大臣会見

太田大臣会見要旨

2015年6月5日(金) 9:40 ~ 10:00
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で特に私の方からご報告するものはございません。
一点ご報告をさせて頂きます。
本日、第5回観光立国推進閣僚会議が開催されまして、「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2015」を決定いたしました。
今回のアクション・プログラムの主眼は、訪日外国人の急激な増加によりまして、2000万人が現実味を帯びてきているという状況を踏まえて、「2000万人時代」への備えであります。このため、空港や港湾のCIQ体制の強化であるとか、空港容量の確保であるとか、あるいは貸切バスの供給確保、あるいは無料Wi-Fiの整備、多言語対応の一層の拡充、こうしたことを行って、多くの外国人旅行者を万全に迎え入れる体制に取り組む、全力を挙げるということを決めさせて頂きました。
また、地方の活性化を図るべく、商店街などの免税店化を進めまして、地方部の免税店を2020年に2万店規模に拡大いたします。
これらを通じて、観光旅行消費の一層の拡大を促進して、昨年、約2兆円でありました外国人旅行客の消費額を訪日2000万人の年に4兆円に倍増させます。
加えて、魅力ある観光地域づくりを更に進めるべく、広域観光周遊ルートの形成・発信、「道の駅」の観光拠点としての機能強化などに全力を挙げて参ります。
今後、交通事業者や宿泊事業者など多くの関係者ときめ細かく連携しまして、これらの施策を確実に実行して、観光立国の実現に向けて一層取り組んでいきたいと考えています。
詳細については、この後、事務方より説明させて頂きます。
私の方からは以上です。

質疑応答

(問)那覇空港で起きた自衛隊のヘリコプターと民間機2機が絡むトラブルですが、これについての大臣の受け止めをお聞かせ下さい。
国交省としての今後の対応も併せてお願いします。
(答)6月3日13時24分頃、那覇空港におきまして、全日空1694便(那覇発新千歳行)が離陸滑走中に、管制官の指示を受けていない航空自衛隊ヘリコプターが前方を横切ったため、離陸を中止しました。その際に、離陸を中止した全日空機が滑走路から離脱する前に、後続の日本トランスオーシャン航空610便(新石垣発那覇行)が、この滑走路に着陸したという事案です。
本件につきましては、現在、運輸安全委員会が重大インシデントとして、3名の調査官を現地に派遣して調査を行っております。
国交省としましては、今後、運輸安全委員会の調査の進展に応じて、必要な対応を図って参りたいと考えています。

(問)東日本大震災の復興事業についてですが、復興庁は来年度以降、被災自治体に事業費の一部負担を求める方針案を公表しました。
この中には直轄の道路や港湾、社会資本整備総合交付金を活用した事業が含まれておりまして、国交省とも関連があるのではないかと思われるのですが、復興支援への大臣の受け止めをお願いします。
(答)平成28年度以降の復興事業の考え方につきまして、復興庁において検討されてきたところですが、6月3日に、復興庁から、平成28年度以降の社会資本整備総合交付金について、復興枠で行う事業と一般枠で行う事業の区分の具体策が示されたということです。
例えば道路事業については、岩手、宮城、福島各県では、東北自動車道以東で実施する事業について引き続き復興枠で実施するとされました。
もう一つ、この復興事業についての地方負担の具体策が示されたということです。
例えば、三陸沿岸道路整備事業は、地方負担なしとされて、その他の道路整備事業や社会資本整備総合交付金事業などでは地方負担を求めるとされているわけです。
この事業の区分や自治体負担については、復興庁におきまして、被災自治体からの様々な意見もあるようでありますので、これを踏まえながら、更に検討が進められるものと承知しています。
復興庁と被災自治体との間で、丁寧な調整が行われることを期待している状況でございます。

(問)JR会社法改正案が成立して、JR九州の完全民営化が決まりました。
審議の中では赤字路線の廃止とか 安全上の懸念を指摘する声も多く出ましたが、大臣から改めて注文とか期待の声がありましたらお願いします。
(答)6月3日に参議院本会議でJR会社法(改正法)が可決され成立しました。
国会審議の中で、JR九州が、完全民営化後も路線を維持していけるのか、そして安全上の問題はないのか、利用者利便を犠牲にするのではないかなど、様々な議論が行われました。
JR九州は、国会審議の中で提起されたこうした問題・意見をしっかり受け止めて、完全民営化後も、緊張感を持って、安全を第一に、そして私は本業を忘れるなと言ったわけでありますが、本業である鉄道事業の運営にあたって頂きたいと思っています。
その上で、鉄道サービスの向上やあるいは観光振興、こうしたことへの取り組み、あるいは関連事業を通じたまちづくりを機動的に展開すると。
こうしたことを含めて、九州の全体の活性化や地方創生について、鉄道事業者として中核を担うということをよく自覚して、貢献してい頂くと。
そして民営化されて確かに良かったなと多くの人に言って頂けるように、気を引き締めて、そして努力をするという決意の下で、スタートしてもらいたいと思っているところです。

