大臣会見

太田大臣会見要旨

2015年7月3日(金) 9:31 ~ 9:50
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、私から1点ご報告がございます。
G7交通大臣会合の開催についてです。
本日の閣議におきまして、官房長官より、来年、G7交通大臣会合を長野県軽井沢町で開催するとの発言がありました。
G7交通大臣会合は、本年9月にドイツ・フランクフルトにおきまして、初めての会合が開催される予定であり、日本で開催される会合が第2回目ということになります。
軽井沢町は、本年の北陸新幹線開業で交通面での利便性が更に向上するなど、地方創生の観点から交通大臣会合の開催地として相応しいと認識しています。
また、国際的避暑地として豊かな自然があふれる中で、各国の交通大臣が胸襟を開いて率直に議論することができるものだと思います。
今後、会議の成功に向けまして、関係省庁・関係自治体と連携しながら、全力で取り組んで参りたいとこのように決意しております。
私からは、以上です。

質疑応答

(問)東海道新幹線の火災についてお伺いします。
JR各社等、すでに緊急会議を開催して、今後の対応を検討し始めているところではありますけれども、大臣のお考えとして、この問題はどこに問題があったのか、改めてどういう課題が浮き彫りになったのか、また同じような事件を起こさないためには、具体的にどのような対策が必要だとお考えですか。
(答)国交省では、本事案を踏まえまして、7月1日、警察庁及び新幹線を運行するJR各社を集めまして、緊急の会議を開催したところです。
会議におきましては、安全確保の観点から、それぞれの事業者において、まずできることを行って頂くと。
例えば、「巡回頻度を増やすなど当面の警備強化」を行うこと。
そして、「見せる警備」を行うと。
そしてそれによって国民の安心感と、テロを含む犯罪に対する抑止力を高めること。どういう風に動いていくということ、こういうことをやっていますということを見せていくということです。
こうした取組みを行うことを確認いたしました。
その上で、「危険物の持ち込み規制のあり方」や、「車両側で改善すべき点」、この車両の中身で防火とか様々なことがあろうと思います。
そこで何ができるか、そうしたことの「危険物の持ち込み規制のあり方」や「車両側で改善すべき点」、こうしたことについても検討する必要があることについて確認し、それぞれ(JR各社で)今検討を始めている状況です。
これを受けまして、JR各社では、できることからまず実施ということで動いておりまして、例えば、JR東海では昨日から、新幹線の車内や駅における放送や発車標テロップで、新たに「不審な行為」を追加して、注意喚起を行っています。
また、検討する必要のある事項につきましては、今後、具体的な課題を整理した上で、それぞれの課題について検討を深めて参りたいと考えています。

(問)箱根山の小規模噴火の関連で伺います。
今週火曜日の6月30日に箱根山・大涌谷周辺の噴火警戒レベルが3の入山規制に引き上げられました。
現状と今後の対応策について大臣のご所見をお聞かせ下さい。
(答)5月6日に噴火警戒レベルを2に上げて、その後ずっと監視をしてきました。
6月29日 朝7時32分頃に火山性微動が初めて発生しました。
また、大涌谷の想定火口内で、新たな噴気孔が見つかり、降下物も確認されました。
震度1以上の地震も観測され、30日 朝6時56分に発生した地震は、初めて震度3を記録いたしました。
6月30日の朝に気象庁が行った現地調査によりますと、29日に確認された新たな噴気孔の周囲に、最大で直径30cm程度の噴石が40~50mほどのところに飛散している、また、噴気孔の周囲60m程度の範囲に噴出物が堆積している。
大涌谷で火山灰が降下していることが確認されました。
こうしたことから、大涌谷では、ごく小規模の噴火が発生したと判断しまして、6月30日12時30分に、箱根山の噴火警戒レベルを2から3に引き上げて、名称についても「大涌谷周辺(箱根山)」から「箱根山」として、警戒を要する範囲については「大涌谷周辺の想定火口域の中心から概ね300m」であったのを「概ね1kmの範囲」といたしました。
7月1日午前6時頃までに、断続的にごく小規模な噴火が発生していたと考えられます。
その後、噴火の発生は確認されていませんが、昨日(2日)実施した現地観測では、6月29日に確認しました噴気孔の周辺に、新たに3つの噴気孔を確認いたしました。
また、地震については、7月1日以降、今朝8時までに震度1以上の地震が1回発生しています。
現段階では、いつ終息するかについては見通せませんが、まずは今後の火山活動の推移を把握するために、地震、地殻変動、噴気の状況等について、注意深く監視を図って、その結果を踏まえて、火山噴火予知連絡会等の火山専門家のご意見も伺いながら、今後の火山活動の見通しについて判断していきたいと考えています。
国土交通省では、防災ヘリ等によります上空からの調査を実施しております。
また、職員を現地に常駐させ、火山活動の観測・監視に万全を期すとともに、地元関係者や報道機関に対して、丁寧に説明をしているという状況でございます。
観光関係では、大変危機感を持っているというのが現地の状況でありまして、まず第一に、箱根への観光客の安全確保を図る観点から、6月30日に全国の旅行業者及び日本政府観光局(JNTO)に対しまして、当該警報に関して正確な情報収集に努めること、そして、旅行者又は旅行予定者に対し、正確な情報提供を図ることを文書で依頼しました。
また、7月1日には、観光庁と(水管理・国土保全局、気象庁、関東運輸局と一緒に)箱根町及び観光関係者との意見交換会を実施して、現場の状況を調査してきたところです。
今後とも旅行者の安全確保と観光に与える影響の最小化を図るために、現地の意向をよくお伺いしながら、国内外の旅行者又は旅行予定者に対しまして、各温泉施設や観光施設の営業状況、芦ノ湖の遊覧船、登山鉄道など交通機関の運行状況などについて、その都度、正確な情報の提供に努めていきたいと考えています。

