大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2020年1月14日(火) 10:24 ~ 10:36
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 私の方からは発言はございません。

質疑応答

(問)JALが会社更生法の適用申請を行ってから間もなく10年になります。
現在のJALの経営状態に対する評価。
それから、公的資金を使っての救済には批判もなお残るわけですけれども、これについての大臣のお考え。
併せて、現在の航空産業の経営環境についての御認識もお願いします。
(答)2010年1月19日に日本航空が会社更生法の適用を申請してから間もなく10年となります。
当時、かつてのナショナルフラッグであった日本航空が会社更生法の適用を申請するということは、大変大きな出来事だったと記憶しておりますが、この間、様々な支援も行い、努力もある中で、今、日本航空の経営状況につきましては、国際市場においては、3大アライアンスの一員として、国際航空ネットワークを拡充しつつ、国内におきましても、かつて相当縮小した路線も、離島も含め、地方路線もかなり回復して、国民の皆さんの足の確保に貢献いただいていると評価しているところです。
また、公的支援につきましては、交通政策審議会の検討小委員会において検討されて、その報告書にも出ておりますが、公的支援の必要性は認められるものの、支援実施に当たって、競合他社との間での健全な競争環境の確保への配慮に欠けていたことは否定できない、とされたところです。
こうした報告書を受けまして、国土交通省としては、日本航空に対して、公的支援により航空会社間の競争環境が不適切にゆがめられることがないように、2017年3月末までの間、同社による新規投資や路線開設の監視等を行ってきたところであり、その結果、競争環境は相当程度是正されたものと認識しております。
大事なことは利用者利便の向上に資するということだと思いますので、今後も引き続き、我が国航空各社が、安全の確保を第一としつつ、健全な競争を行って、これを通じて利用者利便の向上が図られるように、国土交通省としても適切に対応してまいりたいと考えています。

(問)軽井沢スキーバス事故が起きてから明日の未明で4年になります。
国土交通省では、対策項目を85項目進めてきたと思いますけれども、再発防止に向けた意気込みを改めていただきたいのと、その85項目も全てで着手済みということになっていますけれども、おそらく濃淡があると思いますので、今後力を入れていかれるポイントなど教えてください。
(答)明日で軽井沢スキーバス事故の発生から4年を迎えます。
改めまして、この事故で亡くなられた皆様方の御冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。
なお明日の午前、国土交通省佐々木大臣政務官が事故現場を訪問させていただきまして、献花をさせていただくこととしております。
あのバス事故では大変若い方が多く犠牲となられましたが、私自身も公明党の部会として直後に現場の視察をさせていたいただきまして、大変悲惨な状況であったことや、当時の貸切バスの業界の実態が本当に非常に厳しい、また、観光の、学生向けのスキーバスツアーのようなものも安かろう悪かろうのような実態があり、本当にここはなんとか是正しなければいけないということで、当時、藤井さんが自動車局長だったと思いますが、相当厳しい対応を取るべきだということを党としても何度も何度も申し入れ、藤井局長自ら新宿のバスターミナルに行き、抜き打ちの検査を行ったりですとか、相当きっちりと対応を取ったと思っておりますが、いずれにしても、あのような悲惨な事故を二度と起こしてはいけないという国土交通省を挙げての強い決意の下、貸切バスの安全・安心の確保にこれまで以上に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
この事故を受けまして、対策検討委員会を国土交通省として設置しまして、平成28年6月に、85項目にわたる安全運行の総合対策をとりまとめ、その全ての項目について着手しているところです。
具体的には、運行管理者の必要選任数の引上げ。
これは省令改正ですが、39両以下の営業所の場合、1名から2名に引き上げる制度改正を行いました。
この85項目には既に実施済みとなっている施策もあれば、貸切バス事業の許可の更新制の導入、これは5年ごとの許可更新制の導入をした法律改正ですが、制度改正を行った上で継続的に実施している施策もあります。
この間、貸切バス事業者も平成28年3月時点で4508社あったものが、昨年平成31年3月では4127社、約1割この業界から退出しているといった結果があります。
先ほど申し上げました旅行業者に対しましても、旅行業者が作成する募集広告のパンフレット等に運行する貸切バス事業者の記載を義務付けるとともに、セーフティバス認定のランクを国土交通省のホームページにおいて公表しております。
これは、安いところが1番人気があるというようなことで、安全が担保されていないのではないかという反省の下に、しっかりとした貸切バス事業者はどこなのか、その貸切バス事業者のセーフティ度はどうなっているのかということを公表していこうということです。
こうした施策の効果もあり、この事故以降、貸切バスの乗客の死亡事故は発生しておりません。
また乗客以外も含めた死傷者数も減少しております。
現時点の課題としましては、適正化機関による貸切バス事業者に対する巡回指導について、既に全10ブロックで適正化機関を設置済みですが、その必要な指導員の確保には引き続き取り組んでいるところであり、令和2年度に10ブロック中6ブロック、令和3年度までには全ブロックで体制整備を完了する予定です。
この指導員の充実が今まだ途中であるということでございます。
今後とも法令の遵守状況や安全な運行に必要な原資が確保されているかについて、行政や適正化機関の職員が監査や指導で確認していくことにより、運行の安全確保を実現していきたいと考えております。
繰り返しになりますが、軽井沢のバス事故を決して風化させることなく、大変大きな犠牲であったということを肝に銘じながら、絶対無事故を貫いていきたいと思います。

(問)JALの関係なのですが、今、ネットワークの関係ではかなり回復してきていると評価していると仰いましたけれども、例えば、サービス面や料金面で競争環境が改善されてきているとお考えでしょうか。
(答)この間、国際市場もそうですが、国内市場においても他のフルサービスキャリアも国内の航空ネットワークの中で重要な位置を占めて、競争環境が以前より増してきているということ、加えて、LCCも、現在、国内線の旅客数で約1割を占めるまでに成長するなど、健全な競争環境は相当確保されている状況にあるのではないかと認識をしております。

(問)今朝報道のあった件についてですが、読売新聞で日本の領海内で民間の経済活動として行われる海洋調査から中国系の調査船を事実上排除するという方針を決めたということが一部報じられました。
このことについて、事実関係について現段階でコメントできることがあればお伺いできればと思います。
(答)今朝の報道、その内容については承知をしておりますが、船籍に着目をして海洋調査から中国船を排除する方針を政府として決めたというようには承知しておりません。
現状、以上です。

(問)もう1点質問ですが、中国の武漢(ぶかん)から観光でタイを訪れた女性が、新型と見られるコロナウイルスにかかっていたと、タイの保健省から発表がありました。
空港等を所管する国土交通省として何か対応があればお伺いできればと思います。
(答)新型のコロナウイルスへの対応につきましては、国土交通省としては検疫を担当する厚生労働省等とも連携をとりつつ、空港における適切な水際対策を講じてまいりたいと考えております。
今、厚生労働省として新型のコロナウイルスの危険度等を調査中と承知をしておりますので、こうした水際対策が後手に回らないように関係省庁との連携を密にしながら、しっかりとした水際対策を取れる準備をしっかり講じていきたいと考えております。

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