先生から直接話を受ける立場ではないということです。
(問)直接は西村大臣の担当になるかもしれないのですけれども、16日に東京を除外することについては、政府の方から分科会に判断を諮りにかけましたけれども、Go To トラベルの開始時期そのものについては、分科会に諮りにかけるということはされていないと思うのですけれども。
(答)東京都の発着を除外して、22日からスタートするということについてお諮りする原案というのは、総理と官房長官と西村担当大臣と私の4人で検討して、16日に諮っていただいたと。
ですから22日の開始は入っております。

(問)空港への支援についてお伺いします。
福岡空港などコンセッションで民営化された空港の運営会社が運営権料の減免を求めるケースが出てきています。
民営化空港の運営権料の減免について、政府としてどのような見解をもっていらっしゃるのか。
また、民営化空港に今後何らかの支援をするお考えはあるのか教えてください。
(答)新型コロナウイルスの影響によりまして、航空便数や旅客数の大幅な減少で、空港コンセッション事業者の経営状況が大変厳しくなっていることは承知しております。
空港コンセッション事業者は、航空利用者にとりまして不可欠な公共インフラである空港の運営を担っていただいており、雇用を確保しつつ事業が継続できるように、しっかりと支援をしていく必要があると、そのように認識をしています。
国土交通省としてはこれまで、国に対する各種支払いの猶予などにより、当面の課題である資金繰りを支援しておりまして、例えば、福岡空港につきましては、コンセッション事業者が今年5月及び11月に国に支払うことになっていた運営権対価分割金の支払いを年度末まで猶予しているところです。
また、このほか各社に対しましては、これは政府全体でもありますが、雇用調整助成金、国税・地方税の猶予などの業種横断的な支援策についても、周知徹底させていただいております。
新型コロナウイルスの影響がこれ以上長期化する場合には、各社の経営状況が更に悪化することも予想されますので、引き続きコンセッション各社から状況をしっかりと聞きながら、国として適時適切に対応してまいりたいと考えております。

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