大臣会見

石井大臣会見要旨

2019年6月21日(金) 10:00 ~ 10:13
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、私の方から1点報告がございます。
本日の閣議におきまして、令和元年版の「土地白書」及び「観光白書」が閣議決定されました。
詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)骨太の方針や未来投資会議がそろそろ固まりそうですが、特に未来投資会議で議論になっている、自家用の有償旅客運送制度やタクシーの相乗りについてかなり議論が進んでいると思います。
今後、国土交通省としてどのようにこの制度に取り組んでいくのかということと、狙いと期待についてどのように思っていらっしゃるのかお願いします。
(答)6月5日に開催された未来投資会議におきまして、成長戦略の実行計画の素案が示されました。
まず、「自家用有償旅客運送」につきましては、タクシー事業者等が実施主体に協力する場合に手続きを容易化する法制を整備すること、地域住民だけでなく来訪者も対象とすることを法律において明確化すること等が位置付けられました。
これによりまして、安全・安心な地域の暮らしの足の確保、地方公共団体の負担の軽減や、観光客に対する二次交通の提供が図られるものと考えています。
次に、「タクシーの相乗り」につきましては、地域や要件の限定をかけずに一般的に導入を行うことが位置付けられました。
これによりまして、一人あたりの料金が低廉になるとともに、タクシーの効率的な運送につながり、日常生活や観光における様々な場面で地域のタクシーがより利用しやすくなることが期待されます。
今後、こうした成長戦略の実行計画の内容を踏まえて、具体的な制度設計の検討や必要な制度整備を進めてまいります。

(問)先日、大和ハウスがアパートなどの施工不良の問題が従来の件数の倍の4000件になったと発表しました。
会社側は調査上のシステムの不備で隠蔽などはないと言っておりまして、再発防止策なども発表はされていますが、この問題に対して改めて大臣の所感と国土交通省の対応をお聞かせください、
(答)大和ハウス工業が供給した住宅の独立基礎に係る型式不適合の物件数について、当初調査に用いたデータベースに不備があったため、再調査した結果、1878棟から3763棟へと大幅に件数が増加したことは誠に遺憾と思っています。
国土交通省におきましては、18日に同社に対しまして住宅所有者等への丁寧な説明、特定行政庁等への報告、改修等の迅速な実施について指示したところであります。
また、同日、同社より、同社が設置した外部調査委員会による調査報告及び同社としての再発防止策について報告がありました。
国土交通省としては、引き続き住宅の所有者等の安全・安心の確保が図られるよう、また、再発防止策の徹底等に関し、大和ハウス工業をしっかりと指導してまいります。
更に、今後、国の外部有識者委員会におきまして、報告を受けた原因究明結果等の内容を検証していただき、国としての再発防止策をとりまとめていただくこととしております。
いただく予定の提言を踏まえまして、必要な対策を講じてまいります。

(問)リニア中央新幹線事業に関して、JR東海の金子社長が先日の会見で、「国策といえるような目的の下に進められている」と発言しました。
国土交通省としてリニア中央新幹線は国策もしくは国策としての性格が強いものと捉えているのか大臣のお考えを伺います。
(答)リニア中央新幹線は、全国新幹線鉄道整備法に基づきまして整備が進められている事業であり、平成23年に国土交通大臣が整備計画を決定の上、その建設主体及び営業主体としてJR東海を指名しました。
その後、建設主体であるJR東海から申請された品川・名古屋間の工事実施計画を平成26年10月に認可し、現在、同計画に基づきJR東海において建設が進められている事業であると認識しています。

(問)2027年の開業目標の実現に向け、愛知県知事など関係者が、未着工の静岡工区に関して国の積極的な関与を求めていますが、大臣として国の関与のあり方についてどのようにお考えでしょうか。
(答)リニア中央新幹線の工事に関しては、建設主体であるJR東海が地元自治体等の関係機関と協議をしながら進められるものと考えております。
愛知県知事が国に積極的な関与を求める発言をされたことは報道で承知しておりますが、いずれにしましてもリニア中央新幹線は国民生活や経済活動に大きなインパクトをもたらす重要な事業であり、予定通りの開業への期待が大きいことから、国土交通省といたしましても引き続き必要な調整や協力等を行ってまいりたいと考えています。

