大臣会見

石井大臣会見要旨

2016年4月19日(火) 8:28 ~ 8:45
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
平成28年(2016年)熊本地震の被害状況と国土交通省の対応状況について御報告いたします。
平成28年熊本地震により、多数の方が亡くなられ、負傷されていらっしゃいます。
お亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに、被災された方に心より御見舞いを申し上げます。
インフラの関連では、九州新幹線は、依然として運休中ですが、昨日、脱線した車両の撤去作業が開始されました。
一方、在来線につきましては、昨日、JR九州鹿児島線荒尾駅から熊本駅間が運転を再開し、博多から熊本の在来線がつながる等、順次復旧が進み、現在運休している路線は、4事業者7路線となっております。
また、高速道路におきましては、ピーク時に7路線599kmあった通行止めの解除がかなり進み、現在、九州自動車道、大分自動車道、九州中央自動車道の3路線85kmが通行止めとなっています。
特に九州自動車道につきましては、現在、福岡方面から植木インターチェンジまで通行可能ですが、被災地へ緊急物資を輸送する観点からは、益城熊本空港インターチェンジまで緊急車両を通行可能とすることが重要です。
このためには熊本インターチェンジ付近の神園跨道橋の復旧作業が課題でありました。
ネクスコ西日本では、神園跨道橋を支える対策を鋭意実施して参りましたが、このたび作業が完了し、本日午前中に、植木インターチェンジから益城熊本空港インターチェンジまで緊急車両が通行可能となります。
これにより、被災地への緊急物資の迅速な輸送などが期待されます。
熊本空港については、昨日まで旅客便が全便欠航となっていましたが、本日から一部の旅行便について運航を再開しています。
このほか、山間部における土砂災害や国道・県道・市町村道においても多数の被害が発生しております。
地震による被害が広範・多岐にわたる中、国土交通省では、被災された方々の視点に立ち、「二次的避難場所や応急的な住まいの確保」、「緊急物資輸送への支援」、「道路、鉄道、空港など交通の確保」、「土砂災害への対応」、この4点について特に重点的に取り組むこととし、関係機関との調整や復旧等に全力を挙げており、このほか、本日現在、被災自治体において情報収集や支援ニーズの把握を積極的に行うリエゾン47名を2県13市町村等に派遣するとともに、専門技術力を活かして被害状況調査や応急復旧等を行うテックフォース、緊急災害対策派遣隊等347名を派遣し、全力で被災自治体の支援に取り組んでいるところです。
今後も、国土交通省として、被災状況の把握、救命・救難、被災地の復旧に全力で取り組んでまいります。
私からは以上です。

質疑応答

(問)臨時便が熊本着で約4日ぶりに再開しましたが、受け止めをお願いいたします。
(答)熊本空港におきましては、自衛隊機などが滑走路が可能ということで離発着しておりましたが、ターミナルビルが被害を受けたということで、民間の旅客便については全便欠航という状況でございました。
これは、一部であっても再開することは、復旧・復興に向けて大きなステップになるということで、鋭意調整してまいりまして、本日、再開できたということは大きな復興に向けての歩みになるものと考えております。

(問)21日から、靖国神社で春の例大祭が始まります。
大臣は例大祭に合わせて行かれる予定はありますでしょうか。
(答)ございません。

(問)被災地の建設業者の活動について伺いたいのですけれども、整備局とか県市町村の災害協定について、どのような効果を挙げているか御認識をお願いいたします。
(答)基本的に災害時に各業界団体と自治体等で、災害協定を締結しております。
今回の震災でも、災害協定に基づきまして、道路の路面修理などの応急復旧作業ですとか、あるいは河川やダムの点検などの緊急点検作業ですとか、あるいは毛布や給水タンクなどの運搬作業など、発災直後から行っていただいております。
地域の守り手として、しっかりと役割を担うことを期待しております。

(問)国交省では、当初から被災自治体にリエゾンを派遣されていたと思うのですが、支援物資が熊本県の集配拠点に滞留して、現地まで行き届いていない状況というのは国交省として把握できていたのでしょうか。
(答)国交省としては、物資輸送全般について申し上げますと、まず、幹線物流ですね、全国から被災地の近くまで持ってくるということについては、大手物流事業者の参画のもとに、トラック、鉄道、内航海運を利用して輸送する体制を確保するとともに、現地の近傍、佐賀県とか福岡県に支援物資を搬入する拠点を確保しております。
次に、拠点から市町村の指定する場所へと支援物資の輸送、これについては、ここが一番課題であったので、昨日、本日は自衛隊が相当活躍していただいておりますが、これは熊本県から物流事業者、自衛隊と連携して、その確保に努めているところでございます。
さらに、物資の仕分け等がありますので、人的な支援として、物流業者から専門家を政府の非常災害対策本部、それから熊本県庁等へ派遣するよう指示をしております。
関係機関と連携して、物資の輸送に関しましてできることは全て行ってまいりたいと思っております。

