大臣会見

石井大臣会見要旨

2018年8月28日(火) 10:36 ~ 10:56
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私の方から1点報告がございます。
本日、閣議前に「公務部門における障害者雇用に関する関係閣僚会議」が開催されまして、国の全ての府省における障害者雇用の状況に関する再点検の結果について報告がなされました。
その後、厚生労働省により、その内容が公表されたものと承知しております。
国土交通省におきましても、厚生労働省の要請に基づき再点検を実施した結果、法定雇用率を下回ることとなりました。
当省が法定雇用率を達成していなかったことは、障害のある方の雇用や活躍の場の拡大を民間に率先して進めていく立場として、あってはならないことと重く受け止めており、深くお詫びを申し上げます。
詳細は後ほど事務方から説明をさせます。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)昨日開催された与党の整備新幹線建設推進PTで、北陸新幹線の金沢・敦賀と九州新幹線の長崎ルートの建設費の増加が報告されましたが、大臣の受け止めと財源確保を含めた今後の対応について、お聞かせください。
(答)昨日、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームにおきまして、労務単価の上昇や消費税増税による増額、東日本大震災を踏まえた耐震設計基準の改定、関係機関との協議などにより、北陸新幹線金沢・敦賀間及び九州新幹線武雄温泉・長崎間の建設費が合計で約3500億円増加する見込みであることを御報告いたしました。
国土交通省といたしましては、平成31年度概算要求において、北陸新幹線及び九州新幹線の建設費が増加する分について、事項要求を行う方向で検討しております。
いずれにいたしましても、北陸新幹線金沢・敦賀間及び九州新幹線武雄温泉・長崎間において、平成34年度の開業に影響が生じないよう、必要となる財源確保に取り組んでまいります。

(問)同じPTで、フリーゲージトレインについて新幹線と在来線間の直通運転への活用は困難と報告され、実質、新幹線への導入を断念した形だと思うのですが、これについて、国土交通省としての今後の対応についてお聞かせください。
(答)昨日の与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームにおきましては、「九州新幹線(西九州ルート)検討委員会」の山本幸三委員長より、「九州新幹線西九州ルートにおけるフリーゲージトレインの導入は断念せざるを得ない」との報告がなされたと承知しております。
九州新幹線西九州ルートへの導入が断念されたことを踏まえまして、北陸新幹線の営業主体であるJR西日本の意向を改めて確認した結果、「新大阪までの北陸新幹線全線開業までの暫定的かつ短期間のフリーゲージトレインへの投資判断は選択し得ないこと等から、北陸新幹線にフリーゲージトレインを導入することはできない」との回答がありました。
こうした状況を踏まえまして、国土交通省といたしましても、北陸新幹線へのフリーゲージトレインの導入は難しいと考えている旨を説明いたしました。
これらの状況を踏まえまして、与党プロジェクトチームからは、これまでの開発の経緯や地元との調整の経緯等を踏まえて、丁寧に今後の対応にあたるよう求められたところと承知しております。
国土交通省といたしましては、与党プロジェクトチームにおける議論を踏まえまして、適切に今後の対応にあたってまいりたいと考えております。
なお、フリーゲージトレインへの技術開発につきましては、これまでの技術開発の成果も活かしまして、まずは当面のフリーゲージトレインの活用先といたしまして、軌間の異なる在来線間の直通運転を想定して、技術開発を続けてまいりたいと考えております。

(問)障害者の雇用のことに戻りたいのですけれど、再点検をされたと思いますので、その結果、また雇用率との関係でいうと少し乖離してしまったのではないかと思いますので、大事なのは今後のことだと思いますので、今後の対応方針についてお聞かせください。
(答)国土交通省におきまして、厚生労働省の要請に基づき再点検を実施いたしまして、障害者手帳等を有する者のみを計上した結果、外局を除く国土交通省における障害者は286.5人分、実雇用率は0.70%となり、法定雇用率を下回ることとなりました。
外局の観光庁、気象庁、運輸安全委員会につきましても、同様に、法定雇用率を下回っております。
国土交通省が法定雇用率を達成していなかったことは、障害のある方の雇用や活躍の場の拡大を民間に率先して進めていく立場として、あってはならないことと重く受け止めており、深くお詫びを申し上げます。
今後は法定雇用率を早急かつ確実に達成することができるよう、業務の見直しを進める中で、外局や地方機関も含めまして、省内の各部署において、障害者が活躍できる場を積極的に見いだし、計画的な採用を進めてまいりたいと考えております。

