大臣会見

太田大臣会見要旨

2014年5月9日(金) 9:30 ~ 9:54
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で特に私の方から御報告するものはございません。
 一点ご報告をさせて頂きます。
 4月26日~30日にかけましてモンゴルと韓国を訪問し、政府要人と会談を行いました。モンゴルにおきましては、アルタンホヤグ首相のほか、道路運輸大臣、建設都市計画大臣、文化スポーツ観光大臣、自然環境グリーン開発大臣と会談を行いました。
 会談におきましては新ウランバートル空港を建設しているわけですが、この運営権獲得のためのトップセールスを行いましたほか、交通・都市インフラの整備支援及び建設部門における人材育成などに関する協議を行いました。
 また、両国間の観光交流に対しての拡大、これについての協議も行い、その中で道路運輸大臣及び建設都市計画大臣との間で、インフラ整備等に関する協力体制強化のための覚書を交わしました。
 韓国におきましては、文化体育観光部長官、国土交通部長官等と会談を行いました。
 会談におきましては、日韓国交正常化50周年を契機として、観光交流拡大実行計画の策定、並びに2018年に平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックがありますけども、この平昌(ピョンチャン)冬季及び東京オリンピック・パラリンピックに向けた日韓共同観光マーケティングの準備の開始、そして国土交通分野での共通な課題を解決するための当局間協議の推進、さらに国際機関における両国の共同歩調の強化、これらについて意見が一致したところです。
 今回の出張により、インフラ整備であるとか、あるいは観光交流との面でモンゴル、そして韓国両国との間の相互理解が深まったものと考えております。
 私からは以上であります。

質疑応答

(問)先月(4月)の28日にLCCのピーチ・アビエーションの旅客機が海面に異常接近したトラブルの件で大臣の所見と国交省の今後の対応・指導体制等についてお伺いします。
(答)先月(4月)28日にピーチ・アビエーションにおきまして航空法施行規則における重大インシデントが発生しました。
この重大インシデントにおきましては、現在、運輸安全委員会が調査を行っているところです。
国交省としましては、この運輸安全委員会の調査に協力をすること、そして会社としての事実関係の調査及び早急な再発防止策の徹底ということを会社に対して指示をしたところです。
また、同社に対しましては、現在、乗員不足への対応を確認するために、昨日から定期監査を実施中であります。
この機会に今回の重大インシデントへの対応についても確認をするということにしております。
今後、監査の結果や運輸安全委員会による調査の状況を踏まえて適切な措置を講じて参りたいと思います。
いずれにしても安全ということが運輸ということにもっとも大事でありますので、これについてはゴールデンウィーク前にも各社について徹底したところですが、さらに安全第一ということについては、それぞれ対応していくということで指示をしていきたいと思っているところです。

(問)大臣の諮問を受けて、先日、交通政策審議会において東京圏の今後の鉄道などの整備について議論が始まりました。国際競争力の強化であるとか、観光立国、東京五輪への対応などを検討されて、今後2年程度かけて答申がまとまる方針ですが、大臣としてはどういった議論を期待されていますでしょうか。
(答)前回の審議会におきましては、平成12年にまとめられた18号答申である訳ですが、これまでは、その時は主に輸送需要の増大であるとか、あるいは渋滞、道路ではそういうことになりますが、鉄道という分野では輸送需要の増大や混雑への対応、こうしたことがかなり主眼となったのが14年前のことでございます。
しかしながら、今後の東京圏を取り巻く環境からいきますと、この審議会においては概ね10年から20年の中期的な視点からネットワークのあり方について考え方を示すということでありますが、特にこれまでと違っておりますのは、国際競争力強化の必要性というのが拡大をする。
そして少子高齢化、人口減少ということがあって、首都圏への流入という、朝のかなりの人が、サラリーマンなどの東京への流入が少し減ってきているというような状況がこれから起きるであろうということ、それから首都直下地震ということに対応したり、あるいは大水害、台風というような特にスーパー台風というようなことを考えますと、地下ということについても目を凝らさなくてはいけないということ、あるいは2020年の東京オリンピック・パラリンピック、前回の14年前のものでは、当然バリアフリーという角度はありましたが、更にそうしたことが必要であるということの上に、訪日外国人観光客を始めとする対応ということが必要になってくるというような、新しい形での東京圏の都市鉄道というもののあり方を模索して頂く必要があると考えているところです。
こういうように、今後の東京圏の都市鉄道につきましては、これまで以上に多角的な観点から議論される必要があると考えておりまして、有識者の方々に、しっかりした多角的な議論をして頂ければと思っているところです。