(問)予算についてお伺いします。
復旧・復興について多額の予算がかかると思いますが、予備費で対応できるのか、または今年度補正予算を計上すべきなのか大臣のお考えをお願いします。
(答)補正予算云々ということが報道で一部出ていることは承知しておりますが、まだ政府として編成の方針を固めたということは承知をしておりません。
総理がまずは当面、予備費等活用するというふうにおっしゃっておりますので、現時点で、住まいの確保や物資の円滑な輸送やインフラの一日も早い復旧にまずは全力でやってまいりたいと思っております。
政府全体の方針が固まれば、それにしたがって適切に対処していきたいと思っております。
(問)国交省マターの多額の予算がかかると思いますが、予備費で足りると現段階ではお考えでしょうか。
(答)まずは今ある予算を最大限活用してやっていくということでございます。

(問)今日、航空便が福岡に再開しまして。
(答)熊本です。
(問)熊本ですね。
首相も2~3日延びました訪問をされると思いますが、航空機が現在のままで滑走路が必要だというような機材を使っている限り、日本のような地震多発国では、いざというときに何日間も使えない陸の孤島に取り残されてそのままという状態が続くと思います。
将来的には今回テレビで出ましたように、オスプレイが旅客輸送に使われたように、ヘリコプターが日本の航空機材の主力になるべきだと思うんですけど、そういうことも検討される余地があるんじゃないかと思いますがいかがでしょうか。
(答)ヘリコプターと固定翼機とは役割がそれぞれあると思います。
長距離を早く到達させるためには民間のジェット機等が必要ですし、細かく動くためにはヘリコプターに役割があるでしょうし、それぞれの役割、機能に応じて使い分けていくということではなかろうかと思います。

(問)住宅の耐震化についてお伺い致します。
住宅にかなり大きな被害が出ておりますが、現行の基準について十分だったというふうにお考えでしょうか。
これを見直すなどのお考えは現段階でありますでしょうか。
(答)被災を受けた住宅にまだしっかり調査に入っておりませんので、既存の耐震基準で建てられたものなのかどうか。
ご承知のとおり建築基準も変わってきておりますので、直近のものは相当最近の地震の状況を踏まえて耐震性能が上がっておりますが、既存住宅について、きちんと補修がされていたかどうか、といったことも含めてよく調査をしなければ、その点についてはまだ何とも言えないと思います。
(問)耐震改修促進法に基づいて、国としても補助を行っているわけですが、耐震化率がなかなか目標に達しないという現状が、ずっと続いているわけですが、今回の地震を受けて補助のあり方などについて何かお考えはありますでしょうか。
(答)特に個人の住宅について、なかなか進まないという状況があります。
これはやはり従来の支援のPRも含めて、なるべく耐震化が進むように色々な努力をしていかなければいけないと思います。

(問)九州新幹線ですが、最初JR九州が言っていたようにゴールデンウィークまでの復旧は難しいのではないかと思うのですが、現時点で復旧に少なくともどのくらいかかるというような見通しをお持ちでしょうか。
(答)JR九州がゴールデンウィークまでに復旧するというように仰ったということは私自身は承知をしておりません。
どのくらいかかるかということは、今脱線した車両を撤去することが最優先でありまして、まず撤去までどのくらいかかるか。撤去すれば、その下のコンクリート・枕木等の損傷状況が分かりますので、ある程度目処が立つのかなと。
今のところは残念ながらどのくらいかかるということは、なかなか申し上げられない状況です。
(問)少なくともどのくらいであるとか、そういう見通しもお持ちでないですか。
(答)残念ながら今のところ見通しは立たない状況です。

(問)二次的避難所として、旅館とかホテル、ホテルシップなど色々用意されていると思いますが、なかなか利用が進んでいないと思うのですが、今後周知などどのようにされていくお考えですか。
(答)まず県の方と調整をしなければいけませんので、ホテルとか旅館を使うにしても、被災者の方は費用はかかりませんが、一泊いくらということで、まずは県の方で費用を負担していただく。
相当程度、後で国が負担することになりますけど、そういったこともありますので、まず県と費用負担も含めて調整をする必要がある。
その調整を今、やっている段階です。
(問)では、今後利用は増えていくということでしょうか。
(答)そうですね。
とりあえず、旅館、ホテルについては、高齢者、障害者の方を対象に周知を始めましたが、まだまだ、実際避難所にいらっしゃる被災者の方に、どこまで周知されているかということもあるので、その周知もきちんと進めていく。
さらに、例えばホテル、旅館であれば、熊本県外についてどうするか。
これについては県ともよく調整しなくてはいけませんし、ホテルシップについても、船を運航するには、宿泊費だけでなく運航の費用もかかってくるのです。
その費用の負担も含めて、今、県と調整させていただいているところです。

(問)熊本空港の出発便の方の見通しについて何かありましたら教えてください。
(答)ご承知のとおり、今、ターミナルビルが損傷していまして、荷物検査等ができないということで、今、出発便が出せない状況でありますけども、一日も早く出発便の再開につきましてもできるように、関係者において調整を行ってまいりたいと思っています。

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