大臣会見

石井大臣会見要旨

2019年1月15日(火) 11:01 ~ 11:14
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から報告するものはございません。
以上であります。

質疑応答

(問)軽井沢のスキーバス転落事故から今日で3年となりましたが、大臣の受け止めと国土交通省の再発防止に向けた取組の実施状況を教えてください。
(答)本日で軽井沢スキーバス事故の発生から3年となります。
この事故で亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、負傷された方々に心からお見舞いを申し上げます。
本日の午後、工藤大臣政務官が事故現場を訪問いたしまして、献花をさせていただくこととしております。
国土交通省では、事故直後に設置をいたしました有識者からなります「軽井沢スキーバス事故対策検討委員会」が平成28年6月にとりまとめました「総合的な対策」、例えば、貸切バス事業許可への更新制の導入や各ブロック毎の適正化機関による貸切バス事業者の巡回指導などを順次実施してきたところであります。
また、これらの取組につきましては、事故対策検討委員会においてフォローアップを行ってきているところであります。
国土交通省といたしましては、悲惨な事故を2度と起こさせないという強い決意のもと、貸切バス事業者の関係者とともに、引き続き様々な対策を実施いたしまして、貸切バスの安全・安心の確保に万全を期してまいりたいと考えております。

(問)厚生労働省の毎月勤労統計の不適切な形で行われていたことに関連して、政府内で基幹統計が56個ありますけれども、これの総点検をなさるということなんですが、国土交通省でも9つ基幹統計があるということで、今後の対応方針ですとか、まだ指示があってから日が間もないので、まだ取りかかっているかどうか分かりませんが、今の段階で何か問題があるかどうか等々も教えていただけますでしょうか。
(答)今般、厚生労働省で発生いたしました事案を踏まえまして、既に国土交通省が所管しております基幹統計、一般統計調査につきまして、調査計画と異なる手法で実施されている調査がないか調べているところであります。
今後、政府の基幹統計を中心に点検するものと聞いておりまして、国土交通省におきましても適切に対応してまいりたいと考えています。

(問)明後日の17日で阪神大震災から24年となります。
今後、わが国で見込まれる大地震への備えとして、建築物の耐震化、密集市街地の対策、また道路橋脚等の耐震化、無電柱化等があると思いますが、これまでの国土交通省の取組状況と今後の課題等について、大臣の考えをお聞かせください。
(答)まず、住宅・建築物の耐震化につきましては、阪神・淡路大震災を契機として制定されました耐震改修促進法に基づきまして、2020年までに耐震化率を95%とする目標を掲げておりますが、更なる取組が必要な状況にございます。
このため、住宅につきましては、耐震化に積極的に取り組む地方公共団体を対象にしまして定額の補助を実施しているほか、建築物につきましては、耐震改修促進法に基づき、多数の者が利用する一定規模以上の建築物等に耐震診断を義務付けるとともに重点的に支援することなどによりまして、耐震化の促進を図っているところであります。
密集市街地対策につきましては、地震時等に著しく危険な密集市街地を対象としまして、老朽建築物の不燃化や避難路の確保等により最低限の安全性を確保し、2020年度末までに概ね解消するとの目標を定め、取組を進めております。
更に、改正建築基準法によります延焼防止性能の高い建築物に対する建ぺい率の緩和や、今回の2次補正で盛り込みましたが、民間の負担なしで空き家の除却を可能とすること等によりまして、「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」に基づき、密集市街地の整備改善に取り組んでいるところであります。
道路橋の耐震化につきましては、緊急輸送道路について優先的に耐震対策を進めておりまして、現在、落橋を防止する対策はほぼ完了しております。
更に、被災後、速やかに機能を回復させることを目指した対策も行っておりまして、これについては78%完了しているところであります。
高速道路や直轄国道につきましては、大規模地震の発生確率が高い地域において、2021年度までに完了するよう、3か年緊急対策等を含めまして、耐震補強を計画的に進めております。
無電柱化につきましては、道路の防災性等の向上の観点から重要な施策であります。
昨年4月に策定いたしました「無電柱化推進計画」に基づく約1400km、及び今般の3か年緊急対策に基づく約1000kmにつきまして、当面、無電柱化を進めることとしております。
今後とも引き続き、住民の方の理解を得つつ、地方公共団体等とも連携を図りながら、こういった施策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

(問)軽井沢のバスの事故の関連で2点お伺いしたいのですが、1点目が、現在も貸切バスの、一歩間違えば大惨事というような事故が相次いでおりますが、一部で安全対策をおろそかにしている業者もいるのではないかという指摘もあるのですけれども、この現状について、大臣はどのように認識されていますでしょうか。
(答)先ほど申し上げましたとおり、軽井沢スキーバス事故の後、省内に「軽井沢スキーバス事故対策検討委員会」を設置しまして、全体85項目に及ぶ「安全・安心な貸切バスの運行を実現するための総合的な対策」をまとめていただきました。
これを、今、順次実行しているところでありまして、この対策を引き続きしっかりと行うことによりまして、安全・安心な貸切バスの実現を図っていきたいと考えています。

(問)あともう1点。
ちょっと重複する部分があるかもしれませんが、取材の中で、監査を国は強化してやっていらっしゃることは重々承知しているのですが、その監査の処分を逃れようとする業者とかそういったことが取材の中で可能性としてちょっと見えてきておりまして、そういったところについても、今後どのように対応されていくか、最後、お願いいたします。
(答)監査・処分制度につきましては、平成25年10月より、悪質な運送事業者への重点的な監査の実施や悪質・重大な法令違反に対する処分の厳格化など、効果的な監査・実効性のある処分を行うこととしたところであります。
また、この軽井沢スキーバス事故を踏まえまして、国の監査体制につきましても強化し、また、新たに適正化機関を設けて、巡回指導を行うということでやっておりまして、監査体制につきましては、軽井沢スキーバス事故前の平成27年度、全国の地方運輸局・運輸支局で合計365名でありましたが、その後順次増員を図りまして、今年度には421名体制に増強を図っております。
適正化機関につきましては、適正化機関を創設いたしました平成29年度には巡回指導員の数が46名でありましたが、その後、平成30年度末には62名体制となっておりまして、平成33年度末には95名体制まで増強することとしております。
引き続き、この国の監査及び適正化機関による巡回指導を着実に行うことによって、監査逃れといいますか、そういったことが起こらないよう、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。

(問)整備新幹線の件で教えてください。
JR東日本が盛岡・新青森間の速度向上策を検討しているようですが、今現在、鉄道運輸機構が保有する整備新幹線区間の高速化について、大臣の見解を教えてください。
(答)報道は承知しておりますが、JR東日本によれば、東北新幹線の盛岡・新青森間について、「時速320km運転を実現する方針を固めた」という事実はないと聞いております。
一般論として申し上げれば、新幹線の高速化は、利用者の利便性の向上が図られることに加えて、交流人口の増加や地域の更なる振興等の観点から、意義のあることと考えております。
いずれにいたしましても、関係者の意向なども踏まえまして、国土交通省としても必要な対応を引き続き検討してまいりたいと考えております。

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