大臣会見

石井大臣会見要旨

2016年6月14日(火) 10:02 ~ 10:16
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、私の方から1点御報告があります。
既に資料をお配りしておりますが、本日の閣議におきまして、6月21日付けほかで、国土交通事務次官に武藤浩国土交通審議官を任命するなど、幹部職員の人事異動について御承認をいただきました。
詳細は事務方にお問い合わせください。
このほか、私の方から1点御報告があります。
これも資料をお配りしてますが、広域観光周遊ルートの追加認定について申し上げます。
本年3月に策定しました「明日の日本を支える観光ビジョン」に基づき、「観光先進国」の実現に向けまして、2020年までに訪日外国人旅行者数を4,000万人とするなどの目標を掲げました。
この目標を達成し、地方創生を一層推進していくためには、全国各地の魅力ある観光資源を磨き上げ、外国人旅行者に訪れていただくことがますます重要となっております。
このため、昨年、国土交通大臣認定を行いました7つの「広域観光周遊ルート形成計画」に続き、4月に追加募集を行ったところ、北海道、関東、山陰、沖縄から計画の申請がありました。
これを受けまして、有識者委員会の御意見も踏まえて検討を行った結果、いずれもコンセプト、観光資源、実施体制などが適切と認められることから、申請のあった4件について認定することといたしました。
認定されたルートにつきましては、今後5年間、観光庁が中心となりまして、地域の協議会が実施をいたします観光資源の磨き上げなど、各種事業に対して集中的に支援し、訪日外国人旅行者の地方誘客の一層の促進を図ってまいります。
詳細は事務方にお問い合わせください。
私からは以上です。

質疑応答

(問)首都圏で水不足が今懸念されています。
取水制限を行うかどうかなど、貯水の状況と今後の省の対応を教えてください。
(答)首都圏の水源となっている利根川水系の上流8ダムの貯水率については、利根川上流の降雪量が観測開始以来最小であったこと、5月の雨量が平年の約半分であったこと、雪解けが1ヶ月早くなったこと、これらによりまして、利根川の水が必要な時期に流量が減少し、ダムから補給していることなどから、(この時期としては)過去25年間で最小の37%まで低下した状況にございます。
このように、依然として厳しい状況が続いていることから、本日10時30分からの利根川水系渇水対策連絡協議会において、取水制限に係る判断がなされると聞いております。
取水制限の実施等、渇水の状況を見極めつつ、必要な体制を整備いたしまして、今後の渇水対応に万全を期してまいりたいと考えております。

(問)本日の閣議で、熊本地震復旧のための予備費590億円の用途が決まりました。
このうち国土交通省関連111億円のねらいと今後の対応についてお願いします。
(答)本日、平成28年度補正予算に盛り込まれた熊本地震復旧等予備費の使用について閣議決定が行われました。
補正予算に計上された全体の予備費7,000億円のうち、今回は政府全体で590億円について決定され、国土交通省関係では111億円となっております。
被災地の早期の復旧・復興に取り組むため、被害の状況等が明らかになった、国道57号阿蘇大橋地区において、現位置の北側に位置する別ルート整備による災害復旧事業、高野台地区、火の鳥温泉地区等の8箇所での砂防や地すべり対策等の災害関連緊急砂防等事業、そのほか、写真図及び現況を正確に表した地図の整備・提供に係る経費を計上しております。
今後とも、当初予算の災害復旧等の経費や補正予算の予備費を活用いたしまして、被災地の早期の復旧・復興に取り組んでまいります。

(問)国道57号については、同じ場所での原状復帰が困難であると判断されたということでしょうか。
そうであればその理由をお願いします。
(答)現位置については、まずは斜面の安定化が必要なわけで、その斜面の安定化がどれくらいの状況なのかということもございます。
もともと57号についてはバイパスを検討していたということもありますので、今回の災害復旧と併せてバイパスルートを整備しようという考え方でございます。

(問)東京都の舛添知事についてなんですけど、公私混同問題で、昨日は議会で集中審議が行われました。
大臣の舛添知事をめぐる問題について御所感をお願いします。
(答)閣僚の一員という政府の立場で東京都の知事の問題についてコメントするのは控えたいと思いますが、東京都議会でしっかり対応していただきたいと思っております。
舛添知事においては、都議会、都民にしっかり理解をしていただくよう、説明責任を果たしていただきたいと思います。
(問)確かに都政の問題ではあるのですけど、一方で2020年のオリンピックは国を挙げてのイベントで、これは中央官庁からしても問題視しなければならないと思うんですけど、2020年東京オリンピックの顔として舛添知事はそのまま続投させた方がよろしいかどうかについてはいかがでしょうか。
(答)それは東京都議会、都民が判断される問題だと思います。
(問)一方で、公明党はそもそもの原点が都議会から発祥されているとも言われているくらい重要な場所だと思います。
公明党出身の大臣としての御所感はいかがでしょうか。
(答)私は公明党を代表する立場ではございませんので、公明党を代表してのコメントは控えたいと思います。

