大臣会見

石井大臣会見要旨

2015年12月11日(金) 9:32 ~ 9:50
参議院本館議員食堂
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議で、「建設業法施行令の一部を改正する政令案」が閣議決定されました。
これは、建設業の施工に係る国家資格である2級の施工管理技士試験の受検可能年齢を大幅に引き下げ、若手の入職・定着の促進を図ることを目的とするものです。
詳細は事務方にお問合せをいただきたいと思います。
このほか、私から2点御報告がございます。
昨日、社会資本整備審議会から「社会全体で洪水に備える水防災意識社会を構築すべき」との答申を頂きました。
この答申を踏まえ、新たに「水防災意識社会 再構築ビジョン」として、全ての直轄河川とその沿川市町村において、概ね5年間で水防災意識社会を再構築する取組みを行うこととしました。
各地域において、河川管理者・都道府県・市町村からなる協議会等を新たに設置して減災のための目標を共有し、ハード・ソフト対策に一体的・計画的に取り組むこととします。
具体的には、住民目線のソフト対策として、来年の出水期からスマートフォンを活用したプッシュ型の洪水予報の配信を順次実施します。
また、平成29年の出水期までに、全ての直轄河川で家屋倒壊危険区域を公表します。
洪水を安全に流すハード対策については、概ね5年間で優先的に整備が必要な区間約1,200㎞において、堤防のかさ上げや浸透対策などを実施します。
危機管理型ハード対策についても、約1,800㎞において、いわゆる粘り強い構造の堤防を整備します。
早急に取組みに着手するため、補正予算の活用についても検討してまいります。
詳細は後ほど事務方から説明させます。
2点目は、羽田空港の機能強化に関する住民説明会の開催についてです。
本日12月11日から1月31日まで、1都2県の18会場で、羽田空港の機能強化に関する第2回の住民説明会を開催いたします。
国土交通省としては、2020年までに飛行経路の見直し等により、羽田空港の発着枠を約4万回増枠することを提案させていただいております。
この新しい飛行経路案に関係する地域の住民の方々に丁寧な情報提供を行い、幅広い理解を深めていくため、今年の夏に第1回の住民説明会を開催したところです。
今回、第2回の住民説明会では、前回説明会で頂いた御意見を踏まえ、環境・安全などの主な課題について情報提供を行い、住民の方々から御意見を伺うこととしております。
また、説明会の会場では、実際に近い形で航空機の音や見え方を体験できる工夫も講じております。
国土交通省としては、今後とも、関係する地域の住民の方々との丁寧なコミュニケーションを継続し、関係自治体とも連携・協力しながら、羽田空港の機能強化の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
詳細は事務方にお問合せください。
私からは以上です。

質疑応答

(問)今、大臣が冒頭で御発言された羽田空港機能強化の説明会ですが、今日から始まるということで、その中で前回の説明会では、いわゆる環境、騒音、安全性等への不安の御意見がかなりあったように思います。
そういった住民の皆さんの声にどのように応えていくのか、改めてお聞かせください。
(答)2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会、更にはその先を見据えまして、我が国の国際競争力の強化、増加する訪日外国人旅行者への対応、地方創生等の観点から、羽田空港の機能強化が必要不可欠と考えております。
これまで開催した説明会におきましては、羽田空港の国際線増便の必要性について御理解を示す声を頂く一方で、新しい飛行経路の詳細な情報を求める声や、聞こえる音や安全性についてのご心配の声も寄せられております。
こうした御意見をしっかり受け止め、本日から開始する説明会におきましては、提案の背景や考えられる方策の方向性等について情報提供させていただきたいと思います。
新たな飛行経路の実現のためには、関係する地域の住民の方々に丁寧な情報提供を行い、幅広い理解を深めていくことが大変重要と考えております。
来年夏の環境影響に配慮した方策の策定に向けて、関係自治体と連携・協力しながら、羽田空港の機能強化の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

(問)税制大綱が大筋決まったと思うのですが、それについて大臣の御所感をお願いします。
(答)昨日、消費税の軽減税率制度を除き、自民党・公明党において税制改正大綱(案)が取りまとめられ、この中で、国土交通省の要望については、概ね盛り込まれたと承知しております。
具体的に申し上げますと、住宅税制につきましては、新築住宅に係る固定資産税の減額措置が縮減されることなく延長されるとともに、空き家対策として、相続人が相続により生じた空き家又はその除却後の敷地を譲渡した場合の3,000万円特別控除制度を創設すること。
また、「希望出生率1.8」の実現に向けまして、三世代同居に対応したリフォーム工事を行う場合の所得税減税制度の創設等が盛り込まれております。
また、車体課税の見直しにつきましては、消費税率10%引上げ時である平成29年4月1日に、自動車取得税の廃止と同時に、環境性能割に各種特例措置を講じること等による自動車ユーザーの負担の軽減が盛り込まれました。
併せて、グリーン化特例の延長も盛り込まれております。
また、外国人旅行者向け消費税免税制度につきましては、一般物品を免税で買いやすくするため、免税の対象となる金額を一万円から五千円に引き下げるなど、拡充が盛り込まれました。
そのほかの改正事項も含めて、税制措置を最大限活用しながら、デフレ脱却と経済再生を始めとした重要課題に取り組んでまいりたいと存じます。

