大臣会見

石井大臣会見要旨

2017年1月10日(火) 10:31 ~ 10:46
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私の方から1点御報告がございます。
2016年の訪日外国人旅行者数についてでありますが、2016年12月末までの1年間で約2403万9千人となり、2400万人を超えたことが判明いたしました。
これは、観光を地方創生の切り札、わが国の成長戦略の柱と位置づけて、ビザ緩和、消費税免税制度の拡充などこれまでにない大胆な取組を国を挙げて矢継ぎ早に実行してきた結果であると思っております。
また、CIQや多言語表記など受入環境整備など関係者の御協力、JNTO(政府観光局)をはじめとしてインバウンド関係者が連携して取り組んだプロモーションなどの成果によるものと考えております。
本年(2017年)におきましても、昨年3月に策定いたしました「明日の日本を支える観光ビジョン」に基づき、「2020年訪日外国人旅行者数4000万人」などの新たな目標の達成に向け、「観光先進国の実現」に取り組んでまいりたいと考えております。
詳細については、事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
私からは以上です。

質疑応答

(問)先週、日産自動車が完全自動運転の実証実験を年内に始めると発表しました。
完全自動運転の実現に向けた課題を含めて、大臣の御見解をお願いします。
(答)日産自動車が無人運転、自動運転の実現に向けて、年内に国内で実証実験を開始する方針を明らかにしたことは承知しております。
この実験は、出発地や目的地を定めた特定の地域において、自動運転車に必要な技術や利用者の反応などを調査するために、実験車両が利用者を出発地から目的地まで自動で輸送するものと聞いております。
また、日産自動車が安全のため運転手を運転席に乗車させて、必要な場合には運転手が運転操作を行う形態で実証実験を行うとのことであります。
運転手が乗車した状態であれば、これまでどおり特段の手続き無く先ほどの実証実験を行うことが可能と聞いております。
なお、完全自動運転の実現に向けては、デジタルマップ等の整備、車両の技術基準、また事故等の際の責任関係の整理等、各種の課題について検討を進める必要があると考えております。国土交通省といたしましては、私を本部長とする「自動運転戦略本部」を昨年設置いたしました。
今、申し上げたような課題の検討や、物流、中山間地域をはじめとする公共交通への活用戦略の検討を加速することにより、今回の実証実験の取組を支援いたします。
また、自動運転分野でわが国が世界をリードしていけるよう、自動運転技術の着実な普及、実用化を進めていきたいと考えております。

(問)訪日外国人旅行者数についての質問ですが、人数は増えましたけれども伸び率については昨年に比べてやや鈍化していると思います。
そのことに関する受け止めと今後の取組についてお聞かせください。
(答)御指摘のとおり、一昨年が対前年比47%の大幅な伸び率であるのに対して、昨年は22%増ということで、数字的には確かに伸び率は下がっておりますけれども、ただ引き続き堅調な伸びを示していると考えております。
今年は、昨年3月に作りました新たな観光ビジョンで盛り込まれた様々な施策をしっかりと実行していくことによって、今年は昨年の勢いを引き続き維持をしていきたいと考えております。
(問)今回の増加の外国人旅行者の国、地域別などの内訳についてお聞かせ願えますでしょうか。
(答)細かい中身は、また改めて観光庁の方から発表することになっております。

(問)訪日外国人旅行者数の推移について重ねてお伺いしたいのですが、2020年の4000万人目標に向けて、現段階で2400万人というのは順調なペースなのかどうか、現時点での大臣の評価を教えてください。
(答)観光庁の試算ですと、2015年をベースにして15%ずつ伸びていけば、2020年4000万人達成をするということですので、先ほど申し上げたように目標に向かって堅調な伸びを示していると評価をしております。

(問)この大臣の会見の時間に、2号館では燃費不正問題におけるタスクフォースのとりまとめに対するフォローアップ会議が行われています。
冒頭、藤井自動車局長が、これは国民の関心事項でもあるし、自民党の税調もそうですが、公明党の方でも税関係の会議で本当に不正防止になるのかといった疑問符もつけられたと挨拶されていました。
改めて燃費不正問題に関する大臣の所感をお願いいたします。
(答)燃費不正問題につきましては、これはあってはならないことということで、昨年様々な対策を講じてきたところでありますが、型式指定審査の中で、燃費の扱いが明確化していなかったということについて、これは燃費に関わる税制に関する、直結する問題ですので、与党の税制協議会から指摘も受けました。
そうしたことも踏まえ、改めて次期通常国会において道路運送車両法の改正法案を提出すべく検討を進めているところでございまして、その一環として、本日タスクフォースでフォローアップの会議を行わさせていただいているところでございます。

