大臣会見

石井大臣会見要旨

2017年6月16日(金) 10:02 ~ 10:24
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私の方から1点御報告がございます。
海外出張の件についてです。
6月21、22日の両日、イタリアのサルデーニャ島にあるカリアリにおいて開催されますG7交通大臣会合に出席いたします。
この会合におきましては、「インフラの社会的価値の再発見」のテーマのもと、「インフラの社会的役割」と「自動運転」について、G7各国大臣間での議論が行われ、大臣宣言がとりまとめられる予定です。
詳細は、後ほど資料を配付いたします。
私からは以上です。

質疑応答

(問)今ほどの御発言でもありましたが、イタリアでのG7交通大臣会合で予定されている議題のポイントや、期待する成果などについて伺えますでしょうか。
(答)今回のG7交通大臣会合では、「インフラの社会的価値の再発見」のテーマのもと、「インフラの社会的役割」と「自動運転」について、G7各国大臣間での議論が行われ、大臣宣言がとりまとめられる予定です。
「インフラの社会的役割」のセッションでは、社会的包摂・統合、ソーシャルインクリュージョンですね、それから経済成長を促進する手段としての交通インフラの役割について議論が行われる予定です。
「自動運転」のセッションでは、自動運転を中心としたデジタル技術の活用やそれらの開発促進に向けた政府の政策について議論が行われる予定です。
昨年の軽井沢でのG7交通大臣会合において、わが国が議長国としてとりまとめたインフラと自動運転に関する2つの宣言をベースとして、G7各国に共通の課題について、各国が連携し、未来の交通の発展に向けた大きな方向性が示されることを期待しています。

(問)まもなく国会が会期末を迎えますが、今国会を振り返っての大臣の御感想をお聞かせください。
(答)今国会は会期としては6月18日までですが、本日が事実上の会期末という状況かと思います。
国土交通省といたしましては、大変有意義な国会であったと考えております。
予算につきましては、1月31日に平成28年度第3次補正予算、3月27日に平成29年度予算が成立しました。
まず平成28年度第3次補正予算では、昨年発生した台風や豪雨などによる公共土木施設の災害復旧等に必要な予算を確保できたものと考えております。
また、平成29年度予算では、重点4分野、被災地の復旧・復興、国民の安全・安心の確保、生産性の向上による成長力の強化及び地域の活性化と豊かな暮らしの実現、こういった4分野に重点的に取り組むために必要な予算が確保できたと考えています。
また、法案については今国会においては国土交通省関係では9本の法案を提出いたしましたが、衆参における丁寧な御審議をいただいて、全ての法案が成立し、その他2件の承認案件についても全て承認をいただいたところです。
成立した法律については、その目的が達成できるよう、しっかりと運用したいと考えております。

(問)九州新幹線の西九州ルートについてお尋ねします。
西九州ルートに導入予定のフリーゲージトレインについて、JR九州が導入を断念する方針を固めたという一部報道がありました。
フリーゲージトレインの開発を担う国土交通省としての受け止めをお願いします。
(答)報道を受けましてJR九州に確認をしたところ、JR九州からは「フリーゲージトレインの導入を断念する方針を固めたとの事実はない、評価委員会に向けて、引き続きフリーゲージトレインの開発に協力してまいりたい」との回答を得ているところです。
国土交通省といたしましても、引き続きフリーゲージトレインの耐久性の検証やコスト削減の検討等について、鉄道・運輸機構やJR九州とともに取り組んでいきたいと考えております。
(問)制度というか、仕組み的なところで教えていただきたいのですが、そもそも九州新幹線西九州ルートは地元の佐賀県、長崎県、JR九州の合意を踏まえ、政府・与党の申し合わせでフリーゲージトレインでの整備・着工を決めた経緯があると思いますが、そういった中でJR九州だけの判断でフリーゲージを断念すること自体が可能なのでしょうか。
(答)それは、そもそも関係者間で協力してやっている案件でありますから、関係者の合意の下に、様々なことが決定されるという仕組みかと思っております。

