大臣会見

太田大臣会見要旨

2014年2月12日(水) 8:30 ~ 8:41
閣議室前
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 閣議案件で、一点御報告がございます。
 本日の閣議におきまして、「道路法等の一部を改正する法律案」、「都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案」及び「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案」が決定されました。
 続きまして、私から一点、御報告いたします。
平成22年9月に尖閣諸島沖で発生しました中国漁船の衝突により生じた巡視船の修繕費等について、漁船の船長に対し、損害賠償を求めて参りましたが、今月20日に損害賠償請求権の時効3年を迎えることとなります。
時効を中断するため、本日午後、損害賠償請求訴訟を提起し、証拠として中国漁船衝突事件の映像記録を裁判所に提出することといたしました。
この映像記録は、刑事訴訟に関する書類であるため、刑事訴訟法第47条に基づいて、これまで公にしていませんでした。
今般、証拠として提出することにより公になりますが、政府の主張を立証するために、刑事訴訟法第47条但し書きに基づき、「公益上の必要」があるものと判断いたしました。
映像記録については、誰でも裁判所に閲覧を請求できるほか、海上保安庁においても、求めに応じて開示いたします。
なお、映像記録の取り扱いについては、政府として判断したものでございます。
詳細については、後ほど、海上保安庁から説明いたします。
以上です。

質疑応答

(問)JR北海道の件ですが、10日に鉄道事業法では初めての刑事告発となりました。
大臣の所感をお願いします。
(答)10日に、JR北海道の検査データの改ざんによる虚偽報告及び検査妨害につきまして、鉄道事業法違反で刑事告発をいたしました。
検査データの改ざんは、輸送の安全確保の仕組みを覆すものでありまして、絶対に容認できないことであります。
その中でも、鉄道事業法に基づき提出を求められたデータを事故直後に改ざんし、虚偽の報告をしたこと、特別保安監査を妨害するためにデータを改ざんしたこと、については特に悪質であることから厳正に対処することにしたところです。
また、同日、運輸安全委員会も、検査データの改ざんによる虚偽報告について、運輸安全委員会設置法違反で刑事告発を行ったと聞いております。
今後、捜査機関において必要な捜査が行われ、刑事責任を問うべき者について適切な処分がなされるものと考えています。

(問)漁船の船長の訴訟についてで二点お伺いいたします。
まず損害賠償訴訟という手段に出たことで、中国側の反発が起きるという懸念はないのでしょうか。
また、今回の証拠品として提出した映像ですが、特定秘密保護法が実際に施行された後においては特定秘密にあたるものであるという判断でしょうか、そうではないのでしょうか。
(答)これについては刑事事件として損害賠償をずっと請求をしてきました。
特段新しく行ったわけではございません。
ただ、これに対して船長側からの回答・反応がないものですから、時効になるということがありますから改めて引き続いて損害賠償の請求を行うということのために行うものであって、特段何か画期的なことを行うということではございません。
それからこれは特定秘密にはあたりません。
あくまで刑事訴訟法第47条但し書きに基づいて行うものであって、訴訟案件ということについてはそこで得たものについては公開しないという従来通りの原則に基づいて、あくまで刑事訴訟法第47条に基づく措置であるということでございます。

(問)JR北海道への告発を受けて北海道警察が今日にも強制捜査に着手するとみられていますが、いよいよ警察の捜査になるという段階に至ったわけですが、こういう事態に至ったことについてどのようにお考えでしょうか。
(答)これは特別保安監査をずっと行ってきました。
これ自体は経営上のあり方まで含めて、また改ざんを監査によって明らかにするということもあり、かなり特別保安監査としては実効性を上げてきて、それ故に先月1月21日に全体的に改善命令等を出させて頂いたという経緯がございます。
しかし告発の案件は刑事事件、行政処分とかそういうものではありませんで、あくまで刑事事件に相当するものだということで強い意志を我々としては示し、そして道警としてもこれは捜査をする必要があるという判断をしたものだというふうに思っております。
いずれにしましても刑事事件ということについてはそうした捜査をやり、そして我々の特別保安監査は、あくまで安全に運輸機関が運営をするということを主眼としながら行う監査でありますから、それぞれ全力を尽くして任務を全うするということが大事だと思っております。
JR北海道につきましては、更に私としては毎日毎日の安全ということを更に徹底して行っていくということを強く要請しているわけで、現執行部に対して、まず毎日毎日の安全に全力を挙げるようにということを強く求めたいと思っています。

(問)広島県での海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」と漁船「とびうお」の衝突からまもなく1ヶ月を迎えますが、現在の進捗状況を教えてください。
(答)これについては、今海上保安庁が捜査をしておりますが、特に現段階で皆様方に御報告するという事項はございません。

(問)中国への損害賠償請求ですが、これまで中国側が何ら回答をしてこなかったということですが、その中国政府のこれまでの対応について一言お願いします。
(答)これにつては、我々の求めに応じるべきだと思っているところです。

(問)安倍総理が集団的自衛権の行使を可能にするための憲法解釈の変更について、閣議決定を持ってすると方向を固めたようですが、大臣、対応はどのようにお考えでしょうか。
(答)充分それは承知をしておりません。

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