大臣会見

太田大臣会見要旨

2014年3月11日(火) 10:46 ~ 11:07
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
 一点御報告をさせて頂きます。
JR北海道に対する監査についてであります。
1月21日の会見におきまして、JR北海道に対する命令事項の実行性を確保するため、常設の監査体制を整え、5年程度の間、定期的及び随時に監査を実施することを報告を致しました。
今般、JR北海道の安全統括管理者が新しく選任されて約1ヶ月が経過すること等を踏まえ、JR北海道における1月24日の事業改善命令等による「講ずべき措置」の取組状況を確認することと致しました。
具体的には、本日より14日まで、JR北海道に対して、監査を実施致します。
JR北海道に対する常設の監査体制を整えて以降、初めての監査実施になりますが、本社及び現場におけるJR北海道の取組状況をしっかり確認するように指示しております。
 詳細については、この後、事務方より説明をさせます。
私の方からは以上です。

質疑応答

(問)今日で震災から3年ということになりますが、一部でまだ住宅であったりまちづくりの再建に遅れが出ているのではないかという指摘が出ております。
この点について大臣の御所感と今後の対策についてお願い致します。
(答)全体的には、今日で3年経過を致します。
昨日(10日)も国土交通省で会議(東日本大震災復興対策本部会合)を行いまして、東北地方整備局あるいは東北運輸局の局長に来て頂いて、海上保安庁第二管区海上保安本部からも来て頂いて報告も頂きました。
海上保安庁は今も11日の日には海に潜って、何らかの手がかりをということで懸命にやっているというような状況の報告もございました。
昨日は常磐道の全線開通を来年のゴールデンウィーク前ということを発表させて頂いたり致しましたが、やっぱり住宅、まちづくりが遅れているという状況にもございます。
この一年、昨年の3月に「住まいの復興工程表」を策定しまして、住まいの確保についての見通しを地区毎に示すとともに、これに沿って事業を推進してきました。
やっと、これが工事に着手するということがかなり一年間で上がりましたが、これを形にして住んで頂けるようにということについては、今年一年が極めて重要であるというふうに思っているところです。
何と言っても、津波からの安全を確保するため、高台への移転や盛土を伴う土地区画整理事業によって事業を行うために、災害公営住宅の工事になかなか着手出来なかったというような困難性があったというのが一番の原因であろうと思っています。
まちづくりについては、高台移転を行う防災集団移転促進事業については約9割、街なかの宅地造成や盛土を行う土地区画整理事業については約7割の地区で工事に着手をされたところです。
このうち、防災集団移転促進事業については、26年度末には計画全体の約6割、200地区で宅地造成が完了する見込みになっています。
また、焦点であります災害公営住宅で用地を確保して事業に着手した割合はこの一年で35パーセントから67パーセントになりました。
現時点での完成は三県で910戸にとどまりますが、今後、順次建設工事が進捗し、26年度末には計画全体の約4割、1万戸を超える住宅が完成するという見込みになっておりまして、この住宅建設ということに拍車をかけるということがこの一年極めて重要だと思っておりまして、国土交通省としても全力を挙げたいと思っています。
今後、早めるための対策と致しまして、まだ立地場所が決まっていない地区については、地元で出来るだけ早く決めていくほか、URの人的支援を行っていくこと、そして用地取得の障害となっております所有者不明の土地については財産管理制度の活用によって事業を促進させるということ、そして造成と建築の着工までの期間が開かないよう設計を予め行うなどの取組を進めること、そして入札不調などで時間がかからないよう補助の上限額である標準建設費を4月から約6パーセント上げるという、これら様々な対策を打ちまして、この災害公営住宅が一年間で4割完成するように頑張って行きたいと思っているところでございます。
入札不調、そして資材の高騰、そして人不足、こうしたことはずっと言われたところでありますが、何回も御報告しておりますが、私は現地で直接様々な対策に乗り出して、労務単価の引き上げであるとか、あるいはロットの大型化で発注体制を変えるとか、様々な措置をとっておりまして、入札不調の積み残しは無いということにはなっておりますが、更にこれについては注視をして努力をしたいと思っています。
また、生コンは去年の今頃は特に言われましたが、高騰という状況というより去年から同水準という状況でもありますし、私達は岩手県で今年に釜石市や宮古市で国のプラントを造る、そして宮城県では4つのプラントを造るというようなことで、一つ一つきめ細かく対応をしていくという体制を取らさせて頂いているところです。
全てに亘って1日でも早くという気持ちをしっかりと今日3.11において決意をして、何としてでも全ての事業において1日でも早くという被災者の方々の気持ちに寄り添って、全力を尽くしていきたいということを申し上げたいと思います。

