大臣会見

石井大臣会見要旨

2016年12月20日(火) 11:03 ~ 11:19
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私の方から4点御報告がございます。
1点目は、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の開通日についてであります。
今年度内の開通を予定しておりました、茨城県内の境古河インターチェンジからつくば中央インターチェンジまでの28.5kmの区間ですが、この度、2月26日に開通することとなりました。
これによりまして、圏央道の茨城県区間が全線開通するとともに、成田空港から湘南まで都心を経由せずに直結されます。
この結果、例えば、成田空港から日光、那須、富岡製糸場、川越などの観光地へのアクセスが向上し、観光周遊の促進が期待されます。
更に、圏央道の沿線に立地する約1600件の大型物流施設等において、生産性向上が加速することが期待されます。
詳細は、後ほど資料を配付をいたします。
2点目は、高速道路の暫定2車線区間の正面衝突防止対策についてであります。
暫定2車線区間につきましては、反対車線への正面衝突事故が発生するなど安全性の課題があります。
このため、これまでのラバーポールに代わりまして、正面衝突事故を防ぐためのワイヤロープを全国約100kmで試行設置をいたしまして、全国的な展開に向け、効果や課題を検証することといたしました。
平成29年度春より試行設置する予定であり、今月26日に学識者等で構成する検討会を開催し、関係機関との協議等を経て、具体的な設置箇所を決定してまいります。
詳細は、後ほど資料を配付をいたします。
3点目は軽井沢のスキーバス事故についてです。
今回の事故を受けまして、6月にとりまとめました総合的な対策の一環といたしまして、先の臨時国会で成立しました道路運送法の一部改正法が本日施行となります。
法改正によりまして、事業許可の更新制の導入等の制度的な枠組みが整理されましたが、今後は、新たな制度をしっかりと実施に移し、対策に魂を入れていくことが何よりも重要であります。
総合的な対策に掲げました85項目の対策のうち、本日時点で71項目が実施済みであります。
国土交通省といたしましては、このような悲惨な事故を二度と起こさないという強い決意のもと、この冬のスキーシーズンの到来を踏まえまして、万全の対策を講じるとともに、未実施の項目についてもできる限り速やかに実施をしてまいりたいと思います。
詳細は、後ほど資料を配付いたします。
4点目でありますが、災害時の広域応援部隊の海上輸送対策についてです。
大規模災害が発生した際に、発災直後の人命救助活動を迅速に行うため、これらに従事する自衛隊等の部隊を速やかに被災地に輸送することが重要になってまいります。
このため、国土交通省においては、今般、熊本地震の際の経験も踏まえ、民間フェリーを活用して発災時における部隊輸送を迅速かつ円滑に行うことができるよう、関係省庁や民間フェリー事業者と連携して、「広域応援部隊進出における海上輸送対策」をとりまとめました。
本対策においては、関係者間での連絡体制の構築、民間フェリー事業者に対する優先的輸送への協力の事前要請、定期的な訓練の実施などの取組を進めて行くこととしております。
このうち、発災時の広域応援部隊の優先的輸送への協力につきましては、早速、本日午後、日本旅客船協会、日本長距離フェリー協会ほか関係事業者7社にお集まりいただき、私から要請を行うこととしております。
国土交通省としては、これらの対策を適確に実施することにより、発災から72時間における人命救助活動のための輸送支援について、万全を期してまいります。
詳細は、後ほど事務方から説明させます。
私からは以上です。

質疑応答

(問)本日、初乗り410円のタクシーが公示される予定ですが、こちらの運賃改定についての大臣の所感と今後のスケジュールについてお聞かせください。
(答)東京のタクシーの新たな運賃については、本日中に物価関係閣僚会議で了承をいただく予定であり、その後、15時頃になると思いますが、速やかに新運賃の内容等について公表することとしております。
新運賃の実施時期は、来年の1月30日となる予定です。
これにより、訪日外国人や高齢者をはじめとする利用者が短距離でもタクシーを使いやすくなり、タクシー需要の喚起につながるよう期待しております。
また、新運賃の実施に併せて、短距離利用者に対する運転手の接客マナーなどのサービスの向上を事業者に求めてまいりたいと思います。

