閣議案件につきまして、私から2点報告があります。
まず、これから資料を配布いたしますが、本日の閣議で、国立研究開発法人港湾空港技術研究所 高橋重雄 理事長を7月1日付で再任することについて、ご了解を頂きました。詳細は、事務方にお問合せ下さい。
次に、本日の閣議におきまして、「平成26年度国土交通白書」が配布されました。
「平成26年度国土交通白書」では、「将来世代にわたる豊かな暮らしを実現するための国土・地域づくり」をテーマとして取り上げました。本格的な人口減少社会におきまして
国土・地域づくりについて考察し、今後の方向性として「コンパクト・プラス・ネットワーク」の考え方の重要性について記述をしております。詳細は、事務方にお問合せ頂きたいと思います。
3点報告をさせて頂きます。
1点目は、第20回「海の日」行事についてであります。
本日、閣議後に開催されました総合海洋政策本部会合におきまして、第20回「海の日」行事について、報告がありました。
国土交通省におきましても、来月7月20日の「海の日」を契機にいたしまして、国民の皆様に、海洋についての理解と関心を一層深めて頂きたいと考えています。
このため、この日にあわせまして、国際海事機関(IMO)が毎年1つの国を定めて開催いたします「世界海の日パラレルイベント」を我が国としては初めて開催いたします。
このパラレルイベントでは、IMOの関水事務局長ほか、IMOや国連の海洋部門の幹部、各国の海事当局の責任者など、世界各国や国際機関から多数が参加する国際シンポジウムを開催いたします。
また、パラレルイベントにあわせまして、帆船「日本丸」等の一般公開をするなど、全国各地で数十件(6月30日現在で65件)に及ぶ、一般の方々が参加できる、多彩な行事を開催することとしております。
これも、詳細は、後ほど事務方にお問合せ下さい。
2点目は、高速道路のスマートインターチェンジの新規事業化箇所及び準備段階調査箇所の採択についてであります。
スマートインターチェンジにつきましては、本日付けで、新規事業化箇所の4箇所、そして準備段階調査箇所の17箇所、合計21箇所の採択を決定いたしました。
なお、準備段階調査につきましては、準備段階であっても必要性が確認できる箇所につきまして、今年度から、国が調査を実施することとしたものです。
詳細につきましては、本日、道路局より記者発表を行うこととしておりますので、そちらへお問合せ下さい。
3点目ですが、JR北海道及びJR四国の安全対策に対する支援についてであります。
JR北海道は、昨年1月の事業改善命令・監督命令に基づきまして、本年3月に、総額2600億円に上る「安全投資と修繕に関する5年間の計画」を策定いたしました。
計画の実施に当たりましては、JR北海道から国の支援を求められているほか、26日に取りまとめられましたJR北海道再生推進会議の提言書の中でも、国の財政的な支援が求められているところでございます。
こうした状況を踏まえて、JR北海道の5年間の計画の内容を精査した結果、最大限の自助努力を前提としつつも、なお及ばない部分について、必要な安全投資及び修繕を実施できるようにするために、支援措置を実施することといたしました。
JR北海道に対する支援は、鉄道運輸機構を通じて、助成及び無利子貸付により行います。
支援規模は、平成28年度から平成30年度までの3年間で1200億円になります。
また、JR四国におきましても、本年3月に、総額960億円に上る安全投資及び修繕に関する計画を策定いたしました。
これについても、内容を精査した結果、計画の実施のために国の支援が必要であると判断し、平成28年度から平成31年度までの4年間で200億円の支援を行うことといたしました。
詳細については、後ほど事務方から資料を配付いたします。
私からは以上でございます。
(問)今日、政府の骨太の方針と日本再興戦略の改訂版が閣議決定される見通しとなっております。
骨太の方針では社会資本整備につきまして、効率的な実施のほか、民間資金の活用などを打ち出していますが、骨太の方針と再興戦略に対する国交省の受け止めと、概算要求に向けて今後どういう点に力を入れる方針かお聞かせ下さい。