(問)7月1日に開かれた交通政策審議会の鉄道部会で羽田空港への新線計画について触れられて、2020年の東京オリンピックまでの開業は困難との見解が出されました。
地元の一部では開業への期待も高まっていましたが、審議会の見解について大臣のご所見をお聞かせ下さい。
(答)現在、検討されております新たな空港アクセス路線の中には、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会までの暫定開業等の実現可能性も含めて、検討されてきた路線もあるということはよく承知しています。
しかしながら、新たな鉄道路線の整備には、環境アセス等の事前の手続きや実際の工事に相当の期間を要するものと考えられます。
このため、交通政策審議会鉄道部会におきましては、現時点で大会開催までの期間を考慮しますと、大会までの開業は困難との見通しが示されたものと考えています。
なお、現在の首都圏の空港アクセス鉄道につきましては、輸送力に余裕があり、大会時の輸送需要それ自体については対応が可能であると認識しております。
一方、中間整理におきましては、空港駅や空港アクセス路線の乗換え駅のバリアフリー化や案内の多言語化など、大会に向けた取組みも示されているところです。
これらの取組みはしっかり推進していきたいと思っておりますが、現状の物理的な色々な時間の経過も含めて、審議会の中間整理において、そうしたことが示されたものだと思っています。
現場の各関係のところでは、是非とも東京オリンピック・パラリンピックまでということについて強い要望のあることはよく承知しておりますが、そうした物理的な状況ということについての報告がされたとこういう認識をしています。

(問)(列車内への)危険物の持ち込み規制についてお尋ねします。
現在、JR各社の持ち込みルールというのは鉄道営業法の国土交通省令がベースになっているわけですが、これをまず見直さなければいけないというお考えはありますでしょうか。
(答)これは仕組みからいきますと、可燃物等の危険品の持ち込みについては、鉄道営業法において原則禁止されていると。
これに基づいてJR各社が定める旅客営業規則においても、危険物の持ち込みは原則禁止されておりますが、旅客営業規則では、例外として、可燃性液体であっても容器などを含めた重量が3㎏以内のものは手回り品として列車内に持ち込むことができると、このような例外規定がJR各社の旅客営業規則の中で定められていると。
この旅客営業規則は、新幹線開業前の昭和33年に規定されており、灯油を日用品として持ち運ぶなどしていた時代の実情に合わせて定めたという話を聞いています。
JR各社では全て同様の取扱いとなっているようです。
国交省としましては、今回の事案を踏まえまして、危険性の程度や持ち込みのニーズなどを勘案しながら、ルールの上で改善すべき点はないかについて検討を行う必要があると考えておりまして、これからJR各社とも詰めていきたいと思っています。
例外規定の中にものすごくたくさん(危険品の品目が)書かれておりまして、どのようにこれを整理するかということを含めて考えたいと思いますが、法改正の必要はありません。

(問)サミットの閣僚会合の件について、具体的にどういったことがテーマになるのでしょうか。
高速交通技術ということになるのか、あるいは地域交通だとか、インフラの長寿命化対策とか、そういった具体的にどういうことがテーマになるのかというのが1点。
それからもう1点、先ほど北陸新幹線について大臣の言及がありましたが、閣僚の移動等に今の最新鋭のE7とかW7とかを利用するというお考えがあるのでしょうか。
(答)せっかくのお尋ねですが、この開催時期とかテーマについては、今日初めてスタートを切るということで、内閣として各閣僚の出席する閣僚会議というものの場所をまず決めたという段階です。
これから開催時期やテーマ等について、今後G7各国あるいは関係自治体と調整したいと。
特にテーマということにつきましては、各国との調整ということになると思います。
今年にも、先程申し上げましたとおり、第1回がドイツ・フランクフルトで開かれるということですから、そこのテーマということや様々なことをよく議論させて頂いて、来年のテーマというのは決まっていくのだというふうに考えております。

(問)日本とタイの間で鉄道のインフラ輸出について、合意が近いのではないかという報道がございましたけれども、この件について大臣がご存じのところを教えて下さい。
(答)今パープルラインという、バンスー駅からのものについては、JR東日本が行っているということですが、今日報道に出ておりましたのは、タイの都市鉄道のレッドラインについてでございますが、現在、タイ国鉄による入札手続きが行われている最中であると承知しています。
この入札には日本企業も参加していると聞いているところですが、それ以外については現在申し上げられる段階にはございません。

(問)内閣府防災が開いている災害対策計画会議では、箱根山の噴火警戒レベルが3に引き上げられたにもかかわらず、名称が未だに「大涌谷周辺(箱根山)」としています。この点については箱根町からも名前がどうにかならないかというような要望があったように伺っているのですけれども、大臣のお話もありましたけれども、気象庁では「箱根山」とすると決めていて、一方で、内閣府防災では「大涌谷周辺(箱根山)」というふうに未だに使っていると。
異なる表現を使用するというのは、正確な伝達方法とか、国民の火山に対する理解の妨げになる可能性もあると思うのですけれども、その辺りについて今後内閣府防災と調整していくとか、政府としてどういうふうに対応していきたいというふうに大臣はお考えでしょうか。
(答)そういうことであれば、直ちに調整します。

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