大臣会見

石井大臣会見要旨

2017年10月27日(金) 10:56 ~ 11:15
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私の方から1点報告がございます。
航空機からの落下物対策につきまして、先月発生した部品の落下事案を踏まえまして、新たな対策を講じることといたしました。
まずは、落下物に関する新たな対策の検討や情報共有等を目的として、有識者やメーカー、関係団体等から構成される「落下物防止等に係る総合対策推進会議」を開催することといたしました。
第1回会合は来月6日に開催の予定です。
また、落下物を未然に防止するために航空会社が遵守すべき基準を新たに策定することとし、この会議において、今年度末を目途に基準案をとりまとめることといたしました。
更に、航空機の運航に必要な情報が掲載される航空路誌(AIP)の改訂を行い、現在の成田空港と同様に、国際線が多く就航する空港を離着陸する航空機に部品欠落が発生した場合、新たに外国航空会社を含む全ての航空会社等から報告を求めることといたしました。
この運用は来月の9日から開始いたします。
詳細は後ほど資料を配付いたします。
私からは以上です。

質疑応答

(問)自動車会社の無資格検査の件についてお尋ねします。
報道ベースの段階ですが、スバルでも無資格者による検査があったと報道されています。
国土交通省として報告を受けているかということと、対策についてお願いいたします。
(答)一部の報道で、スバルにおいても資格のない従業員に車の出荷前の検査をさせていたとの報道があったことは承知しております。
日産自動車の完成検査の不適切事案を受けまして、9月29日に他の国内自動車メーカー及び輸入車インポーターに対し、同社事案の有無について1ヶ月以内に調査して報告するよう指示をしております。
スバルについては、法令の解釈等に関する問い合わせを受けていたと聞いておりますけれども、未だ正式な報告は受けておりません。
報告内容につきましては、スバルからのものも含め、報告期限を待って、報告内容を確認、とりまとめの上、公表する予定であります。

(問)続いてもう1点、神戸製鋼所の件についてお伺いします。
昨日神戸製鋼所が新たに4件の不正を公表しました。
この件への受け止めとともに、今月23日から25日までにMRJの関連で大安工場に立入検査を行っていたかと思いますが、その結果についてお願いいたします。
(答)まずMRJの関係ですが、航空分野については、MRJ等の国産航空機は、国際的にわが国が設計・製造国として安全性に一義的な責任を有していることから、今後の量産化に向けてその品質に万全を期すため、神戸製鋼所大安工場に対して、10月23日から25日にかけて立入検査を実施いたしました。
結果につきましては、立入検査の際に追加で確認を求めた点もあるため、それらを踏まえ、整理してまいりたいと考えています。
いずれにしましても、立入検査の結果を踏まえて、適切に対応してまいりたいと存じます。
それから神戸製鋼所が昨日発表した内容ですが、昨日神戸製鋼所より検査データを改ざんしたとされる製品についての安全性の検証状況が公表されたことは承知しており、現在、その具体的な内容について神戸製鋼所に報告を求めているところであります。
今回、神戸製鋼所が公表した内容は現時点での途中経過であり、今後は神戸製鋼所が設置する外部調査委員会が検証の主体となることから、この外部委員会で再検証の上、速やかに全体像を公表していただきたいと考えております。
いずれにいたしましても、国土交通省としましては、これまで事業者やメーカー等に対して指示をしております調査の結果報告を求めるなど、引き続き実態の把握に努めてまいりたいと考えております。

(問)昨日、省内ベンチャー2030が立ち上がりましたが、最後の方、大臣は発言をされませんでしたが、省内のいろいろな若手の意見をお聞きして、率直な御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
(答)中堅・若手職員によります、国土交通省政策ベンチャー2030につきましては、募集人数を大きく上回る応募者の中から、本省等に所属する34名の職員を決定いたしまして、昨日発足したところであります。
発足式が和やかな雰囲気となるよう、場所の設定も工夫していただきまして、私自身、事務次官以下の幹部とともに、直接意見交換を行いました。冒頭、私の方から、日本の未来について、自分の職務にとらわれずに、タブーなく大胆かつ柔軟に議論してほしい、と訓示をいたしました。
それに応えて多くの若手職員からいろいろな率直な意見を聞くことができまして、大変有意義なものになったと思っております。
今後メンバーの若手職員と、更に詳細な議論ができることを楽しみにしておりますし、来年の6月頃まで幅広く議論を行いまして、素晴らしい提言をしていただけるものと大いに期待をしております。
私個人から申し上げれば、「国土交通省の希望」はここにある、と感じたところであります。

(問)無資格検査に関してですが、まだスバルの方から報告書は受け取っていないということですが、こういった事案が複数見つかったとすれば、性善説に基づくともいえるこの制度自体の信頼性も揺らいでしまうのではないかと思うのですが、複数事案が明らかになっていることや、制度の見直しについて、大臣のお考えがあれば教えてください。
(答)冒頭申し上げたとおり、複数になっているかどうかについては最終的な報告を受けておりませんので、報告を待って整理をしたいと思いますが、いずれにしましても、完成検査が適切に確実に実施されていなかったことについては、自動車ユーザー等に不安を与え、かつ、自動車型式指定制度の根幹を揺るがす行為でありまして、極めて遺憾であります。
国土交通省では、道路運送車両法の改正を行いまして、型式指定に関して、三菱の不正事案等を踏まえて、不正な手段によりなされた型式指定の取消し等の制度の見直しを行ったところでありますけれども、今後報告をされます日産自動車及び他の自動車メーカーによる調査の内容や、あるいは、立入検査結果等も踏まえながら、型式指定後の完成検査のあり方につきましても精査した上で、完成検査の確実な実施のため、見直す点がないか検討していきたいと考えております。