(問)南シナ海で中国とベトナム、また中国とフィリピンの海洋当局が衝突しているという状況がありますが、尖閣諸島で領海侵入事案が続いている現状を踏まえて、日本政府としてどのように捉えておられるか御見解をお聞かせ下さい。
(答)御指摘の事案に係る事実関係の詳細というのは、関係省庁において確認中であると思っております。いずれにしましても、海上保安庁においては、引き続き我が国の領海、領土を断固守り抜くという強い決意で、毅然かつ冷静に対処していくことが大事であると認識をしているところです。

(問)自動車の登録情報の民間への開示について御見解を頂きたいと思っています。もう間もなく、自動車登録情報の利活用に関する中間取りまとめが出てくると思いますが、あるいは政府では個人情報保護法の改正が議論されていると思います。そういう中で、この新年度からナンバーを無断で撮影をしてナンバーから登録情報を照会する、その登録情報を使って、マーケティングに活用する、商売するビジネスが始まっていますが、これが現状、国土交通省あるいは政府は適法であるという前提で情報開示を行っていますが、一部に適法という範囲であっても個人が特定されてしまうのではないかという指摘があります。そういう中でマーケティング情報等に車の登録情報を出しているということについて、水際であるいは行政マターで止めていくというお考えがあればありがたいと思いますが、いかがでしょうか。
(答)御指摘の通りだというふうに思います。国などが保有する自動車登録情報等については、現在、自動車のナンバープレート等の情報を元に情報提供を受けることが出来ることとなっているところです。こうした情報提供制度は、元々、リコール対象車の確認であるとか、あるいは徴税事務等の他に、統計とかマーケティング等の用途にも活用されるということを目的にしまして、平成20年から開始をされていると、現在までに年間で言いますと1億件を超える利用がなされていると承知しています。
ただし、今御指摘のように情報提供にあたっては悪意を持った情報利用を防止するという観点、あるいは個人情報ということの観点を踏まえて、情報提供請求を行う者の本人確認をし、いわゆる「成り済まし」を排除するということです。
それから請求理由の確認ということをしっかりするということ。
それからナンバープレート番号のみを元にした情報提供請求の場合は、所有者等の氏名を付した上で住所は町名・字までに止めるということ。
こうした個人情報の取り扱いに留意した運用を行っておりまして、今般のマーケティング会社を含めまして、これまでも現状では特に問題は生じていないというふうに思っています。いずれにしましても、自動車の登録情報等の有効活用と個人情報の取り扱いへの配慮は十分注視して両立して取り組むということが重要であるというふうに思っておりまして、引き続き万全を期して参りたいと思っております。

(問)ただ2点問題があって、都会では分からないんですが地方へ行くと町名・字でも、例えば「神領貢」っていう人は車の台数が少ないですから特定しやすい。都会で考えているよりは地方に行くと割と簡単に町名・字まででも個人の車が特定されてしまう心配があります。それから空港やショッピングセンターではナンバー撮影だけではなく車自身を撮影しています。運転手の顔も見えています、車検の標章まで写っています、それでナンバーも写ります。ここに登録情報が入ってくると車検標章からも人の顔からも特定が容易になされる心配があります。個人情報の改正は早くて来年の通常国会で成立して、施行されるのは3月~半年後です。1年半くらいまだ時間があるわけで、その間に例えばショッピングセンターの駐車場で写真を撮られてナンバーと車検標章と個人の顔が写っているのを突き合わせれば個人が分かりますよね。そういう心配には手を打たないのでしょうか。
(答)今御指摘の点については、これまでは住所は町名・字まで行ってきて特段ここで問題は生じていないところでありますけども、御指摘のことについては私としては少し研究をして参りたいと思います。