(問)冒頭にいわれた出張の件で伺いたいのですが、先週行われていました自動運転戦略本部の方で、いろいろ自動運転について、より高度な自動運転について提案するという話だったのですが、今回のG7交通大臣会合によって、何がどう変わるのかということを、もう少し説明していただければと思います。
(答)何がどう変わるかは、これから会合が開かれますので、会議が終了しないとそのことははっきり申し上げられないのですけれども、まず昨年のG7交通大臣会合では、G7の交通大臣が協力して、自動運転について民間の投資を促進し、また、安全で国際的に調和した未来志向の規制という、1つの方向に向けて努力を強化するという合意ができました。
今回の大臣会合におきましては、自動運転の早期実用化に向けた各国の取組の紹介や、国際的に調和した基準の策定、サイバーセキュリティ及びデータ保護等について意見交換が行われる予定であります。
私からは、自動運転の実証実験をはじめとした自動運転の実用化に向けた具体的な取組を紹介するとともに、レベル3、レベル4を含む、より高度な自動運転技術の実用化に向けて、各国が知見を共有し、国際的なレベルでの協力を目指すことを提案したいと考えております。

(問)先日、東名高速道路でマツダのデミオがバスに突っ込んだ事故がありましたが、大型バスのASVの装着について伺いたいと思います。
昨年1月の軽井沢もそうですし、その前の関越自動車道もそうですし、今回の東名高速道路もそうなのですが、バスの安全性をどう上げていくのか、国土交通省は非常に一生懸命やっている分野だと思います。
ところで、我々が取材したところによりますと、新しいバスにはASVをどんどん着けていきましょうという方向で今、国もメーカーも取り組んでいるわけですが、既存のバスが当然余りにもたくさんあるわけで、これにはASVが付かないので、今、後付けASVをやろうということで、特に自動車局技術政策課は後付けASVをどんどん開発して装着していこうじゃないかという方向のように聞いていますが、旅客課の方は、いやいやそうはいってもメーカーの供給の問題もあるし事業者のお金の問題もあるし、後付けASVは嫌だなというような話が聞こえてきて、同じ局の中で、旅客課と技術政策課の間で意見の相違が、乖離、違いがあると。
大臣御自身は、後付けASV、今ある車・バスに自動ブレーキであるだとか路線逸脱装置であるだとかいうものを着けるという方向について、所見があったら伺えますでしょうか。
(答)私のところにまだ案件として上がってきていませんので、説明はまだ聞いていませんが、方向としてはバス自体の安全性を強化するというのは、1つの重要な方向性だと思います。
あとコストパフォーマンスがどうなのかといったことは、詳細に詰めなければいけない課題は残っていると思いますが、方向性としては私は重要な方向性だと思っております。
(問)念のためですが、コストの問題や技術的な問題等々は具体としてあるけれども、方向としては、後付けであってもバスにもどんどん安全装置は取り入れるべきであるというお考えと承ってよろしいですか。
(答)それは望ましいと思っております。
ただ、事業者のお考え等もあろうかと思いますので、なかなか強制ということは難しいかとは思いますが、私は望ましいとは思っております。
(問)新車メーカーがそれに対して反対しているという情報があるわけですね。
やめてよと、年3000台しか造っていなくて、供給不足で、現にオリパラに向かってバスがないという話になっているけれども、日本の3.5メーカー、一部外資も入っているので、3メーカーあるいは4メーカーは、供給能力に限界があるのにASVを付けさせないというような動きがあるやに聞いている。
バスは造れないは、今あるバスにもASVを付けられないは、でも自分たちが造られる台数は限られているという状況で、僕なんかその情報がもし正しければですけれども、それはメーカーのエゴではないか、あるいは、国はそういうことをもしメーカーが考えているのだとすれば、当局としてやはり、ASV付きの新車をもっと造りなさい、既存車については、ASVの後付けをもっと頑張りなさいと、僕はそういう後押しをしてほしいと思っています。
(答)その情報には私はちょっと接していないので、コメントは控えたいと思いますけれども、いずれにいたしましても社会全体でバスの安全性を向上させるということは重要だと思っております。

(問)国会についてお尋ねします。
一部法案の審議が拙速ではないかとか、森友学園、加計学園の問題について、政府側の説明が十分ではないのではないかという声が与党内からも出ていたと思うのですが、閣僚の一人として、今国会全体的に政府側の説明が十分だったか、議論は尽くされたとお考えでしょうか。
(答)所管外についてはコメントを控えたいと思いますけれども、森友学園の件につきましては、私どもも関わっております。問題になった土地の地下に存在をしているゴミ等の量の見積りということで、それが適切であったかどうかということで相当議論になったところでございます。
私どもとしましては、御質問等にもお答えし、丁寧に説明をさせていただいたというところでありますけれども、各種世論調査等を見るとまだまだ御理解が進んでいないというところかと思いますので、引き続き、我々としては理解が高まるよう努力はしていかなければいけないと考えております。