(答)「経済財政運営と改革の基本方針2015」いわゆる「骨太の方針」及び「『日本再興戦略』改定2015」いわゆる「成長戦略」については、本日にも閣議決定される方向で現在最終の調整をしているという状況だと承知しています。
これまで、骨太の方針については、経済財政諮問会議に私も何回か出席し、国土交通省としての考え方を説明してきました。
諮問会議の場において、私からは、今後の社会資本整備は、「安全」と「成長」、この2つがポイントであり、その上で、日本経済の再生を図っていく上で、「ストック効果」というのは極めて重要だということを主張してきました。
具体的には、財政健全化との両立を十分認識し、戦略的に社会資本整備を実施すること、「防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化」をメインストリームとして、長期的・計画的に推進すること、そして、民間投資を喚起し、生産性を向上させる社会資本のストック効果を最大化すること、これらを主張してきました。
本日、閣議決定される見込みの「骨太の方針」中の「経済・財政再生計画」における主要分野として社会資本整備が位置付けられており、このような考え方が反映されるものと伺っております。
このほか、「骨太の方針」及び「成長戦略」においては、国土交通省関係の施策として、「観光立国実現に向けたアクション・プロクラム2015」に基づき、訪日需要の創出と「2000万人時代」への万全の備えを早期に実現する。
そして、東京オリンピック・パラリンピック等を契機とした先進的なバリアフリーの推進、交通政策基本計画を踏まえた取組の推進、そして、コンパクト・プラス・ネットワークの形成、海上保安の人的・物的基盤と国際的ネットワークの強化等についても、盛り込まれるものと考えております。
平成28年度予算や現在見直しを行っている社会資本整備重点計画において、この「骨太の方針」や「成長戦略」などを踏まえ、適切に対応して参りたいと、このように思っているところです。
(問)明日から「ゆう活」が始まります。
出勤を早める代わりに退庁時間を少し早めて、夕方の時間を有効に使ってもらうということですが、現場では却って長時間労働を招くのではないかという心配もあるようです。
そうならないために国交省としてどのように取り組んでいくのか、お考えがあればお聞かせ下さい。
(答)「ゆう活」は、我が国の長時間労働を打破し、働き方を含めた生活スタイルの変革ということを目指す国民運動です。
7月、8月の2か月間、国家公務員は率先して取り組んでいきたいと考えています。
国土交通省の「ゆう活」は、本省では、始業時刻を現行の9時半から1時間~2時間早い7時30分、8時、8時30分として、職員が自分はどういう行動を取るかということを選択する。
そして、7月、8月を通じまして10勤務日以上の実施に努める。
早期退庁や業務の効率化を同時に進める。
このようにしています。
この「ゆう活」の実施に当たりましては、早く来ることによって早く帰ること、業務を効率化すること、職員がこれをやってよかったと思うこと、これが重要だと認識しています。
これによって(勤務時間が)長くなるというよりは、私は日頃からできるだけ短縮をするということ、そして国交省の場合、(大臣として)来てみますと、随分夜中までずっといるというようなことがあって、仕事量は確かに多いし、国会の対応ということもあるわけですけれども、(私自身)できるだけ短縮ということに心がけてきましたが、この「ゆう活」という機会に何時から何時までというその中で業務がしっかりこなせるよう努力をして、私も17時15分には退庁すると、帰ってまた戻ってくることのないようにと言われておりますので、退庁してきちんと何時から何時まで私自身が率先してやるということで、凝縮した昼間の仕事というものにしたいと考えています。
必ず一つのリズムができると確信しておりますし、そうしたいと考えております。
(問)JR北海道とJR四国への支援なんですけれども、改めて支援に至った判断、どうして国として支援をしようとお考えになったのかを教えて下さい。
(答)先ほども申し上げましたが、提言も今回行われ、そしてJR北海道等からも支援要請があるということの中からこのように決定をさせて頂いたところです。