(問)いわゆるボランティアバスについて、公募した参加者から参加費を直接集めるのは旅行業法違反として観光庁が是正を求めました。
法律の規定通りとも言えますが、一方でバスが中止されるなど混乱もあります。
この件、大臣の御見解をお願いします。
(答)被災地を支援しますボランティアバスツアーにつきましては、ツアーを主催するNPO法人等が、ツアー参加者に対して、運送や宿泊のサービス提供に関して責任を持つことになります。
このため、主催者であるNPO法人等においては、安全なバス会社の選定や無理のない行程、旅行で生じる損害の賠償責任保険の加入等が求められます。
こうした趣旨、理由から、観光庁におきましては、ボランティアバスツアーの実施に当たっては、主催者が旅行業の登録を受けるか、あるいは旅行業者に委託して、参加者の安全確保を図るよう、問合せがある度に注意喚起を促がしてきたところです。
今回、観光庁が自治体向けに文書を発出したわけですが、一般の方から、ボランティアバスツアー等の安全性や責任・補償関係に関する懸念の問合せが多数ございましたので、従来の見解を早急に確認したものでございます。
ただ、ボランティアバスツアー等を迅速かつ円滑に実施するための方法の説明や周知が不十分であったとも考えておりますので、被災地におけるボランティア活動を支援する観点から、ボランティアバスツアーを実施するにあたっての留意点や、安全なツアーの実施のためにどのような方法があるかについて、改めて周知を図りたいと思っております。
また、どういった改善策があるか、速やかに検討するよう事務方に指示をしたところでございます。
(問)周遊ルートがこれで11になったということなんですけれども、実際に訪日客を増やすという意味で効果が現れるのはいつ頃になると考えてますでしょうか。
期待も併せてお願いします。
(答)いつ頃になるかというのはなかなか難しい質問なのですが、既に昨年認定しました7つの広域観光周遊ルートにつきましては、地域の協議会において、7つのルートで併せて20のモデルコースを策定いたしました。
この4月に既に公表しているところでございます。
地域の協議会においては、このモデルコースに関する海外への情報発信、あるいは旅行商品をつくる、そういった取組みを促していきたいと、こういうふうに思っております。
また、既に海外の旅行会社を招請したり、海外にミッション団を派遣するといった取組みや、多言語のホームページの作成を行っている地域もございますので、国土交通省としてもこういった地域協議会の活動を引き続き支援して、いつというのはなかなか難しい質問なのですけれども、今後ゴールデンルートのみならず、全国各地域に多くの外国人旅行者が訪れていただけるように、我々としても各地域を支援していきたいと思っております。
(問)併せて伺いたいんですけれども、こういう周遊ルートというのは、いくつもあるとその分1個1個が薄まってしまうんじゃないかということも一方で考えられますが、大体、今回追加したわけですから、どれくらいまで増やすお考えなのか教えてください。
(答)これで大体全国カバーいたしましたので、当面はこれ以上増やすというつもりはございません。
合計11の広域観光周遊ルートができましたから、それぞれのルートをこれからしっかりと磨きあげていくという作業が重要になってくると思っています。

(問)ボランティアバスツアーの話題に戻って恐縮ですけれども、先ほどの御発言の趣旨が若干分かりにくくて、留意点とか安全に行うために何か分かりやすくお示しになるというお考えだとは思うんですけれども、結局やはりNPO団体らの主催者側が、旅行業の登録のない団体が直接やるということは、旅行業法としてはよろしくない、違反に当たる可能性があるということでしょうか。
(答)ですから、自ら旅行業を登録すればそれはそれでいいんですけれども、そうはいってもなかなか難しい、そうはできませんよね。
ですから例えば、旅行業者に委託をするということもあり得るわけで、そういった色々なやり方がありますから、そういった事例等も御紹介しながら、ボランティアバスツアーが現行法規に照らして違反のないような形で、また、冒頭で申し上げたように、ツアー参加者に対しての運送や宿泊サービスの提供がきちんと責任を持って行えるような形で、実施が出来るように、そういうアドバイスをしていきたいというふうに思っております。
(問)登録を求めるのは、あまり現実的な手段では私もないと思うので、結局はやはり委託をツアー会社にしてくださいということで、だから結論としては、あの通知と変わらないんですよね。
(答)ただ、もう少し丁寧に説明をするということかと思います。

(問)事務次官人事について質問させてください。武藤事務次官の起用の理由について、一言御説明いただけますでしょうか。
(答)これは現下の状況を判断いたしまして、総合的にベストな人事を行ったものでございます。
(問)どの辺りが総合的にベストなのですか。
(答)総合的は総合的です。

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