(問)高速道路(常磐自動車道)については全面復旧の見通しが示されましたが、鉄道についてJR山田線やJR常磐線などが手つかずな区間があります。
それについて大臣のお考えを御願いします。
(答)これも1日も早くということですが、三陸鉄道につきましては4月に全面開通ということになっており、かなり希望を持って頂けるのではないかと思っておりますが、その真ん中に位置しますJR山田線につきましては、現在、「JR山田線復興調整会議」を行っておりましてJR東日本と国と地元と調整を更に進めているという状況にございます。
それからJR常磐線でございますが、避難指示区域内のJR常磐線原ノ町駅~広野駅間につきましては、沿岸部の幹線鉄道として、また通学路等においても生活ということにおいても極めて重要だと認識をしております。
この当該区間の内、広野駅~竜田駅間につきましては、JR東日本がこの春にも見込まれている楢葉町の帰町判断に併せて運転再開することを決定し、現在復旧工事を進めているところです。
他の区間である原ノ町駅~竜田駅間は、除染の進捗や町の復興の状況を踏まえて運転再開に向けた取組みを早期に進めるよう引き続きJR東日本に対して指導して参りたいと思っているところです。

(問)昨日(10日)、安倍総理の会見で常磐自動車道の全面開通について、観光客の流入ということへの期待も口にされていましたが、観光を所管する国土交通省としてまだ線量が高い地域も残る一帯に観光客を呼び込むということについて、何か特別な対策なりが必要であるという考えはあるでしょうか。
(答)私はいわゆる被災にあった3県、そして福島も含めて相馬市や南相馬市にも直接行きまして、旅館を経営しているところにも観光庁のメンバーや私自身も入ってお話しをしたりしていまして、従来はすごく流行っていたものの、朝食だけで夜はそんなに立派な食事がないとか色んなことがあったり致していて、福島県の場合はまだ観光というところまではいっていないことが事実です。
私は宮城県と岩手県については、間違いなく観光ということについては記念公園のこともありますし、色んな形で手も打ってきておりますので、観光の立ち上がりということについては、かなり今年は期待をし、また支援をしたいと思っておりますが、常磐自動車道が通るということは観光というところまでは中々いかないんですが、常磐自動車道が通るということは相当色んな点で大きな要素でありますから、来年のゴールデンウィーク前までに全線開通ということですので、来年のゴールデンウィーク以降観光でも大いに期待できます。
その間に旅館を(経営)したり色んな観光に関係した方がいらっしゃいますから、その方達とよく話をしながら応援態勢をより取るようにということを観光庁にも指示し、そして現場に入って今そこに即した観光ということで何ができるのかということは地域によって相当違いますから、きめ細かくそういう形で福島県での観光については対応したいと思っているところです。

