大臣会見

石井大臣会見要旨

2018年8月10日(金) 10:45 ~ 10:59
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私から1点御報告がございます。
「広島県における新たな緊急的な砂防工事の実施について」であります。
今般の災害で、土砂災害により甚大な被害を受けました広島県におきまして、この度、広島県知事からの要望を踏まえまして、新たに9地区で、国直轄による緊急的な砂防工事を実施することといたしました。
また、広島県は二次災害の危険のある岩・土砂への対応として、新たに県として2地区で緊急的な砂防工事を実施いたします。
このうち、国直轄で新たに実施する工事に必要な体制を確保するため、広島県広島市に「安芸南部土砂災害復旧対策出張所」を設置することといたしました。
併せて、高梁川水系小田川における本格的な災害復旧等を早期に進める体制を強化するために、岡山県倉敷市に「高梁川・小田川災害復旧対策出張所」を設置することといたしました。
今後も関係自治体と連携して災害応急対策を迅速に行うとともに、水害や土砂災害による二次災害を防止するために、国土交通省の総力を挙げて対応してまいります。
詳細は、後ほど資料を配付いたします。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)昨日、スズキ、マツダ、ヤマハ発動機の3社が、排ガス・燃費の抜取検査の中で不正が発覚しました。
大臣の受け止めと対応についてお願いいたします。
(答)昨日、スズキ、マツダ、ヤマハ発動機より、燃費・排出ガスの抜取検査において無効な測定、トレースエラーを有効なものとして処理した事案が確認されたこと等について報告があった旨、公表したところであります。
昨年来、完成検査の不正が問題となる中で、同様の事案が続いていたことは、自動車製造業界全体の構造的かつ体質的な問題に起因するのではないかと厳しい視線が向けられかねない、私としては信じがたい深刻な事態であると考えております。
そもそも、自動車製作者等が行う完成検査は、国に代わり自動車の保安基準適合性を確認するものでありまして、厳に適切に実施を行う必要があると考えております。
自動車メーカー各社は、経営層から現場に至るまでこの趣旨を深く再認識し、全社一体となって再発防止の徹底に取り組むことにより、業界全体としてこのような不正事案を2度と起こすことのないようにしていただきたいと考えております。
いずれにいたしましても、国土交通省といたしましても、各社における業務改善の徹底について適切に対処するとともに、今般の報告内容等を精査をいたしまして、対応が必要となる場合には、厳正に対処してまいりたいと考えております。

(問)昨日、ヤマトホームコンビニエンス本社に立入検査に入られましたが、どのような報告が上がってきているのでしょうか。
それと、支店の監査など今後の展開についても教えてください。
(答)先月24日、ヤマトホールディングスが、ヤマトホームコンビニエンスの法人向け引越サービスにおいて、過去2年間にわたり、約2600社について合計約17億円の不適切請求があった、との発表を行い、国土交通省においても同様の報告を受けているところであります。
これを受けまして、国土交通省では、この不適切請求に関する発表の内容についての事実関係の確認等のため、昨日、ヤマトホームコンビニエンス本社に立入検査を実施いたしました。
実施した立入検査の詳細の結果については、事柄の性格上、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
また、本日、ヤマトホームコンビニエンスの東関東統括支店及び船橋支店に対しましても立入検査を実施いたします。
なお、今後の予定につきましては、具体的なコメントは控えさせていただきます。
いずれにいたしましても、事実確認を行ったうえで、利用者の利益保護の観点も含めまして、貨物自動車運送事業法に基づきまして、適切に対応してまいりたいと考えております。

(問)スズキ、マツダ、ヤマハ発動機の3社によるトレースエラーについて関連質問をお願いいたします。
一部にですね、日本のルール、完成検査に対する制度自体が欧米に比べて厳し過ぎるのではないかという意見が出ているのですが、国のお考えをお願いいたします。
(答)燃費及び排気ガスに係ります抜取検査では、シャーシダイナモメーターというものを使った試験を行っておりますけれども、これは販売国・輸出国によって走行のモードに違いはありますけれど、測定の方法は基本的には各国とも同じでありまして、日本だけが過剰な規制を行っているわけではございません。
なお、走行モードにつきましても、国連において、乗用車、重量車、二輪車の全てについて、国際調和作業が進められた結果、順次、国際調和モードが適用されているというところでございます。

