大臣会見

石井大臣会見要旨

2017年3月3日(金) 8:46 ~ 8:54
衆議院分館第18委員室前
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件ですが、当省提出の2本の法律案が閣議決定されましたので、御報告いたします。
1本目は、「道路運送車両法の一部を改正する法律案」です。
これは、昨年発覚したわが国自動車メーカーによる燃費の不正事案等を踏まえ、メーカーによる不正を防止し、自動車の型式指定制度の適正な実施を図るため、不正な手段によりなされた型式指定の取消しや虚偽の報告等に対する罰則の強化を行うものです。
2本目は、「不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案」です。
これは、空き家・空き店舗等を再生する取組を拡大するとともに、良質な不動産ストックの形成を促進するため、小規模不動産特定共同事業の登録制度の創設や、クラウドファンディングを活用するための環境整備等を行うものです。
2つの法律案とも、詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
私からは以上です。

質疑応答

(問)森友学園について、今年の認可が下りる情勢が厳しい状況になっていますけれども、売買について買い戻し特約が付されていたと思いますが、もし、小学校として供されない場合、国土交通省として対応をどのようにお考えかお聞かせください。
(答)まだ仮定の話なので、具体的なコメントは控えたいと思いますが、売買契約上の規定で申し上げますと、本件土地については、学校法人森友学園に対して、期間を定めた上で、小学校の用途に供することを求めており、その用途に供することができなかった場合には、国において買い戻しをすることができることとなっております。
(問)買い戻しする際には、いわゆる原状回復されて、更地にしてということになるのでしょうか。
(答)買い戻しするかどうかを決めている話ではありませんが、契約上は原状回復をしてということになっております。

(問)道路運送車両法の改正案についてですが、この法案の狙いと期待する効果、再発防止に向けた大臣の決意をお伺いします。
(答) 昨年の三菱自動車工業に端を発する燃費不正問題は、わが国の自動車業界に対する信頼を傷付けるとともに、ユーザーにも大きな不信感を与えるゆゆしき問題であったと認識しています。
国土交通省としては、この不正事案等の発覚以降、メーカ-が提出するデータについて測定現場に抜き打ちで立ち会いを行うことによるチェックを開始する他、不正を行ったメーカーに対しては審査の厳格化を行う等の対策を講じてきたところです。
今回のこの法案では、自動車メーカーによる不正行為の抑止効果を更に高める観点から、不正の手段により型式指定を受けたときは当該指定を取り消すことができることを明確化しました。
これにより、従来は自動車メーカーが自主的に生産を停止することもありましたが、この法案が成立すれば、実質的に工場における自動車の製造を停止させることができることとするとともに、虚偽の報告等を行った場合の罰則の強化を講じるものです。
こういった措置を総合的に講じることにより、自動車メーカーによる自動車の型式指定審査における不正行為を根絶すること、そして自動車の性能に対する国民の信頼の確保を図っていきたいと考えています。

(問)森友学園の関連で、政治家への働きかけが明らかになりましたが、大臣の受け止めをお願いします。
(答)鴻池議員を含め、政治家からの不当な働きかけは一切ないと報告を受けております。

(問)ヤマト運輸のサービスの見直しが話題になっておりますが、この問題に対して大臣の所感と国土交通省として物流の損失に対してどういう対策をとっていくか、改めてお願いいたします。
(答)インターネット通販等が非常に発達をしてきて、小口多頻度の宅配が増えているということから、特に宅配業においては、荷物量が非常に多くなっているということが背景にあると思います。
それから非常にサービスも、深夜に頼んでも翌日に届くようなものも出てきているということで、これは末端の物流業者にとっては相当の負担がかかっていたのではないかと思います。
更に今、自動車業界、特にトラック業界については、やはり長時間勤務等の背景があり、また賃金も他の業界に比べて安い、人手不足という状況もございます。
そうしたことから、ヤマト運輸が今回、サービスの上限を決めるということになってきたと思いますが、国土交通省としてはやはり、今後とも物流業界がその役割をきちんと果たしていくためには、担い手をきちんと確保するという面で、長時間労働の是正や処遇の改善、これで担い手を確保するとともに、やはり生産性の向上をしっかりとやっていく、特に宅配については再配達が非常に多いわけで、今は2割ぐらいになっております。
今、鉄道ターミナル等で宅配業者の共同の宅配ロッカー等の設置も進めております。
あるいはトラックでいえば、荷待ち時間が非常に多かったり、いろいろな荷物を積み下ろす時に荷役作業を手伝わされたりなどがありますから、荷主さんとも協力をいただいて、全体的な効率を向上させていく、私たち「物流生産性革命」と申し上げていますが、それをしっかりと進めていくということが重要だと思っています。

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