(問)訪日観光の関係ですが、もう少し詳しく教えていただきたかったのですが、改めて、なぜ伸びたのか、効果というか、免税の話などもありましたが、どういった取組によって訪日旅行者が増えたのか、それから4000万人に向けてビジョンで取り組むとありましたが、もう少し具体的に、どういったことを取り組んで4000万人を目指すのか、それぞれもう少し詳しく御説明ください。
(答)ここ数年、インバウンドの数が伸び続けていますが、これは政府一体となって、ビザの緩和や、あるいは消費税の免税制度の拡充など、大胆な施策を矢継ぎ早に取り組んできた成果が現れたと、このように考えております。
また、2020年インバウンド4000万人の目標に向かって、昨年の観光ビジョンに盛り込まれた施策を、これは国土交通省のみならず政府一体となって取り組んでいくことが重要ですけど、例えば、文化財や国立公園等のわが国の豊富で多様な観光資源、これを活用していく。昨年も迎賓館の一般開放ということにも踏み切らさせていただきましたが、各地でそういう文化財ですとか、あるいは国立公園も、今、全国で5つの公園を積極的に開放していこうという動きもございます。
そういう公的施設、インフラの大胆な公開、開放、また、国土交通省でもモデル地区を指定して、景観の優れた観光資源を当然活用するという取り組みを、従来からやっていましたが、それを更に進めていく。
また、今、官邸を中心に会議を重ねておりますが、古民家の活用・再生、そういった取り組みをしっかりとやるということがございます。
また、観光産業をしっかりと力を付けていくということで、宿泊業ですとか旅行業ですとか、また、通訳案内士に係る規制・制度を見直す。
また、民泊のルールを整備するということを次の国会で予定をしているところでございます。
また、人材の育成ということで、トップレベルの経営人材を育成するということで、修士レベルの大学院課程やMBAの設置の準備を進めたり、あるいは積極的に情報通信技術を活用して、宿泊業の生産性向上を図っていくという取組をやっております。
また、引き続き訪日プロモーションも欧米豪の富裕層等をターゲットとして戦略的にやっていきたいと考えております。
外国人を含む全ての旅行者がストレスなく旅行ができるような環境の整備、無料Wi-Fiの整備とか、バリアフリーとかそういった環境の整備、また、国土交通省絡みでいえば、クルーズ船による訪日来客数2020年500万人という目標を掲げておりますので、この受入環境の整備等もしっかりと取り組んで行きたいと思っております。
政府一丸となってやることは全てやるという覚悟で取り組んでまいりたいと考えております。

(問)米国のトランプ大統領の関係ですけれども、先日ツイッターで発言などをして、トヨタが米国で1兆円以上の投資を計画しているという動きを明らかにしたり、一方でホンダの社長も計画を見直さないという考えなどを明らかにしております。
改めて率直にメキシコの生産拠点においてトヨタにツイッターを発したことについて、石井大臣としてどのように受け止められているのでしょうか。
(答)これについては、国土交通省は直接の所管ではございません。
あえて申し上げれば自動車メーカーが生産拠点をどこに置くかということは、自動車メーカーが適切に判断すべき問題だと考えております。

(問)年始に千葉県の森田知事が3選出馬を表明したときに、国土交通省関係に関する施策として圏央道の大栄・横芝間と北千葉道路について、2020年のオリンピックまでに供用開始を目指すという発言をされたのですが、これについての進捗状況と大臣としてこの発言にどのように思われるかお伺いいたします。
(答)従来から国土交通省としては、一般論でいえば、用地が買えないと工事ができないわけですから、だいたい用地取得が8割を超えた段階で支障がなければ、目標年次を出しているということでございますので、知事の発言については、私からはコメントは差し控えたいと思います。

(問)一部の報道で、羽田空港の発着数を増やすために、都心上空を通過する新ルートの選定について、その一部が横田空域を飛行することで政府間で協議しているという報道がありまして、それに関してどこまで合意しているのかというのと、今後増やそうとしている発着枠のうち何割が今回協議している横田空域を飛行するのか、あと具体的にどの辺りを飛行すると見ておられるのか、お伺いできればと思います。
(答)恐縮ですが、私自身も承知しておりません。

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