大臣会見

太田大臣会見要旨

2015年8月7日(金) 9:20 ~ 9:31
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議でのご報告はございません。

質疑応答

(問)スカイマークの件ですが、5日の債権者集会でANAホールディングス等の支援を受けて再建することが決まりました。
再建に当たっては、かねがね大臣は、これまで競争環境の確保が重要だと仰っておりましたが、今回の決定を受けて、改めて国交省としてどういう姿勢で臨むのか、どういう対応をとられるのか、教えてください。
(答)スカイマークの再生計画案につきましては、8月5日(水)に行われました債権者集会におきまして投票が行われて、スカイマーク案が可決されました。
今後、裁判所による再生計画の認可決定が確定すれば、再生計画による事業運営が開始されることになります。
これによりまして、スカイマークの円滑な事業再生が行われるということを期待しているところであります。
スカイマークの事業再生につきましては、かねてから一貫して申し上げておりますけれども、国交省としましては、安全運航、そして利用者の利便の確保、そして我が国の航空市場全体における競争環境の確保、こうしたことが重要であると思っています。
競争環境の確保という観点からは、今般、可決されましたスカイマークによる再生計画案では、その独立性を維持するという旨が明記されています。
まずは、スカイマークの独立性が確保されるのかどうか、引き続き、今後の推移を注視するとともに、必要に応じてスカイマーク及びそのスポンサーであるANAに対しまして、適切に指導を行ってまいりたいと、このように思っております。

(問)JR京浜東北線で架線が切れて首都圏のJRの運転見合わせが相次いだトラブルに関連してですが、本来は停止できない架線のつなぎめの区間に止まったことが原因とみられていますれども、国交省として再発防止に向けた取組みを教えてください。
(答)8月4日(火)19時10分頃、JR東日本京浜東北線の横浜駅~桜木町駅の間で架線切断によりまして停電が発生して、京浜東北線等で約6時間にわたり運転を見合わせ、150本の列車が運休するなど、約35万人に影響が出たということです。
鉄道輸送におきましては、安全の確保はもとよりのことでありますが、安定輸送の確保ということも大事でありまして、今回の輸送障害によって大変大きな影響を受けたということについては、大変遺憾に思っています。
JR東日本につきましては、今年の4月にも山手線の電化柱倒壊を始めとして輸送トラブルが続いています。
また、現在、夏の多客期にありまして、この間も花火ということもあったようですが、お盆のピーク期を控えているということから、輸送の安全・安定確保に向けた取組みを徹底する必要があります。
そこで、8月5日(水)に鉄道局長からJR東日本の副社長に対しまして、輸送の安全・安定確保に向けた取組みを徹底するよう、警告・指導を行いました。
これを受けまして、JR東日本におきましては、昨日6日の午前中に、緊急に各支社長を集めた会議を開催して、安全・安定輸送の取組みの徹底を指示したと聞いています。
また、今回の架線切断の原因につきましては、JR東日本によりますと、本来、列車が原則として停止しないこととなっているエアセクションに停止して、再度起動したことに起因しまして、過大電流が流れて、架線が溶断したものと推定されます。
エアセクション内に停車しないよう、乗務員教育を再徹底することが大事だということ、そして京浜東北線にエアセクションの位置を乗務員に知らせる「乗務員支援システム」を導入する、こうした対策を実施するということですが、これをきちんとやってもらいたいと思っています。
国交省としましては、こうした列車のトラブルが何回も発生しているということもあり、そして今まであまり例のないということは、今回の場合はATS等の新しいシステムというようなことになったということも、新人の乗務員等には緊急の手動にした場合にどういうことが起きるのか、ここはどういうふうに運転すべきかということについても、きちんと教えなくてはいけないということだと思います。
こうした再発防止策が徹底されて、鉄道の安全・安定の輸送が確保されるように、JR東日本をしっかり指導してまいりたいと思っています。

(問)15日に終戦記念日を迎えますけれども、戦後70年となる今年、お盆の期間中に大臣が靖国参拝するというようなお考えはありますでしょうか。
(答)私は、ありません。

(問)スカイマークの件ですが、5日(水)に国土交通省会見室で記者会見がありまして、ANAの長峯取締役が独立性ということに関して、運賃、路線、便数などそういった航空輸送事業に関する具体的な計画については、ANAは関与しない旨を発言されていますが、その独立性を判断する上で何か基準になるものを、政府としてはどのようにご覧になっているか教えてください。
(答)先ほど申し上げましたが、スカイマークによる再生計画案で独立性を維持する旨が明確に一番最初に明記されています。
そして、その新しい体制になって、そこがどこからも影響されないで主体的に事業を進めるということが最も大事な独立性という問題だと思います。
多くの方たちは独立性があるということの中で、大きく言えば3社なら3社という、JALとANAだけではないことに対して期待をし、そこで運賃等が競争原理の中で安くなるというようなことを大変期待をしているんだと思います。
それ自体がメルクマールというわけではありませんが、独自のそうした、私が今申し上げたようなことの中で競争環境が確保されて利用者利便の確保がもたらされることをもって、それが独立性を維持するということではないかと、その後の様々な詳細については私が関与する問題ではないということです。

(問)日航機の墜落事故から8月12日で30年を迎えますけれども、改めて御所感をお願いします。
(答)昭和60年8月12日に発生しました日本航空123便墜落事故から、まもなく30年を迎えます。
改めて事故で亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆様に対し哀悼の意を表したいと思いますし、これまで30年、一家の柱を失ったり、大変な苦しみを余儀なくされたのではないかということに思いを馳せるわけでございます。
今年は30年という節目の年でもあるので、御巣鷹の尾根への慰霊登山を含めて、国交省から、うえの国土交通大臣政務官、航空局長らに参列をしてもらおうということにしています。
この事故以来、日本の定期航空会社における旅客の死亡事故は発生していない状況でありますが、残念ながら、先般の調布の事故を始めとして、航空機の事故はなくなってはおりません。
言うまでもなく、公共交通機関におきましては、何よりも安全の確保が第一だと考えています。
そういう意味からしまして、日本航空123便墜落事故を決して風化させないで、この事故が教えてくれた安全の確保の大切さを、更にかみしめていかなければならないという思いをいたしております。

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