大臣会見

太田大臣会見要旨

2013年12月6日(金) 9:55 ~ 10:16
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 国土交通省関係の主な閣議案件はございません。

質疑応答

(問)今日で国会が会期末を迎えます。
この国会では国土交通省関係の法案も成立がございましたけれども、この国会を振り返っての所感をお願いいたします。
また、特定秘密保護法案を巡ってやや大荒れの様相で国会が閉じようとしていますが、閣僚の一人として今のこの状況に対しての見解をお願いします。
(答)この国会は10月15日から始まって国交省でいうならば、JR北海道の問題をはじめ、国土交通行政に関する様々な課題について活発な御議論を頂いたものと思います。
提出した法案は二本ありまして、海賊多発海域における日本船舶の警備に関する法案、交通政策基本法案の二本と特定船舶の入港禁止についての国会承認案件、全て可決し、承認を頂きました。
いわゆる海賊法についても、交通政策基本法についても重要な、また緊急を要する法案でありますので、既に海賊法については動き始めてきているという状況にありますし、大変意義のある国会であったと思っています。
また、議員立法として提案頂きました、タクシー事業の適正化と活性化に関する法案につきましても成立し、懸案が解決する方向になったことは大変良かったと思っています。
これらの法案につきまして、極めて運用が大事だと思いますので、目的を達成できるよう、しっかり運用して参りたいと思っております。
特定秘密保護法案につきましては、採決の時期やその他国会の運営については、色々見方はあろうと思いますが、国会がなお今日も色々御議論をしているところでありますので、今日の状況をよく見ていきたいと思っているところです。
政府の側からいきますと、この法案は極めてNSC発足に伴い大事なことだと思っておりまして、衆議院、参議院を通じまして、法案の考え方を丁寧に説明し、また様々修正の協議をして国会論戦の場だけでなく、協議にも真摯に対応して修正等々もさせて頂いているところでありまして、誠実に対応してきたというのが、政府の考え方であろうと思います。

(問)昨日、政府の経済対策がまとまったわけですが、国交省の関係がかなり盛り込まれておりますが、大臣の御感想と今後の意気込みをお聞かせ頂きたいと思います。
(答)第一にこの経済対策は来年4月1日からの消費税引上げによる駆け込み需要とその反動減を緩和するということ、第二に、経済成長力の底上げによって、成長軌道に早期に復帰することの二点を目的にしております。
国交省関係の施策もこの目的に沿って盛り込まれています。
具体的には第一の目的の反動減ということですが、消費税率引上げによる住宅取得の負担増を軽減するための「住まい給付金」を措置していると、これは非常に大きいことだと思います。
また第二の目的に関する成長力底上げの問題ですが、交通・物流ネットワークの整備は環状道路の整備や国際コンテナ戦略港湾の整備が入っています。
それから地域の活性化、これは高速道路の割引きに対して何らかの支援をするということです。
それから特に、防災安全対策の加速と、今年災害が多くて、またこれから巨大地震というものが懸念され、さらに南海トラフ、首都直下、そして防災・減災に資する国土強靱化、3つの大事な法案ができたということもありまして、防災安全対策の加速という点で、この経済対策の中に盛り込まれているというのは大変良いことだというふうに思ってます。
全体的には、消費税率引き上げ後の来年度前半の経済をしっかり支えるということにあるわけですが、私としましては特に防災・減災、そうしたことが今年雪害に始まりまして、集中豪雨があり、台風の被害があり、竜巻が生じ、そして土砂災害等が伊豆大島をはじめとしてあるということに鑑み、また、フィリピンでのスーパー台風という現象がこれから懸念される。
あるいは、首都直下(地震)、そして南海トラフの地震対策ということで。
かなりこないだも高知へ行ってきましたが、津波が34mということの中で、どうやって生きていったらいいのかということで必死に対策を講じているということからいきまして、大事な制約された予算の中でのものでありますから、しっかり効果を上げられるようにしていきたいと思っております。