(問)G7に戻ってしまうのですけれども、チャオ運輸長官もいらっしゃるかと思うのですけれども、バイ会談も御検討されているかと思うのですが、日米対話で鉄道ですとかインフラですとか議論されてるかと思うのですが、これについてどういう成果を得たいか、どういう議論をされたいか、というのがもしあれば教えてください。
(答)G7交通大臣会合、G7各国の交通大臣が一堂に集う非常に絶好の機会でございますので、なるべく多くの各国の交通大臣とバイ会談を行いたいと思っております。
米国のチャオ運輸長官ともバイ会談ができるように調整をさせていただいているところでございます。
従来から米国とは鉄道や航空や自動車や様々な分野で協力関係を深めてきておりますので、チャオ運輸長官とは初めてお会いすることもありますから、人的なつながりを深めるということも含めて、更に協力関係が深まるようにしていきたいと考えております。

(問)タカタが民事再生法の申請を検討しているとの報道が出ています。
安全を所管する国土交通省として把握されている事実関係、また、受け止め、御対応などがあればお聞かせください。
(答)報道は私も今朝、ニュースに接したところでありますが、タカタからそういった報告自体は受けておりません。
タカタ製エアバッグの問題については、僅かでも事故の可能性があるものについて、速やかにリコールを実施していているところでありまして、リコールの改修状況については5月末時点で73%となっております。
自動車メーカー等に対し、早急にリコール対象車両の改修が進むように、引き続き指導しているところでございます。
いずれにいたしましても、このエアバッグの件については、安全上極めて重要な問題でございますので、今後とも対応に万全を期していきたいと考えております。

(問)フリーゲージに戻ってしまうのですが、運行主体になるJR九州は当初からコスト面などを懸念していたことを考えると、状況的にはなかなか厳しいのではないかと思うのですが、その辺りの見解をお聞かせください。
仮に導入断念することになった場合は、佐賀県の反発なども予想されることになると思いますが、この辺りはどう対応されるのでしょうか。
(答)フリーゲージトレインについては、通常の車両に比べて、コストが相当高いという御指摘もいただいておりますので、今、コスト削減策の検討等を行っているところでございます。
これは引き続き検討してやるということであります。
更に後段の仮定の問題につきましては、あくまでも仮定でありますから、コメントは控えさせていただきます。

(問)大臣は海上保安庁も所管されておりますので、沖縄のことも大変いろいろと関係があると思うのですけど、私の母親が奄美大島出身で親父が沖縄なんです。
沖縄は実は、1945年(昭和20年)、日本が戦争で負けた時ですね、ポツダム会談というのがベルリンの郊外で開かれまして、そこでソ連が東独を割譲、支配して、その時に奄美大島と沖縄は米国に正式に割譲されたんです、国際法上ですね。
にもかかわらず、東京都知事の石原慎太郎さんが尖閣を東京都に編入するという時にですね、間違った解釈が外務省から出されて、沖縄は、1972年に日本に返還された時に、領土も行政も返還されたという解釈をされて、日本政府はそのまま沖縄を、尖閣を日本が買い取ったという形になったんです。
だけど実際に行って、その後、私も直接何回か、米国のオバマ大統領あたりとレターやり取りしまして、また今回も例のトランプ大統領の懐刀でありますキッシンジャーさんというのが出てきておりますけれども、そのキッシンジャーさんが1972年の佐藤栄作総理の沖縄返還の時に、その書類、英文でも作ったその書類のコピー、オリジナルを、私たまたま間に立った藤田田、日本マクドナルドの創業者であり社長からもらって持っている者の1人として、沖縄は、行政は返還されたけど領土は返還されていないという、はっきりした密約の書類を持っております。
このまま間違った解釈が石原慎太郎さんの時に出されて、そのまま領有権も日本になったという形になってますけど、このあたり何かご存じでございますでしょうか。
(答)全く存じ上げません。

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