(問)ただ、かなり不足数が一気に増えてしまった、今ちょっと手計算しましたら、大体650人くらい不足しているのかなと見受けられますが、かなりここから上げるのは難しいと思います。
例えば、正規の職員に関して試験制度を改めるいう意見もあったりとかございますけれども、何か大臣として必要だと思うことがあれば教えていただければと思うのですけど。
(答)それは、今後、早急に検討を進めてまいりたいと考えております。

(問)先ほどの新幹線の与党PTに関連してですけれども、建設費の増加分については、地元の沿線自治体などから地元負担の軽減について求める声なども上がっているのですけれども、国土交通省として、昨日のPTで財務省と検討していくという話もあったと思うのですけれども、その辺の大臣の所感、受け止めをお願いいたします。
(答)財源確保に向けた具体的な方策につきましては、地元負担も含めまして、今後の予算編成過程の中で検討していきたいと考えています。

(問)また新幹線でフリーゲージのお話なのですけれど、結局これで新幹線と在来線の直通運転は事実上難しくなったという状況だと思うのですが、これまで新幹線と在来線の直通運転を想定して、国の予算として総額500億円を超える予算を投じたというふうに聞いていますが、それだけの多額の開発費を投じながら、結局、実現できなかったことについて、国の責任をどのようにお考えになっていますでしょうか。
(答)フリーゲージトレインは、レールの幅が異なる線区を接続して利用者の利便性を高めるものでありますことから、様々な線区にも活用可能な技術であると認識しております。
これまでの技術開発が決して無駄になるわけではないと考えております。
例えば、近鉄では、レール幅が異なる京都線と吉野線の直通運転にフリーゲージトレインを活用することが検討されているところであります。
国土交通省といたしましては、これまでの技術開発の成果を活かして、当面のフリーゲージトレインの活用先として、軌間の異なる在来線の間の直通運転を想定して技術開発を続けてまいりたいと考えております。

(問)話戻りまして障害者雇用についてなのですが、結果として、障害者雇用の数が水増しされていたということになると思うのですけれども、その原因、どうしてこういうことが起きたのかということは分析されていますでしょうか。
(答)平成29年度までの国土交通省における障害者雇用者数の報告におきましては、対象となる障害者の範囲及び確認方法について、厚生労働省のガイドラインと異なり、幅広く捉えて、障害者手帳等の確認を行わずに計上していたことによるものと報告を受けております。
今回の再点検の結果、例えば、要件を満たさない医師の診断書に基づく計上、健康診断の結果に基づく計上、人事関係調書に基づく計上、過去に要件に該当するとされているがその確認方法が不明なままに計上などのケースがあると報告を受けております。
今後はこのような事態が生じることのないよう、厚生労働省のガイドラインに従って適切に対応してまいりたいと考えております。

(問)つまり、そのガイドラインをかなり拡大解釈ではないですけど、甘く見ていたというところもあるかなと思うのですけど、特に国土交通省は全省庁で2番目に数が多いということなんですけど、そこは国土交通省の体質的な問題ということもあるのでしょうか。
(答)数が多いのは、母数が多いということにもよるかと思います。