(問)特定秘密保護法案ですが、今色々な見方があるという話がありました。
政府側から見るとという話もありました。
大臣が一人の政治家として、あるいは個人として別のお考えはおありではないでしょうか。
(答)別の考えはありません。
これは政府として、NSCのスタートということもあり、特定秘密(保護法案)、色々な制度がばらばらの中で、これを作っていくというのは必要である。
私は公明党出身でもありますが、知る権利ということについても、公明党として法案を作り上げて、国会に提出をする前に相当練り上げて、それについても法律の中にも言葉として書き込むというところまで持っていきましたから、私としては特段先ほど申し上げた以上の考え方はありませんが、なおかつ政府としての立場として申し上げましたが、丁寧に説明をするということ、そして修正の協議にも真摯に応じるという姿勢できたこと、精一杯の努力をしてきたと率直に思っております。

(問)練り上げたというお話がありましたが、一方で終盤にきて様々な第三者機関であったり、監視機関であったりというものが付け加わるというですね、非常に最後に来てバタバタと法律が変わり、かつ、国会の外で様々なありとあらゆる団体が反対の声を上げているという中で、(公明党の)綱領で「人権の実現を至上の目的価値とする」と考えている公明党出身の大臣が、今の状況で法案を押し切るということについて、これまでの立場と反すると思われませんでしょうか。
(答)法案提出の前に、公明党としては十分そこは煮詰めて来た上での提出ということになったと思っておりますし、また、修正協議等々が随時行われてきているその中で、それを取り入れることも含めて、かなり主体的に取り組んできたと思ってますから、私はより良きものになって本日を迎えているという認識をしています。

(問)特定秘密保護法案に関連してですが、海上保安庁関連では過去にビデオの流出問題がありました。
しかし、あの映像を見たことで海上保安庁側の正当性等が国民も知ることになりまして、そうした意味では今後尖閣(諸島)についてもこれから更に緊張が高まる中で、海上保安庁のビデオ提供等について、どのような物差しのようなものがあるのか教えて頂けますか。
(答)あの件について申し上げれば、これは特定秘密に当たるものではないという認識をしておりますから、出来るだけ国民に事実というものは知らしめるということが確保されている法律だと思っています。
外交と防衛、そしてテロ、スパイの4つに関してのことが中心であります。
我が省としては、むしろ外国から、あるいはそこから提供された情報というものを受けて、特定秘密というものが指定をされてという対応ということになろうと思います。
そういう点では、直接何らかの形で特定秘密が指定されてくるということは、国土交通省としては考えにくいと思っておりまして、ビデオの問題等は先程申し上げた通りです。

(問)経済対策ですが、防災対策の中でリダンダンシーということで高速道路の整備ということが行われると思いますが、考えようによっては、もし何かあった時のためにということであまり必要性が薄い、緊急性が薄い高速道路の整備を進める口実にされるというおそれもあると思いますが、大臣としてこの点についてどのように取り組んでいかれるおつもりでしょうか。
(答)私はずっとこの1年、公共事業というもののあり方を長期的にマクロ経済の中でも位置付け、そして本当に今年の災害やあるいは首都直下や南海トラフの地震と、現場を回ってみますと、どういうふうにこの津波に対処するかというハードということ以上に、例えば(高知県)黒潮町にこの間も行って来ましたが、34メートルも(津波が)来るということで、町の人はみんなもうだめだと諦めていると、それを町長さんが役場の人と一緒になって小単位でずっと懇談して歩いて、1万2千人の町でありますが、延べにしますと2万人と対話をしてこの場で生きていこうというふうになったと、その上で、それは逃げるというソフトの具体的なことが主軸になったと、だけどそれだけではとても足りない、やはり普通の所はハードがあってソフトということを考えがちですが、もっと切羽詰まったところにいくと、ソフトでということで懸命にいっても、尚かつやはりハードが必要だということで、せめてここだけはしなくてはいけないという、いくつかの具体的な項目ということで、真剣に格闘をしているということを目の当たりにしました。
あるいは全国の災害、土砂災害で亡くなるということが今年も多かった訳です。
あるいは、台風の中でも京都市やあるいは山口県、島根県、秋田県、そして岩手県、それぞれのところで、この土砂崩れとか水防ということについては、ものすごく大事です。
そこで孤立しないということの道路の必要性とかそういうことを、すごく感じました。
そういうことを目の当たりにすると、私は優先順位というものはあると思います。
公共事業を守れなどと私はずっと申し上げてきた訳ではないです。
命を守れ、地域を守れと、地域で生活している人を守らなくてはいけないということに、もっと危機感を持ってやらなくてはいけないと私は思っておりますから、自ずからそうした優先順位というものと切迫感というものを持って、予算を遂行したいと。
ものすごく渋滞で何とかならないかということは非常に多いです。
ただ、制約の中でそれがなかなか出来ないと、むしろそういう状況にあると、よく中身を吟味してということには常に心をくだいて私はやっていきたいと思っているところです。