(問)ピーチ・アビエーションの件で確認ですが、私が承知しているのは航空局によるLCCに対しての監査は3カ月に1度実施されると伺っていますが、昨日からの監査は定期的なものを前倒しして実施されたものなのか、3カ月に1度の監査に合わせて行われたものなのか。
(答)これは定期監査があるというのを踏まえて、この機会にこの事案についても確認をしていくということです。これまでも色々な角度で、人員の問題とかいうことでもこの会見の場でも質問を頂きますから、それらの問題意識も含めて定期検査という中に含めて監査というものを行っていきたいと思っています。

(問)韓国に行かれましたけれども、その沈没船についてですね、今回(海保が)救援・支援に行けば変わっていたというのは誰にも言えないと思いますが、今後大きな遭難事案が起きた際に、海上保安庁からなるべく早く救援活動が行えるような議論が今後行われることになるのでしょうか。
(答)今回の出張では私のカウンターパートと会う状況にありませんものですから、話し合いはしておりません。
しかし、救難、海難、救助については、常に連携を取っていくという体制が大事だと思っておりますので、色々なバイ(二国間)という場合もあるでしょう、そして多国間という場合もあるでしょう。これまでも色々な事をやってきていることですが、今回の事を重視して、そうしたことの取り組みについて必要と思っています。
ただ現在、韓国との間でまだそうしたことの話し合いを行えるという状況ではありませんので、一刻も早い救助ということが行われることを臨んでいるという状況です。

(問)与党で整備新幹線の前倒しの議論が高まっております。国交省としても対応を検討していると伺っておりますが、現状大臣のお考えとどのように今後の対応をしていくかお聞かせ下さい。
(答)この整備新幹線、北海道、あるいは北陸、長崎それぞれあるわけですが、少しでも早くという現地の要望があるということは充分私も承知をしております。
この与党PTにおいて整備新幹線の工期短縮ということについて、一つは財源面、一つは工程面、二つの点での課題を中心にして議論が今行われていると承知しております。
与党PTの持ち運びについては、これは与党で御判断されることと思いますが、国交省としては事務方に対して、与党PTの検討と連携を取って議論をするように指示をしているところです。
国交省としては、制度などもを含めて今は事実関係について説明をしていると、そしてどういう形で短縮ができるのかということについては色々なやり方があると思いますけれども、何分この制度面と工程面、あるいは特に財政、財源という難しい点がありますから、この点は与党PTの検討と連携を取って議論をするようにということで、現在のところ国交省として何かを決めたということはありません。

(問)JR北海道ですが、一連の問題の中で特急の一部を運休していますが、夏位までに運行を再開したいという意向を示していますが、今週末にも北海道に行かれるというお話がある中、大臣の再開についてのお考えをお聞かせ下さい。
(答)その辺はですね、昨年11月1日からと思いますが、減速・減便ということを決めて、余裕車があるということが実は保線とかあるいは車両点検ということにおいて、非常に有効であったという現場の声も私は聞いている訳でありますが、それの新しい体制がどうできるかという以上に、4月1日から会長、社長はじめ新しい体制になりましたものですから、むしろ安全第一というこの考え方はずっと貫いて頂かなくてはならない。
その上で、4月1日からの新体制がどうなったのか、また1月24日に我々が出しました改善命令、あるいは改善の指示ということについて、どういう形で展開しているのかをまずお聞きするということ、そして確認するということが一番大事なことで、その上でのそれは判断ということになろうと思いますが、まず私の明日明後日で北海道に行くという予定で、JR北海道本社にもお伺いをしますけれども、私の考えている主眼は4月からの新体制、改善命令等がどうなっているか全て集中して状況を把握したいと思っております。

(問)そうしますと、週末はその辺りをしっかりJR側でやっているのかを御覧になるということでしょうか。
(答)今回北海道へ行くのはそれだけではなく、JR北海道本社、あるいは函館の整備新幹線の新函館駅とか車両基地等も視察をしようと思ってますけれども、私の主眼は新しい体制になってどういうふうに安全を基軸にした運営が為されているか直接お話を聞くと言うことです。

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