(問)同じく排ガスの不正の関係でお尋ねしたいのですが、これまでの日産やスバルの件と違って、3社はいずれも改ざんなどは否定しているわけですけれども、今後、例えば再発防止策の提出とか、あるいはそれに対する国土交通省としての処分とか、現状ではどういうふうに考えてらっしゃるのでしょうか。
(答)スズキ、マツダ、ヤマハ発動機につきましては、トレースエラーを有効なものとして処理した事案について、台数や程度や原因、対策が今般提出の報告書にまとめられているところでございます。
国土交通省としては、追加の徹底調査の指示は発出しておりませんけれども、3社からの今般の報告内容等を精査しまして、対応が必要となる場合には、厳正に対処していきたいと考えております。

(問)この時期にほかの大臣にも同じ質問をさせていただいていまして、石井大臣にもお伺いしたいのですけれども、15日の終戦の日に靖国神社に参拝される御予定はあるかどうかという点をお願いします。
(答)ございません。

(問)西日本の豪雨で、愛媛県の肱川にある野村ダムと鹿野川ダムから緊急的な放流をした後に浸水被害が起きたことに関して、このダムを管理する国土交通省四国地方整備局が、放流の前に、浸水の恐れのあるエリアでの被害想定を行っていたとの報道があります。
ただ、この想定が、不確定で流動的な情報との理由で、整備局の中で留められ、自治体や住民には周知されなかったといいますけれども、現在、現地では検証の場が設置されて、情報伝達のあり方などが検証されているところだと思いますが、こうした事実があったことや、対応が適切だったかということ等について、大臣の御見解をお聞かせください。
(答)愛媛県の肱川におきまして、降雨の予測により河川にどれだけ流入してくるか、鹿野川ダムの放流量を予測して、放流量の結果どれだけ水位が上がるか、その水位を用いて氾濫範囲等を想定するシステムがあることについては報告を受けました。
この氾濫範囲を想定するシステムについては、まだ試験的に開発しているものでありまして、その精度は低いというふうに聞いております。
いずれにしましても、現在、ダムの操作に関わる情報提供等のあり方につきまして、検証を進めているところでありますので、自治体のニーズ等も踏まえまして、改善すべき点があれば、速やかに改善していきたいと考えています。

(問)排出ガス抜取検査の不適切事案について、もう一度お願いします。
スズキが昨日の会見で、二輪車の検査について、データは存在しないので、検査員の聞き取りで不正がないというふうに言っております。
データが存在しないという例は他社でもありますが、不正がないという判断に踏み込んだ例はスズキが初めてだと思いますが、排出ガスの検査制度の健全性はこれで保たれているのでしょうか。
併せて、今後予定されている省令改正で記録を残すことを義務付けることなどについてのお考えを教えてください。
(答)スズキにおきましては、二輪車のデータが存在せず、検査員からの聞き取りのみでトレースエラーがないと説明があったということは承知しております。
スズキからの報告内容等につきましては、今後精査しまして、対応が必要となる場合には厳正に対処してまいりたいと考えております。
それから、本年3月20日に、「適切な完成検査を確保するためのタスクフォース」の中間とりまとめにおきまして、自動車メーカーは完成検査の成績として、測定値を含め記録すべきことを法令で明確化すべきこと等が既に対策としてとりまとめられております。
国土交通省においては、このとりまとめを踏まえまして、これまで省令改正の準備を進めておりましたけれども、この間の各種事案の発生、また今般のスズキ、マツダ及びヤマハ発動機からの報告を踏まえまして、事案の再発の防止を図る観点から、完成検査の成績として、測定値を含め記録を残すことに加えて、完成検査の際に測定した値等の書き換えができなくなる措置及び書き換えた場合にその事実が判別できる措置等を講ずることにつきまして、法令改正を検討しております。
この法令改正を含めまして、必要な制度改正等を行う等、この春のタスクフォースのとりまとめ内容の速やかな実施に努めまして、完成検査における不適切事案の再発防止を図ってまいりたいと考えています。

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