(問)5.5兆円の経済対策の中に、自動車取得税の減税が盛り込まれていない、要するに財源の措置がされていない訳ですけども、これは国会が今日閉まり、通常国会しかないという中でいうと、消費増税の段階で自動車取得税3パーセント減税は無いという理解でよろしいでしょうか。
また混ぜっ返しの余地はあるのでしょうか。
(答)自動車取得税については御承知のとおりで、二段階で引き下げて、消費税10パーセントの時点で廃止すると、消費税8パーセントの段階ではエコカー減税の拡充などグリーン化等を強化するということできています。
これが基本的な考えでこの中で税制改正等々がこれから本格的に特に与党の税調の中で論議をされていくのだというふうに承知しています。

(問)通常国会でしか法律改正出来ないということは、(来年4月の消費税増税に)実質的に間に合わないという可能性が高いということではないんですね。
まだ間に合うということですか。
(答)ここは当然、これから通常国会で来年度ということについて、日切れの法案とか色んな法案で常に税制改正というのは12月に策定して、少なくとも4月前には税制改正は予算とあわせて成立をさせていただきたいというのが政府の基本的な考えです。

(問)大臣としては、国土交通省としては消費税8パーセントの段階で自動車取得税3パーセント減税はやりたいとお考えですか。
それとも、まあそれなりでいいとお考えですか。
(答)私は、今私が申し上げた文言通りということを基本として与党間の協議を見守りたいと思っています。

(問)JR北海道の問題ですが、国土交通省の特別保安監査の進捗状況について、新たに改ざんした部署が確認されたとか、あるいは上部組織の関与、JR北海道が改ざんを確認した以外の部署で国土交通省の監査で(改ざんが)確認されたということはありますでしょうか。
(答)全体的には一点だけです。
昨日までの調査で新たに室蘭保線所管内の苫小牧保線管理室で改ざんが行われたことを国土交通省として確認をしたと、JR北海道は9箇所とこう言っておりまして、先般まで(国土交通省として)8箇所までは確認したということを報告しましたが、9箇所全て国土交通省としても確認をしたということになります。
引き続いて改ざんが確認されていなかった、JR北海道でも(改ざんを)確認していないという箇所についても、複数の現場も含めて抜き打ちの調査をさせて頂いており、あわせて改ざんが行われた背景や動機も含めて、そこは再発防止ということで極めて重要なものでありますので、全体像の解明を行っているということでございます。
現在、引き続いて特別保安監査を行っていますが、現時点では今後の見通しも含めてこの一点以外申し上げることはございません。

(問)甘利経済再生担当大臣が舌がんでかなり痛い病気らしいですが、今日閣議で閣僚から甘利大臣についての話は出ましたでしょうか。
(答)ございません。

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