大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2019年12月17日(火) 9:52 ~ 10:09
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件について、報告するものはございません。
このほか、1点報告があります。
交通安全緊急対策に係る車両安全対策の措置方針等についてであります。
国土交通省においては、6月18日の関係閣僚会議においてとりまとめられた「未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策」を受けて、高齢運転者による交通事故の削減に向けた車両安全対策等について検討を進めてまいりました。
このうち、特に「本年内を目途に結論を得る」こととされている対策について、有識者等による「車両安全対策検討会」における議論も踏まえて、措置方針をとりまとめましたので、本日公表させていただきます。
具体的には、歩行者も検知して自動でブレーキを作動させる「衝突被害軽減ブレーキ」を、世界に先駆けて、令和3年11月から段階的に新車の乗用車等に義務付けること、また、後付けの「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」の性能認定制度を来年度から開始すること、などの方針を決定しました。
今後は、この方針に基づき、各対策の具体化及び円滑な実施に向けて、着実に取り組みを進めてまいります。
また、直ちに行うべき対策として、サポカー購入支援と後付けの「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」の購入支援が、13日に閣議決定された補正予算案に盛り込まれたところです。
他方で、車両の安全装置は、あらゆる事故を防止することができるものではなく、一定の限界があるものであり、このことをユーザーの皆さまが正しく理解し、過信することは避けなければならないことから、引き続き、過信対策に係る取り組みを進めてまいります。
高齢運転者による事故は、政府を挙げて、あらゆる施策を総動員して対応すべき喫緊の課題であり、引き続き、関係省庁とも連携して取り組んでまいります。
詳細については後ほど自動車局から説明させていただきます。
私からは以上です。

質疑応答

(問)今御紹介いただきました、車両安全対策の措置方針等ですが、高齢者の事故、小さいお子さんが被害に遭われる事故などの撲滅に向けた大臣の思い、特に衝突被害軽減ブレーキについては、世界に先駆けてというお言葉がありました。
ヨーロッパの方では令和6年くらいの義務付けなのではという議論が出ていますけれども、世界に先駆けるところ、また、メーカーの意向も踏まえてこういったことをされるのかと思うのですが、ついてこられるのか等々も含めてお願いします。
(答)まず、先日御報告申し上げましたように、11月20日と22日に、それぞれ交通事故の被害に遭われた御家族の皆さまがメンバーとなっておられる2団体、1つは「関東交通犯罪遺族の会(あいの会)」の皆さま、もう1つは「自動車損害賠償保障制度を考える会」の御家族の皆さまとお会いをさせていただきまして、改めて交通事故の悲惨さと交通事故を撲滅しなければいけないという決意を深めたところです。
そのために、あらゆる施策を総動員して交通事故撲滅に向けて前に進んでいこうと決意したところでございます。
今回その流れの中で、世界で初めて「衝突被害軽減ブレーキ」を乗用車等に義務付けるなどの新たな対策を、13日に閣議決定された補正予算案にサポカー購入支援を盛り込むなど、悲惨な事故を減らすために、相当に踏み込んだ対策を講じることとしたところであります。
こうした施策がしっかりと前に進むように、関係省庁とも連携しながら着実に措置を進めていきたいと考えております。
メーカーの皆さまも御苦労もあると承知しておりますが、こうしたことは、自動車事故を無くし安全・安心な社会を構築するという意味では、共通の認識に立っておりますので、当然御理解をいただいた上での措置であります。
他方、私も大変勉強になりましたが、先の2団体の御家族の皆さまにお会いした時に、車両の安全装置は一定の限界があるものであって、過信をするというのは大変危ない、過信対策が重要との御意見を伺ったところであり、これは聞き流すのではなくてしっかりと受け止めながら、国土交通省としても、こうした過信対策、また、安全対策も一定の限界があるということをユーザーの皆さまが正しく理解し、使っていただけるような対策を具体的に詰めていこうと思っております。

(問)今の自動ブレーキの件で2つ、まず、日本が自動車大国ということで、これまでも自動車をたくさん作り続けて世界に貢献してきたと思いますが、その日本でやることの意義というのがあれば。
もう1つ、先ほどの2団体の話がありましたけれども、大臣の過去の御経験で、例えばちょっとヒヤリハットしたことなどで、こういった対策があればよかったと思うようなことなどがあればお願いします。
(答)まず、私自分が自動車を運転しないので、自分自身が運転してヒヤリハットということはありませんが、身近なところで高齢者の皆さまが事故を起こしてしまって大変な状況になるというのは、他人事とは思えないような状況であるということは私自身もそう実感をせざるを得ない状況でありますので、そうしたことは、いつ自分の周辺に誰もが起こり得ることだということであり、そういう意味で大変喫緊な重要な課題であると認識しております。
1つ目については、自動車産業という意味では、日本は世界の牽引をしてきたトップリーダーの1つだと思っておりますので、そうした我が国の自動車産業界が、まず先進的なこうしたものを取り入れていく、そのことに国としても法制化するとか義務化をするということは世界に対するメッセージでもあるし、波及効果が大変大きいものだと強く期待しているところであります。