(問)アクション・プログラム2015ですが、これまで、2020年に向けて高みを目指すとされてきた2000万人の目標が、今回のプログラムでは早期実現を図るという言葉に変わっているのですが、具体的に言うと2020年を前倒しでどのくらいというビジョンをお持ちなのかということと、もう一つ3000万人が訪れるようなということについては、もしお考えがあればどれくらいのスパンなのでしょうか。
(答)何年に何千万人ということは、敢えて決めませんでした。
そういう意味では、現段階で急激に増加している中で、目標を決め直すという時期ではないと。
しかし、2020年に2000万人ということは、おそらく前倒しされるであろう。
そして、今年は1500万人を遙かに超えるという可能性が強い。
こうしたことから今一番我々にとって大事なのは、2000万人時代への備えというものを集中的にすることが大事だということで議論を行っていました。
今回のアクション・プログラムは、時期は明確にはできないが、間違いなく訪れる2000万人時代への備えというものをしっかりやるというここが大事であります。
具体的な手を打って、CIQのことも強調されましたし、免税店のことも強調されましたし、今日も閣僚会議では各大臣からほとんどの大臣から発言があったりして、非常に広範に渡るのですが、バスとかホテルとかWi-Fiとかクルーズ船への対応だとか色んなことが大きな課題になっていますから、そこに全力を挙げると、結果はそこで数はそういうことの上にまた動いていくだろうとこのように思っています。
是非とも、2000万人時代への備えということに力点を置いたアクション・プログラムを策定し、そこに政府が挙げて各省庁全部挙げて、また関係業界を挙げて、取り組むということに力を注ぐこの一年にしたいと思った上での今回のアクション・プログラム2015でございます。

(問)昨日、警視庁が東京航空局へ捜索に入りましたが、その受け止めと、報道によると官製談合が疑われるとのことですが、関係職員へのヒアリングの有無と、行ったならばその結果について教えて下さい。
(答)6月4日に警視庁の捜査官が東京航空局と東京空港事務所、羽田空港でありますが、捜査したという事実は承知していますが、この事案の詳細については、現在、警視庁の捜査中であり、コメントは差し控えさせて頂きます。
いずれにしても、警視庁の捜査に対しては、国交省としては協力して参る所存です。今日言えるところはそこまでです。

(問)不通が続いておりますJR北海道の日高線について、一昨日、北海道知事が国交省とJRと北海道による3者の協議会を設立したいと表明しております。
JRも昨日同意する旨の公表をしているのですが、これについての大臣のお考えをお聞かせ下さい。
(答)今月中にも、3者による事務レベルでの協議会を発足させるべく調整したいとこのように考えています。
日高線の復旧については、先月初めに国交省に対しまして、JR北海道から状況の説明がございました。
国交省から、北海道庁とよく相談しながら進めるようにということを指示しました。
その後、JR北海道と北海道庁との間で話し合いが行われてきたわけですが、この両者においては、復旧を目指すということでは一致しているのですが、運転再開に向けたプロセス等について調整が必要であるということです。
このために3日に高橋知事より、北海道、JR北海道、国土交通省による3者会議の場が必要とのご発言があったものだと思っており、そこは復旧を目指すという立場には変わりありませんから、この3者による事務レベルの協議会を今月中にも発足させるように調整をしたいとこのように思っているところです。

(問)リオデジャネイロ大会後の東京オリンピックに向けた観光振興の加速、来年ですね、閉会後いわゆる東京オリンピックに向けたPRが本格化すると思うのですけれども、その際に取材していると海外PRで海外のメディアとかで日本の観光をPRするコマーシャルを打つとかを観光庁は考えているもののですね、財務省はこれまでの査定だと、海外でコマーシャルをやったらどれくらい効果があるかなかなか図りづらい部分があって、そういう意味から財務がなかなか予算化してくれないという悩みを抱えているようなのですけれども、来年はまさに東京オリンピックに向けたPRをしなければならない年だと思うのですけれども、そういった新しい時代に向けた財務省に対する折衝のやり方も考えなければいけないと思うのですけれどもその点についてはいかがでしょうか。
(答)外国の場で、色々な形でのプロモーションを展開するということはものすごく大事だと思っていまして、JNTO等でも私もインドネシアに行ったときに事務所を設立するという場に同席をしたり、色々な形でやりました。
そしてまた、クールジャパン戦略の中でも、これまでそうしたことの必要性ということで、例えば日本のドラマ等とかあるいは日本のニュース等を外国に展開することもありましたが、なかなか予算面ではあれもやりたいこれもやりたいということで十分ではありませんものですから、むしろ取材に来て頂いて、そしてそのニュースを各国で放映してもらうとか、色々な工夫を今しているところです。
財務省も含めて政府全体が、今本当にCIQの体制とかWi-Fi環境を整備するとか色々なことで今やらなくてはいけないことがいっぱいありますねということなものですから、海外プロモーションの一点だけで予算ということではなくて、全体的に一番有効なところに予算を配置するということで、今日は全省庁閣僚が集まってその辺のまとめをして頂いて、2000万人時代への備えということに一丸となって協力しようということでスタートを切りました。
当然その中には海外のプロモーションということもあると思いますけれども、我々としては最大限に努力をしたいと、まだまだできる部分があるというふうに思っているところです。

(問)観光立国なんですけれども、雇用についても新たに全国で40万人生み出すという目標を掲げられましたけれども、具体的にどういう産業をどういう、例えば地方などにも根ざしたいというようなイメージであるとか期待感を教えて下さい。
(答)例えば道の駅等で、随分この間も東京フォーラムで40者が集まってこのフォーラムをやらせて頂いたのですけれど、道の駅一つを取ってみましても、そこで生産する農産品というものを持ち寄るということ、あるいは独自産業化するということ、そして売るという場においてどうするかというようなことについて、様々な形でこの雇用が促進されるということが現実に起きています。
もっと幅広く色々なところで消費が拡大されるということでありますので、雇用としては今ご指摘のようなことを掲げている訳。
私は「右手に観光、左手に道の駅」とこういうふうに言ったことがあって、地方創生のためにも是非とも各首長さんがそれを一つのツールとして戦略的に位置付けてもらいたいと、それはそのまま雇用ということに繋がっていくのだというふうに思います。
数字的な計算は観光庁が詳細にして頂いて、そうした数値になっているということです。

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