(問)震災の発生から3年ということで一つの区切りではありますが、被災地では復旧・復興の取り組みがまだ続いているという状況ですが、この3年というのは大臣が御覧になってどのような期間・長さとお感じになられましたでしょうか。
また、風化ということが懸念されると思いますが、今後の教訓として次にどのように活かしていくか大臣としてのお立場で御願いします。
(答)私が感じますのは3年は相当苦しい、被災者にとりましては辛い3年であったというふうに思います。
また、海に出たい、そして魚も揚げたい、観光ということもしたい、福島からいきますと会津の方までも観光客が来ない、色々なそういうことがあって、厳しい3年であったと思います。
この1年は、私としては道路や海岸や色々なことをはじめとして、国土交通省としてはエンジン役としてやることをやってきたというふうに思うし、それを更に推進をしていかなくてはいけないと思いますが、私はずっとその前、2年間程は私自身が(国会議員の)バッジがない時でもありましたが、バッジのないということを、逆に現地に出来るだけという思いで行きました。
なかなかその現地の声が、あれをやってもらいたい、これをやってもらいたいという声が伝わらなくて、国は政権に関わらず一生懸命やっていたはずなのですが、現地からいくと、どうしてこういうものが伝わらないのだろうという思いをいっぱいしていて、もっともっと現場に入ってその声を届けると、そして早く、私は一日も早くという言葉をよく使いますが、それは何日までに完成するとこういっても、もう一日でも二日でも前に完成するということがどんなにもう待ち遠しいかというような思いが分かるものですから、そういう意味では、精一杯やっているという国の姿勢と、そして現地からいくと、本当に話が通じないでもどかしいし、イライラするし腹が立つというような思いというものの中で、私は3年間過ごさせて頂きました。
相当、直接国に話が通じていけば直ちに対応すると、直ちに出来ることも出来ないこともありますが、必ずその声を聞いて、そして何らかの答えが出せるということが非常に大事なのですが、その辺の国と被災地の方達の意見とか気持ちが遮断される、そして人間の幸せというものは、やっぱり普通に朝起きて、家族や親族がいて、朝ご飯を普通に食べて、仕事に行って、そして帰ってきて話が出来ると、人は孤独というものが一番辛いものだと、また、遮断されるというものがいかに大変なのかということを私は思っています。
被災者に寄り添ってとこう言うのですが、東北地方はこうして今考えてみますと、エネルギーを供給してくれた所でもあるし、食糧を供給してくれた所でもあるし、サプライチェーンという点でもいかに大きな提供をしてくれた所か、そして人材ということにおいても、いかに日本全体に大きな人材を送ってくれたことかと、私はその本当に日本の為に、人であれエネルギーであれ、そしてサプライチェーンであれ、そうしたことが本当に力強く復興してくれるということが極めて重要だというふうに思っておりまして、まだまだ復興は遅い、少しでも出来ることをやっていかなくてはならないし、現場に入って声を聞くということをまた少しでも実現するというような思いの3年間でもありましたし、私はそこの被災者に寄り添ってという言葉が形容詞であってはならないし、風化と風評という二つの「風」というものが、常に私達は意識してやっていかなくてはいけない、本当に現場の人に、被災地の人に頑張ってくれと、こういうふうに言うのではなくて、頑張っている人達に対して頑張るのが東京にいたりする我々の本当の役割だと、今日3.11で私は皆さんがよく頑張って頂いていると、頑張っている人に対して頑張れとは私は言わない、我々が頑張りますからということを言う、今日は3.11だというふうに私は思っているところです。

(問)震災の話とは別ですが、マレーシア航空の関係ですが、これについてアメリカのFAAであるとかNTSBは設計・製造国として関与を打ち出していますが、日本政府としては何か対応される御予定というのはあるのでしょうか。
(答)マレーシア航空の事案につきましては、捜索救難機関によって捜索が今続けられているというところです。
また一部報道によりますと、盗まれたパスポートにより搭乗していた旅客が2名いたということですが、現時点ではあらゆる可能性を含め調査が行われているというふうに承知をしています。
ボーイング777型機は日本の運航者でも多く運航されていることから、航空局において、航空機の製造者や運航者等から必要な情報を収集しているというところです。
そういう意味では、現在は国土交通省航空局として、情報収集をしているということですが、適切に対応をしていかなくてはいけないと思っているところです。

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