(問)今の自動車に関連して、輸入車メーカーに対しても全く同じ条件でということでよろしいでしょうか。
(事務方)この後資料を配付させていただきますが、輸入車については、令和6年6月頃の開始ということで、日本の車に対して3年弱ほど長いリードタイムを置いた対応をする予定であります。
(問)今日、大臣から御紹介いただいた全ての案件について、令和6年ということでよろしいですか。
歩行者安全を検知した自動ブレーキの装着ということも含めて。
(事務方)今申し上げたのは、歩行者を検知して止まる衝突被害軽減ブレーキの義務付けの件についてです。
そのほかの性能認定制度のお話等々ありましたが、これは義務付けの措置ではありませんので、義務付けということでは今申し上げた輸入車の令和6年6月頃ということで、後ほど詳しくもう一度御説明させていただきます。

(問)1つは今の関連ですけれども、ダブルスタンダードですよね。
世界に先駆けてというのは一見格好良いですけれども、本当に世界の安全を考えるのであれば、国際基準調和くらい働きかけをやられるのかということが1つ。
それからやはりコストの問題は付いて回ると。
今でこそ国と地方はたくさん車ユーザーからお金を持っていっているわけで、当然、安全装備が駄目だとは言わないけれども、やはりお金が掛かる。
これは車を買うということを前提にしている話なので、お金が掛かることについて、一部後付けも含めて補助金を出すということですが、補助金があるからその分安くなるというわけでもないので、国はコストプッシュをどのように考えているのか。
それからもう1点、環境との整合ですね。
国は環境問題、特に世界レベルでいうとCO2を出さないという方向では国際協調が出来つつあるわけですが、安全問題、今も事務方から話があったように外国車は6年からでよいというダブルスタンダード化になっているわけで、この辺についてもう少し明確に、対国民と対海外についての国の意思を伺いたいのですがいかがでしょうか。
(答)1つめのダブルスタンダードというお話について、私の所感を申し上げれば、安全基準を国際標準化しなければならないということは当然であって、その努力はしてきたと思っています。
我が国の安全基準のレベルと世界のそれぞれがバラバラだと全体として成り立たないということでありますし、そうしたことの努力をしつつ、世界一斉にやることよりも、現実的にはどこかの国がまず義務化するということは、今御指摘のあるように様々な障壁もあるわけでして、そこに踏み込んだということが契機となって、世界各国若干のタイムラグがあるのはやむを得ないと思います。
同時にそうしたことは現実的にはできないと思いますので、この3年くらいのタイムラグの中で、輸入車に対しても宣言するということは、世界中のマーケットにおいての安全化というのが促されることになると私は思っています。
2つめのコストの問題は、何を入れるときでも、ETCのときも同じような議論があったかと思いますが、やはり安全をどう捉えるかということで、導入が普及されればコストは自ずとミニマイズされると思っていますので、結論的に言うとこれだけ多くの自動車利用者が、過重なコストの負担がない中で、こうした安全装置が付けられるような施策をしっかりと今後も継続して考えていかなければならないというのは御指摘のとおりだと思っています。
環境についても相当世界をリードしてきた結果なのではないかと思っておりますので、これはもう1度安全に対してしっかりと世界をリードできる結果に。
いい格好するというわけではなくて、世界初のというのは確かにいつもと違った踏み込んだ言い方かもしれませんが、それを突破口にそうしたことの世界スタンダードを作っていきたいと思っております。

(問)横断歩道などが近くにあるバス停について、自動車局が13日付で通達などを出しまして、全てのバス停から危険性のあるバス停を抽出して、各地で設置される合同検討会で優先度を判定するよう指示を出されました。
なかなか例のないような大がかりな取組になると思うのですけれども、こういった取組を行うことについての大臣の御所感と、今後危険なバス停の除去に向けてどのように対応されるのお聞かせいただければと思います。
(答)読売新聞さんがこの件についてしっかりフォローしていただいたことは感謝したいと思います。
痛ましい事故があったことについて、再発防止ということをどうしたらいいのかということを真摯に受け止めての政策だと理解しております。
今般、今お話がありましたように、全国全ての路線バス事業者を対象にして、警察等の関係機関の協力も得ながら調査を実施し、バス停ごとの安全上の優先度を判定した上で、それに応じた安全対策を検討することといたしました。
例えば今お話ありました、交差点または横断歩道にバスの車体がかかるなどの危険と思われるバス停の抽出、そして抽出したバス停についてそれぞれの安全上の優先度の判定をし公表する、そして安全上の優先度に応じて、例えばバス停の移設を含めた安全対策の検討を行うこととしておりまして、まずは年度内を目途に、安全上の優先度の判定結果については公表する方向で関係者と調整を行ってきました。
これは13日付で各バス事業者等に通達を発出したところでありまして、こうしたバス停に関わる安全性の確保、また、安全性の向上が実現するようにしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

(問)一部報道で、大臣が所管されるIRの参入について、東京地検が中国企業を捜査しているというような報道がありました。
北海道に絡むような話だと報道ではなっているのですが、この報道を受けて大臣の受け止めと、今後のIRの進捗に関わる影響と、観光庁自体へ特捜部から何か調査もしくは依頼がきているかどうか、そのあたりも含めて教えていただけますか。
(答)そうした報道があったことは承知しておりますが、大変申し訳ありませんが、捜査中の案件でありますのでコメントは差し控えたいと思います。

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