(問)来年度予算案において、再来年度の公共事業を前倒し契約できる枠を1500億円規模で設ける方針との報道がありましたが、事実関係をお伺いしたいのと、導入されるのであれば、これまでとの違いや期待される効果についても教えてください。
(答)公共工事の施工時期を平準化することは、人材・機材の有効活用、建設企業の経営安定化の観点から重要な取組であります。
国土交通省では、これまで、適正な工期を確保するための2か年国債の活用などにより、平準化に取り組んできたところであります。
平成29年度当初予算案におきましては、2か年国債を更に活用することに加えまして、従来は補正予算で必要に応じて設定しておりましたゼロ国債について、初めて当初予算に計上する方向で財政当局と調整を進めているところでございます。
この当初予算におけるゼロ国債の設定が実現いたしますと、これまで補正予算に計上していたときと比べまして、早期の発注手続きを開始するなど、準備期間をしっかり取った上で、発注の前倒しが可能になるわけでございます。
平成30年度当初の閑散期の落ち込みを緩和し、更なる施工時期の平準化に寄与するものと考えております。
当初予算におけるゼロ国債の規模につきましては、現在、財政当局と最終調整を行っているところでありまして、22日の閣議決定後、改めて御報告させていただきたいと思います。

(問)昨日の財務大臣との折衝で、新たな住宅セーフティネット制度の創設が認められましたが、この制度を創設するには予算だけではなく、法律的な整備も必要になると思います。
現在の国土交通省の検討状況と、いつからこの新たな制度を実施したいと考えていらっしゃるかお願いします。
(答)新たな住宅セーフティネット制度の予算につきましては、昨日の麻生財務大臣との折衝の結果、財務大臣より要求どおり認められることとなりました。
また、新制度に関しましては、次期通常国会に向けて、法改正についても現在検討を進めているところであります。
新制度につきましては、来年度予算や法制面の整備があいまって、民間賃貸住宅や空き家を活用して、子育て世帯や高齢者世帯などの住宅確保要配慮者の住宅を適切に確保できるものとなるよう、来年度中の実施を目指して、引き続き検討を進めてまいります。

(問)北陸新幹線の敦賀以西についてですが、本日の与党PTで小浜・京都ルートが採用される見通しです。
大臣の所感があればお願いいたします。
(答)今月14日に、与党北陸新幹線敦賀・大阪間整備検討委員会におきまして、中間報告がとりまとめられました。
その内容は、未着工区間である北陸新幹線敦賀・大阪間に関し、小浜・京都ルートが適切であること、京都・新大阪間については、国土交通省に求めた追加調査が継続中であることから、その結果を踏まえ、引き続き検討委員会において検討を進めることであります。
中間報告につきましては、検討委員会から与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームに対し報告が行われ、それを踏まえて与党PTでルート決定の議論が本日なされるものと承知しております。
国土交通省としては、与党PTの決定を踏まえ、今後適切に対応してまいりたいと考えております。

(問)昨日、北千葉道路について、西側区間の有料化が正式に決まったとのことですが、これについての大臣の所感と今後の整備のスケジュールについての大臣のお考えをお聞かせください。
(答)これは千葉県知事、あるいは沿線の自治体の首長から、かねてより御要請を受けておりまして、まず北千葉道路の西側区間については、位置づけについて自動車専用道路と一般道が必要だということで、今年の秋、要望をされていたわけですが、その自動車専用道路の整備に当たっては、有料による施行、いわゆる合併施行になると思いますけれども、これが重要だ必要だということについては先般、知事がお越しになった時にも私の方からお答えをさせていただいているところでございます。
有料道路事業を活用することによって、整備期間の短縮が図られることになりますので、今後しっかりと進めていきたいと考えております。

(問)暫定2車線の関係で2点お伺いしますけれども、各地方では死亡事故がかなり相次いでいるわけですけれども、とりあえず100kmということですが、死亡事故抑止に対する効果はワイヤーロープが一番有効だと考えておられるのかというのが1点と、試行として100kmということですが、全国でその後スピード感を持って広げていくお考えであるかということをお聞かせください。
(答)ワイヤーロープにつきましては、既に北海道で試行的に行っておりまして、暫定2車線の中央区間に設置をいたしますから、通常の中央分離帯のように幅を取るようなことになると、車線が狭まってなかなか難しい。
幅をなるべく取らずに、なおかつ対向車線への飛び出しを防ぐという意味では、従来のラバーポールに代わってこのワイヤーロープを活用する手法というのは、非常に有効な手法であると考えております。
とりあえずは、100km設置をしまして、その状況等を確認した上で、順次、その効果が検証されれば、他の区間にも広げていきたいと考えております。

(問)先ほど言われた東京のタクシーの話ですが、実際に始まると、例えば410円という安い料金になると、駅とかにタクシーが並ばなくなるのではないかといった懸念もあると思うのですが、その点について御見解がありましたらお願いいたします。
(答)並ばなくなるといいますか、たくさん需要が増えて並べなくなる可能性はあるかもしれません。
ただ、実際に施行してみないとどんな状況になるかは分かりませんけれども、できれば短距離の需要が増えて、全般的にタクシーの需要が増えることを期待しておりますから、タクシー待ちが少なくなることは決して悪いことではないと思っております。

ページの先頭に戻る