大臣会見

石井大臣会見要旨

2019年6月7日(金) 8:39 ~ 8:48
衆議院分館
第17委員室前
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から報告するものはございません。
以上です。

質疑応答

(問)高齢者によるアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故が相次いでおりますが、これに関係して関係閣僚会議も開かれましたが、こういった事故が相次ぐ中で、国土交通省若しくは政府としてはどのような対応が今後必要になるか、大臣の考えをお願いします。
(答)最近の交通事故の発生状況を踏まえ、先月21日に関係閣僚会議が開催され、安倍総理から、子供が日常的に集団で移動する経路の安全確保方策を早急にとりまとめるとともに、高齢運転者対策について、新たな技術の進展なども考慮しつつ、一層強力に推進するよう御指示がありました。
国土交通省では、これまでも高齢運転者による痛ましい交通事故を防止するため、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置などの先進安全技術を搭載いたしました「安全運転サポート車」の普及促進に取り組んできたところであり、この結果、平成29年の新車乗用車搭載率については、衝突被害軽減ブレーキが77.8%、ペダル踏み間違い時加速抑制装置が65.2%となっているところであります。
また、広く事故防止を図っていくためには、新車対策に加えまして、既存車への対策も進めることが重要であり、これまで、自動車メーカーに対しまして後付けの安全運転支援装置の開発を要請してきたところです。
これを受けて、一部の自動車メーカーにおきましては、昨年より後付けのペダル踏み間違い時加速抑制装置の販売・装備が開始され、対象車種の拡大も順次図られているところであります。
更に、部品メーカー等により開発・販売されている後付けの安全装置につきましては、効果や注意点を客観的に評価し、その結果をユーザーに提供することを目的といたしまして、平成30年に、公益財団法人自動車輸送技術協会におきまして後付け安全装置の性能評価制度を創設いたしました。
加えて、ペダルの踏み間違い防止に有効なペダルの配置について、人間工学の観点から、メーカー等とも議論を進めていきたいと考えております。
今後の取組といたしましては、関係省庁と連携いたしまして、自動車メーカーに対しまして、更に後付け装置の開発・実用化の取組を進めるよう要請するなど、更なる先進安全技術の導入の促進及び普及啓発に向けた施策について検討を進めていきたいと考えております。

(問)リニア中央新幹線を巡る静岡県とJR東海の調整が難航しており、関係者からは、国土交通省が調整に乗り出す段階に来ているとの声もあります。改めて大臣の所見と国土交通省の対応を教えてください。
(答)リニア中央新幹線のうち、静岡工区につきましては、現在、トンネル掘削に伴う大井川の減水に関しまして、JR東海と静岡県との間で協議が進められているところであり、トンネル掘削工事には至っていないものと承知しております。
工事の進捗に関しましては、建設主体であるJR東海が、地元自治体等の関係機関と協議をしながら進められるものと考えております。
一方、リニア中央新幹線は国民生活や経済活動に大きなインパクトをもたらす重要な事業であり、予定どおりの開業への期待も大きいことから、国土交通省といたしましても、引き続き、必要な調整や協力等を行ってまいりたいと考えています。

(問)シーサイドラインの逆走事故で、昨日、運行事業者が、断線があったことを発表しました。
これを受けて、他社への点検などの具体的な指示とか、今後の当該事業者の自動運転の再開の目途など、予定しているところがあれば教えてください。
(答)6月1日に横浜シーサイドラインにおいて発生した自動運転による列車が逆走した事故について、事故車両内の装置に電気信号が伝わらない箇所が見つかったとの報道があったことは承知しております。
現在、運輸安全委員会等において原因調査中ですが、昨日、横浜シーサイドラインを含む無人の自動運転を行う7事業者が集まり、事故情報の共有等を行った会議において、横浜シーサイドラインから、ATO、自動列車運転装置の地上側の装置から進行方向を切り替える指示が出ていた、車両の進行方向を伝える回路の一部に断線があり、モーター制御装置に進行方向の情報が伝わらなかった等の報告を受けたところです。
国土交通省といたしましては、断線の原因や逆走したこととの関係等の詳細について、運輸安全委員会とも連携しながら、引き続き調査を進め、その状況等を踏まえ、必要な措置を検討していくこととしています。
また、昨日の7事業者の会議におきましては、出席各社から、今回の事故を踏まえて、関係者間で情報共有や再発防止策の検討等を行う場を設けていただきたいとの要望もあったことから、今後、事業者や研究機関等の関係者からなる協議の場を立ち上げ、再発防止策の検討等を進めることといたしました。
国土交通省としましては、このような取組を通じて、引き続き、鉄軌道の安全輸送にしっかりと取り組んでまいります。

(問)昨日、横浜市営地下鉄の事故も起きましたけれども、それに関して把握されている事実関係と国土交通省の対応、並びに、シーサイドラインの事故もありましたけれども、鉄軌道をめぐる事故が相次いでいることについての御所感をお願いします。
(答)昨日5時22分頃、横浜市営地下鉄ブルーライン下飯田駅構内において、湘南台駅発あざみ野駅行きの列車が脱線いたしました。
これにより、現在も、湘南台駅から踊場駅間で運転を見合わせております。
当該列車に乗車されて被害に遭われた方には、心よりお見舞いを申し上げたいと存じます。
本事故の原因につきましては、横浜市交通局によれば、夜間に線路上に横取り装置を設置し、その点検作業を行った後、当該装置の撤去を失念したためとのことであり、誠に遺憾であります。
本件事故は、作業ミスによるものと報告されておりますが、一歩間違えれば重大な事故になった可能性もあることから、国土交通省としては、昨日6日、横浜市交通局に対しまして、厳重注意する旨の警告書を発出するとともに、このようなミスが発生した原因を徹底的に究明し、文書で回答するよう指示したところであります。
また、本事故に対しては、運輸安全委員会が、調査官3名により、昨日から調査にあたっております。
横浜シーサイドラインの事故が発生したばかりであり、鉄道事故が続いていることは、誠に遺憾であります。
公共交通機関である鉄道の安全輸送は最大の使命であり、今後の事故原因の究明等を踏まえ、同種の事故の再発防止に取り組んでまいります。

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