(問)高齢運転者対策についてお尋ねします。
医学の世界では、「年のせい」という病気はないといわれています。
必ず原因があって、そこに対策を取るということですが、高齢者運転事故の対策では、このところは「年のせい」ということになっていて、対処療法が続いているような気がします。
国土交通省も根本的な原因を発進以外も含めた全フェーズを対象として、認知能力などとの関係を解明していく必要があるのではないでしょうか。
大臣の御所見をお願いいたします。
(答)高齢運転者、75歳以上の運転者による交通死亡事故の人的要因としては、操作不適による事故が最も多く、次いで安全の不確認、漫然運転等の順に発生しております。
更に、操作不適による事故のうち、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる死亡事故は、75歳未満では死亡事故全体の1.1%に対し、75歳以上では5.4%と高い割合を示しております。
昨今、高齢運転者による事故が相次いで発生しており、このような事故の特徴を踏まえて、政府の高齢運転者の交通安全緊急対策が去る6月18日にとりまとめられたところです。
国土交通省では、これまでも取り組んでまいりました衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置等の先進安全技術を搭載した「安全運転サポート車」の普及促進等を着実に進めています。
また、今後の取組として、衝突被害軽減ブレーキの国内基準化及び新車を対象とした義務付けの検討や高速道路の逆走対策等、高齢運転者による交通事故防止対策を強化してまいります。
このほか、高齢者が自動車に頼らずに日常生活を円滑に営むことができるよう、生活交通サービスの選択肢を広げる観点から、中山間地域等における自動運転の取組や交通空白地域における自家用有償旅客運送の実施の円滑化なども含め総合的な対策を推進してまいります。
なお、高齢運転者の認知能力低下を原因とする交通事故の対策については、一次的には運転免許制度を所管している警察庁の担当ではありますが、国土交通省としても引き続き高齢運転者による交通事故を防止するため、高齢運転者の事故の原因を分析し、警察庁をはじめとした関係機関等と連携・協力し、取り組んでまいります。

(問)18日の晩に起きました山形県沖を震源とする地震、少し時間が経ちましたけれども、所管している施設の被害状況や今後の対応などお話しできることがあればお願いします。
(答)今般の地震により被災された皆さまに改めて心よりお見舞い申し上げます。
今回の地震におきまして、直轄施設や高速道路、新幹線、空港等に大きな被害は確認されておりません。
鉄道については、地震発生直後は、一部の路線において運休が発生しておりましたが、20日の始発までに、全ての路線で運転を再開しております。
新潟県が管理いたします国道345号においては、落石が発生した斜面の現地調査及び対策工の検討中でありまして、現在も通行規制が行われていますが、本日から、応急対策工事に着手し、本日中の片側交互通行での解放を目指すと県から聞いております。
被災建築物の応急危険度判定については、山形県鶴岡市と新潟県村上市が判定活動を実施しておりまして、昨日までに合計528件の判定を行っております。
観光業については、一部の宿泊施設で源泉の供給管の破損等の被害が発生し、営業を停止しているところもございますけれども、それ以外の宿泊施設や観光施設、旅行者の被害に関する報告は受けておりません。
今回の地震で揺れの大きかった地域では、地盤が緩んでいる可能性があり、今後の地震や少ない雨でも土砂災害が発生するおそれがございますので、国民の皆さまにおかれましては、気象情報等に十分注意し、身の安全を図るよう心掛けていただきたいと思います。
国土交通省としても、引き続き厳重に警戒を続けるとともに、二次災害防止に対する技術的助言や被災状況・支援ニーズの把握に努めるなど、被災地域の支援に全力を挙げてまいります。

(問)応急危険度判定528件ということですけれども、内訳というか結果のことは、何かどこかで公開されているのでしょうか。
(答)手元の資料で申し上げますと、63件が危険(赤)、115件が要注意(黄色)、350件が調査済み(緑)という内訳となります。

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