特にJR北海道あるいはJR四国が策定いたしました安全投資と修繕に関する計画の実施に当たりまして、既存支援の活用及び最大限の自助努力を行った上で、なお必要な金額について、追加支援を行うということにいたしました。
何よりも構造的にも財政的にも厳しいという状況もありますから、何よりも国が支援するということは安全ということが大事であるということの上でこの追加の支援をさせて頂くということにしたところでございます。
従って、JR北海道、特に設備投資つまり安全投資と修繕ということを手段として、安全投資ということは車両の入れ替えとか、PC枕木化というようなことがはっきり分かるという形で1200億円という数字が出ているわけですが、それと修繕という点で1400億円、車両やあるいは軌道、土木の部門ということになりますけれども、この1400億円を合わせて2600億円ということで、そのうち追加支援として1200億円ということで、具体的に安全で安心して頂けるために我々としてはバックアップをさせて頂くと。
よく何をやるということと、そして自ら自助努力を行うということは、これはくどいほど言っている上でのそうしたことでございます。
(問)提言書の中には、路線の一部廃止というような提言も盛り込まれていますけれども、それについて大臣のお考えをお願いします。
(答)これについて、今日、私のところに報告に来ますが、この提言書は、会社に対して、提言をしているという位置付です。
その中で、鉄道特性を発揮できない線区の廃止を含めた見直しなど、聖域のない検討を行うことが必要であると提言にあるわけです。
JR北海道の鉄道ネットワークは、地域住民の生活や経済活動を支える基幹的な輸送機関として重要な役割を果たしており、JR北海道は、その維持に努めてもらいたいと考えています。
その一方で、JR北海道は面積が非常に広いとか、人口減少が進んでいるとか、需要が大きく減少しているという状況がありまして、その鉄道特性が十分発揮できないという厳しい路線があるということもまた事実でございます。
地域の交通体系のあり方については、地域の足の確保という観点から、各地域において、自治体・JR北海道等の関係者間で十分に議論を行うことが必要だと考えています。
我々としては、特に安全ということについて、支援を行ってバックアップしますが、できるだけJR北海道には第一義的にその維持に努めてもらいたいということが我々の考えていることであることをよく認識して頂きたいと思っています。
(問)消費者事故調が汐留のエスカレーター転落死亡事故について最終報告をまとめました。
国交省に対して事業者向けの転落防止指針の策定などを求めています。
大臣の受け止めと今後の方針がありましたらお願いします。
(答)本件の事故については、社会資本整備審議会の昇降機等事故調査部会において調査が行われまして、昨年10月に、「エスカレーター自体の不具合や乗場周辺の安全対策の欠如に起因するものではなかった」との報告がなされています。
また、民事訴訟でも、被害者がエスカレーターの本来の用法とは大きく異なる行動をとっていたことが確認されています。
一方、今回は消費者安全調査委員会の報告書が出されて、国交省に対して、エスカレーター側面からの転落を防止するためのガイドラインを策定し、法的整備も視野に入れて関連事業者による遵守を徹底させようという意見が出されています。
私はまずこれを受け止めて、特に畑村先生等が中心となってやっていらっしゃいますから、国交省としましては、ガイドライン策定の必要性や建築基準見直しがいるかどうかという要否について、社会資本整備審議会で、もう一度これについて審議を頂きたいと、そして審議を頂いた上で、必要な対応を検討して参りたいと思います。
(問)昇降機事故調の事故調査は終わっていますが、これをやり直すとか再検討するお考えはないということでよろしいですか。
(答)今回の消費者(安全調査委員会)の報告書を受けて、これをどういうふうにということですが、この事故自体についての安全については、これはすでに安全対策の欠如に起因するものではなかったという結論が出ていることを踏まえた上で、あえて、消費者安全調査委員会の報告はその上でなされましたので、そこをもう一度、社会資本整備審議会でご審議を頂いた上で、対応をしていきたいと思っています。