(問)航空落下物対策ですが、今回の対策について、大臣はこれで十分だと見られているのか、まだまだ他にやるべきことがあるのか、どうお考えになっているのか教えてください。
(答)十分かどうかといいますか、対策はこれから開催します総合対策推進会議で御議論いただくということでございます。
航空機からの落下物を防止するための対策を専門的、実務的観点から総合的に御検討、御議論いただく予定でありまして、冒頭申し上げた基準等のとりまとめの他に、機体のチェック体制の強化等の未然の防止策や補償の充実等の事案発生時の対応の強化など、これまで航空局において検討してきた措置を報告し、御議論いただく予定です。
この他、各航空機メーカーや航空会社等が個別に持っております独自のノウハウや取組状況などを共有することも考えているところです。
この会議での議論を通じて、効果的な落下物対策の策定が行われることを期待しているところであります。
(問)より安全な空の運航を実現したいとか、そういう抱負的なところも伺えればと思うのですが。
(答)実はこの落下物の防止対策基準というのは、国際的には定まったものがありません。
国際的には航行の安全確保を主眼とした国際的な基準はありますが、落下物対策を求める基準というのは国際的にはございません。
ただ、一方で、落下物に対する国民の不安の声が高まってきておりますので、今般、落下物を防止するための対策を可能な限り網羅的に講じて、国民の不安の払拭を図っていきたいと考えております。

(問)先ほども言及されましたが、改めて自動車メーカーの件ですが、今のところはどこの会社からも報告はなかった、既にうちではやっていませんでしたという報告は何社かあがっているのでしょうか。
(答)既に報告内容があがっている会社もございますが、いずれにいたしましても最終的に全社から報告を受けた上で、とりまとめの上、公表させていただく予定です。
(問)スバルについては、これが事実だと判明すればリコールというような、日産と同じ様な対応という理解でよろしいのでしょうか。
(答)まずはスバルからの正式な報告を待って、対応を検討したいと思います。

(問)無資格の関連で、この前の大臣会見で日産が生産再開面で立入検査するというプロセスの表明があったと思うのですが、その目途等について、月末とか、もしあれば伺えればと思います。
(答)日産の出荷再開に関しましては、まずは日産自動車が対策を実施した上で、社内の確認を行うなど主体的な取組を行うことがまず必要になります。
その上で完成検査に関する不適切な取扱いが度重なっていることを踏まえまして、国土交通省としましても、完成検査が確実に実施できる体制が確保されていることを立入検査により確認することとしておりますけれども、具体的なスケジュール等に関してはコメントを控えさせていただきたいと思います。

(問)所有者不明土地問題についてお尋ねします。
昨日民間の研究会が、2040年には所有者不明の土面積地が約720万haに達して、経済的損失が6兆円に上るとの試算を発表しました。
この発表の受け止め、並びに国土交通省として今後この問題にどのように取り組んでいくのか大臣のお考えをお尋ねします。
(答)増田寛也氏を座長とした民間の研究会におきまして、御指摘の推計が速報値として公表されたと承知をしております。
面積に関しては、別途調査をすれば所有者が判明するケースも多く含まれており、全てが直ちに問題というわけではなく、また経済的損害も様々な仮定の上での試算と聞いておりますけれども、いずれにしても大きな数字であると受け止めております。
国土交通省といたしましても公共事業用地の取得等、様々な場面でこういった問題に直面しておりまして、大きな課題であると認識しております。
国土交通省としましては、国土審議会の土地政策分科会に特別部会を設置しまして、所有者不明土地の利用円滑化に向けて議論を行っているところであります。
公共事業のために収用する場合の手続きの簡素化ですとか、あるいは一定の公共的事業のための一定期間の利用を可能とする新たな仕組みの構築であったり、更には所有者の探索を円滑化する仕組みの構築、こういったことについて速やかに検討を行い、年内に中間とりまとめを行う予定としております。
国土交通省としては、これを踏まえ、次期通常国会への法案提出に向けて取り組んでまいりたいと考えています。

(問)落下物対策についてですが、遵守すべき基準を会議の中で検討していくということですが、その中で航空会社への処罰とかも検討するのか、今のところのお考えを教えてください。
(答)落下物防止対策の基準の中身ということですね。
落下物防止対策基準については、航空会社が遵守すべき落下物対策にかかる基準を予め定めて、落下物の発生、防止を図ることとしています。
その内容については、点検整備の強化や部品の交換などメーカーによる技術的対策のうち、落下物防止対策として有効と判断されるものの実施や関係者の教育訓練の実施など、日本及び外国の航空会社が実施すべき事項を具体的に定めることを念頭においておりますが、罰則等については、これはあくまで基準でありますから、罰則等は別の範疇になるかと思います。
(問)基準以外のところで罰則に関して今検討されているものはあるのかどうか伺います。
(答)航空局分かりますか。
(事務方)処分の具体的内容や手続きについて検討しておりますが、それ以外は特に検討している事項はございません。

(問)今の落下物の件ですが、最終的に落下物をゼロに出来ると大臣はお考えでしょうか。
それともある程度、落下物は落ちざるを得ないとお考えでしょうか。
(答)ゼロを目指して頑張るということだと思います。
(問)ある程度は落ちざるを得ないということでしょうか。
(答)ゼロを目指して頑張るということです。
 

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