(問)大臣、今日これから九州に行かれると伺っています。
昨年の九州北部豪雨の被災地とか、福岡市のアイランドシティなどの開発も見られると伺っていますが、まずどんなところに注意してご覧になりますかということと、こうした九州の関連の視察に伴って新たに準備されている施策があれば教えてください。
(答)今回の視察は福岡市内の都市開発と九州北部豪雨の被災地の復旧・復興状況を確認させていただくということが主な目的でありますが、特に九州北部豪雨の被災地におきましては、河川事業については、「九州北部緊急治水プロジェクト」として、河川事業・砂防事業が連携しながら、2022年度、平成34年度を目途に緊急的・集中的に治水機能を強化する改良復旧工事、原形復旧ではなくて再度災害を防ぐために改良復旧工事等を実施しているところであります。
鉄道の関係では、橋りょう流失などの被害が生じましたJR久大線について、これは7月14日に全線で運転を再開しております。
また、被災者の方々の住まいの確保については、福岡県の朝倉市、東峰村、大分県日田市において、公営住宅の整備を進めております。
復旧・復興の進捗状況をしっかりと確認をしてまいりたいと考えております。
今申し上げました「九州北部緊急治水対策プロジェクト」は、しっかりと進めていくということが重要かと思いますけども、新しい施策といえば、先般の通常国会において鉄道軌道整備法が改正されまして、黒字の鉄道事業者であっても一定の要件を満たせば、復旧等に補助することが可能となったことから、日田彦山線についても、この要件を満たせば助成対象になる可能性があると考えております。
いずれにしましても、日田彦山線につきましては、まずは、地域における関係者間で復旧方針等について十分に御議論いただく必要があると考えております。

(問)関連で今の日田彦山線についてですが、昨日、JR九州の社長が記者会見で、不通区間について鉄道以外の復旧ということを言及して、今朝の報道では、バス高速輸送システムということへの転換を検討しているとの内容もありました。
これについて、国土交通省が把握している事実関係と国土交通省の方針について教えてください。
(答)今御指摘のあった報道があったことは承知しておりますけども、日田彦山線につきましては、現在、JR九州と沿線自治体等からなる「日田彦山線復旧会議」において、日田彦山線を復旧するための方策等を検討しているところです。
まずはこの会議を通じて、地域における関係者間で日田彦山線の復旧方針等について十分に御議論をしていただく必要があると考えております。

(問)何回もお話をさせていただきました羽田の空港問題です。
そろそろ内閣改造ということで、総裁選挙も始まったわけで、それが終わりますと大臣その他が入れ替わるんじゃないかと思いまして、今まであまり大臣には失礼だと思って言わなかったことを、大臣だからこそできるのではないかと思って、お願いしようと思ってお話しさせていただきます。
今、私ども、国際ジャーナリストクラブというのをつくりまして、その中で国際航空政策研究会というのをつくっております。
これは山崎拓元副総裁を会長にして、藤野公孝さん、前の政務官をやられた方、松島みどり元法務大臣、国土交通副大臣をやった方を顧問にして、外国関係で大使館関係の代表をしてられるマンリオ・カデロ サンマリノ共和国大使も顧問として入っていただいた会です。
その会で何回か東京都にも陳情してきたのが羽田の国際空港の問題です。
東京オリンピック・パラリンピックを前に何とか羽田を旅客専用空港にできないかということを働きかけてきました。
ちょうど先週か先々週、日本に台風がきて、そのときエアカナダが成田空港で滑走路をひとつはみ出して、そのために定期航空会社が成田に着陸できず、皆、羽田に降りました。
今の現状のままですと、必ず東京オリンピック・パラリンピックが開催したときに、今の成田を使っているやつはパンクすると思います。
というのが各国の大使館から出ている、マンリオ・カンデロさんの意見です。
私は長い間、国際航空政策研究会の中で、航空会社を対象にして集めて、国土交通省の責任者の方からセミナーをしていただきました。
その中で皆さんで指摘したのは、日本は国是としてオープンスカイポリシーというので、羽田空港を外国の航空会社が利用を望めば必ず使わせなければいけないというにも関わらず、一方的に国土交通省の航空局の意見で、成田に半分、航空会社を入れているのですが、今のような1本の滑走路しかないし、しかも1日のうち深夜と早朝は入れないということになると、必ず東京オリンピック・パラリンピックであれだけたくさんの外国の航空会社が来るとパンクすると思います。
ということで、もう1度検討していただく余地はないかというお願いです。
(答)先日、同じ質問を承ったと思いますけども、国土交通省としては、羽田と成田とで首都圏空港という位置付けでありまして、現在のところ、羽田を旅客空港専用とする考え方はございません。

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