(問)昨日、改正航空法、ドローンなど無人航空機の関係で施行されました。
この受け止めを大臣からお願いしたいのと、一方で高松市で落下する事案も発生しました。
この事案が起きたことの受け止めと、今後の省としての御対応をお願いします。
(答)昨日10日に施行されました改正航空法では、ドローンなど無人航空機の飛行について、許可が必要な空域や、夜間・目視外といった承認が必要な飛行方法等、基本的なルールを緊急的に定めました。
申請では、空撮や趣味、事故・災害対応などを目的に、人口集中地区上空での飛行許可を求めるものなどが多くありまして、施行初日の10日には、116件の許可・承認をしております。
無人航空機については、航空局内に設置した相談窓口において、引き続き、飛行の許可・承認の申請や相談に対応して、改正航空法の運用に万全を期していきたいと考えております。
それから、昨日、香川県の高松市の駐車場内において、写真店経営者が航空写真撮影のため無人航空機を飛行させていたところ、操縦中見失って、落下させるという事案があったと警察から報告を受けております。
10日に施行された改正航空法では、人口密集地の上空の飛行に許可を求めるなどの交通ルールを定めております。
この事案については、今、警察で捜査中ですから、詳細については差し控えたいと思いますけれども、国土交通省としましては、ドローンなど無人航空機の利用者に対して、引き続き改正航空法のもとでのルールの周知徹底を図るとともに、ルールの遵守と安全な飛行を求めてまいりたいと思っております。
(問)改正航空法を施行した初日に、たまたまかもしれませんが、落下するという事案が起きてしまったことについては、どう受け止めていらっしゃいますか。
(答)落下したということよりも、申請をしていなかったということが課題かと思いますけれども、それについては今後引き続き、ルールの周知・徹底を図っていきたいと思っています。

(問)来週の18日にJR東海が、難工事と言われる南アルプスのトンネルの着工をすると思うのですが、これに対する受け止めと今後の期待感をお願いします。
(答)JR東海が18日に、リニア中央新幹線の南アルプストンネルについて、起工式を行うことを発表したと聞いております。
この南アルプストンネルは全長約25㎞で、難度の高い工事であることから、JR東海は慎重に工事を進める方針であると聞いております。
国土交通省といたしましては、認可をする際にJR東海に求めたとおり、地元の理解と協力を得ながら、環境の保全に努め、安全かつ確実に工事を進めていただきたいと思っています。

(問)民泊についてお尋ねします。
政府与党として、営業許可を取る形で旅館業法の省令改正をする方針を固めたという報道がありますが、これの事実関係を教えてください。
(答)民泊のあり方については、現在、観光庁と厚生労働省が11月27日に立ち上げた有識者会議において検討していただいております。
今、御指摘があったような報道は、承知しておりますけども、そういった方針を定めたという事実はございません。
具体的な方針は、有識者会議での議論を踏まえて、厚生労働省と関係省庁と調整の上、今後ともしっかりと検討していきたいと思っています。

(問)靖国神社で爆発音がした事件の関係で、再入国した際に発火装置の材料が空港の検査をすり抜けていたということが指摘されています。
受け止めと今後の対策についてお考えがあれば教えてください。
(答)そういう報道があったことは承知しておりますけども、それは我が国ではなく、出国側のことでございますので、詳細は申し上げられませんけれど、我が国は適切に実施をしているところです。
(問)入国の際に、そういった物が持ち込まれてしまっていることについても、何らかの強化の必要性のようなものはありませんでしょうか。
(答)航空機内への危険物の持ち込みについては、本来、保安検査というのは出国側がやるということが国際ルールになっておりますので、我が国から出国する場合は、きちんと検査するということです。

(問)くい打ち工事の関係ですが、先日、有識者の対策委員会が開かれて、再発防止策について、深尾委員長が法改正ではなく、告示レベルの対応でというお話がありました。昨日は、自民党の国土交通部会でも部会長が当面は業界の自主規制の対応でというようなお話がありました。
現時点で、大臣の再発防止策についての方向性について見解をお聞かせください。
(答)8日の対策委員会後に、委員長が告示レベルでの対応などを考えていると発言されたことは承知しておりますけども、いずれにいたしましても、今、対策委員会でこの再発防止策の詳細を検討しているところですので、私としては対策委員会での議論を今、見守っている段階です。
いずれにしましても、年内の中間とりまとめに向けてしっかりと取り組んでいきたいと思っています。

(問)高速道路の大口・多頻度割引ですが、当初は燃料価格が高騰したから必要だと思いますが、今は下落しており、その状況下で来年度も続ける御予定はあるのでしょうか。
続けるのであれば、当初と状況は変わってきているわけですけども、理由としては何かあるのでしょうか。
(答)高速道路料金割引については、平成25年度、平成26年度補正予算におきまして、ベースは大口・多頻度割引を最大40%まで割引をする割引率を、最大50%まで引き上げる予算を500億円ずつ計上しております。
この50%への引き上げということについては、当初のきっかけはガソリン高騰対策ということであったのかもしれませんが、やはり日本経済を下支えする物流を支援するという意味では重要な施策であると考えております。
今度の平成27年度補正予算におきましても、今、検討をしている段階です。

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